ブリッジレポート
(2317:東証1部) システムプロ 企業HP
逸見 愛親 社長
逸見 愛親 社長

【ブリッジレポート vol.1】2008年10月期第3四半期業績レポート
取材概要「05/10期、06/10期と、目標としてきた売上高経常利益率20%を割り込んだが、前期にほぼ20%を回復。第3四半期までの経常利益率は21.6%となった・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年9月16日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社システムプロ
社長
逸見 愛親
所在地
横浜市西区みなとみらい 2-2-1
事業内容
携帯電話向けソフト開発・技術支援が柱。携帯電話とWebサイトの連動ビジネスにも展開
決算期
10月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年10月 7,930 1,595 1,555 849
2006年10月 5,917 961 967 602
2005年10月 4,180 717 691 561
2004年10月 3,093 677 643 391
2003年10月 2,461 516 511 280
2002年10月 1,940 398 380 196
2001年10月 1,524 180 175 93
株式情報(9/4現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
50,500円 223,523株 11,288百万円 17.7% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,400円 4.8% 5,318.92円 9.5倍 21,314.61円 2.4倍
※株価は9/4終値。発行済株式数は直近中間期末の発行済株式数から自己株式数を控除。
 
システムプロの2008年10月期第3四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
<概要>
移動体高速データ通信システム事業(旧モバイル・ネットワーク事業)と情報システムサービス事業(旧ネットワーク・ソリューション事業)を展開している。

移動体高速データ通信システム事業では、主に携帯電話向けのファームウェアの開発・評価を行っている。中でも、メール機能、ブラウザ機能は、開発実績が多い同社の得意分野。また現在、携帯電話が多機能化するにつれて、マルチメディアプレーヤー機能やデジタルテレビ機能、GPS機能などのニーズが高まっており、これらは新たな得意分野となってきている。今後は携帯電話への選択と集中から、同社が得意とする「データ通信系のファームウェア」を機軸にLTE、WiMaxなど次世代高速データ通信への取り組みを強化し、次世代端末や基地局の開発・評価業務に全面展開していく。

情報システムサービス事業では、企業の情報システムの開発を行っており、ポータルサイトの開発を得意としている。企業向け、モバイル向け、セキュリティ、ポータルサイト、品質保証支援の5つの分野においてソリューションを提案している。今後は独自営業ルートによるこれらのWebシステム開発への選択と集中から、カテナ株式会社との協業により、コンサルティングから機器調達、基盤構築、システム導入支援、保守運用サービスまで情報システム全般のソリューションサービスをエンドユーザーに対してOne Stopで提供していくSIerへの転進を図っていく。
 
<沿革>
1983年3月、資本金200万円にてヘンミエンジニアリング株式会社を設立、マイクロコンピューターのソフト開発をメインに事業を開始。
1984年2月、株式会社システムプロに商号変更。
1988年、日本初の対戦型オンラインゲーム「麻雀クラブ」の開発に成功。
1996年、通信系ファームウェアの業務知識を活かし、移動体端末ソフト開発部隊を編成。PHS開発、PDC開発。
1997年、インターネット上でのオンラインゲームサイトを構築、サービスを開始。
2000年、モバイルコンピューティングの需要拡大に伴い、ネットワーク・コミュニケーション・グループ内に携帯電話向けコンテンツ開発販売チームを編成。
2002年8月、大阪証券取引所ナスダックジャパン市場に上場。
2003年、新規事業「モバイル・ソリューション」立ち上げ。第1弾商品として、NIコンサルティング社と協業し、SFA(営業支援)パッケージソフトウェアと連動したモバイル機能付TV会議システムを実現。
2004年11月、東京証券取引所市場第二部に上場。
2005年10月、東京証券取引所市場第一部に指定替え。
2007年2月、カテナ株式会社と資本・業務提携(持分法適用関連会社化)。
2007年12月、カテナ株式会社の増資引受けにより、出資比率が29.8%から35.9%へ増加。
 
<事業戦略は「選択と集中」>
専門分野に特化し、自らの得意分野を選択し、経営資源を集中させ、一点突破全面展開して行くこと、これが同社の戦略。このような事業戦略にしたがって、取り組むべき事業を3つに絞り込んでいる。

1つ目は、ユビキタス社会に欠かすことのできない、持ち運び自由で、今や生活必需品となった携帯電話に組み込まれる移動体通信技術に特化したモバイル・コミュニケーションの分野。
2つ目は、不特定多数の人々の情報が瞬時に行き交うユビキタス社会では欠かすことのできない、大規模データベース連動型Webサイトの構築とセキュリティ技術を核にしたネットワーク・ソリューションの分野。
3つ目は、お財布代わりの携帯電話や地上波デジタルを利用したワンセグ放送の受信端末のような、ユビキタス社会の中でまったく新しいコンセプトで作られる情報家電、Net家電を創造するモバイル・ソリューションの分野。

