ブリッジレポート
(4849:大証ヘラクレス) エン・ジャパン 企業HP
越智 通勝 会長
越智 通勝 会長
鈴木 孝二 社長
鈴木 孝二 社長
【ブリッジレポート vol.23】2009年12月期業績レポート
取材概要「厳しい決算となった09/12期だが、四半期ベースの売上推移を見ると、1Qが前年同期比46.7%減、2Qが同56.3%減、3Qが同54.2%減、4Qが同51.8%減・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年2月16日掲載
企業基本情報
企業名
エン・ジャパン株式会社
会長
越智 通勝
社長
鈴木 孝二
所在地
東京都新宿区西新宿 6-5-1
事業内容
(1)インターネットを活用した求人求職情報サービス
(2)人材採用から社員教育、人事評価制度までのコンサルティング
決算期
12月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年12月 10,209 1,259 1,212 459
2008年12月 21,329 5,943 5,906 3,090
2007年12月 22,686 7,564 7,573 4,168
2006年12月 16,919 5,605 5,607 3,105
2005年12月 11,491 3,791 3,826 2,203
2004年12月 6,980 2,245 2,254 1,253
2003年12月 4,372 1,749 1,754 1,038
2002年12月 3,107 1,305 1,283 663
2001年12月 1,876 933 898 464
2000年12月 620 254 249 132
株式情報(2/10現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
105,800円 233,124株 24,665百万円 3.4% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
1,070.00円 1.0% 3,560.34円 29.7倍 55,605.54円 1.9倍
※株価は2/10終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
エン・ジャパンの2009年12月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
インターネット上での[en]ブランドの5つの転職・就職情報サイトの運営、及び人材採用から社員教育、人事評価制度までのコンサルティングサービスを提供している。求人・求職をめぐっては、「実際の業務に就いてみたら、業務内容が事前の説明と違った」と言うトラブルが多いが、同社では、営業担当者が求人企業を取材し、求人企業やその業務内容について、客観的で公正かつ詳細な情報提供を念頭に原稿作成が行われている。こうした取材に基づく公正で詳細な企業情報が求職者から高い評価を受けている事はもちろんだが、求職者は企業や業務内容を十分理解して入社するため、「戦力化が早い一方、離職者が少ない」と求人企業からも高い評価を受けている。尚、売上高の大半を求人企業からの求人広告掲載料収入が占め、求職者に負担は生じない。
 
 
2009年12月期決算
 
 
前期比52.1%の減収、同79.5%の経常減益
求人広告マーケットの縮小により主力の[en]社会人の転職情報を中心に全てのサイトで売上が減少。売上の大幅な落ち込みで売上総利益が6割弱減少したものの、人件費、広告宣伝・販売促進費を中心にしたコスト削減により1,259百万円の営業利益を確保した。配当は、1株当たり10周年記念配当200円を含む800円の期末配当を予定している。尚、12月8日にも業績予想を修正しており、売上・利益共に修正値(売上高10,150百万円、営業・経常利益1,150百万円、当期純利益420百万円)を上回った。
 
 
 
中途採用事業の売上高には、[en]社会人の転職情報、[en]転職コンサルタント、[en]派遣のお仕事情報、[en]本気のアルバイトの各サイト売上高の他、適性テストなど中途関連その他の売上高が含まれている。
サイト別の状況は次の通り。
 
[en]社会人の転職情報
09/12期の売上高は前期比61.5%減の4,066百万円。第4四半期(10-12月)の3ヶ月間では同50.2%減の997百万円。12月末の会員数は前年同期比27.8万人(11.8%)増の264万人。企業の採用意欲低迷により売上高が減少したものの、戦力の適正配置を図ると共に顧客フォローを強化した事が奏功し、売上シェアが25〜26%に4ポイント弱上昇した模様。
 
[en]転職コンサルタント
09/12期の売上高は前期比40.1%減の1,346百万円。第4四半期(10-12月)の3ヶ月間では同50.7%減の256百万円。12月末の会員数は前年同期比7.5万人(15.6%)増の56万人。求人数の減少により人材紹介会社の業績が低迷しており、特に第4四半期は求人案件が一段と減少し、契約の短期間化も進んだ。
 
