ブリッジレポート
(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション 企業HP
荻野 芳朗 社長
荻野 芳朗 社長

【ブリッジレポート vol.3】2009年2月期中間決算業績レポート
取材概要「通期の営業利益は大幅な増益が見込まれるものの、これは前期の下期が悪過ぎたため。下期も浅漬け・惣菜等の製品をけん引役に売上の伸びが見込ま・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年11月18日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ピックルスコーポレーション
社長
荻野 芳朗
所在地
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3
事業内容
漬物業界1位、シェア約4%。セブン&アイ向け約6割。地方スーパー、生協などに拡大中
決算期
2月末日
業種
食料品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年2月 17,870 286 373 205
2007年2月 16,775 293 355 218
2006年2月 16,563 158 205 -37
2005年2月 18,186 74 146 144
2004年2月 18,038 268 285 99
2003年2月 18,047 101 98 36
2002年2月 16,542 548 514 230
2001年2月 16,895 302 287 266
株式情報(10/24現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
301円 6,394,774株 1,925百万円 4.1% 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
10.0円 3.3% 27.78円 10.8倍 803.39円 0.4倍
※株価は10/24終値。発行済株式数は直近中間期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ピックルスコーポレーションの2009年2月期中間決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
浅漬・惣菜の製造・販売及び青果物・漬物等の仕入販売を行なっている。「野菜の元気をお届けします」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表している。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜が中心で保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、更にはHACCP、ISO9001の取得や5S活動に取り組む等、「安全な食へのこだわり」は強い。

資本関係では、「きゅうりのキューちゃん」の東海漬物(株)が株式の49.6%を保有するが、販売、仕入ともに依存度は低い。08/2期は東海漬物(株)からふる漬等の仕入を行なったが、商品の5.5%を占めるにとどまった。むしろ同社を語る上で忘れてならないのが、セブン&アイ・ホールディングス(3382)。08/2期は同グループ向けの売上が全体の55%を占めた。

08/2期の品目別売上構成は、製品売上が50.3%(浅漬け39.7%、惣菜7.8%、ふる漬け2.8%)、商品売上が49.7%(漬物41.2%、青果物8.5%)。また、販路別では、量販店51.8%、コンビニ25.5%、外食・その他22.7%。
 
 
 
<沿革>
漬物・佃煮の製造・販売を目的に1977年2月に設立され、同年12月にセブンイレブンと取引を開始した。現在の主力商品である浅漬けの製造を開始したのは82年4月。92年12月にイトーヨーカ堂と93年5月にデニーズと取引を開始した。93年9月には商号を(株)ピックルスコーポレーションに変更し、01年12月にジャスダック市場に株式を上場した。全国に広がる生産・物流ネットワークも同社の特徴で、現在、製造は所沢、所沢第二、千葉、湘南、大宮、宮城、福島、中京の国内8拠点、所沢工場に隣接する物流管理センターでは、梅干など商品の仕入れ・在庫管理・出荷も行なっている。
 
 
<漬物市場の規模>
漬物市場は約4,000億円と推定され、今後も安定的な推移が予想される。ただ、量販店間の競争激化による製品の低価格化継続、プライベートブランド商品への対応、更にはふる漬けの国産原料需要の増加等で体力の無い小規模メーカーの淘汰と大手による寡占化の進行が予想される。実際、全日本漬物協同組合連合会の加盟企業は毎年100社前後減少しており、かつて2,000社を超えていた加盟企業が現在1,300程度にまで減少している。
現在、同社単独のシェアは約4.5%だが、グループでのシェアアップを目指しており、中期的には10%程度にシェアを引き上げたい考え。
 
 
2009年2月期中間決算
 
 
前年同期比6.2%の増収、同14.6%の経常減益。
中国産野菜を敬遠する動きが強まり、らっきょう、しょうが、梅干等の漬物(商品)の売上が減少したものの、国産野菜を使った浅漬、惣菜等の自社製品の売上が量販店向けを中心に伸びた。