このように同社が取り組む分野は、ユビキタス情報社会に向けて高い成長性が期待でき、全てにおいて中心的な商品やサービスとなっている。今後は選択と集中戦略によって創り出した同社の強みをさらに発展させ、独自のサービスやまったく新しい発想で作られる新コンテンツ・新商品を自ら創りだし、さらなる発展段階へ進んで行くとしている。
 
 
<経常利益率25%を目指す>
ソフトウェア開発業界においては、経常利益率は一般的に数%台とされている。こうした業界にあって、同社ではこれまで経常利益率20%台の確保を目標として業務に取り組んできた。ところが、ここ数年間はエンジニアの人材不足による人件費の上昇が大きなネックとなり、20%を割り込む事態となっていた。
同社は、ソフトウェア開発の全工程に携わっているが、その中でもとくに下流工程にフォーカス。グループ企業である株式会社ProVisionに下流工程を中核とする人材の確保・育成を活発化させると同時に、システムプロ自身も人材を活かすマネジメントや受注体制を強化、さらに品質検証工程の標準化などを徹底することにより、前年度は経常利益率ほぼ20%台の回復を実現した。今後3年間を目処に、グループ連結で経常利益率25%の達成を目指して事業戦略を展開していく方針。
 
2008年10月期第3四半期業績
 
<連結業績>
 
当第3四半期(2007年年11月1日−2008年7月31日)において、同社グループ(同社及び同社の関係会社)は、得意とする分野を選択し、そこに経営資源を集中して投下することで付加価値及び利益の最大化を図った。
このような方針のもと、モバイル・ネットワーク事業、ネットワーク・ソリューション事業ともに順調に推移した。その結果、売上高は前年同期に比べ27.0%増となった。
損益面は、付加価値が高く採算の良いエンドユーザーからの受注が順調に増えてきたこと、開発の効率化を推進することでコストの増加を抑えたこと、増床等の投資が当中間期までにひと段落したことなどにより、当中間期に比べて利益率が向上した。

以上の結果、当第3四半期における連結業績は、売上高6,909百万円(前年同期比27.0%増)、営業利益1,262百万円(前年同期比23.4%増)、経常利益1,493百万円(前年同期比48.2%増)、四半期純利益840百万円(前年同期比55.4%増)、単体業績は、売上高6,680百万円(前年同期比41.3%増)、営業利益1,335百万円(前年同期比51.5%増)、経常利益1,403百万円(前年同期比53.0%増)、四半期純利益774百万円(前年同期比48.2%増)となった。
なお、同社は期初に株式会社フラグシップを吸収合併している。
 
<事業部門別営業の概況>
(モバイル・ネットワーク事業)
モバイル・ネットワーク事業を取り巻く環境は、移動体通信キャリアに対する総務省の指導により、携帯電話端末の販売奨励金制度を見直し、割賦販売や期間契約による割引サービスを拡大させたことで買い替えサイクルが長くなっていること、次世代通信方式のスタートに向けての過渡期であることなどから、携帯電話端末の販売数は減退している。
これらの要因により移動体通信事業から撤退するメーカーも出てきている反面、特徴のある商品を開発することで順調にシェアを拡大しているメーカーもあり、移動体通信業界の選択と集中は更に進んできている。

この様な状況の中、移動体通信キャリアやシェアを拡大しているメーカーにおいても、設計・開発や品質検証業務の発注先に対する選択と集中を進めており、同業他社が移動体通信事業から撤退を余儀なくされる中、同社グループは、移動体通信に関して長年培ってきた経験と技術が高く評価され、受注を増やしている。
また、2011年のアナログ放送停波に向けて進んでいるデジタル通信関連のインフラ整備に伴う基地局の開発など、消費者と基幹ネットワークを結ぶ末端のインフラ整備に伴う高速データ通信関連の設計・開発及び品質検証業務が拡大し、同社グループの新たな強みとなってきている。

以上の結果、当第3四半期の当事業の売上高は4,543百万円(前年同期比37.9%増)となった。

(ネットワーク・ソリューション事業)
ネットワーク・ソリューション事業(大規模データベース連動型Webサイト開発支援事業)を取り巻く環境は、景気の後退に伴う設備投資の抑制が見られる反面、業務の一層の効率化や省エネルギー推進のためにITシステムの活用が進んできているほか、インターネットを使用した販売や消費者の囲い込みが一層浸透してきている。このため、同社グループが得意とする大規模ポータルサイトの開発やモバイルの技術を活かした携帯電話向けのモバイルソリューションの開発業務や品質検証業務への需要は引き続いて旺盛。

また、カテナ株式会社との連携強化により、カテナ株式会社のIT関連商品の法人向け販売先に対して当社が得意とするITシステムの提案営業を行った結果、新規顧客の獲得が順調に進んでおり、業務受注や引き合いも増えてきている。

以上の結果、当第3四半期の当事業の売上高は2,359百万円(前年同期比10.0%増)となった。

なお、2008年8月1日付で、モバイル・ネットワーク事業は移動体高速データ通信システム事業、ネットワーク・ソリューション事業は情報システムサービス事業に名称を変更した。

