ブリッジレポート
(4847:JASDAQ) インテリジェント ウェイブ 企業HP
山本 祥之 社長
山本 祥之 社長

【ブリッジレポート vol.1】2009年6月期業績レポート
取材概要「減収・減益となった09/6期だが(当期純利益は増益)、第4四半期には主力のカードビジネスのフロント業務の受注に底打ちの兆しが見られた。この受注・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年9月1日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インテリジェント ウェイブ
社長
山本 祥之
所在地
東京都中央区新川1-21-2 茅場町タワー
事業内容
ソフト開発会社。クレジットカード決済システム首位。内部情報漏洩対策関連(CWAT)再強化
決算期
6月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年6月 5,527 228 235 187
2008年6月 6,695 417 403 -5
2007年6月 6,367 389 407 -295
2006年6月 7,137 1,482 1,452 947
2005年6月 5,174 678 688 264
2004年6月 5,257 371 365 156
2003年6月 5,891 1,177 1,161 539
2002年6月 5,505 1,854 1,846 1,003
株式情報(8/20現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
17,280円 246,782株 4,264百万円 4.6% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
500.00円 2.9% 713.18円 24.2倍 16,684.38円 1.0倍
※株価は8/20終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
インテリジェント ウェイブの2009年6月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
クレジットカード決済向けのソフトウェア開発会社。自社開発パッケージによるクレジットネットワークシステム及び集配信システムの提供で高シェアを有する。また、金融業界向けで培ったノウハウをセキュリティ技術にも活かし、カード不正利用検知システムや内部情報漏洩対策システム等も手がける。
グループは、同社の他、米国の販売子会社と韓国の開発・販売会社子会社の2社(いずれも連結子会社)。
 
<事業内容>
事業は、カードビジネスのフロント業務、システムソリューション業務、及びセキュリティシステム業務に分かれ、09/6期の売上構成比は、それぞれ46.7%、37.3%、16.0%。
 
カードビジネスのフロント業務
クレジットカード会社、銀行、大手小売業等向けに、自社開発パッケージ「NET+1」をベースにしたカード決済ネットワークシステムの構築を行い、大手クレジットカード会社のシェア70%の実績を誇っている。
システムソリューション業務
クレジットカード不正利用検知システム「ACE Plus」、通信ミドルウェア「RIX」等の自社製品及び他社製品(海外商品)を用いたシステム構築を行っている。
セキュリティシステム業務
自社製品である内部情報漏洩対策システム「CWAT」の他、USBメモリ「Cstickシリーズ」やウイルス対策ソフト「Virus Chaser」といった他社製品の販売を行っている。
 
※ カードビジネスのフロント業務の特徴
クレジットカードの利用に際しては、現金の払い出しや買い物代金の決済が行われる前に与信限度額や返済状況の確認作業が行われ、また、キャッシュカードで現金を引き出す際には口座残高の確認が行われる。こうした確認作業はリアルタイムで行われ、特にクレジットカードの場合、世界的なネットワークを介して行われる。また、システムが止まるとカードが使えなくなるため、24時間365日システムを止めないための技術やノウハウも必要となる。つまり、リアルタイム処理が可能な高度なネットワーク技術とシステムを止めないためのノンストップ技術、そしてノウハウが要求される上、顧客となる金融機関等からの信頼性も不可欠なため参入障壁が高い。
加えて、技術的な進歩やネットワーク的な進歩に加え、様々な社会犯罪等への対応も必要なため、振れはあるものの趨勢的に市場の拡大が続いている。
 
2009年6月期決算
 
 
前期比17.5%の減収、同41.8%の経常減益となった。
前期第1四半期に検収した約11億円の大型案件の反動や貸金業法及び割賦販売法の改正の影響を受けて主力のカードビジネスのフロント業務の売上が減少したのが主な要因。
一方で東証次世代システム対応等の案件が増加したシステムソリューション業務や「CWAT」の提案営業を強化したセキュリティシステム業務の売上および利益が増加(改善)したものの、カードビジネスのフロント業務の落ち込みをリカバーするまでには至らなかった。

08/6期はセキュリティシステム事業において固定資産の減損損失や事業所閉鎖損失引当金繰入や投資有価証券評価損など、前向きなリストラ策を実施。また、今期においても、販管費削減などのコスト削減策も積極的に進め、本社フロアの減床などを行う反面、研究開発費は、前期217百万円→339百万円と前向きな投資も行っている。

前期はこれら前向きなリストラ策もあり特別損失398百万円を計上し、5百万円の当期純損失となったが、当期は投資有価証券売却益など特別利益147百万円を計上したことも含め、187百万円の当期純利益となっている。
 
