ブリッジレポート
(4793:JASDAQ) 富士通ビー・エス・シー 企業HP
兼子 孝夫 社長
兼子 孝夫 社長

【ブリッジレポート vol.6】2009年3月期業績レポート
取材概要「09/3期はエンベデッドシステムの成長分野として期待された自動車向けが、自動車販売の不振による自動車メーカーの業績悪化を受けて想定したほど伸・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年6月16日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社富士通ビー・エス・シー
社長
兼子 孝夫
所在地
東京都港区台場2-3-1 トレードピアお台場
事業内容
富士通系ソフト開発。通信関連主体。エンベデッド(組込み)システムを得意とし、サービス事業育成中。売上高の6割前後が富士通グループ。
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年3月 33,822 2,252 2,048 1,170
2008年3月 33,466 2,475 2,273 1,216
2007年3月 32,089 1,997 1,693 993
2006年3月 31,551 1,579 1,280 748
2005年3月 31,447 1,352 1,189 662
2004年3月 32,815 516 183 -1,392
2003年3月 31,573 1,347 1,105 589
2002年3月 33,912 1,795 1,532 901
2001年3月 31,916 2,971 2,588 1,445
2000年3月 26,889 2,563 2,522 1,423
株式情報(5/15現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
682円 11,800,000株 8,047百万円 7.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25.00円 3.7% 101.69円 6.7倍 1,366.86円 0.5倍
※株価は5/15終値。
 
富士通ビー・エス・シーの2009年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
通信キャリア向けの顧客管理システムや基幹システム、民間事業者向け等の業務システム、中央官庁向け各種システム、更には、携帯電話や自動車エンジン制御分野等でのエンベデッドシステム(組込みシステム)に強みを持つ。
09/3期の売上構成比は、通信キャリア向け41.9%、民需・公共が31.3%、エンベデッドシステムが15.7%、パッケージソフト販売やアウトソーシングサービスが9.1%、人材サービス他が2.0%。

ソフトウェア開発の外注先でもある北京思元軟件有限公司(以下、BCL)、及びBCLの持株会社TOGEN BUSINESS S0FTWARE CORPORATION LIMITED(香港、以下、東元BSC)の連結子会社2社とグループを形成。親会社である富士通(6702)の持株比率は08年3月末で56.4%。富士通にソフトウェア製品や開発等のサービスを提供する一方、富士通(株)からシステム機器等を仕入れており、09/3期の富士通グループ向けの売上高は全体の62.6%を占めた。
 
 
1963年11月、機械器具の賃貸、販売業務を手掛ける日産リース(株)として設立。69年10月、日産コンピュータ(株)に社名変更し、電子計算機のプログラム作成を始めた。75年6月、富士通(株)が資本参加、86年3月に現社名の(株)富士通ビー・エス・シー(Fujitsu Basic Software Corporation)に変更した(99年6月、英文社名をFUJITSU BROAD SOLUTION & CONSULTING Inc.に変更)。90年9月に東元BSCを、92年7月にBCLを、それぞれ設立。2000年10月、日本証券業協会に株式を店頭登録(JASDAQ上場)した。
 
2009年3月期決算
 
 
08/3期の非連結業績との比較では、1.1%の増収、9.9%の経常減益。
昨秋以降、IT投資に対する見直しや発注の先延ばし、更には価格引下げ要請等が顕著となり、事業環境が急速に悪化した。携帯電話関連や自動車用エンジン制御系システム等のエンベデッドシステムの落ち込みで売上が伸び悩む中、高原価プロジェクトの発生もあり、売上総利益率が1.2ポイント悪化。経費削減に努めたものの、売上総利益の減少をカバーできず、営業利益は9.0%減少した。配当は1株当たり2.5円増配の年25円(中間配12.5円)を予定通り実施する意向。
 
 
通信キャリアシステム  売上高14,155百万円(前期比13.6%増)、営業利益1,298百万円(同1.6%減)
大手通信キャリア向けでは、ビリング(課金システム)を中心に既存のビジネスアプリケーションや次期基幹システムへの移行業務等の継続案件に加え、新たに法人系データシステムの構築案件を受注し富士通の開発フレームワーク「Topjax Slution」により開発中である。また、オンメモリデータベース製品「Oh-Pa 1/3」(オーパ・ワンサード)を用いたCWH(取引データ等を蓄積し情報分析と意思決定を行うための大規模データベース)構築案件も進行中である。更には社会基盤系システムの構築等が順調に拡大した。この他、電力各社の案件が増加傾向にある。
 
民需・公共システム  売上高10,595百万円(前期比0.1%増)、営業利益966百万円(同6.8%減)
下期の苦戦が響き、ほぼ前期並みの売上高にとどまった。主な案件は、民需分野では、富士通(株)の営業系基幹システムや製造業向けの部品受発注システム・部材管理システムといった購買調達系システム等の再構築、更には流通業向けの業務システムや金融業向けのシステム等。また、公共分野では、中央官庁向けの最適化開発や統計システム等。尚、富士通向けの案件は「Topjax Slution」や「Oh-Pa 1/3」を軸に進めており、富士通社内での事例をグループ外へ横展開していく考え。
 
