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(2468:東証マザーズ) フュートレック 企業HP
藤木 英幸 社長
藤木 英幸 社長

【ブリッジレポート vol.10】2009年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「携帯電話出荷台数は新販売方式による影響等により減少するなど、同社の事業を取り巻く環境は決して順風ではない。それにも関わらず、第3四半・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年2月24日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フュートレック
社長
藤木 英幸
所在地
大阪市淀川区西中島 6-8-31
事業内容
携帯電話用音源LSIの開発が主軸。音声認識事業を強化中。知財戦略重視。
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 1,598 264 277 159
2007年3月 1,253 249 256 162
2006年3月 1,443 173 165 99
2005年3月 1,059 69 79 33
2004年3月 907 9 6 -1
2003年3月 736 12 12 3
2002年3月 435 17 34 29
株式情報(2/10現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
140,000円 23,282株 3,259百万円 8.4% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,300円 1.6% 9,307.51円 15.0倍 92,456.51円 1.5倍
※株価は2/12終値。発行済株式数は直近第3四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
フュートレックの2009年3月期第3四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
携帯電話用音源LSI(音を鳴らすための半導体)の開発・販売を中心に、分散音声認識技術を用いた音声認識事業、各種LSIの受託開発等を行っている。携帯電話用音源LSI事業では、LSIを製造して売るのではなく、IP化して販売している。「IP化して販売する」とは、LSIの設計データとそのLSIを駆動させるためのソフトウェア(組込ソフトウェア)を知的財産権化して販売するという事で、言わば、LSIの設計図をライセンス提供しているようなものだ。このため、大規模なLSI工場を建設する必要はなく、開発・設計に経営資源を集中できる。販売先は通信キャリアや半導体ベンダー、携帯電話端末メーカーである。
 
グループは、同社の他、組込みソフトウェアとアウトソーシングの(株)シンフォニック、及び音声認識技術事業のサービスを手掛ける(株)ATR-Trekの連結子会社2社。
 
<沿革>
会社設立は2000年9月。01年3月には現在の主力商品となっている音源IPを完成し、ライセンス販売を開始した。02年5月、ソニーからメモリースティックROMの製造権・販売権を取得。04年には松下電器産業から3D音響IPライセンスを受けて提携。05年1月にNTTドコモと音源の利用許諾契約を締結。NTTドコモの携帯電話は同社の音源で統一される事となった。また同年同月、大手予備校が実施する模擬試験向けコンテンツをメモリーカードへ書き込む業務を受託し、メモリーカードを販売するビジネスに参入。同年12月に東証マザーズに株式を上場した。06年5月には、NTTドコモと資本・業務提携契約を締結。これにより、当社の株式の10%以上をNTTドコモグループが所有する事となり、NTTドコモが開発する様々なサービスに協力する事になった。
 
ハード音源等、半導体の設計からスタートした同社だが、ソフト音源や分散音声認識技術などソフトウェア分野へ活動範囲を広げている。ソフトウェア技術をベースにした音声認識システムの販売や音声翻訳サービスの提供等も始めており、中期的には「技術開発型会社」から「技術開発型サービス会社」へと業態転換を進めていく考え。
 
<事業の概要>
事業部制を敷いており、音源事業の第一事業部、受託開発事業とカード事業の第二事業部、音声認識事業の第三事業部に分かれる。09/3期上期の売上構成比は、それぞれ61.2%、18.7%、20.1%。
 
1.第一事業部(携帯電話音源LSI設計データと組込みソフトウェアの開発・設計)
携帯電話用音源IPのライセンス販売、組込みソフトウェア(車載用ソフトウェア)の受託開発を行なっている。同社が受け取る対価には、LSI設計データと組込ソフトウェアの使用許諾契約時に発生するイニシャル収入(初回のみ)、顧客の生産台数に応じて発生するロイヤルティ収入(生産1台当たり)、IPをユーザーのインターフェイスに合わせる実装設計(カスタマイズ)に伴う収益、及び音源動向の情報提供やコンテンツ作成のアドバイス等に伴うコンサルティング収入がある。
 
2.第二事業部(研究開発を兼ねた受託開発事業及びカード事業)
受託開発事業は、付加価値の高いセンサや携帯関連の受託開発が中心だが、単なる受託開発ではなく、新たな技術の習得や商品開発につなげるための研究開発として位置付けている。受託開発の1事業であった音声認識事業が、事業部として独立した他、08/3期にはバーニアADコンバータ(VAD)が開発フェーズを終え、販売フェーズに入った。また、カード事業は、大学受験生向け模擬試験の英語リスニングテストで使われるメモリーカードや携帯電話のコンテンツ入りメモリーカードの書き込み事業を行っている。
 
3.第三事業部(音声認識事業)
06年12月に(株)国際電気通信基礎技術研究所(以下、ATR)と業務提携した事を受けて、07年4月に受託開発事業から分離・独立した。ATRが保有する音声認識の技術とフュートレックが保有する携帯電話関連の技術及びフュートレックグループが保有するサーバーシステム開発技術を融合した音声認識事業を進めている。システムの使用許諾契約時に発生するイニシャル収入や毎月の生産数及びサービス数に応じたロイヤルティ収入が収入源となる。さらにフュートレックグループ自身がコンテンツプロバイダとなった「しゃべって翻訳」のサービス提供を始めている((株)ATR-Trek)。
尚、音声認識とは、機器に向かって音声で入力すると、様々な発音・声質から言葉を聞き分け、語彙を特定し、文字等に変換するものである。携帯電話での想定されるサービスとしては、携帯電話に話しかけるだけでメールの入力ができたり、携帯電話の操作ができたりなど、様々なサービスの実現が期待されている。
 
