ブリッジレポート:(2660)キリン堂 vol.9
(2660:東証1部,大証2部) キリン堂 |
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企業名 |
株式会社キリン堂 |
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代表取締役会長 |
寺西 忠幸 |
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代表取締役社長 |
寺西 豊彦 |
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所在地 |
大阪市淀川区宮原4-5-36 |
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決算期 |
2月 |
業種 |
小売業(商業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2009年2月 | 106,695 | 1,781 | 2,030 | 500 |
2008年2月 | 106,098 | 2,321 | 2,530 | 804 |
2007年2月 | 72,803 | 1,312 | 1,651 | 577 |
2006年2月 | 66,690 | 1,308 | 1,574 | 753 |
2005年2月 | 58,165 | 745 | 985 | 414 |
2004年2月 | 48,281 | 1,084 | 1,283 | 607 |
2003年2月 | 39,144 | 1,095 | 1,215 | 577 |
2002年2月 | 33,274 | 868 | 982 | 253 |
2001年2月 | 28,192 | 718 | 742 | 341 |
2000年2月 | 25,537 | 535 | 596 | 309 |
株式情報(4/3現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
<沿革>
1958年3月、薬局店舗営業と薬品製造業を目的に設立され、その後、ドラッグストアのチェーン展開を開始した。91年10月、大阪市にスーパードラッグストア第1号店をオープン以降、出店を強化、2007年2月期には200店舗を超えた。また、M&Aにも積極的に取り組み、2006年10月には四国地区での販売網の拡充の観点から(株)ジェイドラッグを、同年12月には同じ関西に地盤を置き営業基盤で補完性の高い(株)ニッショードラッグを、それぞれ買収。「2015年 売上高2,000億円・500店舗」体制を目指し、グループ力の強化を進めている。
<2012年にドラッグストアは10兆円マーケットに成長>
日本チェーンドラッグストア協会によると、2012年のドラッグストア市場は10兆円。OTCマーケット、ヘルスケア・ビューティケアマーケット、生活密着商品・コンビニエンスマーケット、調剤マーケット等の拡大を見込んでいる。セルフメディケーションの普及によるOTCマーケット 1兆円 ヘルスケア・ビューティケアマーケット 2兆円 生活密着商品・コンビニエンスマーケット 3兆円 調剤面分業の受け皿として調剤マーケット 4兆円 <ドラッグストア関西売上高ランキング>
ドミナント戦略が奏功し、関西では14.4%でシェアトップ。2位のスギ薬局の売上高(ドラッグマガジン推定)を100億円以上上回っている。
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2009年2月期決算 |
新規出店20店舗の寄与で微増収を確保したものの、個人消費の急激な落ち込みの中、キリン堂においてチラシ広告を削減したことで、下期以降の既存店の苦戦が響いた。通期の既存店売上高は、キリン堂が前期比0.6%増(客数:同1.2%減、客単価:同1.8%増)、ニッショードラッグが同1.3%減となったが、上下別では、上期のキリン堂2.3%増、ニッショードラッグ2.0%減に対して、下期はキリン堂が1.0%減、ニッショードラッグが0.7%減。チラシ広告の削減は、収益率改善に向けた取り組みの一環であり、実際、客単価の引き上げには成功したものの、景気悪化も重なり客数が予想以上に落ち込んだ。 この結果、売上高は期初予想の110,480百万円に届かず、新規出店費用など販管費の増加を吸収するために必要な売上総利益を確保できなかった。 なお、子会社については、間接部門をキリン堂に統合したニッショードラッグの経常利益が同149百万円増加したほか、6店舗のうち4店舗の退店を行ったジェイドラッグも経常損失が同41百万円改善した。 (2)事業別動向
①小売事業 売上高106,483百万円(前期比0.5%増)