エンベデッドシステム  売上高5,320百万円(前期比18.5%減)、営業利益106百万円(同71.4%減)
AV、カメラ関連で開発継続や拡大案件があったものの、買い替えサイクルの長期化と国内景気後退を受けた携帯端末メーカーの出荷台数・開発量の減少で主力の携帯電話関連が減少。自動車関連も大手自動車メーカーの予算縮小による影響を受け、落ち込んだ。
 
パッケージ&サービス  売上高3,083百万円(前期比3.5%減)、営業損失51百万円(前期は損失154百万円)
首都圏のアウトソーシング需要を背景にデータセンターを活用したアウトソーシングが伸びた。一方、パッケージ販売は、高速オンメモリデータベース製品「Oh-Pa 1/3」が大手通信キャリアに採用される等、健闘したものの、主力製品である情報セキュリティソフト「FENCE」シリーズの売上が低調だったため、パッケージ製品全体の売上は伸び悩んだ。尚、アウトソーシングサービスサービスでは、利便性の高い都内(文京区)にデータセンターを新たに開設した。構築から運用まで、一貫したサービスを提供できることが同社の強みである。
 
 
エンベデッドシステムが減少したものの、同社固有技術を活かしたプロジェクトが増加した事で一般顧客向けの構成比が上昇した。
 
2010年3月期業績予想
 
 
前期比2.4%の減収、同4.3%の営業増益。
引き続き厳しい事業環境が続くとの想定の下、エンベデッドシステムの苦戦を織り込み同2.4%の減収予想だが、リスク管理の徹底と経費節減努力により営業利益は同4.3%増加する見込み。SIビジネス分野において開発案件を確実に確保していくと共に、エンベデッドシステムやアウトソーシング、オンメモリデータベースといった強みのある技術分野への集中を進める。配当は1株当たり2.5円増配の年25円(中間配12.5円)を予定。
 
 
引き続き通信キャリアシステムが携帯・通信キャリア向けに堅調に推移する他、データセンターを中心とするアウトソーシング、インフラ構築の伸びでパッケージ&サービスも伸びる。一方、民需・公共システムは景気悪化で民需の業種システムが落ち込む他、官公庁向けも苦戦が見込まれる。エンベデッドシステムも携帯、情報家電、自動車の主要分野向けがいずれも減少する見込み。中国子会社BCLの活用により品質とコストを両立し、競争力を強化する。
 
 
※ 連結子会社BCL(北京思元軟件有限公司)について
BCLは、コスト競争力強化を目的にしたオフショア(海外)開発拠点として1992年にスタートしたが、設立後数年間の業績は伸び悩んだ。しかし、エンベデッドシステムの開発にシフトした2002年以降、業績が急拡大。2008年1月には、北京、上海に続く中国におけるエンベデッドシステムの新たな開発拠点として大連支店を開設した。中国リソースの更なる活用により、事業拡大を加速すると共に一段のコスト競争力の強化を図る。
 
 
トピックス
 
 
アウトソーシングサービスサービスでは、利便性の高い都内のデータセンターにてサービスサービスを開始した。今後、ハウジングからコロケーション、更にはアウトソーシングへとサービス領域を広げ、ライフサイクルマネジメントの観点からのトータルサポートを目指す。また、将来的には国内業務の支援や連結子会社BCLを活用したIDCビジネスを検討中である。
この他、今後、市場の拡大が見込まれるクラウド(cloud computing)関連でもアウトソーシング需要が見込まれる。複数のコンピューターで分散・並列型の巨大ネットワークを構築して情報処理を行うクラウドは、開発面で同社の技術を活かすことができる。また、運用面でもアウトソーシングサービスとの親和性が強い。
 
(2)Mobile Unity導入事例
「Mobile Unity」は、スマートフォンの業務活用に向けたソフトウェアの統合的開発環境を提供する製品で、具体的には、スマートフォンの利用に必要な業務アプリケーションの開発・実行基盤、デバイス制御・端末運用管理機能、更にはスマートフォン向けの暗号・情報漏洩抑止製品「FENCE‐Mobile」との組合せでセキュリティ機能等を提供する。
 
 
 
上記を含めて、現在、導入済みライセンス数は46件。この他、10件の商談が進行中である。また、08年8月に富士通で「Oh-Pa 1/3」を用いた営業部門DWHが稼動したが、これにより情報の更新時間が従来の219時間から2.2時間(約1/100)に短縮された他、データマート作成時間が70.3時間から5.7時間(約1/10)に短縮されたという。加えて、上記の時間短縮により売上・受注情報を参照する際のオンラインへの負荷を大幅に軽減できたという。
 
 
取材を終えて
09/3期はエンベデッドシステムの成長分野として期待された自動車向けが、自動車販売の不振による自動車メーカーの業績悪化を受けて想定したほど伸びず、また、携帯電話の販売不振から携帯電話向けも落ち込んだ。ただ、急激な市場の縮小で競合企業の淘汰が進んでいる事に加え、今後、LTE(Long Term Evolution 、3.9G)関連の案件が増えてくるものと思われる。10/3期も厳しい事業環境が続く見込みだが、下期に限れば、3.4%の増収、同40.8%の経常増益予想。下期に予想とおりの業績を上げる事ができれば、来期の二桁増益が見えてくる。エンベデッドシステムにおいて、品質を維持した上での業務効率化やコスト削減がポイントとなろう。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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