ブリッジレポート
(4849) エン・ジャパン株式会社

プライム

ブリッジレポート:(4849)エン・ジャパン vol.21

(4849:大証ヘラクレス) エン・ジャパン 企業HP
越智 通勝 会長
越智 通勝 会長
鈴木 孝二 社長
鈴木 孝二 社長
【ブリッジレポート vol.21】2009年12月期第2四半期業績レポート
取材概要「上期の決算は厳しいものとなったし、下期も楽観はできない。しかし、その一方で、「はたらくモバイル」のオープンに加え、資本業務提携による・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年8月25日掲載
企業基本情報
企業名
エン・ジャパン株式会社
会長
越智 通勝
社長
鈴木 孝二
所在地
東京都新宿区西新宿 6-5-1
決算期
12月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年12月 21,329 5,943 5,906 3,090
2007年12月 22,686 7,564 7,573 4,168
2006年12月 16,919 5,605 5,607 3,105
2005年12月 11,491 3,791 3,826 2,203
2004年12月 6,980 2,245 2,254 1,253
2003年12月 4,372 1,749 1,754 1,038
2002年12月 3,107 1,305 1,283 663
2001年12月 1,876 933 898 464
2000年12月 620 254 249 132
株式情報(8/12現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
110,000円 233,124株 25,644百万円 22.9% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 1,201.52円 91.6倍 53,113.17円 2.1倍
※株価は8/12終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
エン・ジャパンの2009年12月期第2四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
インターネット上で、[en]ブランドの5つの転職・就職情報サイトを運営している。求人・求職をめぐっては、「実際の業務に就いてみたら、業務内容が事前の説明と違った」と言うトラブルが多いが、同社では、営業担当者が求人企業を取材し、求人企業やその業務内容について、客観的で公正かつ詳細な情報提供を念頭に原稿作成が行われている。こうした取材に基づく公正で詳細な企業情報が求職者から高い評価を受けている事はもちろんだが、求職者は企業や業務内容を十分理解して入社するため、「戦力化が早い一方、離職者が少ない」と求人企業からも高い評価を受けている。尚、売上高の大半を求人企業からの求人広告掲載料収入が占め、求職者に負担は生じない。
 
 
2009年12月期第2四半期決算
 
 
前年同期比51.4%の減収、同93.6%の経常減益となった。
新卒・中途共に採用意欲が低下しており、主力の[en]社会人の転職情報を中心に全てのサイトで売上が減少した。利益面では、賞与引当金の減額及び人員減等による人件費の削減(847百万円)やプロモーション戦略の見直しによる広宣・販促費の削減(1,763百万円)等により、費用全体(売上原価+販管費)で2,662百万円を削減したものの、大幅な減収による影響をカバーできず営業利益は同93.3%減少した。
四半期純損失となったのは、特別退職金236百万円やオフィス統廃合に伴う固定資産の除却損など特別損失386百万円を計上したため。

尚、第2四半期に一段の経費削減が進んだ事や6月の売上が5月比で増加した事等から5月8日に修正した予想値(売上高5,204百万円、営業利益△266百万円、経常利益△207百万円、四半期純利益△320百万円)を上回った。
 
 
 
 
中途採用事業の売上高には、[en]社会人の転職情報、[en]転職コンサルタント、[en]派遣のお仕事情報、[en]本気のアルバイトの各サイト売上高の他、適性テストなど中途関連その他の売上高が含まれている。
サイト別の状況と第3四半期以降の方針は次の通り。

[en]社会人の転職情報の売上高は前年同期比66.1%減の2,028百万円。第2四半期(4-6月)の3ヶ月間では同67.9%減の941百万円。6月末の会員数は同30.6万人(13.9%)増の250万人。
企業の採用抑制による市場の縮小で件数が減少、価格競争の激化により平均単価も同28.9%低下した。ただ、採用ニーズのある地域や業種への戦力の集中投下が奏功しシェアが08/12期から上昇した。第3四半期以降は、売上シェア及び顧客シェアを引き上げるべく、既存顧客へのアプローチを強化し、スポット的に発生する欠員補充など急な人材需要に対応できる体制の構築を図ると共に、引き続き重点地域や不況下でも積極的な採用活動を続ける業種への営業活動を強化する。また、ボリュームディスカウント等による単価の引き下げは否定しないものの、安易な値引きは控えて提案営業による顧客満足度の向上に取り組む考え。通期売上高は4,200百万円を予定(進捗率48.3%)。

