ブリッジレポート
(2317:東証1部) システナ 企業HP
逸見 愛親 社長
逸見 愛親 社長

【ブリッジレポート vol.12】2011年3月期業績レポート
取材概要「11/3期でグループや事業の再編が一巡、財務の健全化も進んだ。12/3期は、東日本大震災の影響によるIT投資の抑制や先送り等、厳しい事業環境が・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年6月16日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社システナ
社長
逸見 愛親
所在地
東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階
事業内容
携帯電話向けソフト開発・技術支援が柱。携帯電話とWebサイトの連動ビジネスにも展開
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 39,176 2,579 2,661 2,957
2010年3月 3,636 490 536 340
2009年10月 8,161 1,261 1,258 1,180
2008年10月 9,603 1,816 2,153 1,275
2007年10月 7,930 1,595 1,555 849
2006年10月 5,917 961 967 602
2005年10月 4,180 717 691 561
2004年10月 3,093 677 643 391
2003年10月 2,461 516 511 280
2002年10月 1,940 398 380 196
2001年10月 1,524 180 175 93
株式情報(6/3現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
71,700円 302,168株 21,665百万円 28.9% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,600.00円 3.6% 4,781.40円 15.0倍 47,041.66円 1.5倍
※株価は6/3終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
システナの2011年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
データ通信系のファームウェア(主に携帯電話端末や基地局向けの組み込みソフト)開発に強みを持ち、情報システム構築等のシステムインテグレーション事業を育成中だった(株)システムプロが、持分法適用関連会社だったカテナ(株)を吸収合併し、2010年4月1日にシスプロカテナ(株)として再スタートを切り、2010年7月1日に社名を新たに(株)システナに変更した。新会社は、システムプロの情報システムサービス事業とカテナの金融を中心とするシステム開発事業を連携させると共に、システムプロの移動体高速データ通信システム事業との融合を図り、ユビキタス時代のエアー・シンクライアント・サービスの実現を目指している。
 
<事業内容>
モバイル高速データ通信事業
スマートフォンを中心にしたモバイル端末の開発支援を行っており、移動体通信キャリア及び端末メーカーを主な顧客とする。
情報システム事業
生損保、銀行等の金融機関の基幹・周辺システムの開発とコンシューマ向けポータルサイトの構築・開発を手掛けている。オープン系技術と金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開が特徴。
ITサービス事業
システムの保守・運用、ヘルプデスク・ユーザーサポート等を手掛けている。
ソリューション営業事業
IT関連商品の法人向け販売及び外資・中堅企業向けを中心としたシステムインテグレーションを手掛けている。
エアー・クラウド推進事業
クラウド型サービスを利用して携帯電話やスマートフォン等の携帯端末との連携に取り組む。
コンシューマサービス事業
(株)ProVisionにおいて、グループ会社社員とその家族を対象に、損害保険代理店等のサービスを行う。また、(株)GaYa(持分比率50.0%)において、スマートフォンに特化したアバターSNS・ソーシャルゲームの企画・開発・運営を手掛ける。
 
 
 
2011年3月期決算
 
 
構造改革が進み、合併初年度は順調なスタート
売上高は391.7億円。前期実績との比較では、Android関連の増加でモバイル高速データ通信事業の売上が増加したものの、企業のIT投資抑制による情報システム事業やソリューション営業の売上減少をカバーできなかった。ただ、情報システム事業における契約条件の精査や原価管理の徹底、ソリューション営業における付加価値の高い商材への特化等、構造改革の成果で営業利益率が6.6%と前期比1.4ポイント改善。営業利益が同23.2%増加した。当期純利益の伸びが大きいのは、固定資産売却益2.2億円、関係会社株式売却益5.7億円及び段階取得に係る差益2.8億円等11.4億円を特別利益に計上したため(一方、固定資産売却損等3.1億円を特別損失に計上した)。期末配当は、1株当たり合併記念配100円を含む1,300円を予定(上期末にも合併金配100円を含む1,300円の配当を実施している)。
 
 
モバイル高速データ通信事業
技術やノウハウの蓄積で先行している強みにより、好採算のAndroid搭載のスマートフォン関連の開発・品質検証案件が増加。売上高は73.8億円と予想を17.7%上回り、売上の上振れでセグメント利益も13.7億円と予想を同40.9%上回った。
 
