ブリッジレポート
(4323) 日本システム技術株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(4323)日本システム技術 vol.8

(4323:東証2部) 日本システム技術 企業HP
平林 武昭 社長
平林 武昭 社長

【ブリッジレポート vol.8】2009年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「ソフトウェア事業が不況の影響を受けているが、パッケージ事業、システム販売事業は好調な推移となっている。通期の会社予想は下方修正とな・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年2月24日掲載
企業基本情報
企業名
日本システム技術株式会社
代表取締役社長
平林 武昭
所在地
〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-7
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 10,705 931 945 426
2007年3月 9,711 389 405 138
2006年3月 7,917 111 125 605
2005年3月 8,189 522 502 319
2004年3月 7,767 540 537 67
2003年3月 7,064 676 635 194
2002年3月 6,939 658 606 181
2001年3月 6,285 834 814 282
株式情報(2/10現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
550円 4,739,153株 2,607百万円 11.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25円 4.5% 71.78円 7.7倍 795.10円 0.7倍
※株価は2/10終値。発行済株式数は直近第3四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
日本システム技術の2009年3月期第3四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
ソフトウェアの受託開発(09/3期第2四半期売上構成比64%)、教育機関向け業務パッケージの開発・販売(同18%)、及び情報システム関連機器等の販売(同18%)を行っている。
 
<沿革>
設立は、1973年3月。JAST(同社)の特徴である教育機関向け業務パッケージには、90年代前半から取り組んでおり、94年10月に学校事務支援統合システムパッケージソフト「GAKUENシリーズ」の販売を、98年8月に大規模大学向けERP「GAKUEN REVOLUTION(学務)」の販売を、2000年2月に学校関係者間の情報ネットワークを実現する統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」の販売を、それぞれ開始。01年11月のジャスダック上場を経て、03年2月に東証二部に株式を上場した。
 
<特徴>
 
大学向け経営改革ソリューションとして提供している統合業務パッケージは、94年10月の発売以来、260余校への導入実績を有し、文教マーケットにおいて高い評価を受けている。

特徴は、大規模な総合大学から小規模の短期大学に至るまで、主要業務を全方位でカバーしているため、パラメーターの設定だけで大学個々のニーズに柔軟に対応できる事。つまり、カスタマイズの必要がないため、ユーザーは導入時及びその後の運用・メンテナンスに関わるトータルコストを削減する事ができる。なお、1案件あたりの導入金額は数10万円~数億円と、導入規模により広範囲にわたる。

少子化問題への取り組み戦略のひとつとして、大学各校は優秀な学生を確保するべく、学生向けサービスや経営品質の向上に取り組んでいる。しかし、全国に約 1,200校あると言われる大学・短大の大半がメインフレーマー等による手作りのシステムやカスタマイズを前提としたパッケージを使っていという。品質・価格両面での優位性から競合は少ないようで、販売拡大の余地は大きいと思われる。現在20%のシェアを、早期に30%に引き上げたい考え。
 
 
 
 
大阪と東京の2本社制を敷いており、早くから海外に開発拠点を展開している事も特徴。また、2006年8月には、大学向けマーケットを中心とする文教分野での業容拡大を図るべく、首都圏の大規模大学を中心に、システム機器等の販売で実績のあるアルファコンピュータ(株)の全株式を取得した。これにより、パッケージ、情報機器及びネットワーク等を一貫して提供する大学向けSI(システム・インテグレーション)事業の大規模展開が可能となった。
 
2009年3月期第3四半期業績
 
<連結業績>
 
 
当第3四半期累計期間における同社グループ(同社及び連結子会社)の業績は、売上高69億57百万円(前年同期比1.5%減)、営業利益3億83百万円(同5.3%減)、経常利益4億円(同3.3%減)、四半期純利益1億89百万円(同22.7%減)となった。
 
<事業の種類別セグメント動向>
 
(ソフトウェア事業)
ソフトウェア事業(受注ソフトウェアの個別受託開発)は、金融業、サービス・流通業、製造業等の各業種向け案件は前年同期比で増収となったが、通信業向け案件が、エンジニアリングアプリケーション分野(通信・制御・技術系システム)を中心に大幅に減少し、売上高46億21百万円(同11.9%減)、営業利益3億32百万円(同41.8%減)と減収、減益の結果となった。

(パッケージ事業)
パッケージ事業(学校業務改革パッケージの販売及び関連サービス)は、大学向けPP(プログラム・プロダクト)販売に関しては年度末の検収予定案件が多いために前年同期比で若干の減少となったが、導入支援及び保守等の各サービス品目は全て順調に展開し、特にEUC(関連システムの個別受託開発)は前年同期比倍増以上の増加となった。この結果、売上高11億33百万円(同53.5%増)、営業利益41百万円(前年同期は40百万円の営業損失)と、大幅な業績拡大となった。

(システム販売事業)
システム販売事業(IT機器の販売及び情報通信インフラの構築)は、公共系大型案件を始めとした高付加価値案件の受注が順調であったことにより、売上高12億2百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益1百万円(前年同期は1億34百万円の営業損失)と、顕著な利益回復を達成した。
なお、前年同四半期増減率(前年同四半期の金額)は参考として記載している。
 
<財政状態>
 
当第3四半期間末における流動資産の残高は49億77百万円(前年度末比8億77百万円の減)となった。これは主として、前年度末の売上案件の入金に伴う売掛金の減少並びに当年度期中における開発案件の仕掛品増加等の増減の結果。
また、固定資産の残高は16億98百万円(同38百万円の減)となった。これは主として、保険解約による積立金の減少、のれんの償却並びに投資有価証券の取得による増加等の増減の結果。

流動負債の残高は14億53百万円(同7億31百万円の減)となった。これは主として、仕入等に係る買掛金の減少並びに引当月数の差異に伴う賞与引当金の減少によるもの。
また、固定負債の残高は14億15百万円(同8百万円の減)となった。これは、長期借入金の返済に伴う減少並びに役職員の退職関連の引当金の増加等の増減の結果。

純資産の合計残高は38億7百万円(同1億75百万円の減)となった。これは主として自己株式の取得によるもの。
 
<キャッシュフロー>
 
当第3四半期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の状況は、期首の資金残高19億円より10百万円減少し、18億90百万円となった。

各キャッシュ・フローの状況は次のとおり。
営業活動によるキャッシュ・フローは、5億18百万円の収入となった。これは主として、売上債権の回収に伴う資金増加と、仕入債務の減少並びに仕掛品等たな卸資産の期中増加に伴う資金減少の差引きの結果。
投資活動によるキャッシュ・フローは、49百万円の支出となった。これは主として、投資有価証券の取得による支出と保険積立金の取崩による収入の差引きの結果。
財務活動によるキャッシュ・フローは、4億71百万円の支出となった。これは主として、自己株式の取得、長期借入金の返済並びに利益配当金の支払いによるもの。
 
2009年3月期業績予想
 
<連結業績>
業績予想は期初予想(07年5月13日発表)を修正した。
 
 
国内の情報サービス業は、経済産業省の特定サービス産業動態統計において、2008年9月以降直近の発表月である11月まで3ヵ月連続で売上高前年同月比のマイナス幅を拡大しており(9月△1.7%、10月△2.0%、11月△2.5%)、製造業等他の産業と比較して若干のタイムラグはあるものの、急激な景況感の悪化の様相を呈している。

この中で、業績修正の主要因は、ソフトウェア事業において売上高が当初予想を下回ることが見込まれることとなったため。
同事業においては、通信業向けの案件が前年同期と比較して約半減と大きく減少している。一方、金融業、サービス・流通業及び製造業向けの案件は前年同期比で若干増収傾向で推移しているが、事業全体としては当初の増収計画をキープするには至っていない状況。
また、同社グループにおいては、足下の急激な景況感悪化に伴う開発案件の中止といった、業績の先行きに大きなダメージをもたらすような事態はこれまで発生しておらず、加えて、他の2事業(パッケージ及びシステム販売)については、計画以上の利益水準で堅調に推移している。
しかし、現在の国内IT投資に係る諸環境を考慮すると、グループ全体として、現状の未達分をカバーしつつ、第4四半期中に当初通期計画の水準にまで業績を復帰させることは難しいと判断した。

今後は、年度当初に掲げた重点施策項目を含め、事業別に以下に掲げる施策を実行することにより、まずは現状の業績計画を確実に達成し、さらに次年度以降の安定成長に繋げる方針。

ソフトウェア事業は、部門や地域の枠を超えた大型案件への取り組み、ロスや機会損失を発生させないフレキシブルな要員編成及びコストの低減化、独自の工程管理技術による不採算案件の防止、ニュービジネスの育成等の施策を引き続き確実に実行し、当期完了予定案件の確実な収益化並びに来期以降の受注残の拡大を図る。

パッケージ事業は、文教マーケットにおける強いブランド力を武器に、新製品の拡販を強力に推し進め、足下の好調な業績推移を通期はもとより来期にわたって維持する考え。

システム販売事業は、引き続き大型SI案件の着実な受注並びにシステムエンジニア部門の強化によって高付加価値案件の拡大を実現していく考え。
 
取材を終えて
ソフトウェア事業が不況の影響を受けているが、パッケージ事業、システム販売事業は好調な推移となっている。通期の会社予想は下方修正となったが、同社の収益は第2四半期と第4四半期に偏重する傾向がある。大変厳しい事業環境が続くと見られるが、第4四半期での巻き返しに期待したい。