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(3034:JASDAQ) クオール 企業HP
中村 勝 社長
中村 勝 社長

【ブリッジレポート vol.11】2011年3月期業績レポート
取材概要「2012年3月期の注目ポイントは、ナチュラルローソン+クオール薬局の拡大戦略の成否だろう。前期は、テストケースとして住宅街、新興住宅街、オフィ・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年6月14日掲載
企業基本情報
企業名
クオール株式会社
社長
中村 勝
所在地
東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー37階
事業内容
調剤薬局チェーン大手。首都圏中心に東北、中部、北陸、関西に約280店舗を展開。
決算期
3月末日
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 60,915 2,804 2,807 1,137
2010年3月 56,305 2,031 2,032 828
2009年3月 49,010 1,526 1,506 653
2008年3月 38,002 1,314 1,298 547
2007年3月 24,827 937 875 403
2006年3月 21,701 779 763 333
2005年3月 20,193 611 580 74
2004年3月 18,500 28 10 -134
2003年3月 11,869 253 413 -33
2002年3月 8,107 5 153 68
株式情報(5/25現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
99,200円 123,744株 12,275百万円 11.0% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,900.00円 2.9% 14,628.79円 6.8倍 87,214.11円 1.1倍
※株価は5/25終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
クオールの2011年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
主に民間中小病院・クリニックを対象とした調剤薬局をチェーン展開している。「“クオリティ オブ ライフ”の向上」を企業信念として掲げ、社名の「クオール」もこれに由来する。首都圏中心に東北、中部、北陸、関西に全国展開しており、出店は常に医療機関とのマンツーマン体制を堅持する事で調剤薬局間の無駄な顧客獲得競争を排除している。また、地域に根ざした店舗運営を進めると共に、株式会社ローソンと組み調剤薬局とコンビニエンスストアが融合した「ナチュラルローソンクオール薬局」を出店、従来の調剤薬局のイメージを一新するような外観や明るく快適な店舗づくりで差別化を図っている。クオールグループは保険薬局事業を中心に4つの事業を展開している。中核事業は売上高の96%(2011年3月期実績)を占める保険薬局事業で、そのほか、医薬品治験関連(SMO)事業や医療・医薬情報資材制作関連事業、労働派遣・紹介事業を手掛ける。11年5月末現在のグループ店舗数は286店舗。
 
保険薬局事業
医療機関から患者に手渡される処方せんの記載に従って医薬品を提供し、薬の正しい服用方法などについてアドバイスする事業。基本的には処方元医療機関と1対1の関係で対応するマンツーマン薬局を出店している。そのほか、10坪薬局、高機能薬局、在宅医療、フランチャイズといった形態の店舗を出店することで、面展開に対応している。近年ではコンビニエンスストアやドラッグストアとの業務提携を通して新業態店舗の開発にも積極的に取り組んでいる。2011年3月期には、業務提携先のローソンと組み調剤薬局とコンビニエンスストアの融合店舗「ナチュラルローソンクオール薬局」を3店舗出店した。フランチャイズを含んだ店舗網は、首都圏を中心に東北、中部、北陸、関西、中四国、九州に286店(2011年5月時点)。
 
医療品治験関連事業
連結子会社フェーズオンを通じ、医療機関で行う治験(新薬開発のための治療を兼ねた試験)を支援するSMO(Site Management Organization)事業を手掛ける。クオールグループの強みである薬剤師の採用力、教育力を活かし、薬剤師による治験コーディネーターをSMOに投入(従来は看護師、臨床検査技師がコーディネーターになるケースが多い)することで、治験のサポートを行っている。支援する医療機関と独占契約を結び、その医療機関が実施する治験を常駐している治験コーディネーターと専任の治験事務局担当者が連携してサポートする体制を確立している。
 
医療・医薬情報資材制作関連事業
連結子会社メディカルクオールが医薬品の販促や適正使用の普及のために活用する医療情報資材の提供、医療関係者及び患者向けの医療情報書籍・雑誌の企画・編集・制作を手掛ける。
 
労働者派遣・紹介事業
連結子会社クオールメディスを通じ、クオールグループの人材採用力、薬剤師教育・研修システムを活用し、保険薬局など医薬品関連企業に向けた人材派遣・紹介を行っている。
 
 
2011年3月期決算
 
 
 
過去最高益を更新
2011年3月期は、前期比8.2%増収、同38.1%営業増益(10年2月に買収したテイオーファーマシーの影響を除いた実質成長率は、売上高+2.7%、営業利益+28.7%)。3月3日に修正した会社計画にほぼ沿った着地だった。増収の主要因は、テイオーファーマシーの通年寄与+3,100百万円、新店効果(出店17店舗、退店7店舗)+177百万円、既存店での処方せん応需枚数増+2,009百万円など。増収効果に加え、購買部門の強化、薬局の配置人員適正化、経費削減努力などが功を奏し、売上高営業利益率は4.6%(前期実績3.6%)に上昇した。
なお、東日本大震災により、当初13店舗が営業不能となったこともあり、災害による損失42百万円が特別損失に計上されている。但し、4月1日までに12店舗が営業を再開していることから、影響は軽微に留まったと言えよう。一株配当は1,700円(前期1,250円)に増配された。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
総資産は前期末比+1,085百万円の28,624百万円。大震災等の影響を受け医薬品確保に動いたことから、棚卸資産が566百万円増加した影響が大きい。有利子負債は前期末比-94百万円の5,628百万円。当期純利益増加により、純資産が978百万円増となった結果、自己資本比率は37.7%(前期実績35.6%)に上昇した。
キャッシュ・フローでは、税金等調整前当期純利益+2,488百万円、減価償却費+1,149百万円、棚卸資産増+578百万円等により営業CFは2,233百万円の収入となった。投資CFは有形固定資産取得による支出991百万円、無形固定資産取得による支出304百万円等により1,565百万円の支出となった。但し、前期のような子会社株式取得がなかったこともあり、フリー・キャッシュ・フローはプラスとなった。財務CFは長期借入れによる収入1,300百万円、長期借入金返済による支出1,744百万円等により256百万円の支出となった。
 
 
 
 
2012年3月期業績予想
 
 
連続してピーク利益更新へ
2012年3月期は、前期比15.5%増収、同29.3%営業増益を計画。期中に77店(うち、25店はナチュラルローソン+クオール薬局)の出店を見込む。ジェネリック変更率は、2011年3月21.03%を25.0%まで引き上げる計画。患者の立場に立ち、1件1件相談しながら対応しているため、変更スピードは遅くなってしまうが、着実に進めていきたいとのこと。引き続き経費削減、医療連携強化に取り組むことで、収益力改善も図る。新規採用は、薬剤師30名、医療事務100名の予定。クオールカード全店導入に向け、2012年3月までに114店舗の店舗名を統一する計画。総投資額は約2億円。そのほか、2011年1月よりナチュラルローソン+クオール薬局でポイント付与を開始しており、面分業における集客効果に今後期待したい。一株配当は2,900円とする予定。
 
 
 
新・中期経営計画
 
保険薬局業界は、今後も薬価改定リスク、調剤報酬改定リスクがあるうえ、医薬分業率の鈍化、面分業による出店競争といった問題を抱えている。一方、高齢社会を迎え、在宅医療をはじめ医療ニーズは益々多様化していくことが予想される。このような環境下、クオールグループは中期経営計画の中で、1)エリア出店戦略に基づくマンツーマン出店の強化、2)コンビニエンスストア併設型保険薬局の出店強化、3)医療連携を強化し、地域医療の様々なニーズに応える「かかりつけ薬局」の実現、4)医薬品治験関連事業において、専門疾病領域や臨床研究への対応力を強化、5)労働者派遣・紹介事業においてウェブサイトを活用した登録者の募集、などを中期的経営方針として掲げ、経営基盤の確立・強化に取り組んでいく。
2013年3月期以降も積極的な出店を背景に高成長の持続を図る。出店前提は年間72店(うち、30店はナチュラルローソン+クオール薬局)。2013年3月期及び2014年3月期は採用増(薬剤師300名、医療事務100名)を計画しているため、出店と採用のバランスが崩れる2013年3月期の利益率は一時的に低下する見通し。
 
 
 
この他、
・在宅医療の推進
・クオールカードの拡大とポイントへの対応(100円=1ポイントで処方箋の自己負担金に付与)
・利益に応じた積極的な株主還元
なども重点施策として掲げている。
 
 
こうした施策を推進し、2012年3月期〜2014年3月期の3年間に、売上高+18.2%、営業利益+24.3%、当期純利益+31.4%(いずれも年率)の成長を目指している。
 
 
取材を終えて
2012年3月期の注目ポイントは、ナチュラルローソン+クオール薬局の拡大戦略の成否だろう。
前期は、テストケースとして住宅街、新興住宅街、オフィス街に計3店舗出店した。会社側は面分業に対応した新業態店舗として認知度が高まりつつあると判断し、今期は一気に25店舗、来期以降は30店舗を展開する計画を立てている。新業態店舗では、薬剤師や登録販売者と連携したOTC販売の促進、薬局製剤の製造販売、動物薬販売にも取り組む。既存店も含めた全店へのクオールカード導入、店舗名の統一が処方せん応需枚数にどれだけ影響を与えるのかも注目だ。
また、新・中期経営計画達成のためには在宅医療を計画通り推進できるかも大きなポイントとなる。
2014年3月期目標売上約3,400百万円実現に向けて、対応薬局の拡大と共に現在24名のオムツフィッターを拡充する計画であり、その採用動向も注視していく必要がある。
売上1000億円企業の足掛かりとなる今回の新・中期経営計画の進捗をフォローしていきたい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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