利益面では、粗利率の高い製品売上高の増加、原料野菜の価格安定、更には労務費の削減等も進み売上総利益率が21.1%と0.4ポイント上昇、物流費や人件費等の増加による販管費の増加を吸収して営業利益は同10.1%増加した。ただ、受取配当金の減少や投資有価証券償還損33百万円を計上したため、営業外損益が悪化。加えて、固定資産除却損37百万円など特別損失40百万円を計上したため、中間純利益は同32.8%減少した。

尚、期初予想との比較では、商品販売の苦戦で売上高が予想を下回ったものの、製品売上の好調と野菜価格の安定で製品の売上総利益率が想定以上に改善、各利益段階で大幅な予想超過となった。
 
 
キャッシュ・フロー(CF)
営業CFは434百万円のプラス(黒字)となり、前年同期に比べて黒字幅が拡大(前年同期は340百万円のプラス)。投資CFは9百万円のマイナス。前年同期(334百万円のマイナス)に比べて、有形固定資産や投資有価証券の取得が減少した事でマイナス幅が大幅に縮小した。この結果、フリーCFは、425百万円のプラス。新規借入れの減少で財務CFは252百万円のマイナス(前年同期は52百万円のマイナス)となったものの、現金及び現金同等物中間期末残高は527百万円となり、前期末比173百万円増加した。
 
2009年2月期業績予想
 
<下期の戦略>
メーカーと商社機能を併せ持つベンダー機能、食の安心・安全への取り組み、全国を網羅した生産・物流体制、更には環境保全への取り組みといった同社の強みを活かし、惣菜製品やキムチ製品の拡充を図ると共に、既存得意先の深耕及び新規取引先量販店の開拓に取り組む。
 
(1)惣菜製品の展開
惣菜が順調に売上を伸ばしている。量販店惣菜売場向け製品の開発と提案を強化する事で、浅漬けに続く事業の柱に育てていく考え。
 
(2)キムチ製品の展開
こうちゃんの!幸せキムチ (08年9月発売)
契約農家から仕入れた国産の白菜を使用(100%)し、りんご、玉ねぎによる自然な甘味でまろやかに仕上げ、アミ塩辛をはじめ鰹や昆布の魚介の旨味が後を引く。増粘剤も使っていないため、舌触りもすっきり。素材の食感を堪能できるキムチである。
もちろん、保存料・着色料は一切使用せず、韓国唐辛子の自然な色合いが発酵により鮮やかな赤みへと変化していく。酸味料やpH調整剤を使用せず、キムチ本来の自然な乳酸発酵も特徴である。ただ、それだけに乳酸発酵が進むと酸味が強くなる。このため、発酵による酸味が苦手な方は賞味期限から1週間前ごろまでに召し上がって頂きたい。一方、本格的な発酵キムチがお好きな方は、賞味期限間近のものがお奨めだ。300グラム入りで、希望小売価格は480円。
尚、「こうちゃん」とは、「こうちゃんの簡単料理レシピ」シリーズ等の著者である幸せ料理研究家の相田 幸二氏。
叙々苑ミックスキムチ (08年8月発売)
大好評の「叙々苑キムチ」に続く第二弾。都内を中心に展開している高級焼肉専門店『叙々苑』の味を忠実に再現、これまで店舗でしか味わえなかったキムチを、家庭で堪能できる。
白菜、胡瓜、大根の3種の素材を一つのキムチとして融合させるべく、にんにく、生姜、りんご、アミ塩辛等を使用した独自調味レシピにて作成したヤンニョムを使用。まろやかな辛さとすっきりとした甘さが織り成す深いコクが独特の味わいを醸し出す。しかも、「叙々苑のキムチはサラダ感覚」というコンセプトを崩さず、素材本来の美味しさを追求した逸品。もちろん、保存料は使用しておりません!
260グラム入りで、希望小売価格は600円。
上記キムチ製品は、知名度向上と売上拡大を図るべく、発売以来、販売促進キャンペーンや広告宣伝活動を積極的に展開している。
 
