ブリッジレポート
(9445) 株式会社フォーバルテレコム

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ブリッジレポート:(9445)フォーバルテレコム vol.20

(9445:東証マザーズ) フォーバルテレコム 企業HP
谷井 剛 社長
谷井 剛 社長

【ブリッジレポート vol.20】2010年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「通期予想に対する進捗が遅れているが、第3四半期(10-12月)は新通信サービス事業を中心に収益性が改善している事、また、第4四半期にかけ・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年3月16日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバルテレコム
社長
谷井 剛
所在地
東京都千代田区神田小川町 3-9-2
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年3月 15,042 391 388 133
2008年3月 13,466 337 344 192
2007年3月 12,461 845 840 975
2006年3月 11,024 859 868 841
2005年3月 7,740 470 452 726
2004年3月 6,114 214 205 205
2003年3月 7,746 93 40 69
2002年3月 11,879 -1,732 -1,779 -4,939
2001年3月 18,224 284 134 45
2000年3月 20,503 53 -50 88
株式情報(3/4現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
19,400円 166,932株 3,238百万円 6.4% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
1,500.00円 7.7% 1,138.92円 17.0倍 11,516.01円 1.7倍
※株価は3/4終値。
 
フォーバルテレコムの2010年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
電話機やOA機器の販売を手掛けるフォーバル(8275)グループで通信事業を展開。電気通信事業者から回線を仕入れてエンドユーザーに再販する回線リセーラー(再販業者)であり、ターゲットは中小企業。もっとも、単に回線を再販するだけでなく、一般番号ポータビリティー(従来と同じ電話番号での使用が可能)や携帯電話への発番通知等、独自のサービスを付加している。また、同社のサービスを利用すれば、国内電話、国際電話、インターネット等の請求が一本化される(ワンビリングサービス)ため、ユーザー企業は事務処理を簡素化する事ができる。
 
<事業内容>
事業は、「FTフォン」等の法人向けVoIPサービス(高速ブロードバンド回線を利用した電話やインターネット接続サービス)を提供する新通信サービス事業、法人向け国際電話・市内外電話等のサービスを提供する旧音声系サービス事業、連結子会社(株)トライ・エックス及び同社の子会社(株)新英、タクトシステム(株)が手掛ける印刷や特注文具(ファイル・バインダー等)の製造・販売のドキュメント事業、連結子会社(株)FISソリューションズが手掛ける経営支援コンサルティング及び保険サービスの経営・保険コンサルティング事業、及び情報通信機器販売等のその他事業に分かれる。この他、(株)光通信(東証1部9435)グループの(株)アイ・イーグループとの合弁会社(株)ホワイトビジネスイニシアティブ(出資比率50%)が、「ホワイトビジネスフォンパック(WBP)」の企画開発を手掛けている。
 
 
 
2010年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比8.3%の減収、同22.8%の経常減益
新規開拓の苦戦で新通信サービス事業の売上が減少した他、景気の影響を受けやすいドキュメント事業の売上が大きく落ち込んだ。利益面では、比較的利益率の低いドキュメント事業の売上構成比の低下等で売上総利益率が改善した事に加え、販管費の削減にも努めたものの、減収の影響をカバーできず営業利益は同16.7%減少した。
 
 
主力の新通信サービス事業の売上高・利益が減少した他、ドキュメント事業の損失が拡大した。一方、経営・保険コンサルティング事業はほぼ前年同期並みの売上を確保し損益も改善。生産性の改善やコスト削減の進展等で旧音声系サービス事業も営業利益がわずかに増加した。
尚、10-12月の3ヶ月間では、インセンティブの見直し等で新通信サービス事業がほぼ前年同期並みの売上を確保し、営業利益が増加した。この他、旧音声系サービス事業が減収ながら増益、経営・保険コンサルティング事業は売上が増加し損益が改善した。
 
(3)売上総利益
インセンティブの見直し等で個別(新通信サービス事業)の売上総利益率が改善したものの、ドキュメント事業の苦戦で子会社全体の売上総利益率が悪化。連結売上総利益率は改善したものの、減収の影響をカバーできず、売上総利益が減少した。
 
 
(4)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第3四半期末の総資産は前期末比145百万円減の6,169百万円。売上の減少で運転資金が減少した他、償却により無形固定資産が減少。また、社債を発行し、有利子負債を短期から長期へシフトさせた。CFの面では、運転資金や税負担の減少で営業CFが増加したものの(379百万円→411百万円)、貸付金の増加等で投資CFのマイナスが拡大(△297百万円→△479百万円)。この結果、フリーCFは67百万円のマイナスとなった(前年同期は82百万円の黒字)。
 
 
 
 
2010年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比6.3%の減収、同12.4%の経常減益予想
通期業績予想に対する第3四半期までの進捗率は、売上高が73.5%、営業利益が64.4%、経常利益が59.9%。第4四半期(1-3月)は新サービス「ホワイトビジネスフォンパック」が徐々に寄与してくる見込みでほぼ前年同期並みの収益見込み。
配当は、1株当たり800円の期末配当を予定(第2四半期末配当と合わせて年1,500円)。
 
 
取材を終えて
通期予想に対する進捗が遅れているが、第3四半期(10-12月)は新通信サービス事業を中心に収益性が改善している事、また、第4四半期にかけて同社は売上のボリュームが増える傾向にある事等から、通期業績が大きく下振れする事は無いと考える。ただ、同社の取引先は代理店も含めて中小企業が中心のため、厳しい経済環境下では、特に取引先の与信リスクに注意する必要がある。