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ブリッジレポート:(6160)ソディックハイテック vol.3

(6160:大証ヘラクレス) ソディックハイテック 企業HP
渡貫 雄一 社長
渡貫 雄一 社長

【ブリッジレポート vol.3】2009年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「親会社ソディックによるTOB発表を受け、ソディックハイテック株はTOB価格にさや寄せする形で上昇。一方、発表翌日のソディック株は約9%下落と・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年12月2日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ソディックハイテック
社長
渡貫 雄一
所在地
横浜市港北区新横浜1-5-1
決算期
3月末日
業種
機械(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 16,410 1,147 1,106 659
2007年3月 15,587 892 777 616
2006年3月 14,229 1,017 1,016 570
2005年3月 13,416 881 905 583
2004年3月 5,621 292 298 266
2003年3月 0 0 0 0
株式情報(11/18現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
20,200円 132,325株 2,673百万円 23.2% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 5,070.85円 4.0倍 23,525.65円 0.9倍
※株価は11/18終値。
 
ソディックハイテックの2009年3月期第2四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
高速・高精度リニアモータ駆動小型マシニングセンタ(以下、ハイスピードミーリングセンタ)の製造・販売、放電加工機やミーリングセンタの周辺機器・消耗品の販売、メンテナンス、技術コンサルティング、及び金型・成形製品の製造・販売を行なっている。グループは、同社の他、研究や海外での製造・販売等を行う子会社4社(うち連結子会社2社)及び関連会社2社により構成されている

2003年2月、ソディックグループで分散していた放電加工機のアフターサービス、メンテナンス、消耗品関係・金型、成形加工を1つに統括する(株)ソディック・サービスセンターとして設立された。その後、ソディックの関連会社3社、更にマシニングセンタ部門を買い取り、同年8月、社名を(株)ソディックハイテックに変更、放電加工機関連機器及び工作機械の開発・製造・販売を開始した。05年12月、大証ヘラクレスに株式を上場。
現在、議決権の41.5%を東証2部に株式を上場するソディックが保有している。
2008年11月18日から12月16日まで、ソディックが1株40,200円でTOB(株式公開買付)を実施。ソディックハイテックはソディックの完全子会社化となり、上場廃止となる見込み。
 
*マシニングセンタとは
マシンニングセンタとは、工作機械受注総額の約35%を占める代表的な工作機械であり、フライス加工(平面や溝等の加工)や中ぐり加工(工作物の穴の内面切削)、ねじ立て(下穴にめねじを切る事)等の切削加工に使われる。自動工具交換機能を持ち、目的に合わせてフライス加工、中ぐり加工、ねじ立て等の異種の加工を1台で行なう事ができる。具体的には、工具マガジンに、多数の切削工具を格納し、数値制御を行うコンピュータの指令によって、工具を自動的に交換し、機械加工を行う。つまり、マシンニングセンタとは自動工具交換装置を搭載した「NCフライス盤」であり、とかく自動工具交換機能に目がいきがち。しかし、新ラインアップ「HSシリーズ」に代表されるように、同社製品の最大の特徴は、リニアモータ駆動による「高速・高精度」。その技術を駆使して切削加工を行うため「ハイスピードミーリングセンタ」と呼び、他社の「マシンニングセンタ」と区別している。
尚、「NCフライス盤」とは、数値制御機能(正確な加工が可能)を搭載した「フライス盤」の事。切削用工具の刃先の動作を座標値(数値)によって定義し、その情報をもとにサーボモータが切削工具を動作(制御)させ加工が行われる。このNC(数値制御)をコンピュータが行うものを特にCNCと呼び、当初は NC(非コンピュータ制御)と区別していたが、コンピュータ制御が一般的となった今では、NC=CNCと考えていい。
余談ではあるが、代表的な工作機械である「旋盤」がワーク(加工対象物)を回転させて削るのに対して、「フライス盤」は刃物を回転させて固定したワークを削る。
 
<事業セグメント>
事業セグメントは、精密工作機械関連事業、サプライ品事業、サービス事業、精密金型・精密成形事業に分かれ、08/3期の売上構成比と事業内容は次の通りである。
 
 
尚、精密工作機械関連事業においては、リニアモータを使った高精度でコンパクト(立て型でストローク500mm以内)なマシニングセンタに特化している。大手の工作機械メーカーが汎用性の高い大型機の分野を中心としているのに対して、同社は高精度・小型の分野に特化する事で差別化を図っている。
 
