ブリッジレポート
(4323) 日本システム技術株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(4323)日本システム技術 vol.10

(4323:東証2部) 日本システム技術 企業HP
平林 武昭 社長
平林 武昭 社長

【ブリッジレポート vol.10】2010年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「同業他社の苦戦を考えると、同社の第1四半期決算は際立っている。収益性が高く、しかも、安定しているパッケージ事業を有する事が同社の強み・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年8月18日掲載
企業基本情報
企業名
日本システム技術株式会社
代表取締役社長
平林 武昭
所在地
〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-7
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年3月 10,449 806 852 447
2008年3月 10,705 931 945 426
2007年3月 9,711 389 405 138
2006年3月 7,917 111 125 605
2005年3月 8,189 522 502 319
2004年3月 7,767 540 537 67
2003年3月 7,064 676 635 194
2002年3月 6,939 658 606 181
2001年3月 6,285 834 814 282
株式情報(8/6現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
838円 4,739,153株 3,971百万円 11.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25.00円 3.0% 98.12円 8.5倍 846.67円 1.0倍
※株価は8/6終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
日本システム技術の2010年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
ソフトウェアの受託開発(09/3期売上構成比62%)、教育機関向け業務パッケージの開発・販売(同19%)、及び情報システム関連機器等の販売(同19%)を行っている。
 
<沿革>
設立は、1973年3月。JAST(同社)の特徴である教育機関向け業務パッケージには、90年代前半から取り組んでおり、94年10月に学校事務支援統合システムパッケージソフト「GAKUENシリーズ」の販売を、98年8月に大規模大学向けERP「GAKUEN REVOLUTION(学務)」の販売を、2000年2月に学校関係者間の情報ネットワークを実現する統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」の販売を、それぞれ開始。01年11月のジャスダック上場を経て、03年2月に東証二部に株式を上場した。
 
<特徴>
(1)理念重視の経営
「情報化の創造・提供による社会貢献」をモットーとして、いかなる企業系列にも属さない完全独立の立場を堅持することにより、業種、技術分野、プラットフォーム等を問わず、常に最新の技術に挑戦しつつ、自由な立場で幅広い分野の開発業務に取り組むことを経営の基本方針としている。
この基本方針に則り、顧客、株主、社員、社会がそれぞれWin-Win(双方有益)の関係を築くべく、「四方良し」の理念を掲げ、それぞれの価値を最大化し、全体としての企業価値を高めることにより、安定的成長を実現することを目標としている。
また、このような成長の原動力となるのは従業員一人一人の情報システム開発に対する情熱と顧客への誠心誠意のサービス製品であり、そのためには人間力の研鑽が何よりも先行すべきである、との信念に基づいた「人づくり」経営に徹することにしている。
 
※ 経営理念の基本的考え方
「天爵を修めて人爵これに従う」=天爵を修めることで、はじめて人爵を与えられる。人爵を得て、その結果として天爵を与えられることはない。
 
 
(3)大手優良企業群との長期取引
下表のように、大手企業群と長期取引が多いのも同社の特色。しかもすべてが直接取引である。長期取引であるため、先方顧客からは同社が「コア・パートナー」となっている場合が多く、そのことが不況期でも受注が大きく落ち込むことが少ない理由のひとつだろう、と会社側は述べている。
 
 
 
(4)グループ拠点展開
大阪と東京の2本社制を敷いており、早くから海外に開発拠点を展開している事も特徴。また、2006年8月には、大学向けマーケットを中心とする文教分野での業容拡大を図るべく、首都圏の大規模大学を中心に、システム機器等の販売で実績のあるアルファコンピュータ(株)の全株式を取得した。これにより、パッケージ、情報機器及びネットワーク等を一貫して提供する大学向けSI(システム・インテグレーション)事業の大規模展開が可能となった。
 
 
(5)国内トップシェア誇る教育機関向け業務パッケージ
大学向け経営改革ソリューションとして提供している統合業務パッケージは、94年10月の発売以来、278校(09年3月末現在)への導入実績を有し、文教マーケットにおいて高い評価を受けている。特徴は、大規模な総合大学から小規模の短期大学に至るまで、主要業務を全方位でカバーしているため、パラメーターの設定だけで大学個々のニーズに柔軟に対応できる事。つまり、カスタマイズの必要がないため、ユーザーは導入時及びその後の運用・メンテナンスに関わるトータルコストを削減する事ができる。なお、1案件あたりの導入金額は数10万円~数億円と、導入規模により広範囲にわたる。少子化問題への取り組み戦略のひとつとして、大学各校は優秀な学生を確保するべく、学生向けサービスや経営品質の向上に取り組んでいる。しかし、全国に約1,200校あると言われる大学・短大の大半がメインフレーマー等による手作りのシステムやカスタマイズを前提としたパッケージを使っていという。品質・価格両面での優位性から競合は少ないようで、販売拡大の余地は大きいと思われる。現在20%のシェアを、早期に30%に引き上げたい考え。
 
