ブリッジレポート
(4323) 日本システム技術株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(4323)日本システム技術 vol.16

(4323:東証2部) 日本システム技術 企業HP
平林 武昭 社長
平林 武昭 社長

【ブリッジレポート vol.16】2011年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「会社側では今期(2011年3月期)予想を下方修正したが、元来の予想が強気過ぎたためと考えられ、特段の驚きはないだろう。修正予想達成に向け・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年4月5日掲載
企業基本情報
企業名
日本システム技術株式会社
代表取締役社長
平林 武昭
所在地
〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-7
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年3月 9,322 456 497 300
2009年3月 10,449 806 852 447
2008年3月 10,705 931 945 426
2007年3月 9,711 389 405 138
2006年3月 7,917 111 125 605
2005年3月 8,189 522 502 319
2004年3月 7,767 540 537 67
2003年3月 7,064 676 635 194
2002年3月 6,939 658 606 181
2001年3月 6,285 834 814 282
株式情報(2/10現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
607円 4,739,153株 2,877百万円 7.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25.00円 4.1% 18.99円 31.96倍 853.47円 0.7倍
※株価は2/10終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
日本システム技術の2011年3月期第3四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
ソフトウェアの受託開発(11/3期第3四半期売上構成比62.7%)、教育機関向け業務パッケージの開発・販売(同20.7%)、及び情報システム関連機器等の販売(同16.6%)を行っている。
 
<沿革>
設立は、1973年3月。JAST(同社)の特徴である教育機関向け業務パッケージには、90年代前半から取り組んでおり、94年10月に学校事務支援統合システムパッケージソフト「GAKUENシリーズ」の販売を、98年8月に大規模大学向けERP「GAKUEN REVOLUTION(学務)」の販売を、2000年2月に学校関係者間の情報ネットワークを実現する統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」の販売を、それぞれ開始。01年11月のジャスダック上場を経て、03年2月に東証二部に株式を上場した。
 
<特徴>
 
1.理念重視の経営
 
「情報化の創造・提供による社会貢献」をモットーとして、いかなる企業系列にも属さない完全独立の立場を堅持することにより、業種、技術分野、プラットフォーム等を問わず、常に最新の技術に挑戦しつつ、自由な立場で幅広い分野の開発業務に取り組むことを経営の基本方針としている。

この基本方針に則り、顧客、株主、社員、社会がそれぞれWin-Win(双方有益)の関係を築くべく、「四方良し」の理念を掲げ、それぞれの価値を最大化し、全体としての企業価値を高めることにより、安定的成長を実現することを目標としている。

また、このような成長の原動力となるのは従業員一人一人の情報システム開発に対する情熱と顧客への誠心誠意のサービス製品であり、そのためには人間力の研鑽が何よりも先行すべきである、との信念に基づいた「人づくり」経営に徹することにしている。
 
(経営理念の基本的考え方)
「天爵を修めて人爵これに従う」=天爵を修めることで、はじめて人爵を与えられる。人爵を得て、その結果として天爵を与えられることはない。
 
2.広範な情報サービスの提供
 
メーカーや系列等一切の成約を受けず、自由な立場で広範な分野でサービスを提供することができる。
 
(サービス内容)
1.ソフトウェア開発
2.システムコンサルテーション
3.システム管理運用
4.システムインテグレーションサービス
5.ソフトウェアパッケージの開発・販売
6.情報機器の販売、ネットワーク構築
 
(事業セグメント)
1.ソフトウェア事業(ソフトウェアの受託開発) ⇒ SIerの側面
①ビジネスアプリケーション分野    (事務処理系システム)
②エンジニアリングアプリケーション分野(制御、技術系システム)
③イベントアプリケーション分野 (スポーツ・文化イベント関連システム)
④アウトソーシングサービス   (情報システムの一括運営管理)
 
2.パッケージ事業(ソフトウェアパッケージの開発、販売)
   ⇒ パッケージメーカーの側面
戦略的大学経営システムの開発・販売、導入支援、保守等
 
3.システム販売事業(ハード、ソフトの販売、ITインフラの構築)
   ⇒ 販社(BtoB)の側面
ハードウェア・ソフトウェアパッケージの販売、保守、ネットワーク構築等
 
3.大手優良企業群との長期取引
 
下表のように、大手企業群と長期取引が多いのも同社の特色。しかもすべてが直接取引きである。
長期取引であるため、先方顧客からは同社が「コア・パートナー」となっている場合が多く、そのため不況期でも受注が大きく落ち込むことが少ない、と会社側は述べている。
 
 
 
4.グループ拠点展開
 
 
大阪と東京の2本社制を敷いており、早くから海外に開発拠点を展開している事も特徴。また、2006年8月には、大学向けマーケットを中心とする文教分野での業容拡大を図るべく、首都圏の大規模大学を中心に、システム機器等の販売で実績のあるアルファコンピュータ(株)の全株式を取得した。これにより、パッケージ、情報機器及びネットワーク等を一貫して提供する大学向けSI(システム・インテグレーション)事業の大規模展開が可能となった。
 
 
5.国内トップシェアを誇る教育機関向け業務パッケージ
 
 
大学向け経営改革ソリューションとして提供している統合業務パッケージは、94年10月の発売以来、308校(10年11月25日現在)への導入実績を有し、文教マーケットにおいて高い評価を受けている。