 
<カードビジネスのフロント業務>
野村総合研究所(NRI)への「NET+1」の納入に伴うハードウェア販売が増加した他、保守売上も増加したが、前期のカード4社の共同センター化関連の大型案件(約11億円)の反動に加え、取引先が法改正への対応に伴うシステム投資を優先させたため(結果として、同社のサービス領域の案件が減少)、ソフトウェア開発が減少した。
 
個別ベースでの主なサブセグメントの増減(個別と連結のセグメント売上高は同額)
ソフトウェア開発   3,169百万円 → 1,561百万円
保守売上        371百万円 →  404百万円
ハードウェア販売    211百万円 →  508百万円
 
<システムソリューション業務>
東証次世代システム対応を中心にソフトウェア開発が増加した他、保守売上も伸びた。また、クレジットカード不正利用検知システム「ACE Plus」やクレジット決済ネットワーク接続パッケージ「FEXICS」等の自社開発パッケージもほぼ前期並みの水準を維持する一方、ハードウェアや仕入商品の販売が減少したため利益率が改善した。
 
個別ベースでの主なサブセグメントの増減(個別と連結のセグメント売上高は同額)
ソフトウェア開発   1,033百万円 → 1,382百万円
自社開発パッケージ   211百万円 →  208百万円
保守売上        198百万円 →  235百万円
ハードウェア販売    168百万円 →   14百万円
仕入商品        242百万円 →  201百万円
 
<セキュリティシステム業務>
主力の内部情報漏洩対策システム「CWAT」を中心に保守売上が増加した他、ソフトウェア開発もほぼ前期並みを維持。パッケージ製品の販売では、自社開発製品が減少する一方、仕入商品が増加した。
 
個別ベースでの主なサブセグメントの増減
(個別ベースのセグメント別売上高は08/6期846百万円、09/6期880百万円)
ソフトウェア開発    101百万円 →  102百万円
自社開発パッケージ   206百万円 →  194百万円
保守売上        394百万円 →  416百万円
仕入商品        131百万円 →  154百万円
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
財政状態に大きな変化は無く、期末の総資産は前期末比121百万円減の5,011百万円。借方では、売上高や受注残の減少もあり、売上債権及びたな卸資産が減少し、現預金が増加。貸方では仕入債務が減少する一方、純資産が増加した。
また、資金の動きを見ると、営業CFが減少すると共に、投資CFがマイナスとなり、フリーCFが大幅に減少した。ただ、営業CFの減少は、大型案件の売上債権の回収で08/6期の営業CFが一時的に大きく増加した反動であり、投資CFも、08/6期は定期預金の払い戻し(200百万円)で一時的に黒字となった。このため、09/6期に特段CFが悪化したわけではない。
 
 
 
2010年6月期業績予想
 
(1)外部環境
クレジットカード業界
貸金業法改正や割賦販売法改正による規制強化や景気悪化等で、クレジットカード業界を取り巻く環境は厳しい。しかし、業務の効率化に向けたシステムの共同運用や、逆に適正規模への業務の縮小或いはアウトソーシングの活用等、クレジットカード会社各社のBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)に伴う需要が高まっている。
一方で、期待感としては、6月に可決され、1年以内に施行される資金決済法の動向。これは、今まで銀行のみがおこなっていた為替送金業務のうち、小口送金に関して自由化されるなどの規制緩和。同法対応に伴うシステム投資などにも期待感がある。
 
証券業界
投資予算は削減・縮小傾向にあり、当面、証券各社は既存システムを維持する考え。しかし、今後、東証次世代システムへの対応が本格化してくる他、JASDAQとの統合に伴う大証の次世代システムへの対応需要も見込まれる。このため、既存顧客の深耕に加え、大証次世代システムへの対応に伴う新規需要の取り込みに注力していく必要がある。
 
情報セキュリティを取り巻く環境
内部統制対応システムへの投資は活発だが、IT投資は縮小傾向にあり、加えて、費用対効果の検証や導入に際しての評価基準の厳格化等、IT投資に対する顧客の目が厳しさを増している。このため、単なるツールだけではなく、トータルソリューションの提供が必須となりつつある。
 
(2)主な取り組み
同社は、次に示す4つの施策を重点的に実施する事で、飛躍的成長への足がかりとする考え。
 
|羇的な基本戦略は不変
・法改正等を好機と捉え、「IT×業務」の更なる推進によりクレジットカード関連業務におけるビジネスチャンスを確実に取り込む。
⊆益性の向上
・利益率の高いパッケージソフト関連の受注を拡大し、収益構造の強化及び再構築を図る。
・コストコントロールを徹底して行うと共に、今後期待される研究開発は前向きに投資する。
新製品の投入、新規業界への注力による収益の柱の構築
・セキュリティ意識の高まりを受け、情報セキュリティツール「EUC Secure」などの新製品のリリースを行う。
ぢ臚本印刷との取り組み
・セキュリティシステム業務における「SSFC」をはじめとするセキュリティ関連ビジネスにおける関係強化を図る。
・セキュリティ以外の取組みとしてシステム開発案件における受託開発などにも取り組む。
 
(2)業績予想
10/6期は、法改正等の外部環境変化に伴うクレジットカード業界の動向を注視しつつ、景気回復局面での売上拡大に向けた足場固めの期と位置づけて事業構造の改革と収益性の向上に取り組む考え。
 
 
前期比9.5%の減収、同30.7%の経常減益予想。
クレジットカード業界をはじめとする金融業界全般的にまだまだ先行きが不透明な状況であること、また前第4四半期における受注動向を踏まえ、上期では減収赤字予想。下期比較では増収増益だが、業務経費節減に貢献するシステム投資需要は高いことから、特にカードビジネスにおけるフロント業務の自社製品機能強化等を踏まえ堅実に受注獲得を企図している。
システムソリューション業務においては、東証次世代システムへの初期対応の一巡で売上は減少する見込み。セキュリティシステム業務においては、メーカーなどからの受注やオプションなどの付加サービスを含め前期比で増収増益となる予定。配当は、1株当たり期末500円を予定している。
 
 
 
2010年6月期の施策
 
(1)セグメント別施策
.ードビジネスのフロント業務
・システム需要の分化(大型化・小型化)のそれぞれをカバー
→NET+1強化
・Sler、ハードベンダー等との協業を強化
・外資系運用サービス会社とODNソリューションとの連携による受注増
・基幹システム周辺系業務システムおよび高可用性が不要な小規模システム開発の受注活動を行い、業務分野拡大
 
▲轡好謄爛愁螢紂璽轡腑鷆般
・パッケージソフト売上比率の向上
→既存顧客の深耕(ACE Plus追加オプション販売、付加価値保守サービスの展開など)
→カード会社の業務系(加盟店管理、加盟店支援業務システムなど)の展開
・証券フロントのインフラ刷新ニーズのある証券会社へのアプローチ
→大証次世代対応のチャンスの取り込み
→東証次世代対応システム導入企業への本格MDSインフラの提案
・開発原価率の低減
→外注費の見直し
→非稼動工数の減少
 
セキュリティシステム業務
・ターゲットを絞った営業展開
→製造業へのソリューション提案営業の推進
→他事業部連携による金融業企業への深耕とシェア向上
・サービスメニューの強化。収益の多角化
・導入企業数1,000社の早期達成へ向けての営業強化
 
 
(2)新しい情報セキュリティツール「EUC Secure」の開発開始
同社は、EUC文書ファイルを暗号化すると共に、利用制限の付与や操作ログの取得を可能にする「EUC Secure」の開発を開始した(出荷予定時期は2009年10月)。尚、EUC文書ファイルとは、企業内でエンドユーザがMicrosoft社のExcel、Word、PowerPoint、或いはAdobe社のAcrobat等で作成した文書ファイルの事。

「EUC Secure」は、重要なEUC文書ファイルの暗号化を業務現場で可能にすると共に、ファイル利用先の利用制限を行い、操作の利用履歴(ログ)の取得により、情報漏洩リスクを大幅に低減し、コンプライアンスや内部統制を強化する事ができる。

当初は、ニーズの高いエクセルを対象とするなど機能を絞り込むことで、工数等のコスト低減を図りつつ、早急に普及を図り、その後オプションなどの付加サービスをリリースしていくことで、安定的な売上増を図るとしている。
 
 
(3)グループ戦略のまとめ
国内において、既存顧客の深耕と業務分野の拡大、SIerやハードベンダーとの協業強化、更にはパッケージソフト(新規開発製品)の売上比率の増大に努める。また、海外において、人的ネットワーク・チャネルの確立やSIer等との協力関係強化に取り組むと共に、参入障壁の比較的低いセキュリティ関連ビジネスにより海外での地盤固めを図る。
海外戦略においては、中期的な視点で基盤を強化していくと同時に、国内において培った技術や業務ノウハウなどを海外にも横展開しやすいよう、オープンソース化などの対応も行うとの考え。
 
 
取材を終えて
減収・減益となった09/6期だが(当期純利益は増益)、第4四半期には主力のカードビジネスのフロント業務の受注に底打ちの兆しが見られた。この受注が売上高・利益に反映される10/6期下期は増収・増益に転じる見込みだが、法改正に伴う影響と金融危機の影響に伴い、カード会社各社のシステム投資は縮小傾向が続いている。当面、同社の開発売上もこの影響を受ける見込みで、同社では、本格的な回復を12/6期以降と想定、10/6期及び11/6期を次の成長機会に更なる飛躍を図るための地盤固めの期と位置付けている。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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