[en]転職コンサルタントは、人材紹介会社の業績悪化を受けて売上高が786百万円と前年同期比32.5%減少した。第2四半期(4-6月)の3ヶ月間では同39.4%減の352百万円。6月末の会員数は同7.5万人(17.0%)増の52万人。
契約更新時の企画のサイズダウン(オプションの利用減)や価格競争の激化、更にはキャンペーンによる影響もあり平均単価が同17.0%低下した。第3四半期以降は、豊富なデータを活かし、案件(顧客ニーズ)や募集方法のコンサルティングを強化し、顧客の業績向上につながる営業活動を推進する事で継続掲載につなげていく考え。通期売上高は1,420百万円を予定(進捗率55.4%)。

[en]派遣のお仕事情報は、マーケットの縮小により売上高が1,352百万円と前年同期比24.7%減少した。第2四半期(4-6月)の3ヶ月間では同36.4%減の579百万円。6月末の会員数は同9.9万人(20.4%)増の59万人。
新規求人の減少により契約枠数を減らす人材派遣会社が増えている事に加え、顧客獲得競争の激化もあり(人材派遣会社の廃業・撤退や大手に買収されるケースが増えている)、平均単価が同20.5%低下した。第3四半期以降は、継続掲載に向けて、派遣社員の稼働率にまで配慮した提案等、人材派遣会社の業績向上に寄与する営業活動を推進する。また、好評を博した顧客企業向けセミナーを引き続き開催し、顧客満足度の向上にも努める。通期売上高は2,440百万円を予定している(進捗率55.4%)。

[en]本気のアルバイトは、流通・小売業の一部で人材需要回復の兆しが見られたものの、成果報酬型モデルの登場による価格競争激化もあり、売上高が371百万円と前年同期比38.5%減少した。第2四半期(4-6月)の3ヶ月間では同45.0%減の170百万円。6月末の会員数は同11.9万人(47.8%)増の36万人。第3四半期以降は、人材需要が比較的安定している業界や企業へのアプローチを強化する他、[en]派遣のお仕事情報とのクロスセリング等、顧客ニーズに対応しやすい営業体制を構築する。通期売上高は740百万円を予定している(進捗率50.2%)。
 
 
新卒採用事業の売上高には、[en]学生の就職情報のサイト売上高の他、適性テストなど新卒関連その他の売上高が含まれている。2011年卒業予定学生向けサイトの営業活動を開始すると共にサイトの機能強化や会員獲得に注力したものの、景気悪化により09年3月から6月までの掲載開始企業数が前年同期比171社(65.8%)減少したため、上期の同サイトの売上高は495百万円と同48.1%減少した。第2四半期(4-6月)の3ヶ月間では同62.9%減の129百万円。6月末の会員数は同4.8万人(12.4%)増の43万人。
第3四半期以降は、企業との接触機会を増やすと共に、顧客ニーズに沿った新たな商品・サービス展開により差別化を図る等、リピート掲載に向けた営業活動を強化する。また、営業促進及び会員獲得に向け、「YAHOO!就職」と提携した。通期売上高は1,690百万円を予定している(進捗率29.3%)。
 
 
 
2009年12月期業績予想
 
 
前期比48.9%の減収、同83.1%の経常減益予想。
上期の売上高が予想を上回ったものの、[en]転職コンサルタント・[en]派遣のお仕事情報に関しては、上期よりも事業環境が悪化する可能性がある事、及び新卒事業の先行きが見え難いとして通期の売上高を据え置いた。また、上期は予想を大幅に超過した営業利益についても、引き続き新規事業への取組みを積極的に行う予定であることから、これに関わる業務委託費を予算として多めに計上していること及び状況に応じてプロモーション費用を変動させる考えであることから据え置いた。ただ、経常利益については、営業外収益に計上する予定だった保険解約返戻金を特別利益に計上する見込みとなった事によりわずかに(50百万円)下方修正した。
尚、期末配当は未定である。同社は配当性向30%を目処に利益還元を実施しているものの、今期は特別損益の計上等で当期純利益が変動する可能性がある事が未定の理由。現状では、無配とする考えはないようだ。
 