内部取引控除後の会社別売上高は、キリン堂が79,675百万円(増収寄与度2,824百万円)、ニッショードラッグが26,138百万円(同 △1,928百万円)、ジェイドラッグが669百万円(同 △314百万円)。期末店舗数は、キリン堂が224店舗、ニッショードラッグが80店舗、ジェイドラッグが2店舗、及びFC3店舗の合計309店舗。新規出店は20店舗で、関西地域ドミナント化戦略の下、キリン堂がスーパードラッグストア(150~300坪の郊外型大型店舗)として、大阪府7店舗、兵庫県2店舗、奈良県2店舗、滋賀県1店舗、三重県1店舗、石川県2店舗、香川県2店舗の計17店舗を出店したほか、小型店として「表参道店」(東京都渋谷区)、その他として「Cosme de lu-up 江坂西店」(大阪府吹田市)を出店した。子会社では、ニッショードラッグが「宝塚東店」(兵庫県宝塚市)の出店を行った。また、既存店の活性化対策として、キリン堂が、加古川粟津店(兵庫県加古川市)を含め15店舗、ニッショードラッグが7店舗、合計22店舗の改装を実施した。 一方、退店は15店舗。内訳は、キリン堂がスーパードラッグストア2店舗、小型店4店舗、その他1店舗の計7店舗、子会社がスーパードラッグストア7店舗・小型店1店舗の計8店舗。 ②製造卸売事業 売上高211百万円(同8.0%増)
一方、調剤取扱店舗の増加に伴う処方箋受付枚数の増加により、調剤売上高が前期比12.6%増と高い伸びを示し、売上構成比も0.5ポイント上昇した。 |
2010年2月期業績予想 |
新規出店を11店舗に抑えるものの、既存店の堅調な推移を見込んでいる(キリン堂:前期比2.2%増、ニッショードラッグ:同0.7%増)。利益面では、既存店の活性化、専門性の強化、及び新規出店の抑制による収益率改善で売上総利益率を0.4ポイント引き上げる考え。改正薬事法対応等に伴い販管費は増加するものの、増収効果と売上総利益率の改善で吸収、営業利益は同34.8%増加する見込み。当期純利益が大幅に減少するのは、たな卸資産の評価を低価法に変更する際に発生する評価損約900百万円や減損損失等約800百万円を、特別損失として織り込んでいるため。 なお、個別業績予想は、売上高103,000百万円(前期比6.2%増)、経常利益2,400百万円(同18.7%増)。ニッショードラッグは売上高26,060百万円(同0.3%減)、売上総利益率の改善と販管費の伸び抑制で経常利益707百万円(同20.9%増)。 (2)収益率改善に向けた取り組み
収益率改善に向けて、既存店の活性化と専門性の強化に取り組むとともに、新規出店を抑制する。
①既存店の活性化
クレジットカードの導入や売り場づくり(お買い得感の演出)等により、客単価の高い固定客率の引き上げ(6割→7割)を図るほか、改正薬事法への対応に必要な改装(ほぼ全店)や活性化目的の改装(キリン堂:15店舗、ニッショードラッグ:8店舗)を実施する。また、在庫回転日数の管理も強化する。
②専門性の強化
HBC(化粧品)の取り組みを強化するとともに、PB商品の拡販に取り組む。前者においては、顧客の購買動向分析データの活用や化粧品スーパーバイザーやビューティスタッフの機能を強化する。また、後者においては、キャンペーンやコンクールの実施によりモチベーションアップを図る。このほか、登録販売者の受験対策や育成にも取り組む。
③新規出店の抑制
出店キリン堂 :9店舗(上期2店舗、下期7店舗) ニッショードラッグ :2店舗(リローケーション対応で下期2店舗) 退店 キリン堂 :2店舗(上期1店舗、下期1店舗) ニッショードラッグ :4店舗(上期2店舗、下期2店舗) |
今後の方向性 |
(1)業界環境と同社の現状
①業界環境
少子高齢社会の進展に伴い問題となっている社会保障費の増加を抑えるべく、さまざまな医療制度改革が進められている。例えば、セルフメディケーションの推進や改正薬事法施行による登録販売者資格制度の導入等はその一環である。また、ドラッグストアチェーン上位企業の積極出店と商圏拡大、M&Aや資本・業務提携等、競争が激化しており業界再編の動きも活発化している。
②同社の現状
小商圏での郊外型大型店(スーパードラッグストア)のドミナント展開に特化し、自社出店とM&Aにより関西地域で売上高シェアナンバー・ワンのポジションを確立しているものの、収益性の面で課題を残している。
(2)同社が目指す将来像 -「地域コミュニティの中核となるドラッグストアチェーン」の確立-
(3)中期3ヵ年の課題と数値計画
①課題 収益性の改善
課題克服に向け、グループ経営を推進(シナジーの追求)するとともに、既存店の活性化と専門性の強化に取り組む。また、新規出店は関西大商勢圏へ年10~15店舗を目処とする考え(従来は年30店舗前後)。
②数値計画(連結)
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