[en]派遣のお仕事情報
09/12期の売上高は前期比35.4%減の2,304百万円。第4四半期(10-12月)の3ヶ月間では同48.1%減の454百万円。12月末の会員数は前年同期比8.0万人(14.5%)増の63万人。企業の派遣需要の低迷により新規求人が減少した他、契約企画を縮小する人材派遣会社も増加した。ただ、新規顧客獲得を強化した結果、足下、平均月末掲載事業所数の減少に歯止めがかかりつつある。
 
[en]本気のアルバイト
09/12期は、一般アルバイトサイトの売上高は前期比21.3%増の427百万円、正社員登用専門サイトの売上が同60.8%減の318百万円。第4四半期(10-12月)の3ヶ月間では、両サイト合算で同29.0%減の192百万円(前四半期比で5.5%増)。12月末の会員数は前年同期比10.1万人(32.4%)増の41万人。一般アルバイトサイトは、景気悪化によりアルバイト需要が低迷する中、新規開拓を強化した成果が現れた。一方、正社員登用専門サイトは、正社員求人の低迷を反映したものとなった。
 
 
新卒採用事業の売上高には、[en]学生の就職情報のサイト売上高の他、適性テストなど新卒関連その他の売上高が含まれている。
 
[en]学生の就職情報
09/12期の売上高は前期比58.0%減の1,396百万円。12月末の会員数は前年同期比17.6万人(44.9%)減の21万人。景気低迷により、新卒採用を行わない企業やグランドオープンの10月1日以降も新卒採用の実施を未定とする企業が多かった。ただ、2010年度卒学生の就職内定率が低いため、2011年度卒学生の危機感は強く、1社あたりのエントリー(その後の説明会や選考に関する情報送付の希望者)数は増加した。
 
 
 
2010年12月期業績予想
 
(1)事業動向
|翕唳陵兒業
同社では、求人広告市場が2009年は70%弱縮小したと見ている。また、2010年についても、「景気の先行き不透明感が強く、企業は人員採用に対して慎重な姿勢を崩さない」と見ており、2009年のような大幅な落ち込みはないものの、小幅な減少が続くと考えている。また、[en]転職コンサルタントの顧客である人材紹介会社や[en]派遣のお仕事情報の顧客である人材派遣会社も緩やかな減少傾向が続くと見ている。
 
 
⊃径敢陵兒埔
同社が昨年11月に実施した調査によると、2011年卒学生対象の新卒採用予定数を、前年より「増加させる」と回答した企業の割合が減少する一方、「減少させる」と回答した企業の割合が増加した。このため、新卒採用は行うものの、採用規模を拡大する企業は少ないと見ている。
 
 
 
前期比7.1%の減収、同21.2%の経常増益予想
売上の面では、主力の[en]社会人の転職情報が増収に転じる他、[en]本気のアルバイトの売上も増加するものの、人材紹介・派遣関連及び新卒向けの苦戦が響く。利益面では、売上の減少で売上総利益が減少するものの、事務所の統廃合等による地代家賃の減少に加え、人件費・労務費や広宣・販促費の削減により吸収、営業利益は同15.1%増加する見込み。当期純利益の伸びが大きいのは、事務所の統廃合等に伴う特別損失が無くなるため。
配当は、1株当たり1,070円を予定。10周年記念配当200円を落とす一方、普通配当を470円増配する。尚、同社は、内部留保を成長のための投資に活用し、企業価値の最大化を図りつつ、配当性向30%程度を目処に各期の業績に応じた利益還元を適宜行う事を基本方針としている。
 
 
 
[en]社会人の転職情報
売上高4,300百万円(前期比5.8%増)を計画。単価の維持に努め、件数増で売上を伸ばす考え。このため、採用から入社後に至る顧客及びユーザーフォローを徹底する事で顧客との関係を強化し採用ニーズの取りこぼしを防ぐ。また、会員制ビジネス教育講座「[en]カレッジ」の提案を強化し、採用以外の付加価値を提供する。
 
[en]転職コンサルタント
10/12期は売上高950百万円(前期比29.4%減)を計画。掲載社数の維持・拡大に向け、人材紹介会社のニーズに沿った提案・サービスの提供に努める。また、顧客企業の成約率を高めるための情報提供や支援により関係強化を図り、継続掲載率の向上を図る。
 
[en]派遣のお仕事情報
10/12期は売上高1,740百万円(前期比24.5%減)を計画。契約の短期化・縮小化傾向が強まる中、掲載ニーズの取りこぼしを防ぐべく顧客フォローを強化する。また、顧客企業に対して、サイトの活用方法に関する勉強会を行い、人材派遣会社の業績向上を支援する事で掲載事業所数維持に努める。
 