ソディックがTOB
 
<TOBの概要>
2008年11月14日、同社の親会社であるソディック(東証2部:6143)は、ソディックハイテック株式に対するTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。

ソディックはTOB前に、ソディックハイテック株式の発行済株式総数の41.56%(55,000株)を所有する親会社。TOBは全株式の取得を目的とする。このため、買付予定株式数の下限を、ソディックハイテックの発行済株式総数の66.7%に相当する株式数(88,261株)から、ソディックが保有する株式数(55,000株)を控除した株式数(33,261株)に設定しており、下限を超える応募があった場合、応募株式全部の買付ける。その後の一連の手続きによりソディックハイテックを完全子会社とすることを予定している。

TOB価格は1株40,200円。過去3カ月の終値平均に対し58.5%を上乗せした。買い付け期間は11月18日から12月16日まで。

ソディックハイテックはTOBへの賛同を表明した。ソディックハイテックはソディックによって完全子会社化されると上場廃止となる見込み。
 
<TOBの背景>
ソディックグループは、現在36社で構成されている。主な事業は、
・NC放電加工機及びマシニングセンタ(多機能切削加工NC工作機械)の開発・製造・販売を行う工作機械事業
・プラスチック射出成形機、リニア応用機器の開発・製造・販売を行う産業機械事業
・CAD/CAMシステム、精密金型、電子部品、食品機械並びにファインセラミック備品の開発・製造・販売を行うその他の事業
で構成されている。

この中で、ソディックハイテックは、精密切削加工に特化した工作機械の開発・販売と、ソディックが販売した放電加工機に係るメンテナンスサービス、サプライ品販売及び精密金型・精密成形事業を柱としている。工作機械・産業機械を軸として事業展開するソディックグループの中核的な企業として、ソディックと協力関係を保ちながら、独自の経営戦略に基づき企業価値の向上を図ってきた。

しかし、昨今のソディックグループを取り巻く経営環境は、原材料価格の高騰や世界的な金融危機、それに伴う消費の低迷と大変厳しい状況にあり、また競合他社との競争も一段と激しさを増している。

特に、ソディックハイテックの主力事業である工作機械事業は市場のグローバル化が進展しており、それに伴い地域に応じた新たな製品の開発(具体的には、スピンドル及びソフトウェアの開発)や新規の販売網構築の必要性が生じている。また、テクニカルサービス事業においても、顧客のニーズが多様化し、ソディックが提供を求められる技術サービスの範囲も多岐にわたるものとなるなど、持続的な成長を継続するための負担が増加しており、今後もこの傾向は継続すると思われる。

このような中で、将来のソディックグループの成長及びソディックハイテックの持続的な企業価値の向上をより確かなものにするためには、製造・販売・研究開発の各分野におけるより一層の効率化と強化を企図したグループ体制の再構築が必要不可欠であると判断した。グループ体制の再構築実現の一環として、TOBを通じてソディックハイテックを完全子会社化する方針に至った。
 
<完全子会社化のメリット>
(製造分野)
放電加工機用部材とミーリングセンタ用部材の調達を一括で行うことによる購買力の強化とそれに伴う調達コストの削減が可能となる。

(販売分野)
ソディックが販売している超高精度マシニングセンタAZシリーズ、ソディックハイテックが取り扱うハイスピードミーリングセンタのHSシリーズなどの切削工作機械ラインを統合し、製品群をワンストップで提案することが可能となる。
また、ソディックハイテックは、これまで海外販売網として、アジアを中心に展開してきたが、ソディックの完全子会社となることにより、より強固にソディックの欧州・米州における販売子会社と提携関係を構築することが可能となる。

(研究開発分野)
ソディックが強みとする形彫り放電加工機、ワイヤ放電加工機、ナノ放電加工機など各種放電加工機の開発で培った基礎技術をソディックハイテック製品により柔軟かつ強力に融合させることが可能となる。
また、ソディックハイテックの精密金型・精密成形事業部門が有する金型加工に関する技術・ノウハウの共有化や共同研究・人材交流がより柔軟に実現できる。
さらに、ソディックグループにおける重複分野の研究回避や予算配分の効率化によるコスト競争力の強化も期待できる。
 
<ソディックの概要>
放電加工機世界2位、国内首位。
事業は、工作機械事業(08年3月期の売上げ構成比71%)、産業機械事業(同18%)、その他事業(同11%)から成る。
工作機械事業…NC放電加工機、マシニングセンタ、細穴加工機及び周辺機器
産業機械事業…プラスチック射出成形機、リニアプレスマシン及び周辺機器
その他の事業…金型統合生産システム、合成樹脂加工製品、食品機械及びその関連機器並びにその周辺機器