特徴は、大規模な総合大学から小規模の短期大学に至るまで、主要業務を全方位でカバーしているため、パラメーターの設定だけで大学個々のニーズに柔軟に対応できる事。つまり、カスタマイズの必要がないため、ユーザーは導入時及びその後の運用・メンテナンスに関わるトータルコストを削減する事ができる。なお、1案件あたりの導入金額は数10万円~数億円と、導入規模により広範囲にわたる。

少子化問題への取り組み戦略のひとつとして、大学各校は優秀な学生を確保するべく、学生向けサービスや経営品質の向上に取り組んでいる。しかし、全国に約1,200校あると言われる大学・短大の大半がメインフレーマー等による手作りのシステムやカスタマイズを前提としたパッケージを使っていという。品質・価格両面での優位性から競合は少ないようで、販売拡大の余地は大きいと思われる。現在20%のシェアを、早期に30%に引き上げたい考え。
 
 
 
6.その他の特長
(人材重視) ⇒ 品質安定、低コスト体質
新卒中心の採用と長期的な人材育成
人材流動の激しい業界内で高い定着率を維持
 
(品質、信頼へのこだわり) ⇒ 高いリピートオーダー率、大手顧客との長期取引
「一括丸投げ」は行わず、社員中心のプロジェクト編成
請け負った案件は顧客が満足するまでやり抜く、途中退場はしない
 
(特徴的な営業戦術) ⇒ 受託開発パッケージ販売・機器販売の共存共栄に成功
既存顧客はSE自らリピート案件を発掘(営業なき営業)
新規顧客は専門営業がソリューション提案
パッケージ事業は代理店販売が主体
 
(徹底したコスト管理) ⇒ 問題の早期発見による不採算案件の最小化、低コスト体質
 
2011年3月期第3四半期業績
 
<連結業績>
 
 
2011年3月期第3四半期の業績結果は上表のようになった。昨年度下期から受注が急減速したこと、システム販売事業での案件成約時期が下期へずれ込んだことが大きく売上減に影響した。販売管理費を抑制したが、大幅な営業赤字を計上する結果となった。事業セグメント別の動向は以下のようになった。
 
<事業セグメント別業績動向>
 
(ソフトウェア事業)
売上高は、通信業向けアプリケーションは比較的好調であったが、金融を含めてその他の業界向けが前年を下回って推移。その結果、売上高は3,900百万円(前年同期比9.9%減)、営業損失30百万円(前年同期は49百万円の営業利益)となった。

(パッケージ事業)
保守・導入支援等は好調であったが、大学向けのプログラム・プロダクト販売やEUC(パッケージ販売後の個別案件)が前年を下回ったことから売上高は1,287百万円(同2.4%増)と微増に止まったが、営業利益は170百万円(同28.3%減)となった。

(システム販売事業)
大学および官公庁向け機器販売を中心に高付加価値案件の割合が減少し、売上高は1,031百万円(同19.3%減)、営業損益は119百万円の赤字(前年同期は32百万円の赤字)となった。
 
<貸借対照表の状況>
 
第3四半期末の貸借対照表の状況は下表のようになった。流動資産の減少(前年度末比582百万円減)は主に現預金の減少によるものであり、固定資産の減少(同49百万円減)は、のれん償却によるもの。

流動負債の減少(同417百万円減)は、主に買掛債務の減少によるもので、固定負債の減少(同2百万円減)は長期借入金の返済および資産除去債務の計上によるもの。また純資産は212百万円減少したが、これは主に配当金の支払いによる。
 
 
<キャッシュフローの状況>
 
キャッシュフローの状況は下表のようになった。

(営業活動によるキャッシュフロー)
税金等調整前四半期純利益の減少、売掛債権の増加、仕入債務の減少、法人税等の支払いの減少等による。

(投資活動によるキャッシュフロー)
主に定期預金への預入の減少。

(財務活動によるキャッシュフロー)
前年同期とほぼ同額となった。
 
 
 
2011年3月期業績予想
 
<連結業績>
 
会社側では第3四半期までの業績(実績)を踏まえて、2011年3月期の業績を下表のように下方修正した。各部門の取組みについて会社側では以下のように述べている。
 
 
(ソフトウェア事業)
着手中の案件を着実に収益化する。
新ビジネスの研究開発投資をより強力に推進する。
引き続き新たな収益の柱を構築する。
さらなる受注の取り込み。
 
(パッケージ事業)
各拠点(東京、大阪)で引き続き販売力、開発力、製品力のさらなる強化を図る。
文教市場において、さらなるブランド力の強化を目指す。
 
(システム販売事業)
収益に寄与する案件を確実にクロージングする。
文教系および公共系の大型SI案件を確実に受注に結び付ける。
 
 
取材を終えて
会社側では今期(2011年3月期)予想を下方修正したが、元来の予想が強気過ぎたためと考えられ、特段の驚きはないだろう。修正予想達成に向けた取り組みに注目したい。
株価は低位に留まっており、下方修正は既に織り込み済みと見られることから、バリュエーション的には割安と思われる。
今後の展開を見るうえでは、パッケージ事業ではさらなるブランド力強化、ソフトウェア事業では先行投資の収益化、システム販売事業では新ビジネスの事業化がキーとなろう。