ブリッジレポート
(2462:東証1部) ジェイコムホールディングス 企業HP
岡本 泰彦 社長
岡本 泰彦 社長

【ブリッジレポート vol.19】2011年5月期第3四半期業績レポート
取材概要「この決算で再確認を含めて、確認できたポイントは3点。1点目は、スマートフォンに代表される高機能端末の市場拡大を背景に携帯電話業界で高・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年4月26日掲載
企業基本情報
企業名
ジェイコムホールディングス株式会社
社長
岡本 泰彦
所在地
大阪市中央区西心斎橋 2-1-3
事業内容
携帯電話業界向けを中心とした総合人材サービス会社
決算期
5月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年5月 13,522 789 834 475
2009年5月 14,162 913 953 340
2008年5月 12,404 885 907 489
2007年5月 9,605 812 786 444
2006年5月 6,657 594 552 274
2005年5月 4,684 284 281 152
2004年5月 3,271 142 141 56
2003年5月 2,222 90 88 45
2002年5月 1,616 77 76 40
2001年5月 1,369 73 70 34
株式情報(4/14現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
193,300円 45,720株 8,838百万円 12.6% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
4,000.00円 2.1% 11,264.22円 17.2倍 90,261.39円 2.1倍
※株価は4/14終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ジェイコムホールディングスの2011年5月期第3四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
純粋持株会社である同社、総合人材サービス事業と携帯電話キャリアショップの運営を手掛ける連結子会社ジェイコム(株)、持分法適用関連会社サクセスホールディングス(株)とその傘下で認可保育園等の運営を手掛ける(株)サクセスアカデミー、及び人材育成等を手掛ける関連会社(株)ガーディアンシップの4社でグループを形成。主力の総合人材サービス事業では、携帯電話業界に特化した差別化戦略が奏功し、業界動向や顧客ニーズを的確に捉えたサービスと情報の提供が顧客企業から高い評価を受けている。ただ、中期的には、既存事業を中心にしつつも、グループ全体での幅広いサービスの提供を目指している。
 
<沿革>
1993年9月、パッケージ旅行の企画会社(株)パワーズインターナショナルとして設立されたが、携帯電話市場の成長性に着目して96年4月に携帯電話ショップの運営を開始。同年11月にはジェイコム(株)に商号を変更すると共に定款を変更し携帯電話業界に完全にシフトした。98年10月にはショップ運営のノウハウを活かして携帯電話業界向け人材ビジネスに参入。人材ビジネスの順調な拡大を背景に、2005年12月の東証マザーズ上場、更には07年2月の東証1部への市場変更とステータスも向上した。09年12月には、更なる業容の拡大を目指して持株会社体制へ移行すると共に商号をジェイコムホールディングス(株)に変更。併せて、認可・認証保育園の開設や院内・企業内・学内での保育サービスの受託を手掛ける(株)サクセスアカデミー(現サクセスホールディングス(株))に資本参加し、持分法適用関連会社とした。
 
<事業内容>
事業は、携帯電話業界向けを中心に、情報通信、金融、アパレル・美容等を顧客とする総合人材サービス事業と携帯電話ショップ運営のマルチメディアサービス事業に分かれ、11/5期3Qは前者の売上高が全体の97.1%を占めた。総合人材サービス事業は契約形態により、派遣契約、業務委託契約(同社から見れば業務の受託)、及び紹介予定・職業紹介契約に分かれ、セグメント内の売上構成比は、それぞれ71.4%、28.5%、0.1%。また、マルチメディアサービスでは、各通信キャリアと丸紅テレコム(株)との三者間契約により、関西地区でドコモショップ1店舗、ソフトバンクショップ1店舗を運営している。
 
<若年層のステップアップを支援>
総合人材サービス事業では、派遣社員等やアルバイトを受け入れる企業側のメリットだけを追求するのではなく、働く側のキャリアアップにも配慮している。具体的には、派遣社員もしくはアルバイトとして採用した社会経験の浅い学生やフリーター等の若年層を、教育やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)により勤続年数に応じてステップアップさせ、最終的には希望する職業へ正社員として就職できるよう支援するシステムが構築されている。
 
 
2011年5月期第3四半期決算
 
 
前年同期比15.3%の増収、同13.0%の経常増益
売上高は前年同期比15.3%増の116.0億円。携帯電話業界における販売関連全般の業務委託案件を順調に受託した他、アパレル業界等で新規開拓も進展。主力の総合人材サービスの売上が112.7億円と同16.3%増加した。利益面では、業務委託案件のサービス開始が集中したため一時的に売上総利益率が低下したものの、コスト管理の徹底と業務の効率化による販管費の伸び抑制でほぼ前年同期並みの営業利益率を維持。持分法投資利益の増加等で営業外損益も改善し、経常利益は6.9億円と同13.0%増加した。四半期純利益が同6.2%の増加にとどまったのは、関係会社株式売却益がなくなる一方で投資有価証券評価損が増加し、特別損益が悪化したため。
 