[en]本気のアルバイト
10/12期の売上高は970百万円(前期比30.0%増)を計画。大口契約や正社員募集の企画の販売を強化し単価アップを図ると共に、売上拡大に向け、アルバイトの採用ニーズが高い新規顧客の開拓を推進する。
 
 
[en]学生の就職情報は、売上高970百万円(前期比30.5%減)を計画。2011年度卒学生向けサイトの掲載企業数増を図るべく、新卒採用活動を今後開始する企業に対するアプローチを強化する。また、サイト以外の商品・サービスの拡充により収益を確保する。
 
 
会員制ビジネス教育講座「[en]カレッジ」の開始により、売上高・営業利益共に増加する見込み。
 
 
後述する結婚式場情報サイト「[en]グリーン・ウエディング」の売上を見込んでいる。ただ、[en]グリーン・ウエディングのサイトの構築や人事アウトソーシング事業等の先行投資負担から今期は295百万円の営業損失となる見込み。
 
(3)今後の事業展開
企業の採用抑制により求人広告数が減少し価格競争が激化しており、同社は2期連続の減収・減益を余儀なくされた。このため、今後の事業展開に当たっては、こうした外部環境の変化を踏まえ、事業領域の拡大や存在意義の見直しを行い、新規事業を育成していく考え。
 
 
新規事業展開
・結婚式場情報サイト「[en]グリーン・ウエディング」
 (2009年12月にプレオープン)
人や環境とのつながりを意識した結婚式、グリーン・ウエディングを行なえる結婚式場情報サイト[en]グリーン・ウエディングを2009年12月14日にプレオープンした。“[en]グリーン・ウエディング”の「グリーン」には、「エコ(環境に配慮した)」に加えて、「ソーシャル(社会的な)」、「エシカル(倫理的な)」、「インテグリティー(誠実な)」という意味が込められている。400万人の会員ユーザに対し、従来の「就職・転職支援事業」に加え、「充実した生活の支援事業」を展開していく。
 
・会員制ビジネス教育講座「[en]カレッジ」(2010年1月より本格スタート)
300名以下の企業を対象にした会員制教育サービス。同社が26年にわたって蓄積した人材採用ノウハウや、教育事業における1,500以上の企業に対するサービス導入実績を活かし、「定着と活躍」を重視した講座をラインナップ。入会金及び月会費が必要だが、会員企業の社員は、ラインナップされている全ての講座を何度でも無料で受講可能(個々の講座受講料は発生しない)。
 
・人事トータル支援システム「FINE」
 (人事アウトソーシング事業、2月10日に販売開始)
「FINE」は人事システムと人事業務のアウトソーシングから構成されるサービス。「FINE」の人事システムはクラウド型のWeb上のサービスであるため、社内でのサーバー設備やシステム管理、法改正対応のバージョンアップ等を自社で行う必要が無い。また、「FINE」のアウトソーシングは、通常のアウトソーシングよりもサービス領域の広い「フルアウトソーシング」のため、給与計算はもちろん、就業管理の督促や社員からの問合せ対応までカバーするため、人事は定型業務からほぼ解放される。人事部門が企画・推進業務に注力できる環境を提供する事で、「会社を強くする人事」の実現を支援していく考え。
 
 
 
取材を終えて
厳しい決算となった09/12期だが、四半期ベースの売上推移を見ると、1Qが前年同期比46.7%減、2Qが同56.3%減、3Qが同54.2%減、4Qが同51.8%減、と減収率が縮小しており、最悪期を脱した感がある(季節要因はあるものの、前四半期比では、2Q:22.8%減、3Q:1.1%減、4Q:19.4%増)。日経新聞の集計によると、上場企業の10/3期は二桁の増益が見込まれているため、業績回復を受けて国内求人広告市場にも遠からず底打ち感が出てくるものと考える。ただ、業績の回復はコスト削減や外需によるところが大きいだけに企業の採用意欲が急回復するとは思えず、底打ち後も一進一退が続くのではないか。このため、前期比7.1%の減少とする同社の10/12期の売上予想は妥当なところ。また、14.5億円を見込む営業利益にしても、19億円強の広宣・販促費を織り込んだ上でのもので、十分余裕のある利益予想と考える。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2018 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.25 | ブリッジレポート:(4709)インフォメーション・ディベロプメント vol.31»

ブリッジレポート(バックナンバー)
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE