ブリッジレポート
(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 社長
小林 徹 社長

【ブリッジレポート vol.25】2008年12月期中間業績レポート
取材概要「これまで売上が計画未達となる事が多く、同社では、この原因を「開発のスピードの遅さ」、「開発力・企画力の弱さ」にあると認識していた。こう・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年8月19日掲載
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
事業内容
赤外線を応用した防犯・自動ドア・民生・産業用の各種センサ専業、トップ級
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(8/7現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,150円 16,957,803株 19,501百万円 13.4% 100株
  配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
40.0円 3.5% 123.84円 9.3倍 1,108.73円 1.0倍
※株価は8/7終値。発行済株式数は直近中間期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
オプテックスの2008年12月期中間決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサ大手。世界でもトップクラスのシェアを有する屋外用センサ等の防犯用製品、自動ドアセンサ、環境関連製品等を製造・販売。子会社を通して産業機器用センサの分野にも展開している。
1979年に設立され、その翌年には、世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発。創業以来信頼性の高いセンサシステムを提供してきた。98年にはデジタル監視カメラシステム「Wonder Track」を発売し、画像関連分野に参入。2004年には、客数情報システム、来場者計数装置、駐車台数管理システム及び警戒管理、防犯システム等を手掛ける技研トラステムを子会社化。2005年には交通関連事業に進出する等、業容拡大を続けている。
 
<事業内容>
事業は、防犯事業、自動ドア事業、産業機器事業、環境関連事業、交通関連事業、生産受託事業その他に分かれる。
 
防犯関連事業
主な製品は、屋内外で使われる各種センサ、ワイヤレスセキュリティシステム、画像記録システム等。屋外用センサでは、世界でもトップクラスのシェアを有し、近年では、デジタル画像技術・通信技術等を活かした製品開発にも取り込んでいる。
 
自動ドア関連事業
主な製品は、無目付け用センサ、シートシャッター用センサ、ワイヤレスタッチセンサ等。世界で初めて自動ドア用センサを開発した同社だが、近年では、画像センシング技術の活用により、ドアの自動開閉だけでなく、入退室者の管理や来店者数カウントなど人の動きを分析できる製品も供給している。
 
産業機器関連事業
連結子会社 オプテックス・エフエー(株)の事業領域。人体用センサだけでなく、物体検知用各種センサにも注力しており、ポータブル型や据置型の非接触温度計、カラービジョンセンサ、レーザ変位センサ等を手掛けている。特にCCDカメラ・液晶モニタ・操作部が一体となった世界初のカラービジョンセンサ「CVSシリーズ」は現場ニーズに即して開発した製品で独自性が高い。
また、近赤外線を利用した水の透明度自動測定システムを開発し、そのノウハウを活かした透視度センサ等も供給している。
なお、当期より従来別記していた環境関連製品事業を含んで産業機器関連事業としている。
 
交通関連事業
危険な瞬間を記録する「ドライブトレーナー」がこの事業の主な製品。創業以来培ってきた画像技術及びセンシング技術を応用し、2005年にこの分野に参入した。「ドライブトレーナー」は、交通事故時の映像を録画するだけでなく、日常的に運転履歴を蓄積できる新しいカテゴリーの製品である。
 
 
2008年12月期中間決算
 
 
前年同期比6.0%の減収、同40.5%の営業減益。
国内外での住宅着工の落ち込みに円高も加わり主力の防犯関連事業の売上が減少する中、中長期期な成長力を確保するべく取り組んだ積極的な開発投資が負担となった。販管費の増加は研究開発費と人件費の増加によるもので、研究開発費は851百万円と187百万円増加、また、6月末の開発技術者は100名と前年同期に比べて30名増加した。為替レートは、ドルが104.92円(前年同期120.1円)、ポンドが207.16円(同236.73円)。
期初予想との比較では、防犯関連事業が9億円弱の売上未達となった事が響いた。販売面での苦戦を踏まえて販管費を抑制したものの、売上総利益の落ち込みをカバーできなかった。

主要セグメントの売上高は、防犯関連事業が前年同期比12.3%減の5,042百万円(計画5,910百万円)。このうち国内は同26%の減収。大口顧客の選択と集中を進めた影響で、警備会社向けの画像製品機器や侵入検知器の販売が一時的に減少した。海外は、急激な円高の影響で、欧州(ポンド安)が同5%、米国が13%、それぞれ減収となった。