 
(2)総合人材サービス事業の動向
契約形態別では、携帯電話業界向けを中心に業務委託契約が前年同期比74.2%増加した他、売上構成比が70%を超える派遣契約も同3.0%増と堅調に推移。業界別では、携帯電話業界向けが同17.4%増加した他、求人サイト事業を足がかりに新規取引が増加したアパレル・美容業界向けが同3.5倍に拡大した。顧客別では、業務委託の営業強化が奏功し携帯キャリア及び大手携帯電話販売代理店向けが増加した他、顧客毎の需要に応じた営業が成果を上げ大手以外の販売代理店向けも大きく伸びた。また、地域別では、業務委託案件の取り込みが進み首都圏、関西圏を中心に全国的に売上が増加した。
 
 
 
 
売上原価率が82.0%から82.9%へ0.9ポイント上昇したものの、販管費率が12.2%から11.4%に低下したため、営業利益率は5.7%と0.1ポイントの低下にとどまった。もっとも、売上原価率の上昇は業務委託受注直後の一時的な現象であり想定の範囲内。今後、時間の経過と共に収束する見込み。一方、販管費を費目別に見ると、コスト管理の徹底と業務効率の適正化で人件費の対売上比が0.2ポイント低下した他、求人効率の改善により採用教育費の対売上比も0.1ポイント改善した。
 
(4)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第3四半期末の総資産は前期末比3.3億円増の57.9億円。総合人材サービス事業の拡大で売上債権やスタッフの給与となる未払金が増加した。CFの面では、税負担が増加したものの、好調な業績を受けてほぼ前年同期比並みの営業CFを確保。余資運用での収入の増加や、M&Aに伴う支出の減少により投資CFのマイナス幅も縮小し、前年同期は2.0億円のマイナスだったフリーCFが33百万円の黒字に転じた。
 
 
 
2011年5月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比7.2%の増収、同7.9%の経常増益予想
「業績は概ね計画通りに推移している」として、通期の業績予想に変更は無かった。売上の内訳は、主力の総合人材サービスが前期比7.5%の140億円、マルチメディアサービスがほぼ前期並みの5億円。総合人材サービスは繁忙期の年度末を迎え、TOW(4767)との提携効果も含め、キャンペーン関連や新規業界・事業での売上増が見込まれる。利益面では、業務委託案件の利益率改善も進む見込み。2月1日には、未だ拠点展開の余地が大きい東日本地区で北関東支社(さいたま市大宮区)を開設した。配当は1株当たり2,000円の期末配当を予定(中間配当2,000円と合わせて年4,000円)。
尚、通期業績予想に対する進捗率は、売上高80.1%、営業利益77.4%、経常利益77.8%、当期純利益73.7%。3月11日に発生した東日本大震災についても大きな影響は無いと思われるが、「現在調査中であり、重大な影響が見込まれる場合には速やかに情報開示する」との事。
 
 
 
 
取材を終えて
この決算で再確認を含めて、確認できたポイントは3点。1点目は、スマートフォンに代表される高機能端末の市場拡大を背景に携帯電話業界で高い説明能力を持つ販売スタッフへのニーズが高まっている事。しかも、業務委託への対応力で業界内の2極化も進んでいる。2点目は、成果報酬型求人サイト「Jobマーケット」が「ドアノックツール」として機能しており、アパレル・美容業界向けの売上が急増する等、携帯電話業界以外でも知名度が向上し多様な人材ニーズの取り込みが進んでいる事。アパレル業界の開拓による高級ブランドとの取引開始は、同社のブランドイメージ向上にも寄与するものと思われる。3点目は、持分法適用関連会社であるサクセスホールディングス(株)が手掛ける保育所等の運営及び運営受託事業の成長が加速している事。保育所数の絶対的な不足と待機児童数の増加は社会的な問題であり、今後の市場拡大に疑う余地は無い。加えて、若年層の女性を中心に就業機会を提供してきた同社グループは、保育士の派遣でもビジネスチャンスが拡大する。
要するに、既存事業の拡大、新規分野の開拓、更には新規事業の育成が、いずれも順調と言う事だ。東日本大震災の影響については現在調査中との事だが、影響を受けたとしても限定的で一過性のものと考える。12/5期は下期から業務委託案件を中心に利益率の改善も見込まれ、引き続き高い利益成長が期待できよう。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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