ブリッジレポート
(4955) アグロ カネショウ株式会社

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ブリッジレポート:(4955)アグロ カネショウ vol.27

(4955:東証2部) アグロ カネショウ 企業HP
櫛引 博敬 社長
櫛引 博敬 社長

【ブリッジレポート vol.27】2010年12月期第1四半期業績レポート
取材概要「この2月に新製品「ネマキック」が上市された。「ネマキック」は線虫防除剤で、作付け直前の使用が可能、線虫の種類を問わず持続的で安定した・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年6月22日掲載
企業基本情報
企業名
アグロ カネショウ株式会社
社長
櫛引 博敬
所在地
東京都港区赤坂 4-2-19
決算期
12月
業種
化学(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年12月 12,556 1,079 1,021 593
2008年12月 13,592 694 652 -108
2007年12月 13,391 533 476 258
2006年12月 12,851 576 497 272
2005年12月 12,154 442 385 114
2004年12月 10,742 536 366 186
2003年12月 7,322 -220 -208 -278
2002年12月 7,792 113 150 41
2001年12月 7,733 242 279 63
2000年12月 8,300 662 709 423
1999年12月 7,821 642 656 224
株式情報(6/14現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
821円 6,056,523株 4,972百万円 5.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
20.00円 2.4% 89.70円 9.2倍 1,673.95円 0.5倍
※株価は6/14終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
アグロ カネショウの2010年12月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
人と自然と環境にやさしい農薬づくりに取り組む農薬専業メーカー。売上の約96%を農薬の製造・販売が占め、国内の売上が全体の82.5%。病害・害虫防除剤、除草剤など果樹・野菜・花卉向けを主体とし、農家密着型の営業展開により他の農薬メーカーと差別化を図っている。一般の農薬流通は、農薬メーカーを起点として川上から川下に商品を押し込むプッシュ型だが、同社は農家を起点として需要を汲み上げるプル型の流通体制を構築している。
グループは、同社の他、ベルギーに、D-Dやバスアミドといった農業用土壌処理剤事業を取り扱う子会社 Kanesho Soil Treatment SPRL/BVBA(同社出資比率60%。以下、KST)、及び染料、医薬、農薬等の受託製造・販売を手掛ける100%子会社の三和化学工業(株)の2社。
 
 
 
国内で農薬の製造・販売を行なうためには、薬効試験、薬害試験、人畜・環境への安全性試験など約200項目にわたる試験を経た後、農林水産省、厚生労働省、環境省、消費者庁、食品安全委員会の審査を受ける必要がある。一般的には、開発から登録まで1剤当たり約10年間、15億円の直接費用を要すると言われている。
 
 
2010年12月期第1四半期決算
 
 
新製品立上げ費用を吸収して経常増益
売上高は前年同期比2.8%増の4,043百万円。農作物の価格低迷等で農家の収益環境は厳しく買い控え傾向が続いている上、円高ユーロ安も減収要因となったが、病害虫防除剤の値上げに伴う駆け込み需要の反動減が一巡、本年1月に農薬登録を完了した土壌処理剤(線虫防除剤)「ネマキック」も順調に立ち上がった。利益面では、円高ユーロ安等により売上総利益率が低下した他、「ネマキック」の広告・販促費負担等もあり営業利益が同3.2%減少したものの、金融収支や為替差損益の改善により経常利益は同10.9%増加。特別損失の減少もあり、四半期純利益は同14.8%増加した。
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第1四半期末の総資産は前期末比860百万円増の18,887百万円。借方では、3月末にかけての売上の増加で売上債権が増加する一方、減価償却やのれん償却で固定資産が減少。貸方では、資金需要を賄うべく有利子負債が増加する一方、自社株買いと配当の支払で純資産が減少した。CFの面では、利益の増加等で営業CFのマイナス幅が縮小した事に加え、定期預金の預入の減少で投資CFも大幅に改善。前年同期は587百万円のマイナスだったフリーCFが120百万円の黒字となった。
 
 
 
2010年12月期業績予想
 
 
前期比7.0%の増収ながら、6.0%の経常減益予想
第2四半期以降も売上の堅調な推移が見込まれるものの、委託試験費の増加(200百万円)、「ネマキック」の広告・販促費負担、更には6月に増改築の終わる所沢事業所の減価償却費増等が負担となり、営業利益が同13.9%減少する見込み。設備投資は358百万円(09/12期は1,102百万円)を計画しており、減価償却費は1,003百万円(同 790百万円)を織り込んだ。配当は、創立60周年記念配を落とし1株当たり期末20円を予定。
 
 
同社グループの業績は売上高・利益共に上期偏重型。10/12期は下期以降、所沢事業所の減価償却費が増加するため、特に利益面でこの傾向が強まる。
 
 
取材を終えて
この2月に新製品「ネマキック」が上市された。「ネマキック」は線虫防除剤で、作付け直前の使用が可能、線虫の種類を問わず持続的で安定した効果が期待できる等の特徴を有する。初年度5億円、5年内に15億円の売り上げを目指しており、粒剤の線虫防除剤分野でシェアを伸ばし、液剤の「D-D」と合わせた線虫防除剤のシェアを早期に30%に引き上げたい考え(線虫防除剤には、粒剤と液剤があり、市場規模は前者が約40億円、後者が約45億円)。尚、線虫防除剤は競合剤が少なく、また、これまで薬剤に抵抗性の線虫が見られていない事より、薬剤の寿命が長い。今期はプロモーション販売が先行するが、来期以降、利益面での本格的な寄与が期待できる。また、来期は減価償却費がピークアウトする。今後、これまでの投資が回収期を迎え、来期は最高益更新を視野に入れた事業展開となる。