ブリッジレポート
(4767:東証1部) テー・オー・ダブリュー 企業HP
川村 治 会長兼社長
川村 治 会長兼社長

【ブリッジレポート vol.22】2010年6月期決算業績レポート
取材概要「景気低迷、広告費削減の逆風を受け、2010年6月期決算は厳しい結果となったが、同社の事業内容、体質からすれば仕方のない結果だろう。今期は・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年8月31日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社テー・オー・ダブリュー
会長兼社長
川村 治
所在地
東京都港区虎ノ門 4-3-13 神谷町セントラルプレイス
事業内容
イベント、セールスプロモーションの企画・制作・運営
決算期
6月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年6月 12,575 671 670 357
2009年6月 14,210 1,401 1,392 876
2008年6月 14,397 1,362 1,343 729
2007年6月 13,070 1,051 1,041 551
2006年6月 12,341 781 784 423
2005年6月 10,705 771 782 465
2004年6月 9,638 781 765 466
2003年6月 9,441 1,103 1,073 537
2002年6月 8,600 940 920 462
2001年6月 7,555 756 730 371
2000年6月 5,995 556 537 238
株式情報(8/13現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
449円 11,511,765株 5,168百万円 6.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
32.0円 7.1% 42.68円 10.53倍 447.39円 1.00倍
※株価は8/13終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
テー・オー・ダブリューの2010年6月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
イベント・プロモーション業界のトップカンパニー。イベント及びセールスプロモーション(SP)の「企画」・「制作」・「運営」・「演出」を手掛けており、SPに関するグッズ・印刷物の企画・制作も行っている。約8,000社がしのぎを削る業界にあって、売上高が140億円を超える同社は頭一つ抜け出た存在。また、競合他社が限られた大手広告代理店とだけ取引しているのに対して、同社は国内外の大手広告代理店10社以上と取引しており、東京ドーム、幕張メッセ、国際フォーラム、東京ビッグサイト等、大型会場でのイベントを1社で受注できる制作力と資本力を有する。2000年7月に株式を店頭登録。07年6月の東証2部上場を経て、08年6月25日に東証1部指定替えとなった。
 
 
 
2010年6月期決算
 
 
売上高は前年比11.5%減の12、575百万円となった。クライアントの業績は回復傾向にあるものの、広告費の見直しや削減が続き、顧客企業の業績回復が広告費に反映されるまでには至っていない。

利益面では、横浜開港博関連等の大型イベントの利益率が低かった事(大型イベントは総じて利益率が低い)や提案案件の単価低下等で売上総利益率が低下する一方、家賃等を中心に販管費が増加したため営業利益は同52.1%減少した。
 
 
10年6月末現在の財政状況(貸借対照表)は上表のようであった。
流動資産の減少は主に売上低迷により売掛金、未成業務支出金が減少したため。有形固定資産の減少は減価償却による。無形固定資産はソフトウェア資産の増加による。流動負債の減少も業績低迷により買掛金、未払法人税等が減少したことが主要因。

キャッシュ・フローの状況は下表のようであった。
 
 
価格帯別の案件数は上表のようであった。新規営業の効果によって小型案件は増加したが、中型・大型案件が大きく減少した。一方で、大きな効果が期待される1億円以上の案件は堅調であった。
 
 
形態別の案件数および売上高は上表のようであったが、厳しい環境の中、指定案件は増加傾向にあった。今後は一段と自主提案案件の拡大に注力する、と会社側は述べている。
 
 
上表は全体の企画本数と制作へ移行した案件数およびその割合(勝率)。新規営業窓口、新規銘柄開発によって企画本数は増加したが、勝率は低位に止まった。今後はこの勝率回復が課題であり、会社側では今年度は案件数3,300、勝率24%超を目標とすると述べている。
 
(業種別売上高:個別)
 
「情報・通信」、「自動車」に次ぐ“第三の柱”作りに注力した結果、「精密・その他製造」に効果は見られたが、「食品・飲料」、「化粧品、トイレタリー」は苦戦を強いられた。
 
