ブリッジレポート
(3034:大証ヘラクレス) クオール 企業HP
中村 勝 社長
中村 勝 社長

【ブリッジレポート vol.4】2010年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「新規出店の状況にもよるのだろうが、第2四半期以降の業績予想はかなり保守的なように感じる。もっとも、第1四半期は、処方の長期化が既存・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年8月18日掲載
企業基本情報
企業名
クオール株式会社
社長
中村 勝
所在地
東京都新宿区四谷1-17
事業内容
調剤薬局チェーン上位。首都圏地盤だが出店地域拡大中。医薬品治験事業、出版事業も展開
決算期
3月末日
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年3月 49,010 1,502 1,482 653
2008年3月 38,002 1,295 1,278 547
2007年3月 24,827 937 875 403
2006年3月 21,701 779 763 333
2005年3月 20,193 611 580 74
2004年3月 18,500 28 10 -134
2003年3月 11,869 253 413 -33
2002年3月 8,107 5 153 68
株式情報(8/4現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
172,700円 61,872株 10,685百万円 7.4% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,000.00円 1.2% 11,468.01円 15.1倍 148,417.35円 1.2倍
※株価は8/4終値。
 
クオールの2010年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
主に民間病院・クリニックを対象とした調剤薬局をチェーン展開している。「“クオリティ オブ ライフ”の向上」を企業信念として掲げ、社名の「クオール」もこれに由来する。首都圏中心に東北、中部、北陸、関西に店舗展開しており、出店は常に医療機関とのマンツーマン体制を堅持する事で調剤薬局間の無駄な顧客獲得競争を排除している。また、地域に根ざした店舗運営を進めると共に、従来の調剤薬局のイメージを一新するような外観や明るく快適な店舗づくりで差別化を図っている。この他、薬のパンフレット作成等を手掛ける医療・医薬情報資材制作関連事業や医薬品治験関連(SMO)事業も手掛けており、09/3期の売上構成は、調剤薬局を展開する保険薬局事業が95.3%、医療・医薬情報資材制作関連事業が4.0%、医薬品治験関連(SMO)事業が0.8%。09年7月末現在のグループ店舗数は240店舗。
 
<沿革>
92年10月、調剤及び医薬品の販売を目的に設立された。03年5月、子会社フェーズオン(株)を設立し、医薬品治験関連(SMO)事業に参入。07年1月には、第一製薬(現:第一三共)傘下の第一メディカル(株)(現メディカルクオール)の全株式を取得し、医療・医薬情報資材の制作関連事業を開始した。
06年4月、大証ヘラクレスに株式を上場し現在に至る。
 
<クオールグループ>
グループは、同社の他、下記の連結子会社10社、及びその他の関係会社2社で構成されている。
 
保険薬局事業(クオール及び連結子会社5社)
同社が、大型・中型の民間病院・クリニック(処方せん応需枚数100枚以上)の門前を中心に東北、関東、関西等、全国へ展開しているのに対して、子会社の(株)福聚、(株)イムノファーマシー大阪(08年7月子会社化)、クオール東日本(株)(08年8月設立)の3社がクリニック等の門前薬局として展開。事業エリアは、(株)福聚が首都圏、(株)イムノファーマシー大阪が関西、クオール東日本が東北。この他、(株)お茶の水調剤薬局(08年10月持分法適用→連結子会社)、クオール関東(株)(09年2月設立)。
 
その他事業(連結子会社4社)
医療・医薬情報資材制作関連事業を手掛けるメディカルクオール(株)、医薬品治験関連(SMO)事業のフェーズオン(株)の他、特定労働者派遣・紹介事業のクオールメディス(株)(08年12月設立)、社内業務代行事業(「障害者雇用の促進」を目的とした特例子会社)のクオールアシスト(株)(09年2月設立)。
 
2010年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比24.2%の増収、同229.3%の経常増益となった。
長期処方が増加した事で既存店の調剤売上が伸び、連結売上高は13,671百万円と同24.2%増加した。利益面では、増収による既存店の収益性改善に加え、新卒薬剤師の入社人数が当初計画を下回った影響等により、営業利益率が1.1ポイント改善、営業利益は265百万円と同194.7%増加した。
第1四半期末の店舗数は240店舗。新たに1店舗を出店すると共に事業譲受により8店舗を譲り受ける一方、閉店及び譲渡により5店舗減少した。
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第1四半期末の総資産は前期末比398百万円増の24,151百万円。借方では、M&Aによりたな卸資産が増加する一方、長期借入金(流動資産計上分)の返済により現預金が減少。貸方では、長期借入金が減少する一方、純資産が増加した。
フリーCFは39百万円のマイナス。営業CFが増加したものの、営業譲受等による投資CFのマイナスをカバーできなかった。
 
 
2010年3月期業績予想
 
第1四半期の実績を踏まえ、上期及び通期の業績予想を上方修正した。
上期の上方修正理由は、長期処方が増加した事による既存店の調剤売上が堅調な事、及び新卒薬剤師の入社人数が当初計画を下回った事等である。
ただ、10年4月に予定されている診療報酬改定の影響が不透明であるため、保険薬局の新規出店については、計画の一部が来期以降にずれ込む見通しである。下期以降、出店計画の未達による影響が予想されるものの、第2四半期の上方修正要因によりカバーできるとして、通期業績予想についても上方修正した。
尚、8月末を基準日として、1株を2株に分割する。配当は、1株当たり第2四半期末500円、期末500円の年1,000円を予定している。
 
 
 
取材を終えて
新規出店の状況にもよるのだろうが、第2四半期以降の業績予想はかなり保守的なように感じる。もっとも、第1四半期は、処方の長期化が既存店の売上を押し上げたが、マンスリーレポートによると、足元では、処方の長期化で処方せん応需枚数が減少気味であるとの事。ただでさえ、医療費抑制政策により厳しい事業環境が続いている事に加え、09年6月には一般用医薬品の販売規制を緩和する改正薬事法が施行され、ヘルスケア業界に大きな変化をもたらしている。こうしたマイナス材料や不透明要因を踏まえて、達成可能な最低ラインを業績予想として発表しているものと思われる。
 
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