自動ドア関連事業は、同0.6%増の2,670百万円(同2,770百万円)。このうち国内は同4%の減収。客数情報システムの売上が増加したものの、前年に施行された改正建築基準法の影響を受け、自動ドア用センサの売上が減少した。欧州は関連会社であったセキュマティック社(SECUMATIC B.V.オランダ)を連結子会社化した事で同53%の増収。米国は代理店の在庫調整の影響で同14%の減収となった。

産業機器関連事業は、同3.9%減の2,018百万円(同2,230百万円)。欧州で光電センサが堅調に推移したものの、国内が景気減速による設備投資抑制の影響を受け同8%の減収。ただ、前期に投入したマルチ画像センサの代理店教育が進んでおり、引き合いが増加傾向にある。
 
2008年12月期業績予想
 
 
前期比3.8%増収、同8.7%営業減益予想。
引き続き研究開発に注力するものの、選択と集中により経費圧縮に努める他、防犯関連事業において海外市場向け新製品の投入が予定されている事、米国でのセキュリティ関連のプロジェクトの寄与が見込まれる事、更には一時に比べて円安傾向にある事等から、下期は増収・増益に転じる見込み。
為替レートの前提は、ドルが104.96円(前期117.84円)、ポンドが206.08円(同235.81円)。
 
 
今後の取組み
 
 
成長軌道への回帰に向けて、新製品の投入等で既存事業のテコ入れを図ると共に、新規事業の創出やサービス事業の拡大で成長を加速する考え。
 
1.既存事業の強化
(1)防犯関連事業  屋外に注力
主力の防犯関連事業において、成熟した屋内市場から年率20%程度の成長が見込まれる屋外市場に軸足を移す。
アラームモニタリング市場のセンサ成長予測によると、2007年から12年にかけて、屋内市場が年率5.5%の成長見込みであるのに対して、敷地外周は同14.5%、建物外周は21.8%の成長が見込まれている。現在の同社シェアは、屋内市場において12%だが、敷地外周でのシェアは30%、建物外周は40%のシェアを有する。屋外に注力する事で、12年にかけて、敷地外周、建物外周共に40%以上にシェアを引き上げたい考え。
 
 
また、ワイヤレス化を図り、施工コストの削減に配慮した製品開発を進めると共に、ランニングコストの削減にも配慮した製品開発に取り組む。
 
 
(2)自動ドア関連事業  海外強化
欧州及び米国の販売拠点を強化すると共に、世界的なドア周辺の安全に対する意識の高まりに対応した検知密度の高密度化やガイドレール上の検知機能を強化した製品の開発を進める。また新規ビジネスとして、入退室管理に続く二次セキュリティ対策の広がりにより市場が拡大中の「共連れ検出システム」に引き続き注力する考え。納入先は、高度なセキュリティレベルを求められるデータセンター、印刷関連、工場、オフィス等を想定している。

尚、販売拠点の強化については、既に説明した通り欧州において、セキュマティック社を連結子会社化した。同社を中心に、従来からのドアセンサに加え、客数情報システム、共連れ検出システム、店舗マネジメントシステム等の販売を強化する。また、米国では東西2拠点でサポート体制を強化した。
 
 
(3)産業機器関連事業  コア(汎用)を固めて新規(画像)で伸ばす
主力製品群である汎用光電スイッチの販売に加え、画像処理システム分野への本格進出を図る。画像処理システム分野では、8月に検出体の高さや厚み等の寸法測定が可能な超高精度レーザ変位センサを発売。同センサは0.2ミクロンと言う、このクラスの製品では最高水準の分解能を誇り(従来機の5倍のスペックを実現)、業界初の3ヘッドマルチ演算機能の搭載により多点計測をアンプユニット1台で行なう事ができる。また、アンプユニットを介さずに制御可能な事から、センサヘッド単体でも測定が可能。自動車、電機・電子、半導体業界等をターゲットとしている。
 