(セキュリティ事業)
セキュリティ事業(情報漏洩防止対策ソフトウェア開発・販売)は、連結子会社の株式会社トラスティッド・ポイントにおいて情報漏洩対策に特化したセキュリティパッケージの開発・販売・サポート事業を行ってきたが、事業環境の変化と競争の激化等により、事業採算面で厳しい状況が続き、今後も改善が見込まれないことから、これ以上の事業継続は困難であると判断し、トラスティッド・ポイントは2008年7月31日付で解散した。なお、当第3四半期の当事業の売上高は6百万円となった。
 
<財政状態>
 
当第3四半期における総資産残高は8,211百万円となり、前年度末に比べ63百万円の減少となった。この主な増加要因は、持分法適用関連会社であるカテナ株式会社の株式の追加取得に伴う投資有価証券の増加によるものであり、主な減少要因は、自己株式の取得に伴う現金及び預金の減少によるもの。

当第3四半期における負債残高は3,355百万円となり、前年度末に比べ63百万円の増加となった。この主な増加要因は、短期借入金の増加であり、主な減少要因は、法人税等の支払に伴う未払法人税等の減少によるもの。

当第3四半期における純資産残高は4,856百万円となり、前年度末に比べ126百万円の減少となった。主な増加要因は、当四半期純利益840百万円による利益剰余金の増加であり、主な減少要因は、配当金の支払いによる利益剰余金の減少、自己株式の取得、その他有価証券評価差額金の減少によるもの。

これらの結果、自己資本比率は前年度末に比べ0.7ポイント減少し58.7%となった。
 
<キャッシュ・フロー>
 
当第3四半期における現金及び現金同等物は、前年度末に比べ942百万円減少し、1,154百万円となった。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、税金等調整前四半期純利益1,398百万円、賞与引当金の減少174百万円、売上債権の増加96百万円、たな卸資産の増加38百万円及び法人税等の支払額804百万円等により、451百万円の収入(前年同期は634百万円の収入)となった。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、有形固定資産の取得による支出186百万円及び投資有価証券の取得による支出659百万円等により、917百万円の支出(前年同期は3,442百万円の支出)となった。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、短期借入金の増減額600百万円、長期借入金の返済による支出200百万円、自己株式取得による支出457百万円及び配当金の支払額419百万円により、477百万円の支出(前年同期は1,595百万円の収入)となった。
 
2008年10月期業績予想
 
<連結業績>
08/10期通期の業績予想は、08年6月5日に発表した前回予想を修正した。
 
 
携帯電話買い替え需要長期化の影響や、企業の設備投資抑制の影響があるなか、選別受注を徹底した結果、売上高は前回公表の業績予想を若干下回る見込みとなった。
利益重視の経営方針により、情報システムサービス事業においては、プロジェクトマネジメントの強化を徹底し、業務の生産性向上を図ったことや、不採算事業からの撤退などにより、利益率が向上する見込みとなった。また、移動体高速データ通信システム事業は、収益性の高い高速デジタル通信関連のインフラ整備に伴う開発業務を積極的に受注するなど、更なる利益率向上に取り組んだ結果,営業利益および経常利益、当期純利益は前回公表の業績予想を上回る見込みとなった。

これらの結果、連結業績予想は、売上高は9,556百万円(前期比20.5%増)、営業利益は1,780百万円(同11.6%増)、経常利益は2,088百万円(同34.3%増)、当期純利益は1,201百万円(同41.5%増)となる見込み。
 
取材を終えて
05/10期、06/10期と、目標としてきた売上高経常利益率20%を割り込んだが、前期にほぼ20%を回復。第3四半期までの経常利益率は21.6%となった。3年後を目処に25%を目指しているが、利益成長は再び軌道に乗ってきたようだ。期初における今期通期の売上高予想は11,080百万円。直近の予想は9,556百万円。14%の下方修正となっている。一方、経常利益は期初予想の2,101百万円に対し直近予想は2,088百万円と微減にとどまっている。同社の利益に対する目標意識の高さが窺える。
携帯電話端末の販売数が減少するなど、同社を取り巻く事業環境は必ずしも順風ではない。その中で受注を増やしている同社は、業界の勝ち組と位置づけることができよう。また、2011年のアナログ放送停波に向けてのビジネス拡大なども見込まれることから、中期的な成長を期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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コメント

競争相手が多い中順調に営業利益を伸ばしているのでいいと思います。
携帯電話ビジネスはデジタル化が進む中でこれからもますます需要があると思うので期待できると思う。
セキュリティや競争相手が多くまた収益が上がらない分野の早期撤退も目の付け所がいいと思います。
市場調査やコスト削減への取り組みを考えよりよいサービスをしてほしいです。
また福祉関連にも携帯サービスの展開を期待しています。

投稿者 S.K. : 2008年09月26日 12:56

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