(3)営業戦略
全国展開している量販店は、全店舗での同時発売が可能な供給体制を求めるが、そのためには全国をカバーする生産・物流体制が必要となる。しかし、現在、漬物メーカーでこうした要求に対応できるのは同社のみ。同社はこの強みを活かして、下記に示す営業戦略を進めている。
 
(4)製造・物流部門等
製造・物流部門において、契約農家の拡大や配送の効率化による製造・物流コストの削減に努めると共に、仕入先を含めた品質・衛生管理体制の強化に努める(グループ内では、HACCP認定、ISO9001認証の範囲拡大に取り組む)。また、管理部門においては、従業員教育(人材育成)の充実と職場環境(子育て支援体制等)の改善を図る。
 
HACCP認定、ISO9001認証の範囲拡大
HACCP認定工場 現状 : 千葉工場、湘南ファクトリー、大宮ファクトリー、中京工場
予定 : (株)札幌フレスト
ISO9001認証範囲 現状 : 本社、所沢工場・第二工場、物流管理センター、宮城ファクトリー、(株)八幡屋、茨城工場、(株)彩旬館、中京工場(08/5 拡大)
尚、HACCPとは食品衛生管理の方法で、同社は、(株)セブン イレブン・ジャパンに弁当や惣菜を納入しているメーカー等が加入している日本デリカフーズ協同組合のHACCP認定の取得に取り組んでいる。また、ISO9001とは、品質マネジメントシステムの国際規格。
 
(5)不採算部門改善への取り組み
 
不採算部門改善への取り組みも進んでおり、今09/2期は(株)札幌フレストが黒字転換する見込み。来10/2期には、中京地区、東北地区の黒字転換が見込まれ、不採算部門が一掃される見込み。
 
(6)連結業績
 
前期比8.2%の増収、同4.4%の経常増益予想。
中国野菜離れ等で商品の苦戦が続くものの、量販店向けを中心に浅漬け・惣菜等の製品売上が伸びる。利益面では、物流費の増加等で販管費が増加するものの、増収効果と売上総利益率の改善による売上総利益の増加で吸収、営業利益は同27.8%増加する見込み。設備投資は247百万円(前期は224百万円)を計画、減価償却費の計画は343百万円(同344百万円)。
 
 
下期予想
 
中期経営目標
 
 
同社は、中期的な目標として、11/2期に売上高215億円、営業利益5億円の達成を掲げている。この目標達成に向けて、浅漬及び惣菜の量販店向け販売を強化する。具体的には、強みである全国ネットワークを活用してスーパーや生協向け販売の拡大に取り組むと共に、惣菜売場向け製品及びナショナルブランドの製品開発に取り組んでいく考え。また、関西地区に新工場を建設し、能力増強も図る。
 
 
取材を終えて
通期の営業利益は大幅な増益が見込まれるものの、これは前期の下期が悪過ぎたため。下期も浅漬け・惣菜等の製品をけん引役に売上の伸びが見込まれるものの、売上総利益率が上期の21.1%から19.3%に低下すると見ている。理由は、燃料価格(冬場は野菜栽培にも暖房が必要)や国産回帰による国産野菜の価格高騰等だが、予想外の価格高騰で苦戦した前年同期の19.1%に近い水準まで低下すると考えるのは極端過ぎるように思える。中間決算説明会ではその感触を掴む事ができなかったが、売上が順調であれば利益は上振れするのではないだろうか。金融不安に加え、不動産価格や株価の下落と、個人消費を取り巻く環境は厳しいものの、ボーナスが減ったために外食を控える人はいても、食卓の浅漬けやキムチを減らす人は少ないだろう。新製品の投入も怠りない同社にとって、景気悪化は、チャンスかもしれない。
また、中期的には、量販店間の競争激化による製品の低価格化、プライベートブランド商品への対応、更にはふる漬けの国産原料需要の増加等で体力の無い小規模メーカーの淘汰と大手による寡占化の進行が予想され、同社のビジネスチャンスが拡大しよう。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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