ブリッジレポート
(4849:JASDAQ) エン・ジャパン 企業HP
越智 通勝 会長
越智 通勝 会長
鈴木 孝二 社長
鈴木 孝二 社長
【ブリッジレポート vol.26】2010年12月期業績レポート
取材概要「2010年は外需に主導された輸出産業の回復と共に雇用情勢にも緩やかながら好転の兆しが見え始めた。同社においても、10/12期は主力の「[en]社・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年2月22日掲載
企業基本情報
企業名
エン・ジャパン株式会社
会長
越智 通勝
社長
鈴木 孝二
所在地
東京都新宿区西新宿 6-5-1
事業内容
(1)インターネットを活用した求人求職情報サービス
(2)人材採用から社員教育、人事評価制度までのコンサルティング
決算期
12月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年12月 9,991 1,774 1,803 875
2009年12月 10,209 1,259 1,212 459
2008年12月 21,329 5,943 5,906 3,090
2007年12月 22,686 7,564 7,573 4,168
2006年12月 16,919 5,605 5,607 3,105
2005年12月 11,491 3,791 3,826 2,203
2004年12月 6,980 2,245 2,254 1,253
2003年12月 4,372 1,749 1,754 1,038
2002年12月 3,107 1,305 1,283 663
2001年12月 1,876 933 898 464
2000年12月 620 254 249 132
株式情報(2/10現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
136,000円 221,338株 30,102百万円 7.1% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 4,340.24円 31.3倍 55,728.33円 2.4倍
※株価は2/10終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
エン・ジャパンの2010年12月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
インターネット上での[en]ブランドの5つの転職・就職情報サイトの運営、及び人材採用から社員教育、人事評価制度までのコンサルティングサービスを提供している。求人・求職をめぐっては、「実際の業務に就いてみたら、業務内容が事前の説明と違った」と言うトラブルが多いが、同社では、営業担当者が求人企業を取材し、求人企業やその業務内容について、客観的で公正かつ詳細な情報提供を念頭に原稿作成が行われている。こうした取材に基づく公正で詳細な企業情報が求職者から高い評価を受けている事はもちろんだが、求職者は企業や業務内容を十分理解して入社するため、「戦力化が早い一方、離職者が少ない」と求人企業からも高い評価を受けている。尚、売上高の大半を求人企業からの求人広告掲載料収入が占め、求職者に負担は生じない。
また、人事トータル支援システム「FINE」の販売や結婚式場情報サイト「[en]グリーン・ウエディング」の運営を開始する等、新たな事業分野への進出も積極的に展開している。
 
 
2010年12月期決算
 
 
売上高99.9億円、経常利益18.0億円
本年8月にウォールストリートアソシエイツ(株)(以下、WSA社)を子会社化した事に伴い、10/12期第3四半期より連結決算を開始した。WSA社は、高い専門性と語学力を求められる外資系企業のエグゼクティブ職を中心とした人材紹介を行っている。
 
前期の非連結業績との比較では(以下、前期比とする)、2.1%の減収、48.7%の経常増益。売上の面では、「[en]転職コンサルタント」(5.0億円減)や「[en]派遣のお仕事情報」(5.5億円減)の回復が遅れているものの、「[en]社会人の転職情報」(2.4億円増)、「[en]本気のアルバイト」(0.7億円増)、及び教育・評価事業(1.1億円増)等の売上が増加した他、WSA社の子会社化が7.1億円の増収要因となった。利益面では、増収効果と原価低減努力により売上総利益率が改善した他、販管費もWSAを子会社化したことにより人件費が増加(1.3億円増)したものの、地代家賃(3.1億円減)や広告・販促費(2.1億円減)を中心に減少。営業利益は17.7億円と前期比40.9%増加した。雑収入の増加や投資事業組合運用損の減少で営業外損益が改善した他、特別損失も減少(5.1億円→2.1億円)し、当期純利益は8.7億円と同90.5%増加した。
 
 
 
