ブリッジレポート
(3031:東証マザーズ) ラクーン 企業HP
小方 功 社長
小方 功 社長

【ブリッジレポート vol.9】2009年4月期業績レポート
取材概要「中期経営戦略を発表してから3年目(2009年4月期)が終了し目標の黒字化を達成した。スーパーデリバリーに経営資源を集中したことは評価できよう・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年7月7日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ラクーン
社長
小方 功
所在地
東京都中央区日本橋蛎殻町1-18-11
事業内容
ネットを利用した問屋。衣料、雑貨の製造業者や輸入業者と小売店を仲介
決算期
4月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年4月 7,018 93 93 89
2008年4月 5,662 -158 -158 -160
2007年4月 3,334 -205 -203 -305
2006年4月 2,289 131 95 122
2005年4月 1,247 26 23 45
2004年4月 890 -56 -57 -58
2003年4月 621 -104 -105 -130
2002年4月 494 -192 -193 -200
2001年4月 204 -171 -175 -179
株式情報(6/16現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
196,000円 9,081株 1,780百万円 10.6% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 12,113円 16.18倍 97,524円 2.01倍
※株価は6/16終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ラクーンの2009年4月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
インターネット上のB2B(企業間電子商取引)市場であるeマーケットプレイス(Webサイト)の運営企業。
アパレル、雑貨を中心にメーカー、インポーター等(以下、出展企業)の取扱う商品を、「スーパーデリバリー」と言うWebサイトを通じて全国の中小小売店(以下、会員小売店)に販売している。
 
<事業内容>
 
1.「スーパーデリバリー」:今後の主力事業(経営資源を集中化)
アパレル、雑貨の新商品及び定番品を取扱っている。商品は出展企業から会員小売店に直送され、同社は代金決済を代行する。出展企業は、地方・中小小売店との取引上ネックだった決済機能、営業コスト、事務処理の手間を解消することが出来る。また、出展企業が許可した会員小売店にのみ卸値等の情報開示を行うため、ブランドイメージのコントロールが可能になっている。一方、会員小売店は多様な旬の商品の仕入が可能になる。同社は受注・出荷のデータ処理と決済のみを担当するため、運営負担が少ない。債権回収リスクは同社が負うことになるが、信販・クレジット・保証会社を利用することでヘッジしている。小売店は月額2,000円の小売店会費を負担し、出展企業は月額4万円の出展基本料と「スーパーデリバリー」での取引金額の10%をシステム利用料として負担する。したがって商材売上高が増加するだけでなく、会員小売店数、出展企業数が増加することが同社の売上総利益増につながる。
 
2.「オンライン激安問屋」「バイヤーズナビ」:サービス終了
同社は従来から各種問屋(主に雑貨、衣料)向けにアウトレット商品処分のための「オンライン激安問屋」というサービスを行っていたが、これらの問屋が上記の「スーパーデリバリー」に参加することで、彼らの在庫は大きく減少し、同サービスの需要は減少傾向にあった。そこで同社では2008年10月末で「オンライン激安問屋」サービスを終了し、そのシステムおよび顧客リストの有効利用として2008年9月中旬より「バイヤーズナビ」と言う新サービスを開始した。

しかしながら、「スーパーデリバリー」、「バイヤーズナビ」の両サイトを並行して利用する出展企業、小売企業が多かったことから、これらを一本化することがユーザビリティーの向上に繋がると判断し、2009年5月末日をもって「バイヤーズナビ」のサービスを終了した。
 
2009年4月期決算
 
<損益計算書サマリー>
 
 
売上高は前年比23.9%増となったが、これは主に経営指標(会員小売店数、出展企業数、掲載商材数)の向上による。(下図参照) 売上総利益(額)も15.9%増となったが、売上総利益率は前年の18.6%から17.4%へ低下した。これは相対的に商品売上高(粗利率10%で固定)が増加したことによるもので、会社側でも、この粗利率低下はあまり気にしていないと述べている。

一方で販管費は1,129百万円となり、前年の1,216百万円から減少、対売上高比率も21.5%から16.1%へ大きく低下した。この結果、営業利益、経常利益は前年の赤字から大きく改善し、黒字を計上した。

また「オンライン激安問屋」と「バイヤーズナビ」サービス終了に伴う事業再編損23百万円を特別損失として計上。さらに2009年4月期で通期黒字計上したことに加え、来期以降も安定的な黒字計上が見込まれることから、繰越欠損金に対する繰延税金資産26百万円を計上した。
 
 
 
<貸借対照表サマリー>
 
 
流動資産:当期純利益計上により現預金の増加と取引増加に伴う売掛金の増加
流動負債:取引増による買掛金の増加
固定負債:一年以内返済もしくは償還予定の長期借入金および社債の流動負債への振替えによる減少
純資産:純利益計上による利益剰余金の増加およびオプション行使による資本金・資本準備金の増加
 
<キャッシュ・フローサマリー>
 
 
営業活動によるキャッシュ・フロー:純利益の計上、取引拡大による仕入債務および売掛債権の増加
投資活動によるキャッシュ・フロー:ソフトウェアの開発および購入による無形固定資産の増加
財務活動によるキャッシュ・フロー:長短借入金の返済および社債償還による支出
 
