ブリッジレポート
(4323) 日本システム技術株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(4323)日本システム技術 vol.7

(4323:東証2部) 日本システム技術 企業HP
平林 武昭 社長
平林 武昭 社長

【ブリッジレポート vol.7】2009年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「業界環境は厳しさを増しているが、そのような状況下で目標利益を達成したのは評価に値しよう。通期予想も変えていないが、これは手元受注の状況など・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年12月16日掲載
企業基本情報
企業名
日本システム技術株式会社
代表取締役社長
平林 武昭
所在地
〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-7
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 10,705 931 945 426
2007年3月 9,711 389 405 138
2006年3月 7,917 111 125 605
2005年3月 8,189 522 502 319
2004年3月 7,767 540 537 67
2003年3月 7,064 676 635 194
2002年3月 6,939 658 606 181
2001年3月 6,285 834 814 282
株式情報(11/26現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
460円 4,815,153株 2,215百万円 11.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25.0円 5.4% 95.33円 4.61倍 790円 0.58倍
※株価は11/26終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
日本システム技術の2009年3月期第2四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
ソフトウェアの受託開発(09/3期第2四半期売上構成比64%)、教育機関向け業務パッケージの開発・販売(同18%)、及び情報システム関連機器等の販売(同18%)を行っている。
 
<沿革>
設立は、1973年3月。JAST(同社)の特徴である教育機関向け業務パッケージには、90年代前半から取り組んでおり、94年10月に学校事務支援統合システムパッケージソフト「GAKUENシリーズ」の販売を、98年8月に大規模大学向けERP「GAKUEN REVOLUTION(学務)」の販売を、2000年2月に学校関係者間の情報ネットワークを実現する統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」の販売を、それぞれ開始。01年11月のジャスダック上場を経て、03年2月に東証二部に株式を上場した。
 
<特徴>
 
大学向け経営改革ソリューションとして提供している統合業務パッケージは、94年10月の発売以来、260余校への導入実績を有し、文教マーケットにおいて高い評価を受けている。

特徴は、大規模な総合大学から小規模の短期大学に至るまで、主要業務を全方位でカバーしているため、パラメーターの設定だけで大学個々のニーズに柔軟に対応できる事。つまり、カスタマイズの必要がないため、ユーザーは導入時及びその後の運用・メンテナンスに関わるトータルコストを削減する事ができる。なお、1案件あたりの導入金額は数10万円~数億円と、導入規模により広範囲にわたる。

少子化問題への取り組み戦略のひとつとして、大学各校は優秀な学生を確保するべく、学生向けサービスや経営品質の向上に取り組んでいる。しかし、全国に約1,200校あると言われる大学・短大の大半がメインフレーマー等による手作りのシステムやカスタマイズを前提としたパッケージを使っていという。品質・価格両面での優位性から競合は少ないようで、販売拡大の余地は大きいと思われる。現在20%のシェアを、早期に30%に引き上げたい考え。
 
 
2.大手優良企業群との長期取引
 
3.グループ拠点展開
 
大阪と東京の2本社制を敷いており、早くから海外に開発拠点を展開している事も特徴。また、2006年8月には、大学向けマーケットを中心とする文教分野での業容拡大を図るべく、首都圏の大規模大学を中心に、システム機器等の販売で実績のあるアルファコンピュータ(株)の全株式を取得した。これにより、パッケージ、情報機器及びネットワーク等を一貫して提供する大学向けSI(システム・インテグレーション)事業の大規模展開が可能となった。
 
2009年3月期第2四半期業績
 
<連結業績>
 
 
当第2四半期における、同社グループの業績は、上表のようになったが、前年同期と比べ、売上が若干の減少であったのに対し利益指標では増益となっており、全体では概ね当初想定した業績状況となった。内容を要約すると、
① 組込み系等通信業案件はほぼ半減
② ソフトウェア事業では他業種向け案件が堅調に推移
③ パッケージ事業では、ほぼ全サービスが好調
④ システム販売で収益性が向上