中途採用事業
中途採用事業には、「[en]社会人の転職情報」、「[en]転職コンサルタント」、「[en]派遣のお仕事情報」、「[en]本気のアルバイト」、WSA社、及び適性テスト等の中途関連その他の事業がセグメントされている。
10/12期は売上高が85.2億円と前期比0.2%減少したものの、地代家賃や広告・販促費を中心にした販管費の減少で営業利益は26.3億円と同46.7%増加した。景況感の改善でアルバイトや中途正社員の採用ニーズが回復傾向にあり、主力の「[en]社会人の転職情報」が3期ぶりに増収に転じた他、「[en]本気のアルバイト」の売上も増加した。「[en]社会人の転職情報」では、納品件数の緩やかな増加が続く中、競合先の値下げ一巡もあり単価にも底打ち感が出てきた。また、成功報酬型のサービスであるサーチ型採用ソリューションの入社者数が順調に伸びた他、外資系企業やグローバル展開を進める日系企業の旺盛な人材採用ニーズを背景にWSA社の業績が堅調に推移した。尚、「[en]本気のアルバイト」は10年12月20日よりアルバイト、派遣、正社員の求人情報をまとめて探せる求人サイト「[en]チャレンジ!はた☆らく」にリニューアルした。
一方、人材紹介会社は、一部の大手や専門特化型のサービス会社を除き総じて苦戦が続いており、「[en]転職コンサルタント」とは減収となった。「[en]派遣のお仕事情報」も減収となったが、派遣スタッフの採用ニーズは、年後半から大手を中心に回復の兆しが見え始めた。
 
 
新卒採用事業
新卒採用事業には、「[en]学生の就職情報」、適性テスト等の新卒関連その他の事業がセグメントされている。
10/12期は売上高が前期比24.5%減の11.2億円、営業損失3.6億円(前期は5.4億円の損失)。採用意欲が回復傾向にあり、12年度は前年度に比べて新卒採用人数を増やす企業が増える見込みで、また、採用予算についても上積みを予定している企業が増えると言う。一方、11年度卒業予定学生の就職内定率の低さ等から、学生の危機意識が高まっており、企業規模にこだわらない学生の比率は前年より上昇している。「[en]学生の就職情報」は、12年3月卒業学生向けから、中堅・中小・ベンチャー企業に特化したサイトとしたため、掲載企業数が減少し売上が減少した。ただ、新卒の厳しい就職環境を踏まえ、学生や大学の就職活動に対する意識が変わりつつあり、当サイトは求人企業、学生の双方からの期待を集めている。一方、適正テストの販売は同28.4%増加した。中堅・中小・ベンチャー企業では、新卒採用の経験が大企業に比べて少ないため、採用プロセス関連の商品に対するニーズが強い。
 
教育評価事業
10/12期は売上高が2.9億円と前期比61.5%増加したものの、定額制研修サービス「エンカレッジ」の専任の販売部門設置に伴う人件費の増加(0.8億円→1.3億円)で営業利益は6百万円と同20.8%減少した。定額制の教育サービス事業に参入する事業者も増え競争が厳しさを増しているが、既存社員の能力向上による企業の活性化を目的に人材育成を強化する企業は増加傾向にあり、定額制研修サービス「エンカレッジ」の会員企業数・延べ受講者数が増加。政府の助成金効果もあり、集合型研修の受注も堅調に推移した。
 
その他事業
その他事業は、結婚式場情報サイト「[en]グリーン・ウエディング」、人事トータル支援システム「FINE」がセグメントされている。10/12期は売上高が53百万円、営業損失5.0億円。結婚式場情報サイト「[en]グリーン・ウエディング」は掲載単価が当初想定を下回ったものの、プロモーションの効果もあり、会員数・掲載件数が順調に増加した。一方、人事トータル支援システム「FINE」は引き合いが増加傾向にあり、導入に向けて検討中の案件も増えつつある。
 
2012年3月期業績予想(決算月変更のため15ヶ月決算)
 
3月決算への移行のため11年度(12/3期)は15ヶ月決算となるが、前年度業績との比較が可能な12ヶ月間の業績予想が参考値として開示された。配当は未定(同社は配性向30%程度を目処に各期の業績に応じた利益還元を適宜行う事を基本方針としている)。
 
 
前期比25.8%の増収、同6.8%の経常増益予想
中途採用事業の売上高が高い伸びを示す等、全てのセグメントで増収が見込まれる。サイト別では、人材紹介会社の業績回復の遅れで「[en]転職コンサルタント」の売上が減少するものの、主力の「[en]社会人の転職情報」を中心に他の4サイトで売上が増加する。利益面では、労務費の増加で売上総利益率が0.5ポイント低下する他、人件費や広宣・販促費を中心に販管費も増加するものの増収効果で吸収。営業利益は20億円と同12.7%増加する見込み。
 
 
 