 
この他、画像処理システム分野の拡大に向けて、カスタマイズ開発の強化、他社との協業による商品群・販路の拡大、更には欧州・アジア地域での販促強化にも取り組んでいく考え。
 
2.新規事業の創出
(1)カメラ制御分野
監視・防犯・モニタリングカメラとして市場が拡大しているPTZ Camera(Pan Tilt Zoom Camera:首振りズーム機能の付いたカメラ)のカメラコントロールセンサに注力する。カメラをセンサとの連動にする事で、センサが検知したエリアの方向をタイムリーに撮影できる他、トータルのカメラ台数を削減できる。09年には、世界初の2次元のスキャニングで場所を特定できる製品を投入する予定。
ターゲットは、欧州のLVR(ローカル・ビデオ・レスポンス)市場で、具体的には、空港、発電所、携帯基地局等。位置検出が可能なセンサ技術で差別化を図る考えで、この下期にカメラメーカーやシステムインテグレーターと販売コンソーシアムを編成し、欧州での販売を開始する。来09年には新製品投入や代理店網の構築を進め、欧州での販売を軌道に乗せる。3年後に20億円規模の事業に拡大させ、カメラ連動用センサ市場でシェアNo.1を目指す。

尚、07年に150億円(6.5万台)だったPTZ Cameraの世界市場は、11年に300億円(13万台)に拡大すると見られている。
 
(2)照明制御分野
社会貢献にもつながる環境配慮型の照明制御システムの提供に取り組む。防犯用屋外センサで培った技術・強みを屋外照明のセンサ制御に生かすもので、具体的には、必要に応じて照明をオン・オフするセンサシステム等のアプリケーション開発を進めると共に、ワイヤレス化を図る。つまり、必要な時に点灯し、必要がなくなると消灯するセンシングシステムで省エネに貢献。また、ワイヤレス化で施工の負担軽減にも配慮する。屋外照明の10%をセンサ連動にする事が中期的な目標である。
尚、世界の制御機器を含む照明機器市場規模は8兆5,000億円(屋外照明市場は、このうちの10〜15%)で、照明制御機器の市場規模は8,400億円と言う。
 
(3)3次元画像センシング技術
CANESTA社(米国)の画像チップを活用し、屋外でも使用可能な「3次元画像センシング技術」を確立し、今後5年以内に20〜30億円の事業規模を目指す。「3次元画像センシング技術」を用いると、立体形状、移動方向、位置関係、物体の凸凹、距離情報、スピード、運動特性、体積・面積等、数多くの情報をリアルタイムで瞬時に認識できる。
アプリケーション事例としては、人間型ロボットの目(対象物の正確な空間位置情報の測定)、2輪・4輪・大型車判別センサ、ビット内の残量検知、搬送用自走車輌等を挙げる事ができ、ゲームの入力用デバイスとしての活用も考えられる。
 
 
(4)サービス事業
ハード販売にとどまらず、遠隔モニタリングサービスによるサービス事業の拡大にも努める。今期中には、RVR(遠隔画像モニタリング)を活用した店舗マネジメント支援システムが、衣料チェーンやドラックチェーンといった多店舗展開をしている様々な業界に試験導入をされる。このサービスは、来店者数カウントに加え、センシング画像による店舗内での来店客の動きや売り場の観察が可能。この情報を活用する事で、売上増、コスト削減につながる効果的な店舗運営を支援する。また、屋外外周警戒等でのRVRの契約も増加中である。
 
取材を終えて
これまで売上が計画未達となる事が多く、同社では、この原因を「開発のスピードの遅さ」、「開発力・企画力の弱さ」にあると認識していた。こうした反省に加え、中長期的な成長力を確保する意味も含めて、前期から開発者を増員し研究開発を強化している。
このため、この中間期は厳しい決算となったが、今後の取り組みとして示された各施策は興味深い。既存事業においては、高い成長が見込める屋外センサの強化。新規事業では、市場が拡大しているPTZ Cameraのカメラコントロールセンサ(センサが物体を検知した方向をカメラが向く)、必要に応じて点灯・消灯を行なう省エネ配慮の照明制御、立体感のある画像情報を得る事ができる3次元画像センシング技術。更には、安定収益源として期待の高まる遠隔モニタリングサービス等。センシング技術への興味は尽きない。
 
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