<スーパーデリバリー:SD>
 
商品売上高:     6,158百万円(前年比28.6%増)
会員小売店向け売上高: 227百万円(同37.7%増)
出店企業向け売上高:  294百万円(同66.4%増)
 
 
上表のように主要経営指標の向上により会費売上高と出展基本料金売上高が増加した。一方で商品売上高は、第2四半期以降、購入客数の増加と客単価の上昇として取り組んできたが、景気悪化による会員小売店の仕入調整により伸び悩んだ。ただし結果としては前年比で28.6%増となった。
 
 
 
 
 
<バイヤーズナビ>
 
売上高  127百万円(開始後7ヶ月半の実績)
2008年9月16日よりサービス開始したが、2009年5月末でサービスを終了し、「スーパーデリバリー」と統合した。
 
<オンライン激安問屋>
 
売上高  209百万円
「バイヤーズナビ」の開設に伴い2008年10月末でサービス終了。
 
2010年4月期業績予想
 
 
会社側は通期の業績を上表のように予想している。黒字化を定着させるために、以下のような取り組みを行う計画。
 
(事業体制)
事業をスーパーデリバリーに一本化し、経営資源を同事業へ集中する。
(取り組み)
『中期経営戦略』の最終期の推進
メイン仕入先としてのポジショニング確保への施策
 ● 質の向上
  小売店からニーズの高い出展企業の確保
  出展企業当りの出品商材数・掲載数の増加
 ● 稼働率のアップ
  会員小売店の購入顧客数、客単価、リピート率の向上(当社はサブの仕入先⇒メイン化へ)
啓蒙活動の強化
 
会社側では、同社の事業モデルである「オンラインでの問屋取引」を拡大させるために、以下のような啓蒙活動を行っていくと述べている。
 
 ●取材記事の活用
 ●書籍出版
 ●広報業務専任者の採用
 
啓蒙活動の例(1):メーカーにとって中小小売店との取引に新たな可能性が広がっている
同社のターゲットは新しい概念の小売店「スモールセレクトショップ」
従来のパパ・ママショップとの違い ⇒ 立地、品揃え、仕入先、感度
地方中小小売店への販売網の強化
メーカーは都会の大手小売店との取引条件悪化から、地方中小小売店との取引を見直し初めている
メーカー側の利用目的の変化
新規卸先の開拓 ⇒ 中小小売店専用の卸の一部門として利用
啓蒙活動の例(2):ネット問屋は、従来の地方問屋の良いところを進化させ、悪いところを改善した問屋
瞬発力
即掲載、即販売を全国一斉にすることが出来る。
見込み在庫、流通在庫が発生しずらい。
取扱い商品数が無限
小売店オーナーのセンスに合わせた商品の購入が可能。
営業コストと決済リスクの排除
効率的に取引を行うことが可能
メーカーと小売店のコミュニケーションが可能
メーカーは売り場(小売店)の声の吸い上げを商品開発に生かせる。
小売店はメーカーより得た、売るための知識を質の高い接客に活かせる。
啓蒙活動の例(3):「スーパーデリバリー」はプロによるプロのためのサイト
会員審査・月会費
一般消費者の排除により、本来の企業間取引を安心して行うことが可能(質が重要)。
取引申請
メーカーの多くは販路を厳選し販売網を監視することで商圏を守る。
商品情報の精度の高さ
メーカー側から出展手数料を徴収することで、商品情報の更新頻度が高く、欠品も少ない。
サポートデスク
小売店側4名、出展企業側2名のサポートデスク担当を配備。
会話することで気軽に相談できる仕組みにし、同社も情報の吸い上げに活用。
取材を終えて
中期経営戦略を発表してから3年目(2009年4月期)が終了し目標の黒字化を達成した。スーパーデリバリーに経営資源を集中したことは評価できよう。

今後は売上高を伸ばせば、利益は加速度的に増加する可能性があるが、会社側の今期予想は控えめのように思われる。景況感が不透明なためと思われるが、目標の売上高を達成できれば利益は増額修正の可能性はあるだろう。別の見方をすれば、売上高が多少未達であったとしても目標利益を達成する可能性はある。いずれにしろ今後は今まで以上に売上げの動向に注視する必要があるだろう。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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コメント

貴社のHPを読んで、そのIRの情報はきちっと、しかもこの時期の好成績には正直感心致しました。配当も魅力的な企業ですし、現代社会の変化「ネットビジネス」は今後も大きく成長するでしょう。
ただ、事業内容と今後の戦術に頁が少ないことと具体性に欠けることが気になります。
正直、この頁の説明がもう少し具体的に記入して欲しいと思いました。
具体的には、貴社、ラクーンの実現が全国中小企業規模小売店との取引(=協業か提携か、その他の策か?)の明示がありません。
企業は常に前向きとその効果(アドヴァンテイジ)と結果が欲しいものだと思いました。

投稿者 宮川甲八郎 : 2009年09月17日 19:04

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