ブリッジレポート
(6863:JASDAQ) ニレコ 企業HP
山田 秀丸 社長
山田 秀丸 社長

【ブリッジレポート vol.5】2009年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「主要取引先である印刷業、紙加工業、電気部品メーカー、鉄鋼業、化学工業等の設備投資が弱含みで推移した影響が大きく、第2四半期累計の連結業・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年12月22日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ニレコ
代表取締役社長
山田 秀丸
所在地
〒192-8522 東京都八王子市石川町2951-4
事業内容
プロセス制御・計測機器メーカー。帯状物の制御に強み。画像処理にも展開。中国生産も
決算期
3月 末日
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 8,332 436 482 242
2007年3月 8,533 511 642 377
2006年3月 8,343 465 581 246
2005年3月 7,685 280 359 139
2004年3月 7,101 213 280 342
2003年3月 6,480 -268 -252 -607
2002年3月 7,411 140 143 -283
2001年3月 8,050 466 423 200
株式情報(11/21現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
800円 9,158,870株 7,327百万円 1.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
16.0円 2.0% 10.92円 73.27倍 1,388円 0.58倍
※株価は11/21終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ニレコの2009年3月期第2四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
流体・電気・画像技術を用いた計測器、及び制御・検査装置を、鉄鋼業・化学工業から食品工業・印刷業に至るまで幅広く供給している。
 
<ウェブ(web)コントロールの総合メーカー>
同社は計測器、及び制御・検査装置メーカーだが、技術面にスポットを当てると、「ウェブ(web)コントロールの総合メーカー」と言う事ができる。webとは、英語で織物とか、(新聞用紙の)一巻きの意。身近な例では、トイレットペーパー、写真フィルム等がウェブだ。ただ、実際には、最終製品よりも、原材料を加工したり、処理したりして、最終製品に作り上げる過程でウェブの形をとっているケースが多く、生産ラインでは様々なウェブを取り扱っている。特に、フィルム、印刷、製紙等の業界で多く使われ、大は新聞用から、小はインスタントラーメンの袋用ロール紙のラインに至るまで、或いは、鉄鋼会社のストリップラインと言ったように、広範多岐にわたる分野でウェブが扱われている。更に近年では、液晶や電子部品の材料となる高感度フィルムの製造工程に使用されていたり、タイヤやバッテリーの生産ラインで使用されたりと、用途が広がっている。

工場内ではウェブ特有の各種の自動制御を行う必要があり、これらを総称してウェブコントロールと呼んでいる。ウェブを扱うプロセやマシンは、生産性を上げるため年々ライン速度が上がっているが、ライン速度が上がっても品質が損なわれたり、安定操業に支障をきたしたりしては、元も子もない。ウェブコントロールなしに品質の維持向上と分秒を争う工程の安定操業はあり得ず、今後、ウェブコントロールの出番はますます増えていくものと思われる。
 
<事業セグメント>
事業は、ウェブ事業、プロセス事業、検査機事業、及びその他に分かれる。
 
プロセス事業
鉄鋼・非鉄金属向けの制御装置、及び計測・検査機器を製造・販売。プロセス制御装置、耳端位置制御装置、自動識別印字装置、渦流式溶鋼レベル計、板幅計等がある。
 
ウェブ事業
印刷、フィルム等向けの制御装置を製造・販売。EPC(Edge Position Control:耳端位置制御)システム、張力制御装置、見当合わせ制御装置等がある。
 
検査機器事業
画像処理技術の応用による検査装置で、印刷品質検査装置、無地検査装置、及びその他の検査装置を製造・販売。
 
その他
近赤外分析装置、ギアボックス等の製造・販売を行なっている。
 
2009年3月期第2四半期業績
 
<連結業績>
 
 
第2四半期決算は上表のようになった。売上げではプロセス事業が好調で売上増に貢献、検査機事業の売上げは減少したが、営業黒字に転換した。その一方でウェブ事業は液晶やFPD業界の影響を受け、受注、売上ともに減少した。

損益面では、主に関連子会社の低迷により営業利益率が低下、この結果、営業利益、経常利益は上表のように前年比で大幅減益となったが、これは当初より予想されていたことであり、計画に対しては上回った。さらに特別損失5.7億円(在庫評価損2.3億円、有価証券評価損1.4億円、貸倒引当金1.9億円)を計上したことから、第2四半期純損失242百万円となった。

セグメント別の状況は以下のようになった。
 
 
(プロセス事業)
国内鉄鋼業界のリプレース需要を確実に獲得し、自動印字装置が受注を大きく伸ばした。海外向けでは、過流式溶鋼レベル計の受注が伸びた。この結果、受注は前年同期比6.5%減、売上高は21.0%増となった。

(ウェブ事業)
液晶やFPD関係の設備投資に踊り場状態が続き、高感度フィルム向け制御装置は伸び悩んだ。また印刷関係では、原材料高騰と顧客からの値下げ圧力等の影響で設備投資を抑制したことから、印刷向け制御装置の売上高が大きくダウンした。この結果、事業部門の受注は30.4%減、売上高は17.9%減となった。

(検査機事業)
印刷品質検査装置では、4月より販売開始したBCON3000plusが順調に受注を伸ばした。また、農業関係の選果ラインの検査装置の受注が大きく伸びた。(昨年度の年間受注高1.6億円 ⇒ 今上半期6億円強) このため事業部門全体の受注は20.5%増となったが、BCON3000plusの出荷が7月からであったことから売上高は10.5%減となった。ただし、部門としては営業黒字に転換した。

セグメント別受注および売上高の計画比は以下のようになった。
 
 
<貸借対照表>
 
 
棚卸資産は減損を行ったので金額は減少しているが、実質的には約90百万円増加している
 
<キャッシュ・フロー>
 
 
当第2四半期連結会計期間における各キャッシュ・フローの概況とそれらの要因は次のとおり。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は551百万円となった。主なフロー・インは売上債権の減少328百万円、棚卸資産の減少142百万円、貸倒引当金の増加190百万円等がある。また、主なフロー・アウトには税金等調整前四半期純損失354百万円等がある。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は158百万円となった。これは主に固定資産の取得による支出102百万円、その他の支出54百万円があったため等によるもの。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は129百万円となった。これは主に配当金の支払額73百万円、自己株式の取得による支出51百万円等によるもの。
 
2009年3月期業績予想
 
<連結業績>
 
会社側の通期の業績予想は下表のようである。前回予想から売上高は1億円下方修正だが、営業利益、経常利益は変えていない。ただし当期純利益は特別損失を計上したことから、大きく下方修正した。
 
 
<受注高>
 
受注高、受注残高については下表のように予想している。
 
 
<第3〜4四半期の施策>
 
会社側では下半期(第3〜4四半期)に各部門で以下のような施策を実行すると述べている。

(プロセス事業)
国内で受注をもれなく獲得するとともに、海外での受注を相対的に増やす計画。
国内では、設備更新・増強案件を中心にもれなく受注を獲得する。
海外では、近隣の台湾、韓国、中国に重点を置き、耳端位置制御装置、自動識別印字装置を中心に新規受注獲得に努める。また海外では相対的に価格高であるため、一部の部品を中国で生産し、コストダウンに努める。

(ウェブ事業)
電子機器材料関連の受注を確実に取る。
新たな市場として水素・燃料電池市場を狙う。(09年2月国際水素・燃料電池展へ出展)
色合い制御装置(新聞輪転印刷向け)の受注を年間2〜3億円獲得する。
市場投入の遅れた新型機の開発を急ぐ。
海外(特に中国、韓国)での受注増を図る。
   ⇒中国では中国仕様の電気式EPCを拡販する
   ⇒韓国では新たな代理店により攻勢をかける。
 
質疑応答
Q:
BCON3000plusの状況は?
A:
上期は目標以上であり、順調と言える。これからもっと海外向けに売り込みたい。
 
Q:
リチウムイオン電池向けには出荷しているのか?
A:
リチウムかは不明だが、電池向けとしては出ている。今後も電池向けは強化していく。また電子関連では、新たな市場として有機EL関連に注目している。現在、有機ELは「照明」としての開発が活発であり、そのために量産・低価格化が必須となり、フィルムでの生産が必要となる。
 
Q:
貸倒れはどのような会社向けに計上したのか?
A:
韓国の代理店(ウェブ関係)。ウォン高で支払いが遅延してきたので会計士と相談して念のため計上した。回収する予定ではいる。
取材を終えて
主要取引先である印刷業、紙加工業、電気部品メーカー、鉄鋼業、化学工業等の設備投資が弱含みで推移した影響が大きく、第2四半期累計の連結業績は減収減益となった。受注高も前年比では減少しており、今後の業績が懸念される。現在の業界環境を考えると、来期の業績はさらに厳しくなると予想される。

その半面、株価はPER的には割高だが、PBR的には割安になっている。PBRが株価を下支えしているとも言えるが、別の見方では過剰な資産(現預金)を十分に使い切れていないとも言える。資産を有効に使う何らかの方策が必要であろう。経営陣に要求されるのは新製品開発や販売だけでなく、資産の効率化も重要である。経営陣の新たな奮起に期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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