ブリッジレポート
(2317:東証1部) システムプロ 企業HP
逸見 愛親 会長
逸見 愛親 会長

【ブリッジレポート vol.6】2009年10月期業績レポート
取材概要「10/3期の業績見通しは厳しいものの、移動体高速データ通信システム事業の足下の受注は堅調に推移している。具体的には、2010年〜2012年のLTEサー・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年12月29日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社システムプロ
会長(代表者)
逸見 愛親
所在地
横浜市西区みなとみらい 2-2-1
事業内容
携帯電話向けソフト開発・技術支援が柱。携帯電話とWebサイトの連動ビジネスにも展開
決算期
10月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年10月 8,161 1,261 1,258 1,180
2008年10月 9,603 1,816 2,153 1,275
2007年10月 7,930 1,595 1,555 849
2006年10月 5,917 961 967 602
2005年10月 4,180 717 691 561
2004年10月 3,093 677 643 391
2003年10月 2,461 516 511 280
2002年10月 1,940 398 380 196
2001年10月 1,524 180 175 93
株式情報(12/17現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
43,150円 223,266株 9,634百万円 20.8% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
1,000.00円 5.6% 1,504.54円 28.7倍 27,538.54円 1.6倍
※株価は12/17終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
システムプロの2009年10月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
データ通信系のファームウェア(組み込みソフト)」開発に強みを持ち、情報システム構築等のシステムインテグレーション事業を育成中。組み込みソフトとは、携帯電話やデジタル家電等に搭載されるマイクロコンピュータ(マイコン)を作動させるためのソフトで、マイコンと共に機器に組み込まれるソフトである。組み込みソフトの開発・評価を手掛ける連結子会社(株)ProVisionの他、基幹系システムに強みを持つカテナ(株)、外注先としての機能を担う北洋情報システム(株)の持分法適用会社2社でグループを形成している。
 
<事業内容>
事業は、移動体高速データ通信システム事業と情報システムサービス事業に分かれ、売上構成比は、前者が69.8%、後者が30.2%(09/10期)。
 
移動体高速データ通信システム事業
移動体通信キャリア、端末メーカー、端末メーカーにライセンスしているソフトウェア製品開発販売会社(サードパーティー)を顧客としており、携帯電話端末の仕様策定、新機能の設計・開発及び評価を行っている。この場合の機能とは、機能を実現させるための組み込みソフトの事で、メール機能やブラウザ機能で豊富な実績を有する他、マルチメディアプレーヤー機能、デジタルテレビ機能、GPS機能等にも強みを有する。
 
情報システムサービス事業
ネットショッピングや人材派遣等、インターネットを使ったビジネス(ポータルサイト等)を展開している企業向けのオープン系システム(大規模データベース連動型Webサイト開発等)を得意としているが、基幹系に強みを持つカテナ(株)との協業により、情報システム全般のソリューションを提供できるSIer(システムインテグレーター)機能を強化中である。
 
<沿革>
1983年3月にマイコンのソフト開発を目的としたヘンミエンジニアリング(株)として設立された(84年2月、現商号に変更)。80年代後半にかけて通信分野へ展開し、88年2月に日本初の対戦型オンラインゲーム「麻雀クラブ」を開発。96年4月には、対戦型オンラインゲームで培った通信システムの技術を活かして携帯電話用ソフトの受託開発を開始した。2000年以降、情報システムサービス事業(当時はネットワーク・ソリューション事業)に展開。07年2月には、基幹系のシステムに強みを持つカテナ(株)と資本・業務提携(持分法適用関連会社化、出資比率が35.9%へ上昇)を結び同事業の強化を図った。資本政策では、02年8月、大証ナスダックジャパン市場に上場。04年11月の東証2部上場を経て、05年10月、東証1部に指定替えとなった。
 
2009年10月期決算
 
 
前期比15.0%の減収、同41.5%の経常減益
3月以降の受注急減により第2四半期(2-4月)後半から第3四半期(5-7月)前半にかけて稼働率が80%程度に低下。コスト削減と生産性向上に努めたものの、固定費が負担となり営業利益が同30.5%減少した。持分法適用会社カテナ(株)の業績悪化等による持分法投資利益の減少(359百万円→9百万円)で営業外損益も悪化したものの、サイバーエージェントとの合弁会社で持分法適用関連会社の(株)ジークレストの株式売却益(837百万円)など848百万円を特別利益に計上したため、当期純利益は同7.5%の減少にとどまった。
尚、5月を底に受注は回復傾向にあり、10月の稼働率は95%程度に回復していると言う。
 