中途採用事業
「[en]社会人の転職情報」における成功報酬型サービスや「[en]チャレンジ!はた☆らく」といった新商品の販売を強化し回復傾向にあるマーケットでのシェア拡大を図る他、今・来期中の事業開始に向け海外展開の準備を進める。
 
新卒採用事業
顧客企業の採用活動の本格化に対応し採用プロセス商品の販売を強化すると共に、TwitterやUstreamといった新しいツールを用いたプロモーション、ユーザー支援を積極化する。また、既存12サイトでの顧客企業の成功事例を活用し、新規顧客開拓にも取り組む。
 
教育・評価事業
「エンカレッジ」の新規会員企業の獲得に努めると共に、講座満足度の維持・向上を目的にプログラムの見直しに着手する。また、新卒採用事業と連携し、新卒入社社員の早期戦力化を実現するための商品開発にも取り組む。
 
その他事業
[en]グリーン・ウエディング」の掲載会場数の増加と掲載効果の向上に努める他、「FINE」の受注拡大に向けセミナー開催等を強化する。
 
 
 
中期経営計画(11年度〜13年度)
 
中期経営計画の基本方針として、“「入社後の活躍」にこだわり、サービスの高付加価値化を図る”、及び“エン・ジャパンとして築いた資産を活用し、第二の柱となる事業を立ち上げる”の2点を挙げており、最終の13年度に売上高230億円、営業利益42億円を達成したい考え(12年度の計画は売上高173億円、営業利益30億円)。
 
・「入社後の活躍」にこだわり、サービスの高付加価値化を図る
入社後のフォロー等、単なる入社支援にはとどまらないサービスを提供する事でサービスの高付加価値化を図ると共に、日本だけでなく、アジアを中心に世界でも同様のサービスを展開する事でコア領域である人財関連事業を再び成長軌道に乗せる。アジア展開については、11年1月に中国において人材紹介を行う合弁会社 職縁人力資源(上海)有限公司を設立しており、今後、WSA社によるシンガポールや香港での事業も本格化する。
 
・エン・ジャパンとして築いた資産を活用し、第二の柱となる事業を立ち上げる
人財関連事業により築いた「エン」ブランド、多くの顧客企業、及びユーザーという資産を活用し、「ウエディング事業」の早期育成に努めると共に事業理念に基づき複数の事業化を推進する。
 
<事業別の取り組み>
中途採用事業
マーケット環境や顧客ニーズの変化に対応した商品・サービスを適切に提供できる体制を構築・整備し、「入社後活躍度」を高めるための顧客及びユーザーフォローを強化する。また、海外展開を始めとする新たな収益源の開拓任も取り組む。
新卒採用事業
顧客企業の採用成功率を高めるため、テストや採用ツール、或いは選考プロセス等の採用プロセス商品の販売を強化すると共に、「入社後活躍度」を高めるため教育・評価事業との連携を深め、入社から3年目までの社員に対する教育商品の開発・営業にも注力する。
教育・評価事業
各事業部との連携を強化し、「入社後活躍度」を高めるための商品開発を進める他、人財事業の海外展開に備え、既存商品の多言語化に取組む。また、「エンカレッジ」の関東以外での事業化も進める。
その他事業
現在展開している「[en]グリーン・ウエディング」と「FINE」の早期収益化に向け体制を強化すると共に、新たな事業の柱の育成に向け人財領域以外の事業を探索する。
 
 
 
取材を終えて
2010年は外需に主導された輸出産業の回復と共に雇用情勢にも緩やかながら好転の兆しが見え始めた。同社においても、10/12期は主力の「[en]社会人の転職情報」で掲載案件数が増加基調をたどり、掲載単価にも底打ち感が出てきた。これを受けた11/12期は4期ぶりの増収・増益が見込まれるが、その一方で、入社後に成約料(同社にとっての売上高)が発生する成功報酬型求人広告の需要拡大に象徴されるように、人材の採用活動においてもコストパフォーマンスを意識する動きが強まっている。このため同社では、中期経営計画において、入社後のフォローアップ体制を整備し求人情報サイトを中心とした既存事業の強化を図ると共に、人材紹介事業等の新たな人財関連事業のグローバル展開や人財関連事業以外の「第二の柱」となる事業の早期育成に取り組む事で新たな収益基盤を構築する考えだ。中期経営計画の進捗に期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2018 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(6498)キッツ vol.4 | ブリッジレポート:(4282)イーピーエス vol.27»

ブリッジレポート(バックナンバー)
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE