ブリッジレポート
(2660:東証1部,大証2部) キリン堂 企業HP
寺西 忠幸 会長兼社長
寺西 忠幸 会長兼社長

【ブリッジレポート vol.13】2010年2月期業績レポート
取材概要「ドラッグストア業界では、09年6月に施行された改正薬事法を機に業界を超えたM&Aや資本・業務提携等の再編が加速し、生き残りをかけた競争が激・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年5月11日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社キリン堂
代表取締役会長兼社長
寺西 忠幸
所在地
大阪市淀川区宮原4−5−36
事業内容
関西を中心に売場面積150〜300坪型のドラッグストアをチェーン展開。M&Aにより基盤強化を推進。
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年2月 104,964 1,232 1,527 -443
2009年2月 106,695 1,781 2,030 500
2008年2月 106,098 2,321 2,530 804
2007年2月 72,803 1,312 1,651 577
2006年2月 66,690 1,308 1,574 753
2005年2月 58,165 745 985 414
2004年2月 48,281 1,084 1,283 607
2003年2月 39,144 1,095 1,215 577
2002年2月 33,274 868 982 253
2001年2月 28,192 718 742 341
2000年2月 25,537 535 596 309
株式情報(4/7現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
411円 11,331,254株 4,657百万円 - 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
20.00円 4.9% 17.65円 23.3倍 908.81円 0.5倍
※株価は4/7終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
キリン堂の2010年2月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
関西圏を地盤とするドラッグストア大手。(株)ニッショードラッグ及び(株)ジェイドラッグの連結子会社2社とともに、和歌山県を除く関西地域、徳島県、石川県でドミナント戦略(特定地域内に集中出店することで経営効率を高めるとともに、地域内でのシェアを向上させ競争優位に立つ戦略)を進めており、2010年2月15日現在、グループで311店舗(FC3店舗を含む)を展開。製造卸売事業として、連結子会社(株)健美舎が健康食品や医薬品の企画・販売も手掛けている。
 
<沿革>
1958年3月、薬局店舗営業と薬品製造業を目的に設立され、その後、ドラッグストアのチェーン展開を開始した。1991年10月、大阪市にスーパードラッグストア第1号店をオープン以降、出店を強化、2007年2月期には200店舗を超えた。また、M&Aにも積極的に取り組み、2006年10月には四国地区での販売網の拡充の観点から(株)ジェイドラッグを、同年12月には同じ関西に地盤を置き営業基盤で補完性の高い(株)ニッショードラッグを、それぞれ買収。「2015年 500店舗」体制を目指し、グループ力の強化を進めている。
 
 
 
2010年2月期決算
 
 
コスト削減が進んだものの、既存店の苦戦が響き減収・減益
売上高は前期比1.6%減の104,964百万円。新型インフルエンザの感染拡大により関連商品の販売が増えたほか、調剤部門の売上も伸びたが、天候不順等による夏場の季節商材の苦戦や冬場の風邪薬関連商品の低迷等で既存店の売上が落ち込んだ。既存店売上高は(株)キリン堂が同2.3%減、(株)ニッショードラッグが同5.1%減。
 
 
利益面では、コストコントロールが機能したことで販管費が同0.5%減少したものの、ニッショードラッグの苦戦で売上総利益率が0.2ポイント低下。売上の減少と相まって、営業利益は同30.8%減少した。当期純損失となったのは、たな卸資産評価損919百万円、減損損失616百万円、店舗閉鎖損失127百万円など特別損失1,743百万円を計上したため。期末店舗数は311店舗。8店舗の新規出店を行う一方、6店舗を退店したほか、283店舗において、改正薬事法施行に伴うレイアウト変更等の簡易改装を実施した。
なお、販管費のうち租税公課が増加(232百万円)しているが、その理由は調剤売上(非課税売上)の売上高に占める割合が高まったことにより、課税売上割合が95%未満となり、仕入等に係る消費税の一部を税額控除できなくなったことによる。また、たな卸資産評価損は、営業店内の商品在庫の評価方法を従来の売価還元原価法から売価還元低価法へ変更したことに伴うもの。
 
 
医薬品は冬場に風邪薬関連商品が低迷したものの、新型インフルエンザ関連商品が伸びたことで増収。調剤も未だ売上規模は小さいものの、調剤取扱店舗数が2店舗増加したことに加え、1店舗当たりの処方箋受付枚数も増加し、前期比14.8%増と高い伸びを示した。一方、化粧品は制度化粧品の伸び悩みが続く中、(株)ニッショードラッグの苦戦もあり売上が減少。同じく、(株)ニッショードラッグの苦戦で雑貨等の売上も減少した。
 
 
退職給付費用(92百万円増)や法定福利費(48百万円増)の増加で人件費が増加したほか、既に説明したとおり租税公課の増加(232百万円増)で営業費用も増加したものの、チラシ販促の内容変更により販促費の削減が進んだほか、リース料の減少もあり、販管費全体では前期比0.5%減少した。
 