1976年設立。1986年2月、東京証券取引所・市場第2部へ株式を上場。
産業界のグローバル化という潮流もいち早く捉え、90年にはタイで、95年には中国でそれぞれ現地法人が放電加工機の生産を開始。2001年にはタイ工場と中国のソフトウェア開発子会社で国際品質保証規格「ISO9001‐2000」を取得、2003年には日本と中国の工場でも取得し、世界同一品質の実現で業界を先駆している。

2000年1月には次世代の放電加工機といわれる、リニアモータ駆動の高速NC形彫り放電加工機AQシリーズに対して日本経済新聞社の日経優秀製品・サービス賞「最優秀賞日経産業新聞賞」と日刊工業新聞社の「十大新製品賞」をダブル受賞し、画期的な製品として高い評価を受けた。

さらに2001年12月には、世界最高水準のナノ加工機、「NANO-100」を開発、2005年1月にはリニアモータ駆動機(形彫り/ワイヤ放電加工機、プレス機、ハイスピードミーリングセンタ)の累計出荷台数が世界最短で10,000台を突破し、世界中から注目を集めた。
 
2009年3月期第2四半期決算
 
<連結業績>
 
ハイスピードミーリングセンタの新ラインナップ「HSシリーズ」の市場浸透の拡大が進まなかったことなどから、工作機械展示会への出品や精密加工セミナーの開催など、海外を含めた拡販活動に努めた。また、原材料価格高騰の影響による売上原価率の上昇に対しては、生産拠点の再構築等のコスト削減を図った。

当第2四半期連結累計期間の売上高は、7,648,005千円、営業利益312,935千円、経常利益292,010千円、四半期純利益は、173,127千円となった。
 
<事業の種類別セグメント動向>
①精密工作機械関連事業
当事業は、ハイエンドモデル「HSシリーズ」の拡販を図るべく、他社製品との差別化を明確にした営業活動を実施するとともに、海外拠点の強化を進めた。また、市場拡大を目指したコストパフォーマンスの高い汎用機種の開発にも注力した。
当事業の売上高は1,270,759千円となった。

②サプライ品事業
当事業は、自動車関連企業を中心とした金属加工機の稼働率の低下に対し、価格面での対応等による売上の確保を図った。また、需要が高まっている環境対応型商品への対応として、廃棄対応型からリサイクル対応の消耗品への変更を行うなどエコ商品の拡充にも努めた。
当事業の売上高は2,590,407千円となった。

③サービス事業
当事業は、設備投資需要の減少傾向から新規納入機に対する据付検収業務が低調ではあったが、その反面、既設設備のメンテナンスサービスは順調に推移し、海外向け部品売上についても好調に推移した。
当事業の売上高は1,541,604千円となった。

④精密金型・精密成形事業
当事業は、景気の後退感から、自動車関連業界を中心としてコネクターの出荷が減少傾向にあることなどから、中国蘇州工場への生産体制のシフトを進めるなどコスト削減を図るとともに、超微細加工領域での研究開発、金型製作のノウハウの蓄積を活かした営業活動に努めた。
当事業の売上高は2,245,233千円となった。
 
<財政状態>
 
当第2四半期末の総資産は、前年度末に比べて77,038千円増加し、13,855,161千円となった。これは主に設備投資による固定資産の増加が要因。
負債合計は、前年度末に比べて112,497千円増加し、10,777,589千円となった。これは主に法人税等の支払による未払法人税等の減少があったものの、設備投資による借入金の増加が要因。
純資産合計は、年度末に比べて35,459千円減少し、3,077,571千円となった。これは主に配当金の支払いによる減少が要因。
 
<キャッシュ・フロー>
 
2009年3月期業績予想
 
<連結業績>
通期の会社予想は、前回(08年8月8日)発表の業績予想から修正していない。
 
 
 
取材を終えて
親会社ソディックによるTOB発表を受け、ソディックハイテック株はTOB価格にさや寄せする形で上昇。一方、発表翌日のソディック株は約9%下落となったが、その後は落ち着いた動きとなっている。短期的にはソディックの資金負担が重荷となる可能性もあるとの判断があるのだろう。しかし会社が指摘するように、生産面、販売面、研究開発面でのメリットは大きいと思われる。今後の相乗効果に期待したい。