ブリッジレポート
(7839) 株式会社SHOEI

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ブリッジレポート:(7839)SHOEI vol.22

(7839:東証2部) SHOEI 企業HP
山田 勝 会長
山田 勝 会長
安河内 曠文 社長
安河内 曠文 社長
【ブリッジレポート vol.22】2011年9月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期は大幅な減益となったが、上期の苦戦は当初から予想されていた事で想定の範囲内。長引く円高の継続や海外での在庫調整の遅れ等、懸念・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年2月22日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社SHOEI
会長
山田 勝
社長
安河内 曠文
所在地
東京都台東区上野5-8-5
決算期
9月 末日
業種
その他製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年9月 10,078 898 978 638
2009年9月 10,300 1,047 1,335 837
2008年9月 14,995 3,608 3,532 2,214
2007年9月 13,586 2,942 2,751 1,630
2006年9月 11,796 2,310 2,117 1,248
2005年9月 10,661 1,581 1,510 890
2004年9月 9,725 1,364 1,282 732
2003年9月 9,575 757 703 381
2002年9月 8,700 379 190 85
2001年9月 9,088 694 592 359
株式情報(2/10現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
764円 13,772,336株 10,522百万円 9.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
20.00円 2.6% 40.66円 18.8倍 453.31円 1.7倍
※株価は2/10終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
SHOEIの2011年9月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
世界ナンバーワンのヘルメットメーカー。オートバイ用を中心に、航空機用や戦車用等の官需用のヘルメットを製造している。販売網は日本のみならず、ヨーロッパやアメリカをはじめ世界50カ国以上を網羅。「SHOEI」ブランドはその安全性と機能性、そして造形の美しさが世界各国で高い評価を受け、高級ヘルメットの代名詞となっている。独自の技術とノウハウ、優れたデザイン力により、右の3つの世界一を実現する事を経営方針に掲げている。
また、「商品戦略」、「生産戦略」、「市場戦略」を融合させた三位一体の事業戦略も同社の特徴。三位一体の事業戦略を進める事で、顧客満足度、株主及び役職員の満足度向上に努めている。
 
<事業内容>
二輪乗車用ヘルメット(以下、「プレミアムヘルメット」)の売上高が約90%を占めている。なかでも、高品質で高付加価値の「プレミアムヘルメット」に特化し、茨城工場(茨城県稲敷市)、岩手工場(岩手県東磐井郡)の国内2工場で生産。国内生産にこだわる事で、より高い品質を維持すると共に技術の流出防止にも努めている。また、業界では唯一の「トヨタ生産方式」導入企業として、高い限界利益率と在庫回転率、及び優れた資産効率を誇る。
 
<SHOEIフラッグシップの最新モデル 「X-TWELVE」>
 
10年1月に国内販売を開始した新製品「X-TWELVE」は同社フラッグシップの最新モデル。空力、デザイン、快適性、そして安全性を追求したプレミアムレーシングフルフェイスのヘルメット。09年9月に欧州で、11月には米国において、現地の規格に沿った製品が発売されており、いずれも好評。
 
 
2011年9月期第1四半期決算
 
 
前年同期比17.8%の減収、同66.0%の経常減益
売上高は前年同期比17.8%減の19.7億円。前期後半に投入した海外市場向け製品の国内仕様モデルの販売が好調で国内が伸びたものの、二輪関連消費の低迷と円高の影響で主力の欧州が大きく落ち込んだ他、代理店の在庫調整で米国での売上も減少した。利益面では、国内での新製品の販売好調や春需を前に前期に圧縮した製品在庫の積み増しもあり売上総利益率が改善。諸経費の削減も進んだが、減収の影響をカバーできず営業利益が同56.0%減少。為替差損益の悪化(22百万円→△3百万円)に加え、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額31百万円など特別損失33百万円を計上した事で四半期純利益は6百万円と同95.0%減少した。
 
 
 
前期後半に投入した海外市場向け製品の国内仕様モデルの好調で国内販売が大きく伸びたものの(数量ベースでは前年同期比17.4%増)、二輪関連消費の低迷と円高の影響で代理店の発注手控えが目立った欧州が大きく落ち込んだ他、円高に対応して値上げを実施した米国も一部代理店の在庫調整等で売上が減少した。
 
 
期末総資産は前期末比2.7億円増の84.2億円。借方では、春需に向けた在庫の積み増しによりたな卸資産が増加。貸方では、生産が順調に進んだ事で仕入債務が増加した。
 
 
2011年9月期業績予想
 
 
業績予想に変更は無く、通期で前期比1.9%の増収、同8.0%の経常減益予想
円高の影響に加え、欧州での流通在庫の調整や米国での代理店の在庫調整等で上期は苦戦が続く見込み。ただ、欧米での在庫調整が一巡する下期以降、ここ2年間に投入した新製品効果が顕在化してくる見込み。引き続き原価低減や諸経費削減に努め、通期で3期ぶりの営業増益を目指す。ただ、為替差益を見込んでいない(10/9期は0.9億円の差益を計上)事や特別損失として資産除去債務の影響額等を織り込んだ結果、当期純利益は5.6億円と同12.4%減少する見込み。為替の前提(期中平均レート)は、1ドル=82.00円(前期実績は1ドル=89.55円)、1ユーロ=112.00円(同1ユーロ=120.40円)。配当は1株当たり20円の期末配当を予定。
 
 
 
取材を終えて
第1四半期は大幅な減益となったが、上期の苦戦は当初から予想されていた事で想定の範囲内。長引く円高の継続や海外での在庫調整の遅れ等、懸念材料はあるものの、第1四半期の国内がそうであったように国内外で新モデルへの移行が進んでいる。為替も高水準の円高が続いているが、この水準からの更なる円高も考え難く、これ以上、業績回復の足を引っ張る事もないだろう。需要期を迎える第3四半期後半以降の販売に注目したい。