 
(株)キリン堂はほぼ前期並みの売上を確保するとともに、主要品目で売上総利益率が改善した。一方、(株)ニッショードラッグは、医薬品、化粧品、雑貨等の売上構成比の高い品目で売上が減少するとともに、売上総利益率も低下した。
出退店については、(株)キリン堂が、スーパードラッグストアとして、09年3月の枚方山之上店(大阪府枚方市)を含め大阪府2店舗、兵庫県2店舗、奈良県1店舗、徳島県1店舗の計6店舗、小型店として、同年10月に慶應日吉店(横浜市港北区)1店舗の合計7店舗を出店。また、(株)ニッショードラッグが、スーパードラッグストアとして、同年11月、兵庫県に1店舗出店した。一方、退店は、(株)キリン堂がスーパードラッグストア2店舗、小型店1店舗の計3店舗、(株)ニッショードラッグがスーパードラッグストア3店舗の合計6店舗。また、(株)キリン堂の205店舗、(株)ニッショードラッグの78店舗において簡易改装を実施した。
 
 
(5)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末比1,566百万円減の40,813百万円。借方では、CFの改善により現預金が増加する一方、評価減の計上によりたな卸資産が減少。減価償却により固定資産も減少した。貸方では、有利子負債及び損失の計上や配当の支払により純資産が減少した。CFの面では、損益が悪化したものの、運転資金や税負担の減少により営業CFがほぼ倍増。新規出店の抑制により投資CFのマイナスも減少し、前期は122百万円にとどまったフリーCFが2,127百万円に増加した。有利子負債の削減を進めたため、財務CFのマイナス幅が拡大したものの、期末の資金残高は増加した。
 
 
 
2011年2月期業績予想
 
 
前期比1.0%の増収、同8.7%の経常増益予想
引き続き厳しい事業環境を想定しており、売上高はわずかな増加にとどまる見込み。既存店売上高の前提は(株)キリン堂が同1.9%減、(株)ニッショードラッグが同0.9%減。出退店は新規出店11店舗、退店6店舗を計画。
利益面では、新規出店に伴い販管費が増加するものの、売上の増加と売上総利益率の改善により吸収、営業利益は同7.1%増加する見込み。当期純利益は、前期に計上したたな卸資産評価損の特別損失がなくなったことにより、200万円となる見込み。なお200百万円にとどまるのは、店舗の減損損失等による特別損失800百万円を織り込んだため。のれん償却額は前期と同額の416百万円。
配当は1株当たり20円を予定している(上期末配当10円を含む)。
 
 
(3)11/2期の施策
「顧客第一主義」という考えの下、抜本改革と構造改革を実行し、営業組織活性化(現場力の強化)と売場づくりの改革(店舗オペレーションの改革)に取り組むとともに、販促手法を変更しチラシに依存した従来型販促からの脱却を図る。
 
 ̄超帆反コ萓化(現場力の強化)
営業部を4体制へ細分化し、現場中心のマネジメント体制を強化する。
・ドラッグ第1運営部 :スーパードラッグストア担当(関西+北陸地区)
・ドラッグ第2運営部 :ニッショードラッグ担当
・ドラッグ第3運営部 :スーパードラッグストア担当(四国地区)
・専門店運営部    :旧小型店担当

なお、ドラッグ第2運営部では、ニッショードラッグの店舗運営を一元化し、同社店舗の活力化を図り立て直しを図る。また、専門店運営部では、接客と医薬品を中心にヘルス&ビューティの品揃え強化により小型店の活性化を図る。
 
売場づくりの改革(店舗オペレーションの改革)
セルフサービスの売場づくりを徹底する。
・タスクフォース主導による売場改装 :プロモーションスペースを削減し、
 強化カテゴリーのスペースを拡大する
・棚割りの変更 :商品アイテムを絞込み、売れ筋商品のフェイシング数を拡大
・自社物流の企画・推進
       ↓
 店舗の作業量と作業種類を削減し、ライトカウンセリング(接客・相談)に
 つなげる。
 
 
H梁ゼ衙,諒儿
従来型販促(チラシ)からの脱却を図る。
チラシ販促を削減し、EDLP(Every Day Low Price)化へシフトする他、PB商品の開発と販売を強化する。PB商品の開発では、マーケティング戦略室が約60アイテムの新規開発を進めており、中期3ヵ年でPB比率10%以上を目標としている。
 
(4)今後の方向性
「地域コミュニティの中核となるドラッグストアチェーン」の確立を目指す。
 
 
 
取材を終えて
ドラッグストア業界では、09年6月に施行された改正薬事法を機に業界を超えたM&Aや資本・業務提携等の再編が加速し、生き残りをかけた競争が激化している。こうした中、同社は10/2期において、中長期的な成長基盤の確立と企業価値向上に向け、新規出店を抑制しコストコントロールを徹底するとともに、既存店の活性化と専門性の強化に取り組んだ。この結果、資金効率の改善や販管費の削減等で成果を挙げたものの、既存店の苦戦により業績予想を達成することができなかったように、既存店の活性化については課題を残した。
11/2期は、このやり残した課題に取り組む考えで、施策に示されているように、営業組織活性化(現場力の強化)、売場づくりの改革(店舗オペレーションの改革)、及び販促手法の変更(従来型販促からの脱却)に取り組む。営業組織活性化(現場力の強化)では、顧客第一主義に徹した現場中心のマネジメント体制の強化と(株)ニッショードラッグの建て直しがポイントになる。売場づくりの改革(店舗オペレーションの改革)では、既に具体策が示されていることからその成果に期待したい。また、コストと集客力のバランスを考えて従来型販促からの脱却を目指す販促手法の変更も、理屈では理解できるが、現状では成功例が少ないと思われるだけに、その成果が注目される。なお、EDLP化とは、チラシに掲載した目玉商品による集客ではなく、定番商品について常に割安感を提供し顧客を囲い込むことで販促費を効率化する施策の推進を意味する。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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