 
2009年3月期第3四半期業績
 
 
同社の主たるビジネスマーケットである携帯電話業界は、当第3四半期累計期間は販売方法の変化による価格の上昇及び買い替えサイクルの長期化に加え、雇用不安に基づく個人消費の低迷などにより、販売台数の伸び率は前年に比べ大幅に減速している。また、次なるマーケットである自動車産業においても、急激な円高などの影響を受け、深刻な事態となっている。
 
このような環境のもと、同社グループでは「音源」「受託開発」「音声認識」の各事業分野において積極的に事業を展開した。
 
同社グループの第3四半累計期間における業績は、売上高は1,477百万円、営業利益は432百万円、経常利益は441百万円、第3四半期純利益は230百万円となった。
 
 
‖1事業部(音源部門)
売上高は753百万円となった。
当第3四半期累計期間における同社の音源搭載台数は、国内で16,190千台、海外では8,309千台となった。
第1四半期は、音源の搭載台数は増勢の状態にあったが、第2四半期は携帯電話業界における携帯電話販売台数減少の影響を受けた。当第3四半期においては、世界的な景気後退の影響も加わり、当初計画台数を2,417千台下回る16,190千台となった。一方、海外においては当初予測をしていた台数より予想外に増えたことにより、当初計画台数を5,169千台超える8,309千台となった。
また、2008年12月にはフュートレック製音源の総累計出荷台数が1億台を突破した。
 
第2事業部(受託開発・カード部門)
売上高は235百万円となった。
受託開発部門は134百万円、カード部門は100百万円と、カード部門における書込みは順調に推移したが、受託開発において、自動車業界の深刻な事態を受け、計画を下回る結果となった。
 
B3事業部(音声認識部門)
売上高は488百万円となった。
音声認識フロントエンドソフトのロイヤルティ収入及びライセンス案件の収入が順調に推移し、計画を上回る売上高を計上することができた。
 
 
当第3四半期間末の総資産は、2,565百万円となった。
総資産の内訳は、流動資産が1,905百万円、固定資産が660百万円。流動資産の主な増加要因は、売掛金の増加102百万円によるものであり、固定資産の主な増加要因はソフトウエア資産の取得354百万円によるもの。
負債の部では、短期借入金100百万円と未払法人税53百万円の増加等により、72百万円増の370百万円となった。
純資産の部では、利益剰余金の増加192百万円、ストックオプションの行使による資本金、資本準備金の増加38百万円及び自己株式の取得に伴う69百万円の減少により197百万円増の2,195百万円となった。
 
 
当第3四半期累計期間における連結ベースの現金および現金同等物(以下「資金」という。)は、前年度末に比べ61百万円減少し、1,269百万円となった。当第3四半期累計期間のキャッシュ・フローの概況は次のとおり。
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期累計期間において、営業活動による資金は188百万円の増加となった。主な増加要因は、税金等調整前四半期純利益を432百万円計上したほか、減価償却費の増加101百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加111百万円及び法人税等の支払額140百万円の支出によるもの。
 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期累計期間において、投資活動による資金は280百万円の減少となった。主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出435百万円であり、主な増加要因は投資有価証券の売却による収入168百万円によるもの。
 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期累計期間において、30百万円の増加となった。主な増加要因は、株式の発行による収入38百万円及び短期借入による収入100百万円であり、主な減少要因は、配当金の支払36百万円及び自己株式の取得による支出70百万円によるもの。
 
2009年3月期業績予想
 
 
当第3四半期累計期間の業績は、計画を上回る水準で推移した。
しかし、世界的な景気後退の影響は同社にも及んでおり、主たる収益に影響する携帯電話の販売台数も今後、楽観視できない状況と考えている。自動車業界における状況も、厳しい環境下にあると考えている。
なお、通期業績は、すでに第3四半期累計期間において連結営業利益、同経常利益、同純利益が通期連結予想を上回っているが、年度内における携帯電話販売台数の不確定要因もあり、現時点では業績予想の修正は行っていない。公表できる状況が固まり次第公表するとしている。
 
トピックス
 
<フュートレックの音源IPの累計販売台数が1億台を突破>
フュートレックが開発、販売を行う音源IPは、2001年より携帯電話への搭載を開始し、2008年12月時点で、累計台数が1億台を突破した。内訳は国内向け8,103万台、海外向け2,016万台で、合計1億120万台となった。
2007年6月で5,000万台を超えた後、2007年にFOMA全機種へのフュートレック音源の搭載が完了し、勢いが加速した。
 
取材を終えて
携帯電話出荷台数は新販売方式による影響等により減少するなど、同社の事業を取り巻く環境は決して順風ではない。それにも関わらず、第3四半期累計期間の業績は、計画を上回る水準で推移し、第3四半期累計期間において連結営業利益、同経常利益、同純利益が通期連結予想を上回った。音源部門の携帯電話搭載台数が海外において当初予測していた台数より増えたことや、音声認識フロントエンドソフトのロイヤルティ収入及びライセンス案件の収入が順調に推移したことが寄与した。事業環境はさらに厳しさを増すと見られるが、第4四半期において収益の上積みを期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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