 
移動体高速データ通信システム事業
移動体通信キャリアからの受注が堅調に推移したものの、業績悪化による開発の見直し等で移動体通信メーカーからの受注が5月にかけて急減、端末の販売不振で端末用ソフトウェア開発を手掛けるサードパーティーからの受注は期を通して低調に推移した。
ただ、6月に入り、秋冬モデルの開発が始まった事に加え、Android(Googleが移動体通信端末向けに開発したOS)を搭載した携帯電話端末の開発など次世代通信向け案件も徐々に増加し、7月以降は移動体通信メーカーからの受注が本格的に回復。10月の稼働率はほぼ100%に回復していると言う。
 
情報システムサービス事業
大規模業務系システムの開発支援の案件が4月から6月にかけて急減した。7月以降はIT投資の再開で回復傾向にあるものの、そのペースは鈍く、未だ本格的な回復には至っていない。一方、ポータルサイト等のWebサイト開発については、小型案件を中心に増加した。尚、一時期75%程度に低下した稼働率も、7月以降は回復傾向にあり、10月には90%程度に上昇していると言う。

セキュリティ事業については、子会社を清算し撤退したため、09/10期は売上を計上していない。
 
(3)グループ企業の状況
(株)ProVision  出資費率:システムプロ80%、北洋情報システム20%
携帯電話端末の品質検証業務を手掛けており、親会社であるシステムプロ向けの売上が大半を占める。09/10期は、連結消去前売上高が1,192百万円(08/10期1,402百万円)、経常利益2百万円(同130百万円)。品質検証業務の減少が響いたが、案件の多い運用・保守業務へ、エンジニアのキャリアチェンジを進めた結果、現在の稼働率は100%。10月末現在の社員数は241名(前年同期260名)。
 
カテナ(株)  出資費率:システムプロ39.8%(持分法適用会社)
金融向けソリューション開発、保守・運用業務、及び機器・ソフト販売を手掛ける。10/3期の業績予想は、売上高31,350百万円(09/3期37,211百万円)、経常利益1,250百万円(同2,039百万円)。システムプロの09/10期決算において、持分法投資損失として9百万円(08/10期は297百万円の利益貢献)が反映された(システムプロの09/10期決算にはカテナの09/3期業績が反映される)。「Google Apps」の正規販売代理店となった事に加え、システムプロと共同で「クラウドソリューション」サービス事業に参入した。
 
北洋情報システム(株) 出資費率:システムプロ25.0%(持分法適用会社)
札幌市に本社を置き、システムプログループでオフショア開発の役割を担う。海外企業では期待できない信頼性(納期・品質)の高さが強み。09/8期は、売上高2,335百万円(08/8期2,461百万円)、経常利益159百万円(同173百万円)。システムプロの09/10期決算において、持分法投資利益として18百万円(08/10期は21百万円)貢献した。現在、モバイル案件を中心に5工数/月が稼働中。
 
(4)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末比116百万円増の8,501百万円。借方では、現預金が増加する一方、売上の減少で売上債権減少。貸方では、仕入債務の減少や借入金の返済で有利子負債等が減少する一方、利益計上で純資産が増加した。CFの面から見ると、営業CFが減少したものの、投資有価証券の売却等による投資CFの改善で、フリーCFが大幅に増加。有利子負債の削減を進めたため財務CFのマイナス幅が拡大したものの、キャッシュポジションは高まった。
 
 
 
2010年3月期業績予想
 
(1)カテナとの合併
同社が持分法適用会社カテナ(株)を吸収合併し、2010年4月1日にシスプロカテナ(株)が誕生する。新会社は、システムプロの情報システムサービス事業とカテナの金融を中心とするシステム開発事業を連携させると共に、システムプロの移動体高速データ通信システム事業との融合を図り、ユビキタス時代のエア・シンクライアント・サービスの実現を目指す。エア・シンクライアントとは、スマートフォン等の携帯情報端末(ユビキタス端末)と移動体通信網を経由したクラウドシステムによりリアルタイムの相互データ通信を実現するシステムで、既存事業間で相乗効果が期待できる。
尚、カテナは2010年3月29日をもって上場廃止となり、4月1日に解散する。合併にかかる株式の割り当て比率は、カテナ株式1株対して、システムプロ株式0.0048株。
 