(6)その他の特長
人材重視 ⇒ 品質安定、低コスト体質
品質、信頼へのこだわり ⇒ 高いリピートオーダー率、大手顧客との長期取引
特徴的な営業戦術 ⇒ 受託開発パッケージ販売・機器販売の共存共栄に成功
徹底したコスト管理 ⇒ 問題の早期発見による不採算案件の最小化、低コスト体質
 
2010年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比27.6%の増収、経常利益176百万円となった。
前年同期の伸びが大きかったパッケージ事業の売上高が減少したものの、大学向けや公共機関向けの大型案件が寄与したシステム販売事業が同3.3倍に拡大した他、主力のソフトウェア事業が堅調に推移、連結売上高は2,497百万円と同27.6%増加した。
利益面では、ソフトウェア事業におけるシステムエンジニアの技術転換に伴う非稼動ロスの減少、パッケージ事業における新製品の開発投資の一巡、更には大幅な増収となったシステム販売事業の損益改善等で営業損益以下の各段階で黒字転換した。

尚、同社の事業は、いずれも検収時期が多くの企業の会計期末にあたる3月に集中し、次いで第2四半期末に当たる9月に集中する傾向がある。このため、第1、第3四半期の売上・利益が、通期の売上・利益に占める割合は極端に小さくなる傾向がある。しかし、この第1四半期は、システム販売事業の売上が拡大したため、通期予想売上高に占める割合が22.1%に達した。
 
 
ソフトウェア事業
製造業向け案件が減少したものの、通信業、金融業、及びサービス・流通業向け案件の増加により、売上高は1,390百万円と前年同期比1.8%増加。利益面では、前年同期に発生したシステムエンジニアの技術転換に伴う非稼動ロスを抑制できたため、営業利益は88百万円と同186.7%増加した。
 
パッケージ事業
前年同期に製品販売及びEUC(End User Computingの略。:パッケージの周辺システムの受託開発)等の各サービスが大きく伸びた反動で、売上高が313百万円と同11.8%減少した。ただ、新製品の開発投資が一巡した事による研究開発費の減少等で営業利益は41百万円と同64.0%増加した。
 
システム販売事業
大学向け機器販売及び公共系SI案件が順調に推移し、売上高が793百万円と前年同期比235.1%増加。売上の大幅な増加により営業損益が黒字転換した(△65百万円→36百万円)。
 
 
第四半期末の総資産は前期末比525百万円減の7,617百万円。期末を越えて売上債権、仕入れ債務が減少する一方、現預金が増加した。
 
 
損益改善や売上債権の回収を反映して営業CFも増加。投資CFのマイナスが減少したのは、保険積立金の取り崩しがあった事や投資有価証券の取得が減少したため。
 
2010年3月期業績予想
 
上期及び通期の業績予想に変更は無い。
経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計(09年5月度確報)」によると、5月の情報サービス業の売上高は前年同月比0.5%増と、09年1月以来4ヵ月振りにプラスとなった。しかし、依然として企業の投資意欲は弱く、受注競争の激化や販売価格の低下等で情報サービス各社は苦戦を強いられている。このため、同社では、第2四半期以降も厳しい事業環境が続く事を想定して経営を進めていく考え。

事業別の取り組みは次の通りである。
ソフトウェア事業においては、既存の長期SI(システム・インテグレーション)案件の継続受注と、最新のソリューションを提供するニュービジネス案件拡大の両輪政策により、安定収益の獲得と付加価値の向上追求しいく。
一方、パッケージ事業においては、大学マーケットにおける同社のブランド力を更に高めるべく、教育機関向け統合業務パッケージの新製品「EXシリーズ」の拡販、高品質の大型EUC(前出)案件の開発並びに追加製品の開発を推進し製品力の強化を図る。
また、システム販売事業においては、現状の堅調な業績状況を通期にわたって維持するべく、文教系及び公共系大型案件の受注強化とシステムエンジニア部門の収益力強化に取り組む。

通期予想は、連結売上高が前期比8.1%増の113億円、営業利益が同8.5%増の875百万円、経常利益が同5.6%増の900百万円、当期純利益が同3.8%増の465百万円。配当は、1株当たり25円の期末配当を予定している。
 
 
 
取材を終えて
同業他社の苦戦を考えると、同社の第1四半期決算は際立っている。収益性が高く、しかも、安定しているパッケージ事業を有する事が同社の強みだが、厳しい事業環境の中でソフトウェア事業が堅調である上、システム販売事業も軌道に乗ってきた(システム販売事業は、大学向けマーケットを中心とする文教分野での業容拡大を目的に06年9月末に子会社化したアルファコンピュータ 株式会社が手掛けている)。
会社側の予想通りであれば、第2四半期(7-9月)は営業赤字だが、第1四半期の実績から考えて、予定している24億円の売上高を確保できれば、大きな不採算案件の発生等が無い限り、利益計上は可能と考える。