前年同期比0.1%の減収、同61.0%の経常減益。
改正薬事法への対応に加え、課題である収益率改善を推進すべく、来店促進の一環としてのクレジットカードの導入や販売価格の見直しを行う等、既存店の活性化に取り組んだ。しかしながら、消費者の買い控え傾向の強まりと企業間の競争激化により、来店客数が伸び悩んだ結果、売上高は前年同期比微減となった。既存店売上高はキリン堂が前年同期比2.5%減(計画:同0.4%増)。内訳は客数が同5.1%減、客単価が同2.8%増。ニッショードラッグが同4.4%減(計画:同0.2%減)。内訳は客数が同7.1%減、客単価が同2.9%増。
小売事業 売上高25,342百万円(前年同期比 0.1%減) | 内部売上控除後企業別売上高 |
キリン堂 |
19,275百万円 (寄与度439百万円) |
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ニッショードラッグ |
5,974百万円 (同 △ 341百万円) |
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ジェイドラッグ |
91百万円 (同 △ 117百万円) |
製造卸事業 売上高 47百万円(前年同期比20.5%減) |
利益面では、コストコントロールに注力した結果、販管費が計画内にとどまったものの、消費者の節約志向の高まりから利益率の高い商品の売上が伸び悩んだ事等による売上総利益の減少を補うにはいたらず、営業利益は同72.9%減少した。四半期純損失となったのは、営業店内の商品在庫の評価方法を従来の売価還元原価法から売価還元低価法へ変更した事に伴いたな卸資産評価損919百万円など特別損失985百万円を計上したため。
第1四半期末のグループ店舗数は309店舗。同社がスーパードラッグストアを大阪府に1店舗出店する一方、連結子会社(株)ニッショードラッグがスーパードラッグストア1店舗を閉店した。また、同社の25店舗、連結子会社の78店舗、合計103店舗において、改正薬事法施行に伴うレイアウト変更等の簡易改装を実施した。
花粉症や新型インフルエンザ関連商品の販売好調により医薬品が増加したほか、1店舗当たりの処方箋受付枚数の増加により調剤売上高も増加した。一方、化粧品、雑貨等はニッショードラッグの店舗閉鎖等の影響で減少。PB比率は、キリン堂が前年同期の9.6%から9.8%に、ニッショードラッグが同8.3%から11.2%に、それぞれ上昇した。
(3)キリン堂とニッショードラッグの品目別売上総利益率
キリン堂の売上総利益率は21.7%と前年同期比0.4ポイント改善。販売価格の見直しや利益率の高い商品の売上の伸び悩等で医薬品、健康食品、化粧品、育児用品の利益率が低下したものの、雑貨等及び調剤売上高の利益率が改善した。一方、ニッショードラッグは26.0%と同0.8ポイント悪化。調剤売上高を除く全ての品目が低下した。
キリン堂の店舗の増加で人件費率、営業費率、施設費率がアップした。一方、販売費を除く各科目はいずれも期初計画を下回った。
前期末と比較して、財政状態に大きな変化は無い。借方では、現預金や売上債権が増加する一方、たな卸資産や償却によりのれんが減少。貸方では、有利子負債が13,586百万円と1,415百万円減少したほか、四半期純損失となった事で純資産が減少した。
在庫コントロールが進んだことや支払い税額の減少で営業CFが大幅に増加。設備投資を絞り込んだこと等による投資CFの改善もあり、フリーCFが大幅に改善した。
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