ブリッジレポート
(4323) 日本システム技術株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(4323)日本システム技術 vol.6

(4323:東証2部) 日本システム技術 企業HP
平林 武昭 社長
平林 武昭 社長

【ブリッジレポート vol.6】2009年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期は、営業利益、経常利益、四半期純利益すべて赤字となった。しかし、事業の性質上、同社の収益は3月末と9月末に偏重する傾向があり、・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年8月12日掲載
企業基本情報
企業名
日本システム技術株式会社
代表取締役社長
平林 武昭
所在地
〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-7
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 10,705 931 945 426
2007年3月 9,711 389 405 138
2006年3月 7,917 111 125 605
2005年3月 8,189 522 502 319
2004年3月 7,767 540 537 67
2003年3月 7,064 676 635 194
2002年3月 6,939 658 606 181
2001年3月 6,285 834 814 282
株式情報(7/31現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
760円 5,035,153株 3,827百万円 11.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25円 3.3% 95.33円 8.0倍 782.63円 1.0倍
※株価は7/31終値。発行済株式数は直近第1四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
日本システム技術の2009年3月期第1四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
ソフトウェアの受託開発(08/3期売上構成比69.8%)、教育機関向け業務パッケージの開発・販売(同18.1%)、及び情報システム関連機器等の販売(同12.1%)を行っている。
 
<沿革>
設立は、1973年3月。JAST(同社)の特徴である教育機関向け業務パッケージには、90年代前半から取り組んでおり、94年10月に学校事務支援統合システムパッケージソフト「GAKUENシリーズ」の販売を、98年8月に大規模大学向けERP「GAKUEN REVOLUTION(学務)」の販売を、2000年2月に学校関係者間の情報ネットワークを実現する統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」の販売を、それぞれ開始。01年11月のジャスダック上場を経て、03年2月に東証二部に株式を上場した。
 
<特徴>
 
大学向け経営改革ソリューションとして提供している統合業務パッケージは、94年10月の発売以来、250余校への導入実績を有し、文教マーケットにおいて高い評価を受けている。

特徴は、大規模な総合大学から小規模の短期大学に至るまで、主要業務を全方位でカバーしているため、パラメーターの設定だけで大学個々のニーズに柔軟に対応できる事。つまり、カスタマイズの必要がないため、ユーザーは導入時及びその後の運用・メンテナンスに関わるトータルコストを削減する事ができる。なお、1案件あたりの導入金額は数10万円~数億円と、導入規模により広範囲にわたる。

少子化問題への取り組み戦略のひとつとして、大学各校は優秀な学生を確保するべく、学生向けサービスや経営品質の向上に取り組んでいる。しかし、全国に約1,200校あると言われる大学・短大の大半がメインフレーマー等による手作りのシステムやカスタマイズを前提としたパッケージを使っているという。品質・価格両面での優位性から競合は少ないようで、販売拡大の余地は大きいと思われる。現在20%のシェアを、早期に30%に引き上げたい考え。
 
 
 
 
大阪と東京の2本社制を敷いており、早くから海外に開発拠点を展開している事も特徴。また、2006年8月には、大学向けマーケットを中心とする文教分野での業容拡大を図るべく、首都圏の大規模大学を中心に、システム機器等の販売で実績のあるアルファコンピュータ(株)の全株式を取得した。これにより、パッケージ、情報機器及びネットワーク等を一貫して提供する大学向けSI(システム・インテグレーション)事業の大規模展開が可能となった。
 
2009年3月期第1四半期業績
 
<連結業績>
 
当第1四半期における、同社グループの業績は、売上高19億57百万円(前年同期比9.3%減)、営業損失6百万円(前年同期の営業損失50百万円)、経常損失1百万円(前年同期の経常損失45百万円)、四半期純損失34百万円(前年同期の四半期純損失53百万円)と、前年同期と比べ、売上が若干の減少であったのに対し利益指標では軒並み損失幅を縮小し、全体では概ね当初想定した業績状況となった。

(同社グループの四半期業績の特性)
同社グループの事業であるソフトウェアの受託開発及びパッケージ並びにシステム機器販売の特異性とて、顧客の検収時期が多くの企業の会計期末にあたる3月に大きく集中し、次いで第2四半期末に当たる9月に集中する傾向がある。
したがって、同社グループの第1、第3四半期の収益は、第2、第4四半期と比較して相当に少額となる特色がある。また、上期(4月から9月)と下期(10月から3月)では、下期の収益の比率が高くなる傾向がある。ちなみに、当第1四半期の売上高が通期予想売上高に占める割合は16.3%となっている。
 
<事業の種類別セグメント動向>
 
(ソフトウェア事業)
ソフトウェア事業(受注ソフトウェアの個別受託開発)は、当第1四半期は、前年度下期に発生した携帯電話組み込みシステム関連の受注規模縮小への対応として、他分野への技術シフト等の施策を進めており、新たな技術分野における本格稼動前の状況であったことから、売上高13億65百万円(前年同期比7.7%減)、営業利益30百万円(同70.3%減)と減収、減益の結果となった。

(パッケージ事業)
パッケージ事業(学校業務改革パッケージの販売及び関連サービス)は、新製品「UNIVERSAL PASSPORT EX」、「GAKUEN REVOLUTION EX」等の各シリーズの拡販が本格化し、導入支援やEUC(End User Computing:パッケージの周辺システムの受託開発)等の関連サービスも同時に順調に売上を拡大した。その結果、売上高は3億55百万円(同136.0%増)、営業利益25百万円(前年同期の営業損失1億6百万円)と、引き続き堅調な業績を維持することができた。


(システム販売事業)
システム販売事業(IT機器の販売及び情報通信インフラの構築)は、前年の第1四半期の売上に寄与した学生向けPC(パーソナルコンピュータ)販売の大型案件が当期には見込まれていなかったこと等により、売上高2億36百万円(前年同期比55.2%減)、営業損失65百万円(前年同期の営業損失50百万円)となった。
 
<財政状態>
 
当第1四半期末における流動資産の残高は55億円(前年度末比3億54百万円の減)となった。これは主として、前年度末の売上案件の入金に伴う売掛金の減少並びに当年度期中における開発案件の仕掛品増加等の増減の結果。また、固定資産の残高は18億9百万円(同72百万円の増)となった。これは主として、投資有価証券の取得によるもの。
流動負債の残高は20億87百万円(同97百万円の減)となった。これは主として、仕入に係る買掛金の減少並びに賞与引当金の月次計上に伴う期中増加等の増減の結果によるもの。また、固定負債の残高は14億3百万円(同20百万円の減)となった。これは、長期借入金の返済に伴う減少並びに役職員の退職関連の引当金の増加等の増減の結果によるもの。
当第1四半期末における純資産の合計残高は38億20百万円(同1億63百万円の減)となった。これは主として利益配当金の支払によるもの。
 
<キャッシュフロー>
 
当第1四半期末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいう。)の状況は、期首の資金残高19億円より40百万円増加し、19億41百万円となった。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおり。
営業活動によるキャッシュ・フローは、4億12百万円の収入となった。これは主として、売上債権の回収、賞与引当金の期中計上及び前受金の期中増加に伴う資金増加と、仕入債務の減少、仕掛品等たな卸資産の期中増加並びに法人税の支払等に伴う資金減少の差引きの結果。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1億88百万円の支出となった。これは主として、定期預金への預入れ増並びに投資有価証券の取得によるもの。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億77百万円の支出となりました。これは主として、利益配当金の支払い並びに長期借入金の返済によるもの。
 
2009年3月期業績予想
 
<連結業績>
業績予想は期初予想(07年5月13日発表)から修正はない。
 
 
情報サービス業は、経済産業省の特定サービス産業動態統計において、2008年1月から5月まで5ヵ月連続で売上高の前年同月比がプラスとなり、ここまで比較的堅調な状況を維持していたが、先行きを示す日銀短観の今年度設備投資計画(ソフトウェアを含む)では中堅及び中小企業部門で悪化傾向を示している。

このように、先行き厳しさが予想される環境下だが、同社グループは、年度重点施策の実行に徹することを通じて当初計画の達成を図る所存であり、事業別には以下のとおりとなっている。

ソフトウェア事業は、工程管理技術の向上による不採算案件の防止、協力会社技術者の安定的確保といった従来からの施策はもとより、受注環境の急変に対応するための機敏な技術転換並びにコンサルティングSEの育成等の新たな戦術も加え、底堅い業績推移を狙う。
パッケージ事業は、文教マーケットにおける強いブランド力を武器に、新製品の拡販を強力に推し進め、足下の好調な業績推移を通期にわたって維持したく考えている。
システム販売事業は、大型案件を着実に受注しつつ、システムエンジニア部門の強化によって高付加価値案件の拡大を図る。
 
取材を終えて
第1四半期は、営業利益、経常利益、四半期純利益すべて赤字となった。しかし、事業の性質上、同社の収益は3月末と9月末に偏重する傾向があり、第1四半期の収益低迷は今期に限ったことではない。前期も第1四半期は赤字だったが、第2四半期までの累計で黒字に転換しており、今期も第2四半期の巻き返しに期待したい。