この結果、売上高はほぼフラット、利益面では増益かつ当初予想をクリアした。
 
 
<事業の種類別セグメント動向>
 
 
(ソフトウェア事業)
ソフトウェア事業(受注ソフトウェアの個別受託開発)では、通信業向け(特に携帯向け組込み系)が大幅減となったが、他業種(金融、流通サービス、製造、官公庁その他)はすべて増収。このため、売上高は前年同期比9.8%減となった。また不採算案件は、従来水準程度発生(昨年上期はほぼゼロ)、さらに前年度下期に発生した携帯電話組み込みシステム関連の受注規模縮小への対応として、他分野への技術シフト等の施策を進めた結果、一部で重複コストが発生、このため営業利益は同51.0%減となった。

(パッケージ事業)
パッケージ事業(学校業務改革パッケージの販売及び関連サービス)は、新製品「UNIVERSAL PASSPORT EX」、「GAKUEN REVOLUTION EX」等の各シリーズの拡販が本格化(出荷数30本以上)、導入支援やEUC(End User Computing:パッケージの周辺システムの受託開発)等の関連サービスも同時に順調に売上を拡大し、どちらも当初計画以上に推移した。その結果、売上高は前年同期比68.1%増となり、営業利益は黒字転換した。
 
 
(システム販売事業) システム販売事業(IT機器の販売及び情報通信インフラの構築)は、前年の第1四半期の売上に寄与した大学向け大型案件がなくなったために売上高は前年同期比で5.3%減となったが、営業利益は公共系向け高付加価値案件の受注により黒字転換した。
 
 
 
<財政状態>
 
 
流動資産の減少は主に売上高減にともなう売掛債権の減少による。
無形固定資産の減少は、「のれん代」の償却による。

流動負債の減少は主に買掛債務の減少による。
固定負債の減少は長期借入金の返済による。
純資産の減少は主として、自己株式の取得(08年8月、220千株取得)による。
 
<キャッシュフロー>
 
 
営業活動によるキャッシュフロー 主に税引前利益の計上、売上債権の減少による。
投資活動によるキャッシュフロー 主に定期預金の増加、投資有価証券の取得による。
財務活動によるキャッシュフロー 主に配当金支払い、自己株式取得による。
2009年3月期業績予想
 
<連結業績>
業績予想は期初予想(07年5月13日発表)から修正はない。
 
 
<通期の展望・課題>
 
会社側では、通期の展望および課題について以下のように述べている。

(受注環境)
業界の受注環境はさらにますます悪化しているが、強みを発揮するチャンスでもあり、以下の施策を実行する。
ソフトウェア
  大型案件(主に金融等)の受注が取れている分野については、開発体制の整備を急ぐ
  追加的受注を確保する
  期中完了案件を着実に収益化する
パッケージ
  EUC、導入サポートのSE確保を急ぐ
  現状の好調を期末まで維持する
システム販売
  通期の受注はほぼ見えているので、新たなソリューションを仕込む
(不採算案件)
上期で若干発生したが、通期でも若干は発生すると見ている。(前年上期はほぼゼロ)

(製品開発費)
ほぼ前期並み(1.4億円)を見込む

(パッケージ新製品リリース計画)
4月慶應義塾大学で経理システム稼動開始
6月、法人系(経理・管財)リリース
期末までに経営戦略等を追加リリース

(その他)
新卒採用は当初苦戦していたが、10月以降は応募が急増、採用目標80名としているが応募者の状況等を見て調整する。
M&Aへのスタンスは不変。理念に合致する案件には前向き。
新規事業拡大は継続して行う。
 
取材を終えて
業界環境は厳しさを増しているが、そのような状況下で目標利益を達成したのは評価に値しよう。通期予想も変えていないが、これは手元受注の状況などから会社側が自信を持っているためであろうが、下半期は景気がさらに悪化する可能性があり、下ぶれ懸念は残る。

株価も低位に留まっており、バリュエーション的には割安といえよう。下方修正が有り得ることを織り込んでいる株価と思えるが、反対に予想利益が達成されれば見直される可能性は大である。目標利益達成に全力で努力して欲しい。