 
上表はカテゴリー別売上高だが、「自動車」「金融」「食品・飲料」の急激な低迷により、販促(SP)領域が苦戦した。
 
 
2011年6月期業績予想
 
会社側は今期(2011年11月期)の業績を下表のように予想している。配当は、1株当たり16円の期末配当を予定しており、上期末配当16円と合わせて年32円とする予定。
 
 
また、8月2日現在の受注残高は下表にようになっており、受注残高は減少傾向にある。今後は企画案件(竹、梅)の獲得に一層注力すると会社側は述べている。
 
 
 
今後の対策
 
業績回復と成長基盤の再整備の基本方針として最大の課題は「営業力強化」であると会社側は述べている。その対策として、以下の5項目を重要課題としてあげている。

1.執行体制、組織力の強化:計画の着実な実行と社内モチベーションの強化
2.広告会社への営業強化:制作部門中心の営業から、提案部門中心の営業へ
3.厳しい環境を勝ち抜く競争力強化:イベント競争力、プロモーション全域対応力強化
4.グループ体制強化による営業力強化:広告子会社への対応および新規先開発強化
5.体質強化:コスト管理力と人材育成

以下は、各項目の具体的取組み。
 
(執行体制・組織力強化)
迅速な意思の伝達、社内モチベーション強化による営業力強化を図るため、役員・組織改革を行い、執行体制を強化する。
役員改革:4人の新役員採用と本部強化
組織改革
本部体制強化
社長室の新設
支社強化
デジタル・プロモーション強化
グループ体制の強化
 
(広告会社への営業強化)
多様化する広告会社プロモーション提案部門への対応強化:自主提案を増やす
多様化するプロモーション部門への対応
広告会社各部門への営業常駐の積極推進
イベント営業の再強化
イベント対応部門への対応最強化
大型イベント事業再開発
デジタルメディア連動型プロモーションによる営業強化
DP(デジタルプロモーション)室の新設
他社との差別化企画への取組み
戦略銘柄、担当部署への活動と進捗管理強化
営業行動計画の精緻化
担当役員の進捗管理強化
 
(提案力強化)
プロモーション提案力の強化
店頭対策の提案力強化
開発戦略銘柄に対する積極的な自主企画提案
DP室連動による複合型提案の強化
成功事例の共有化と活用
イベント提案力の強化
既存案件を活用した効率的なイベント自主提案
当社グループ独自の演出技術を活用したイベント提案
(株)ジェイコムとの連携を活用した新領域イベントの提案強化
 
(グループ体制強化)
広告会社子会社への対応強化、営業窓口の拡大:子会社独自営業先拡大
イベント制作&運営・・・(株)T2クリエイティブ
イベント演出・映像演出・・・(株)ソイル
横浜地区および媒体事業・・・(株)ペッププランニング
制作体制強化のためのグループ体制拡大:制作力強化によるTOWの業務効率改善
イベント制作力の強化・・・(株)T2クリエイティブ&(株)ペッププランニング
演出力、演出技術強化・・・(株)ソイル
 
(体質強化)
コスト管理強化
原価管理強化:見積もり、粗利益管理の強化、制作管理チームの権限強化
経費削減:給与テーブル・賞与・手当て見直し、交通費・会議費等の徹底チェック
人材育成
収益性の改善:原価管理・発注先選択能力拡充
営業能力開発:各業界情報・研究機会の習得
意識・基礎力向上:OJT制度の充実
 
 
取材を終えて
景気低迷、広告費削減の逆風を受け、2010年6月期決算は厳しい結果となったが、同社の事業内容、体質からすれば仕方のない結果だろう。

今期は上記のように回復を予想しているが、果たして予想どおりに業界全体が回復するか楽観は出来ない。一方で前期決算の不振を受け、いろいろな分野で体質改善に取り組むと会社側は宣言している。計画どおりに体質改善が進み、業界環境も改善すれば、業績は大きく改善することが期待出来るが、反対に体質改善が思ったほど進まず、業界環境も好転しないようであれば、一段と厳しい業績となることも考えられる。

今後は業界全体の変化に加え、会社の体質改善がどこまで進むか注目する必要があるだろう。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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