ブリッジレポート
(4829) 日本エンタープライズ株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(4829)日本エンタープライズ vol.14

(4829:東証2部) 日本エンタープライズ 企業HP
植田 勝典社長
植田 勝典社長

【ブリッジレポート vol.14】2011年5月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期の3ヶ月間で上期の営業利益及び経常利益予想を達成した。今期は通期営業利益の80%、同経常利益の78%を下期に見込んでいたため通期の・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年10月12日掲載
企業基本情報
企業名
日本エンタープライズ株式会社
社長
植田 勝典
所在地
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-17-8
決算期
5月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年5月 2,147 150 173 77
2009年5月 2,475 292 317 175
2008年5月 3,123 572 578 272
2007年5月 3,677 774 783 447
2006年5月 3,416 694 688 418
2005年5月 3,018 587 570 348
2004年5月 1,958 205 168 226
2003年5月 1,752 134 131 58
2002年5月 1,704 51 53 23
2001年5月 1,417 301 262 126
株式情報(10/1現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
6,290円 377,000株 2,371百万円 2.8% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
100.00円 1.6% 265.25円 23.7倍 7,328.27円 0.9倍
※株価は10/1終値。
 
日本エンタープライズの2011年5月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
モバイルソリューションカンパニーを標榜。コンテンツの自社開発にこだわり、合言葉は「コンテンツで勝つ!」。音楽やゲーム・デコメ等のコンテンツを制作し携帯等を通じて配信するコンテンツサービスと、企業のコンテンツ制作・運営やシステム構築等を手掛けるソリューションが2本柱。また、日本のコンテンツを世界へ広げるべく海外展開にも力を入れており、第3世代携帯電話(3G)向けサービスが開始された中国で3Gサービスの普及を睨み、各種コンテンツを配信している他、携帯電話の加入者数が急拡大しているインドでは現地法人を設立し、本格的な参入に向けて準備を進めている。
 
コンテンツサービス事業
携帯電話等のキャリア(移動体通信事業者)が運営するi-mode、EZweb、Yahoo!ケータイといったインターネットに接続が可能な携帯電話の公式サイトに自社開発したコンテンツを提供し、月額課金あるいはダウンロード課金制により、その代金をキャリアから受取っている。オリジナルキャラクター等によるライセンスビジネスへの参入や、中国事業として、中国の携帯キャリア向けにコンテンツの提供も行っている。
 
国内初のAndroid向け乙女ゲームアプリ 「ケータイ王子~秘密のMyダーリン~」(同社資料より)
 
同社の子会社アットザラウンジ(株)が、8月23日にAndroid向けゲームアプリ「ケータイ王子~秘密のMyダーリン~」の配信を開始した。Android Marketで配信される女性向けの恋愛ゲーム(「乙女ゲーム」ジャンル)コンテンツとしては国内初。9月にはmixiモバイル向けにも配信しており、今後はモバゲータウンでも、ソーシャルゲームとして配信を予定している。
詳細は、公式サイト http://k-prince.com/
 
ソリューション事業
コンテンツサービスから派生したビジネス。モバイルサイト構築・運用業務、ユーザーサポート業務、デバッグ業務、サーバネットワークの運用・監視・保守、自社コンテンツの2次利用(以上、ソリューション)、他社コンテンツの制作・運営(ソリューションコンテンツ)、更には、広告、及び物販等を行っており、携帯電話はもちろん、パソコン等のあらゆるメディアに対応したソリューションを提供している。
 
 
2011年5月期第1四半期決算
 
 
前年同期比2.5%の減収、同35.5%の経常減益
売上高は前年同期比2.5%減の557百万円。広告(店頭アフィリエイト)の好調でソリューション事業の売上が増加したものの、ゲームや音楽の減少によるコンテンツサービス事業の落ち込みをカバーできなかった。利益面では、原価率の高い広告の売上構成比が上昇したため売上総利益率が同2.7ポイント低下。経費削減に努めたものの、新規事業の育成など先行投資負担もあり販管費はわずかな減少にとどまり、営業利益は43百万円と同30.1%減少した。
 
 
今期よりマネジメント・アプローチの導入に伴いセグメント情報の区分が変更されている。具体的には、これまでソリューション事業に含まれていたプラットフォーム事業者等を通じたサービス(ソーシャルアプリ、スマートフォン向けアプリ、事業者サイトへのコンテンツ提供、及び保有原盤楽曲の配信等)が、今11/5期よりコンテンツサービスに区分されている。上記の10/5期 1Qの実績は、11/5期以降の新基準に基づく数値に組み替えてあり、従来の基準では、コンテンツサービスの売上高が300百万円、ソリューションの売上高が271百万円。
 
 
原価率の高い広告売上の増加に伴い売上原価が増加する一方、販管費がわずかに減少。販管費は、広告宣伝費がわずかに増加した他、新ビジネス関連の先行投資もあったが、経費の節減で吸収した。
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第1四半期末の総資産は、前期末と同水準の3,017百万円(186千円減)。長期定期預金を定期預金に振り替えたため、固定資産が減少し流動資産が増加した。有利子負債への依存は無く、自己資本比率は91.6%。CFの面では、運転資金が減少したものの税負担の増加で営業CFが減少。投資CFの減少は預金の預け入れ及び払い戻しの増減に伴うもの。配当の支払いで財務CFがマイナスとなったものの、フリーCFの範囲内にとどまり、現金及び現金同等物の第1四半期末残高は1,181百万円と前期末比28百万円増加した。
 
 
 
セグメント別の取り組み
 
 
コンテンツサービス事業では、選択と集中により事業基盤となる公式サイトの強化を図ると共に、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やスマートフォン(App Store、Android Market)へのアプリ提供にも取り組む事で新規ビジネスの育成につなげていく。この一環として、8月23日に国内初のAndroid向け乙女ゲームアプリ として公式サイト(http://k-prince.com/)でリリースした「ケータイ王子~秘密のMyダーリン~」を、9月28日にmixiでリリースした。更に、10月にはモバゲーでのリリースを予定している他、年末までに新たに4~5タイトルの投入を予定している。ただ、当面は無償提供として、シェアの確保を優先する。

尚、成熟が進む携帯電話市場ではあるが、スマートフォンは引き続き高い成長が見込める分野であり、調査会社マルチメディア総研によると、2015年には携帯電話販売数に占めるスマートフォンの比率が全体の54.6%に達すると言う。また、調査会社シード・プランニングでは、2015年にはスマートフォンやiPad等のタブレット型に搭載されるOSの47.3%をAndroidが占めると予想している。
 
 
 
この第1四半期には、運用収益が期待できる(株)ローソンのポータルサイト「Ponta de LAWSON」の運営業務の受注に成功すると共に、消費者とのタッチポイント拡大の一環として、同社自身も「Ponta(ポンタ)」に参画した。「Ponta de LAWSON」とは買い物で貯まった「Ponta(ポンタ)」のポイントで気軽に遊べるモバイルサイトで、「Ponta(ポンタ)」とは(株)ロイヤリティ マーケティング(以下、LM社)が発行・運用・管理する共通ポイントプログラム。「Ponta(ポンタ)」のポイントはLM社の提携企業の店舗やサイトで買い物をしたり、サービスを利用したりすると貯まり、LM社の提携企業の店舗やサイトであれば決済に使う事ができる。消費者がこのサービスを利用するためには会員登録が必要だが、ローソンのポイントプログラム会員約1,000万人とゲオの会員約1,000万人の約2,000万人の会員でスタートしたため、スタート時点で既に会員数は2,000万人を数え、10年10月1日現在で利用可能な店舗数は、(株)ローソン、(株)ゲオ、及び昭和シェル石油(株)を中心に全国約13,441店に上る。つまり、これらの店舗で買い物したり、サービスを利用したりして貯めたポイントで、日本エンタープライズが運営する「Ponta de LAWSON」の音楽、ゲーム、デコメ等のコンテンツを購入できるわけだ。
この他、携帯販売代理店との協業の強化にも取り組む考えで、提携店舗と商材の拡大に加え、店舗を活用した新たなビジネスの構築も進めている。
 
 
 
中国では、電子書籍事業を進めており、中国の作家や出版業界と連携しながら、中国オリジナルの電子コミックを積極的に投入している。ただ、中国の携帯電話加入者総数が8億人を突破する中、第三世代携帯電話(3G)端末の普及台数は未だ3,000万台にとどまり、同社が主戦場と考えている3Gへの移行が遅れている。このため、事業の本格的な展開には今しばらく時間が必要だ。
 
 
 
2011年5月期業績予想
 
 
業績予想に変更は無く、通期で前期比7.1%の増収、同18.0%の経常増益予想
売上高は2,300百万円と同7.1%増加する見込み。このうち、コンテンツサービス事業の売上高は同3.6%増の1,190百万円を見込んでおり、キャリアの公式サイトの会員を維持しつつ新プラットフォームへの参入により増収を図る考え。また、ソリューション事業は、大型案件及びランニング業務の取り込みや店頭アフィリエイトの拡大に加え、ポータルを活用した事業の拡大も見込まれ、売上高が1,110百万円と同10.0%増加する見込み。
利益面では、増収効果に加え、引き続きコスト削減に努める事で営業利益が同32.5%増加する見込み。経常利益が同18.0%の増加にとどまるものの、税負担率の軽減等で当期純利益は同28.4%増加が見込まれる。
配当は、1株当たり20円増配の100円を予定している。
 
 
 
取材を終えて
第1四半期の3ヶ月間で上期の営業利益及び経常利益予想を達成した。今期は通期営業利益の80%、同経常利益の78%を下期に見込んでいたため通期の業績予想達成に不安があったが、第2四半期(9-11月)もこのペースで進めば、下期の負担が軽くなる(通期予想に対する進捗率は、売上高が24.2%、営業利益が21.5%、経常利益が20.9%)。今後、「Ponta de LAWSON」の運用収益の寄与が見込まれる他、2,000万人を超える「Ponta(ポンタ)」会員への同社コンテンツの販売も期待できる。