前年同期比0.7%の減収、同14.0%の経常減益
新型インフルエンザの流行による関連商品の販売増と調剤部門の好調な推移で、第3四半期(9-11月)の売上が前年同期比増収に転じたものの、第2四半期(3-8月)までの売上の落ち込みをカバーできず、累計売上高は78,530百万円と同0.7%減少した。セグメント別では、消費低迷と競争激化による来店客数の伸び悩みや天候不順による季節商材の販売不振等で、小売事業の売上高が78,380百万円と同0.7%減少。競争激化による販売価格の下落等で製造卸売事業の売上高も149百万円と同8.8%減少した。
利益面では、消費低迷や夏場の天候不順等で利益率の高い制度化粧品や季節商材の売上が伸び悩んだこと等で売上総利益が減少。経費の効率的な活用と削減を進めたものの、営業利益は860百万円と同20.7%減少した。受取情報処理料の増加や賃貸費用の減少等で営業外損益が改善したものの、営業店内の商品在庫の評価方法を従来の売価還元原価法から売価還元低価法へ変更したことに伴うたな卸資産評価損919百万円など特別損失1,278百万円を計上したため、356百万円の四半期純損失となった。
第3四半期末のグループ店舗数は308店舗(キリン堂226店舗、ニッショードラッグ77店舗、ジェイドラッグ2店舗、キリン堂FC3店舗)。(株)キリン堂が、スーパードラッグストア3店舗・小型店1店舗の合計4店舗を出店する一方、スーパードラッグストア1店舗・小型店1店舗の計2店舗を閉店。(株)ニッショードラッグはスーパードラッグストア3店舗を閉店した。また、(株)キリン堂の205店舗と(株)ニッショードラッグの78店舗の合計283店舗において、改正薬事法施行に伴うレイアウト変更等の簡易改装を実施した。
新型インフルエンザ関連商品と調剤部門の伸長で増収・増益
売上高は前年同期比1.1%増の25,619百万円。新型インフルエンザの流行により関連商品の販売が増えたほか、プライベートブランド(PB)を含むヘルス&ビューティ商品の販売強化が成果を上げ、(株)キリン堂を中心に健康食品も堅調に推移。1店舗当たりの処方受付枚数の増加と処方箋の平均単価の上昇により調剤部門の売上も伸びた。
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小売事業 売上高25,563百万円(前年同期比 1.1%増)
| 内部売上高控除後企業別売上高 |
キリン堂 |
19,378百万円 (寄与度742百万円) |
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ニッショードラッグ |
618百万円 ( 同 △416百万円) |
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ジェイドラッグ |
76百万円 ( 同 △ 49百万円) |
製造卸事業 売上高 55百万円(前年同期比 5.7%増) |
利益面では、売上高の増加に加え、プライベートブランド(PB)を含む利益率の高いヘルス&ビューティ商品の販売強化が奏功し、売上総利益率が同0.1ポイント改善。さらに、経費削減プロジェクトを中心とした経費の効率的な活用と削減が進み販管費が同2.4%減少したため、営業利益は前年同期の21百万円から278百万円に拡大した。店舗の異動は、(株)キリン堂が3店舗出店・1店舗閉店、(株)ニッショードラッグが1店舗閉店。
計画との比較では、(株)ニッショードラッグの苦戦が響き、売上高及び売上総利益が計画を下回ったものの、経費削減に努めたことに加え、保守的な経費予算編成だったこともあり、営業利益以下の各段階で計画を大幅に上回った。なお、売上高については、(株)キリン堂が計画を1.4%上回ったものの、(株)ニッショードラッグが計画を2.1%下回った。
(株)キリン堂の既存店売上高前年同期比は、3Q(9-11月)、3Q累計ともに計画どおり着地。12月度は、計画の△3.8%を上回った。一方、(株)ニッショードラッグはいずれも計画値(3Q:△2.5%、3Q累計:△4.2%、12月度△2.1%)を下回った。(株)ニッショードラッグは、客単価は堅調に推移しているものの、客数の落ち込みが顕著である。今後は、収益性の高いヘルス&ビューティの品揃えや(株)キリン堂のノウハウを活用して販促強化に取り組んでいく方針である。
新型インフルエンザ関連商品の寄与で医薬品の売上が伸びたほか、1店舗当たりの処方受付枚数の増加と処方箋の平均単価の上昇で調剤売上高も増加。プライベートブランド(PB)を含むヘルス&ビューティ商品の販売強化により健康食品が増収に転じたほか、化粧品も減収幅が縮小した(連結子会社は両品目ともに減収)。一方、連結子会社を中心にした食品の落ち込みで雑貨等の売上が減少した。
③売上総利益率(連結)
売上総利益率は26.4%となり、前年同期比0.1ポイント改善。このうち(株)キリン堂は、利益率の高い医薬品、健康食品の売上構成比並びに粗利率の上昇により、21.8%と0.2ポイント改善。一方、(株)ニッショードラッグは利益率の高い医薬品、調剤の売上構成比は上昇したものの、雑貨等や化粧品の落ち込みで26.0%と0.1ポイント低下した。
前年同期との比較では、回数、枚数、サイズ等を含めたチラシ販促の内容変更により販促費が減少したほか、水道光熱費や備品消耗品費の減少で営業費が、リース料や減価償却費の減少で施設費が、それぞれ減少。一方、人件費は従業員募集費が減少したものの、退職給付費用の増加等でわずかに増加した。
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第3四半期末の総資産は前期末比577百万円増の42,957百万円。CFの改善により現預金が増加。有利子負債は長期へのシフトを進めつつ、全体で1,000百万円弱削減した。なお、CF改善の要因は、仕入債務の増加や税負担の減少による営業CF大幅な増加と、新規出店の抑制による投資CFのマイナス幅の縮小による。
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