 
(2)事業セグメント別予想
中途採用事業、新卒採用事業共に、値引きを進める同業他社とは一線を画し、顧客へのアプローチを積極的に行い、顧客ニーズをくみ上げた提案営業により受注拡大を図る。
 
 
 
その他
 
既存事業・新規事業の育成戦略についての説明があった。
 
既存事業・新規事業の育成戦略
既存事業において業務提携や新たなサービスを開始すると共に、新規事業についても継続して推進中である。
 
BtoB領域
・株式会社レビックグローバルとの業務提携          教育・評価事業
・株式会社リロ・ホールディングスとの資本提携
・ウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社との業務提携  新卒採用事業
・株式会社ファーマネットワークとの資本業務提携        中途採用事業
BtoC領域
NTTドコモ公式有料モバイルサイト「はたらくモバイル」を開始   中途採用事業
 
<株式会社ファーマネットワークとの資本業務提携>
(株)ファーマネットワーク(本社:東京都中央区)と資本・業務提携を結びCSO事業に参入する。CSOとはContract Sales Organizationの略で、MR(医薬品情報担当)の特定派遣、業務受託等を行う事業者の事。
(株)ファーマネットワークはCSOで国内3位の大手だが、この10月に東証1部上場企業であるイーピーエス(株)グループでCSO国内4位のイーピーメディカル(株)との合併が決まっている。合併後の存続会社はイーピーメディカル(株)だが、合併時に(株)ファーマネットワークに商号を変更する。また、イーピーエス(株)は、合併期日までに合併新会社における株式所有割合が41~45%となるよう、ファーマネットワーク株式を一部取得する。これにより、(株)ファーマネットワークはエン・ジャパン(株)の持分法適用会社、イーピーエス(株)の連結子会社となる。
 
 
CSOの市場規模
長寿・高齢化社会を迎えて医薬品市場が拡大を続けているが、CSO市場も医薬品市場の拡大を受けて右肩上がりの成長が続いている。2010年には400億円市場に拡大する見込みだが、特殊な業務ノウハウが必要なため参入障壁が高く、現在の国内市場は上位4社による寡占状態にある。

医薬品市場の拡大によるMRの需要増で、CSO業界では今後MR及びMR候補人材の獲得競争の激化が予想される。このため、エン・ジャパン(株)がMR(未経験者も含む)の採用・教育・育成で(株)ファーマネットワークを支援し、(株)ファーマネットワークはエン・ジャパン(株)の支援を受ける事で採用における質・量・マッチング精度を向上させ業績拡大を図る。エン・ジャパン(株)は、上記の人材面でのサービスを提供する事で自社の既存事業の収益拡大につなげる他、持分法適用会社としての(株)ファーマネットワークの業績貢献も享受できる。
 
<NTTドコモ公式有料モバイルサイト「はたらくモバイル」>
(株)GNT(東京都渋谷区、以下GNT)と共同で、(株)NTTドコモが展開する「iモード(R)」向けに、転職に役立つ知識やノウハウを配信する転職指南サイト「はたらくモバイル」を7月21日にオープンした。
エン・ジャパンがサイトの監修を行い、GNTが運営を担当する「はたらくモバイル」のコンテンツは、エン・ジャパンが、前身の人事コンサルティング会社「(株)日本ブレーンセンター」時代を含め、25年間にわたって培った転職時に役立つ知識やノウハウを中心に、転職に関する書籍の情報、面接シミュレータ、虎の巻等の転職ノウハウ、更にはニュースやデコメ、マナー着信音といったサブコンテンツをラインナップしている。また、au、ソフトバンクモバイルへの配信も予定されている。
 
 
取材を終えて
上期の決算は厳しいものとなったし、下期も楽観はできない。しかし、その一方で、「はたらくモバイル」のオープンに加え、資本業務提携による成長著しいCSO事業への参入とCSO向け人材サービスの強化等、既存事業のノウハウを活かした新たな取り組みが進んでいる。また、コスト面では、下期以降、希望退職制度の実施による人件費削減効果が本格的に現れる他、一段の広告宣伝費の削減も進む見込みだ。引き続き厳しい事業環境が予想されるものの、事業の強化とコスト削減が着実に進んでいる事に加え、地代家賃等で更なるコスト削減が見込める事等から来期の業績に期待したい。