情報システム事業
売上高118.1億円、セグメント利益8.0億円。生損保、銀行等の金融機関の基幹・周辺システムの開発は、単価引き下げ要請や顧客のIT投資抑制等で苦戦したものの、契約条件の精査や原価管理の徹底等の成果で収益性の改善が進んでいる模様。一方、コンシューマ向けポータルサイトの構築・開発においては、第3四半期(10-12月)から大手ポータルサイト運営会社によるシステム投資が増加傾向にあり、電子書籍関連システムの開発や、モバイルを使ったクーポン、決済、ポイント管理のシステム開発が堅調に推移した。
 
ITサービス事業
売上高55.6億円、セグメント利益3.0億円。引き続き厳しい事業環境が続いたものの、価格要請が最悪期を脱した事やソリューション営業の顧客を中心にITアウトソーシングの需要掘り起こしに努めた事で売上高が5.2%期初予想を超過。事業の選択と集中、組織のフラット化、最適な人員配置、更には組織編成等、構造改革の成果が現われ、セグメント利益が3.0億円と期初予想(85百万円)を大きく上回った。
 
ソリューション営業
売上高は143.9億円、セグメント利益2.0億円。厳しい事業環境を踏まえ抜本的な構造改革を推進。具体的には低採算案件を削減すると共に販管費の削減を徹底した。
 
エアー・クラウド推進事業
売上高70百万円、損失72百万円。「Google Apps(Google提供のクラウドサービス)」の販売ノウハウの蓄積が進んだ事で累計契約先数が100社を超えた他、既存契約先の更新も進んだが、まだ新規顧客開拓の段階。
 
コンシューマサービス事業
当事業は現在先行投資の段階にあり、売上高43百万円、損失86百万円。損害保険代理店等のサービスを提供する(株)ProVisionでは外販比率の引き上げに取り組んだ。(株)GaYaではスマートフォンに特化したアバターSNS・ソーシャルゲームのリリースに向けて開発を進めた(5月17日にソーシャル・ネットワーキング・サービス及びアプリ1本をリリース)。
 
 
カテナ(株)との合併で期末総資産は244.5億円と前期末比160.3億円増加したが、期初(合併直後)との比較では、総資産が49.5億円減少した。貸方では、借入金の返済を念頭に土地建物を売却した事で有形固定資産が期初に比べて14.7億円、アドバンストアプリケーション等の子会社株式の売却で投資その他が同13.2億円、それぞれ減少。貸方では、資産の売却と共に借入金の返済を進めた事で有利子負債が同43.8億円減少。この結果、有利子負債の期末残高は現預金残高を下回る40.5億円となり、実質無借金となった。自己資本比率は期初の42.6%から15.5ポイント改善の58.1%。
CFの面では、29.4億円の営業CFを確保した上(前期は5ヶ月決算で、税負担6.0億円が重かった)、有形固定資産や子会社株式の売却等で投資CFも16.1億円の黒字となり、フリーCFは45.6億円(合併前の最後の12ヶ月決算となった09/10期は19.8億円)。これを原資に有利子負債の削減を進めたため、財務CFはマイナスとなったものの、現金及び現金同等物の期末残高は50.8億円と前期末比36.8億円増加した。
 
 
 
2012年3月期業績予想
 
 
上期は震災の影響を織り込むものの、下期は回復基調に
売上高は前期比14.4%減の335.3億円。前期の子会社及び事業売却の影響に加え、モバイル高速データ通信も東日本大震災の影響で上期は苦戦が予想される。利益面では、構造改革の進展でITサービス事業やソリューション営業の利益が増えるものの、3年後のLTE普及期に向けた先行投資が負担となりモバイル高速データ通信事業が減益となる他、事業を売却した影響等で情報システム事業の利益も減少する。
1株当たり配当金は合併記念配200を落とし、普通配を200円増配する考えで、年2,600円を予定(上期末配当1,300円を含む)。
 
 
 
 
モバイル高速データ通信事業
売上高は前期比8.3%増の79.9億円、セグメント利益は同10.0%減の12.3億円。Android搭載スマートフォンの初号機特需の終焉と東日本大震災の影響による部品調達難及び端末開発ロードマップの見直し等で上期は一時的にエア・ポケットに入る。夏場の節電の影響が懸念されるものの、第2四半期以降、徐々にキャリア案件が動き出し、秋以降はLTEやWiMAXを搭載したスマートフォンの開発案件の増加が予想される。
尚、12/3期を3年後の飛躍に向けた先行投資の期と位置づけて、LTE普及期に向けて先行投資を積極的に行う考え。具体的には、コストダウンニーズへの対応によるキャリア案件の強化、連結子会社(株)IDYを活用したハードウェアへの取組み(試作端末の提供を含め、ソフトとハードが一体となった対応力を強化する)、持分法適用会社iSYS Information Technology Co.Ltd(以下、iSYS)によるオフショア体制の強化及びモバイル製品のライフサイクル全体をカバーする独自のサービスポートフォリオを提供しているCETECOM(独)との新評価スキームの開発による認証マークへの取り組みを挙げている。こうした先行投資が利益の圧迫要因となり、今期は増収ながら、減益が見込まれる。
 
情報システム事業
売上高は前期比50.3%減の58.7億円、セグメント利益は同29.8%減の5.6億円。成熟事業で社員の平均年齢も高く成長事業への転換が難しい子会社と事業部門を売却(MBOによる独立)した事が、売上高で56億円、利益で3億円程度の減少要因となる。
今後の戦略として、大手損保会社の統合案件への参画、電子書籍システムやWeb広告配信システム等での大手ポータルサイト運営会社に対する営業力の強化、中国の合弁会社iSYSを活用したオフショアの推進、を挙げており、スマートフォンやタブレット端末を活用した営業支援システムや代理店支援システム等、各事業間のシナジーを生かしたトータルソリューションの提供にも力を入れていく。
 
ITサービス事業
売上高は前期比6.7%減の51.9億円、セグメント利益は同20.6%増の3.7億円。成長軌道確立の期と位置づけ、営業力の強化と更なるコストダウンによる生産性向上に努める。事業の選択と集中を進める事で売上が減少するものの、収益性の改善が進む見込み。
今後の戦略として、帰国子女の採用を強化し、ITプラスアルファのサービスで付加価値を高めると共に、拡充人員の早期戦力化で生産性の向上を図る。また、東日本大震災以降、サポートセンターを首都圏から西日本へ分散する動きが強まっており、こうした需要を取り込むべく、現在、東京本社と大阪支社で連携し首都圏で培ったノウハウの西日本への移管を進めている。
 
ソリューション営業
売上高は前期比0.7%減の142.8億円、セグメント利益は同30.2%増の2.6億円。低採算案件の削減で売上が減少するものの、採算の改善と販管費の削減によりセグメント利益が大幅に増加する見込み。単なる1事業部門ではなく、全社的な営業部隊への変革を進めており、営業力強化と業務の効率化・平準化による生産性の向上に取り組んでいる。また、新たな市場として、医療・医薬業界やエネルギー・社会インフラ分野の開拓に努める他、ソリューション領域を拡大させていく考え。
 
エアー・クラウド推進事業
売上高は前期比112.1%増の1.5億円、36百万円の損失(前期は72百万円の損失)。東日本大震災以降、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策や節電対策としてクラウドサービスへの移行を検討する企業が増えており、売上が2.1倍に拡大する見込み。
13/3期の黒字化を目指し、既存顧客70社の契約更新と年間150社の新規顧客の獲得を目指している。新規顧客の獲得については、「Google Apps」や「BPOS(Business Productivity Online Suite:マイクロソフトの企業向けクラウド型サービス)」といったコミュニケーションツール、或いは自社サービスの「cloudstep」やNTTデータの「OpenCube」といったコラボレーションツールのライセンス販売を中心に進める。
 
コンシューマサービス事業
売上高は前期比206.4%増の1.3億円、1.8億円の損失(前期は0.8億円の損失)。(株)GaYaが5月17日よりソーシャルネットワークゲームポータルサイトの運営を開始し、スマートフォン向けアプリ1タイトルをリリースした。年内8タイトルのリリースを予定しており、2億円の先行投資を計画。今期50万人の会員登録を目標とし、今期末の単月黒字化を目指している。
 
(3)財務戦略
合併で膨張したバランスシートの一段のスリム化を図る考えで、具体策として、繰延税金資産の活用及び営業キャッシュ・フローにより引き続き有利子負債の削減を進める。13/3期末には有利子負債を一掃する計画で、その後のキャッシュ・インについては、グローバル展開を見据えたM&A等に活用していく。
 
 
 
取材を終えて
11/3期でグループや事業の再編が一巡、財務の健全化も進んだ。12/3期は、東日本大震災の影響によるIT投資の抑制や先送り等、厳しい事業環境が予想される中、各事業で収益力の底上げを図る考え。具体的な取組みについては、事業セグメント毎の説明の中で示した通り盛り沢山ではあるが、ポイントは、旧カテナ系事業の収益力強化と、新規事業であるエアー・クラウド推進事業や中国の現地法人によるオフショア開発。スマートフォン市場の拡大でモバイル高速データ通信事業が堅調に推移している間、これらの施策を軌道に乗せる必要がある。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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