 
カテナとの合併に伴い決算月を10月から3月に変更、5ヶ月決算となる10/3期
08年11月から09年3月までの実績との比較で、14.5%の減収、32.3%の経常減益となる。足下の受注は回復傾向にあり、稼働率も上昇しているが、前09/10期の第1四半期から第2四半期にかけては受注が堅調だった事や売上計上が4月以降となる案件が多い事もあり、10年3月までの5ヶ月間では大幅な減収・減益となる。
 
セグメント別予想
移動体高速データ通信システムは売上高が前期比9.0%減の2,461百万円(前年同期は2,706百万円)、売上総利益が同23.7%減の719百万円(同942百万円)。情報システムサービスは売上高が同26.9%減の876百万円(同1,199百万円)、売上総利益が同43.1%減の219百万円(同385百万円)。
 
 
カテナとの合併発表に先立つ12月3日の決算発表時点での10/10期(12ヶ月間)の業績予想は、前期比2.4%の増収、同13.4%の経常増益予想。このうち、上期の予想は前年同期比8.4%の減収、同33.0%の経常減益で、下期以降の回復を見込んでいた(下期は15.0%の増収、同105.0%の経常増益予想)。
 
セグメント別予想
移動体高速データ通信システムは売上高が前期比3.6%増の5,901百万円(前年同期は5,695百万円)、売上総利益が同5.0%増の1,892百万円(同1,802百万円)。情報システムサービスは売上高が同0.5%減の2,452百万円(同2,465百万円)、売上総利益が同7.0%減の716百万円(同770百万円)。
 
(3)事業戦略
移動体高速データ通信システム事業
2010年の春商戦向けの新製品開発が動き出している事に加え、ユビキタス社会の先駆的商品となるスマートフォンの開発における各メーカーの取り組みも追い風となり、足下の受注は堅調。また、2年余り続いた携帯電話端末販売の不振で同業他社の多くが撤退しており、残存者利益を享受できる状況である事や、スマートフォンのOSとして本命視されるAndroid搭載の新機種開発に積極的に関わってきた事による先行者メリット、更には、IUTS(注.1)やSPAQ(注.2)といった不具合削減に向けた自社提案商材が移動体通信キャリアや端末メーカーから高い評価を受ける等で、4月以降の見通しは明るい。
 
 
(注.1)IUTS(Intellectual User Test by Systempro)
 不具合削減のための戦略的フリー評価のスキーム
(注.2)SPAQ(SystemPro Advanced Quality management system)
 これまでの評価作業から得たノウハウ及び独自に収集したユーザコメントを蓄積したデータベース
 
情報システムサービス事業
システムプロのオープン系エンドユーザー案件の実績とカテナの金融・汎用系の豊富な経験と販路を活かしOne Stopのサービスを提供できる体制を構築する。
 
 
 
取材を終えて
10/3期の業績見通しは厳しいものの、移動体高速データ通信システム事業の足下の受注は堅調に推移している。具体的には、2010年〜2012年のLTEサービスインに向けた開発案件の受注に成功している他、パイロットメーカーから高い評価を受けているAndroid関連の受注も好調なようだ。尚、LTEとは、Long Term Evolutionの頭文字をとったもので、携帯電話の高速なデータ通信規格の一つ。下り100Mbps以上/上り50Mbps以上の高速通信の実現を目指しており、W-CDMA方式の標準化団体3GPPが標準化作業を進めている。
一方、情報システムサービス事業は当面厳しい事業環境が続く見込みだが、システムプロの情報システムサービス事業とカテナの金融を中心とするシステム開発事業の連携や、システムプロの高い生産性及びコスト競争力とカテナの顧客資産と営業力の融合といった合併効果の早期顕在化に期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2017 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(2468)フュートレック vol.12 | ブリッジレポート:(4282)イーピーエス vol.23»

ブリッジレポート(バックナンバー)
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE