ブリッジレポート
(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション 企業HP
荻野 芳朗 社長
荻野 芳朗 社長

【ブリッジレポート vol.13】2011年2月期業績レポート
取材概要「11/2期の利益圧迫要因となった夏場の原材料費の高騰だが、主力製品のキムチに使われる白菜については、100%を契約農家から仕入れているため・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年5月10日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ピックルスコーポレーション
社長
荻野 芳朗
所在地
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3
事業内容
漬物業界1位、シェア約4%。セブン&アイ向け約6割。地方スーパー、生協などに拡大中
決算期
2月末日
業種
食料品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年2月 20,824 577 624 365
2010年2月 18,234 536 583 322
2009年2月 18,502 399 413 202
2008年2月 17,870 286 373 205
2007年2月 16,775 293 355 218
2006年2月 16,563 158 205 -37
2005年2月 18,186 74 146 144
2004年2月 18,038 268 285 99
2003年2月 18,047 101 98 36
2002年2月 16,542 548 514 230
2001年2月 16,895 302 287 266
株式情報(4/22現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
324円 6,394,774株 2,072百万円 6.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
10.00円 3.1% 67.05円 4.8倍 898.52円 0.4倍
※株価は4/22終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ピックルスコーポレーションの2011年2月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
浅漬・惣菜の製造・販売及び青果物・漬物等の仕入販売を行なっている。「野菜の元気をお届けします」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表す。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、更にはISO9001、HACCPの取得や5S活動に取り組む等、「安全な食へのこだわり」は強い。

資本関係では、「きゅうりのキューちゃん」でお馴染みの東海漬物(株)が株式の49.6%を保有するが、取引はわずかにふる漬等の仕入があるのみ(11/2期は仕入高全体の2.8%)。むしろ同社を語る上で忘れてならないのが、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、11/2期は同グループ向けの売上が全体の39.3%(10/2期は47.1%)を占めた。
11/2期の品目別売上構成は、製品売上が63%(浅漬・キムチ50%、惣菜10%、ふる漬3%)、商品売上が37%(漬物35%、青果物2%)。
 
 
 
2011年2月期決算
 
 
「ご飯がススム キムチ シリーズ」のヒットで前期比7.0%の経常増益
個人消費が冷え込む中で価格下落が進む等、決して事業環境に恵まれた訳ではないが、ヒット商品「ご飯がススム キムチ シリーズ」をけん引役に売上が前期比14.2%増加。利益面でも、3・4月の天候不順や8月の猛暑による白菜、胡瓜など原料野菜の仕入価格高騰(1.6億円程度の減益要因)等の逆風が吹く中、テレビCM等の広告宣伝費の増加や関西新工場の稼働等で販管費が増加したものの、増収効果で吸収。営業利益は5.7億円と同7.6%増加した。尚、当期純利益の伸びが大きいのは特別損益の改善によるもので、固定資産処分損42百万円など特別損失56百万円を計上する一方で、補助金収入56百万円など特別利益72百万円を計上した。
 
 
製品売上高は前期比28.2%増の130.2億円。スーパー等の量販店向けを中心にした「ご飯がススム キムチ」の寄与で浅漬・キムチが大きく伸びた他、新製品効果で福神漬等のふる漬の売上も増加。コンビニ向けのおでんから撤退した影響(約6億円)で減収となった惣菜も実質増収。一方、商品売上高は同3.4%減の77.9億円。下期に入り、利益貢献の少ないファミリーレストラン向け青果物の取り扱いをやめた事が減収要因。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末比4.2億円増の124.2億円。期末の曜日の関係で売上債権及び仕入債務が減少する一方、新工場関連で固定資産と有利子負債が増加した。CFの面では、税負担の増加(1.8億円→3.2億円)を吸収して営業CFの黒字が増加。関西新工場関連で投資CFのマイナス幅が増加したものの、ほぼ営業CFの範囲に内にとどまった。関西新工場関連の資金を長期借入金で調達したため、財務CFも黒字となり、現金及び現金同等物の期末残高は11.6億円と同2.7億円増加した。
 
 
 
2012年2月期業績予想
 
 
前期比0.5%の増収、同20.6%の経常増益予想
青果物の取り扱いが無くなる商品売上が71.4億円と前期比8.3%減少するものの、製品売上の増加(同5.8%増)で吸収し売上高は209.3億円と同0.5%増加する見込み。品目別では、サラダ系のラインナップを強化する惣菜が伸びる他、「ご飯がススム キムチ シリーズ」を中心に浅漬・キムチも堅調な推移が見込まれる。利益面では、広告宣伝費や配送先の増加による物流費等の増加で販管費が増加するものの、売上の増加と野菜仕入価格の落ち着きや製品売上の構成比上昇による売上総利益率の改善で吸収。営業利益は7.1億円と同23.5%増加する見込み。
 
 
 
漬物市場は約4,000億円。このうち売上高が100億円を超えているのは、同社と同社の親会社である東海漬物を含めた5社に過ぎず零細企業が多い。ただ、1994年には2,000社を超えていた全日本漬物協同組合連合会(全漬連)の会員数が2010年には1,200社程度に減少しており、徐々に寡占化が進んでいる。また、品目別では、浅漬やキムチの市場が伸びる一方、ふる漬市場が縮小傾向にある。一方、弁当等も含めた惣菜産業の市場規模は8兆2,154億円(08年)で、同社の主要取引先である総合スーパーが12%を、食料品スーパーが24%を、それぞれ占めている。
 
同社を取り巻く環境と12/2期の施策
主要販売先である量販店は、既存店の売上減少が続いているため新規出店に対して慎重な姿勢を強めており、その一方で、消費者の低価格ニーズや少量化ニーズへの対応や収益性の向上に向けPB商品の拡充を進めている。加えて12/2期は、3月11日に発生した東日本大震災に伴う、消費マインドの落ち込み、原料(野菜や包装材料)調達難、更には夏場の電力不足等、懸念材料が多く、省エネ設備への投資も課題となっている。こうした中、同社は引き続き消費者ニーズを捉えた製品開発を進めて他社との差別化製品を投入すると共に、提案力を向上させる事で新規取引先の開拓や既存得意先の深耕につなげていく考え。
 
・販促・広告戦略
ハウス食品や東洋水産等の食品メーカーとのコラボレーションによるアレンジメニューのレシピ配布に加え、売り場提案の強化、更には展示会や試食販売等、販促活動を強化し、前期約40億円を売り上げた「ご飯がススム キムチ シリーズ」の一段の販売拡大を図る。また、テレビCMやラジオCMに加え、車内広告や西武ドームでの看板設置等、広告宣伝活動にも引き続き取り組む。
 
 
・商品戦略
生姜福神漬やカレー福神漬といった福神漬、甘辛いしょうゆ味の胡瓜にガーリック風味でパンチをきかせた「ご飯がススム ガーリッキュー」(晩酌の肴としても最適)等の「ご飯がススム シリーズ」を投入する他(順次発売済み)、「ピリ辛胡瓜」等、夏場にかけて既存製品をブラッシュアップしたサラダ系の惣菜ラインナップを拡充する。
 
・営業戦略
同社グループの強みである全国ネットワークを活かした営業展開を進める。
 
 
ネット販売では、順次、製品ラインナップの拡充を進めると共に限定価格で販売も行っている。お中元需要の取り込み(パンフレットの作成と配布)やサイトのリニューアル等、売上拡大に向けた施策を進めている。
また、11/2期は新工場(関西新工場)の立ち上げで96百万円の営業損失(売上高は2,934百万円)となったピックルスコーポレーション関西だが、昨年12月には単月黒字に転換しており、12/2期は通期で売上高3,101百万円、営業利益41百万円が見込まれる。関西新工場の生産力を活かして、これまで営業面で手薄だった中国・四国地区の販売を強化していく。
 
<東日本大震災の影響>
同社グループにおいては、従業員の人的被害はなかったが、宮城ファクトリー(宮城県加美郡)の設備等に若干の被害があった。また、停電等の影響もあり、被災した宮城ファクトリーに加え、福島工場(福島県本宮市)も地震後に操業を停止したが、福島工場は3月14日から、宮城ファクトリーも3月21日から通常通りの操業に復した。この他、計画停電で関東地区の事業所が製造・出荷業務で軽微な影響を受けた。
一方、取引先については、東北地区の販売先(スーパー等)が地震後営業を停止していたが、既に8〜9割程度が営業を再開している。原材料に関しても影響は軽微で、野菜、包装材料、調味料等の一部で調達できないものがあったが、代替品で対応できており、福島県産の野菜が出荷停止となっているが同社が使用する野菜は対象外。この他、物流面で地震後に燃料不足が発生したが、現時点では概ね回復している。
また、支援活動にも取り組んでおり、東北地区の販売先に商品を無償で提供した他、被災地の方へ野菜の元気をお届けするべく、農林水産省へ食料等の無償提供の申し出も行った。被災した児童への支援等も検討している模様で、引き続き被災地の支援に取り組んでいく考え。
 
 
取材を終えて
11/2期の利益圧迫要因となった夏場の原材料費の高騰だが、主力製品のキムチに使われる白菜については、100%を契約農家から仕入れているため、市場価格が変動してもその影響を受ける事は少ない(胡瓜、ナスは約50%を市場から調達)。しかし、昨夏は猛暑による生育の遅れで契約農家から必要量を確保する事ができなかった。このため、市場から調達したが、夏場は白菜の出荷量が少ないため、同社が市場からの調達に動いた事で価格上昇を招いてしまったと言う。なんと、夏場は、同社が一日に必要とする白菜の量が都内の市場に出荷される白菜の量とほぼ等しくなってしまうとの事だ。
このように農産物を扱う事の難しさはあるものの、中食市場の拡大に加え、健康志向の高まりもあり、サラダ感覚で食べる事ができる浅漬け・キムチや惣菜は人気が高い。こうした中、同社は、消費者ニーズを捉えた製品開発が順調で、全国に広がるグループネットワークと相まって既存取引先の深耕と新規得意先の開拓も進んでいる。このため、原発問題も含めて東日本大震災の間接的な影響は読みきれないものの、ベースとなる部分で同社の業績には安心感がある事は確かだ。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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