ブリッジレポート
(4783:JASDAQ) 日本コンピュータ・ダイナミクス 企業HP
伊藤 敬夫 社長
伊藤 敬夫 社長

【ブリッジレポート vol.25】2011年3月期業績レポート
取材概要「11/3期は厳しい決算となったが、第3四半期累計の営業損益が2.5億円の損失であったのに対して、第4四半期の3ヶ月間で3.4億円弱の利益を計上する等・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年6月21日掲載
企業基本情報
企業名
日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社
会長
下條 武男
社長
伊藤 敬夫
所在地
東京都品川区西五反田 4-32-1
事業内容
独立系。システム開発を軸にヘルプデスクに展開。独自の駐輪場管理システムで出色
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 10,658 -83 11 -113
2010年3月 11,542 56 129 26
2009年3月 12,521 415 460 212
2008年3月 9,539 553 581 315
2007年3月 9,292 261 315 186
2006年3月 8,851 409 424 199
2005年3月 7,607 321 348 228
2004年3月 7,570 340 368 160
2003年3月 6,859 322 283 74
2002年3月 6,168 293 292 152
2001年3月 5,088 247 182 46
2000年3月 4,447 307 339 149
株式情報(6/8現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
212円 8,721,558株 1,849百万円 - 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
130.00円 61.3% 14.90円 14.2倍 298.30円 0.7倍
※株価は6/8終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
日本コンピュータ・ダイナミクスの2011年3月期決算について、ブリッジレポートについてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
独立系ソフトウェア開発会社のパイオニア。コンサルティングからシステム運用までを手掛けるシステム開発事業、システムの運用管理とテクニカル・サポートを主体としたサポート&サービス事業、及び自転車駐輪場システムの開発・運用を行なうパーキングシステム事業を展開。システム開発事業やサポート&サービス事業は優良顧客との継続的な取引が特徴。また、国内トップシェアを誇るパーキングシステム事業は成長性に富み、収益性も高い。
グループは、同社及び(株)日本システムリサーチ、天津恩馳徳信息系統開発有限公司、及び(株)ゼクシスの連結子会社3社(いずれも出資比率100%)。社名の"日本コンピュータ・ダイナミクス"には、「コンピューターをダイナミックユースして社会に貢献する(Dynamic use of Computer)」と言う創業時の思いが込められている。
 
<長期継続を特徴とする顧客資産が強み>
システム開発事業やサポート&サービス事業では、長期継続を特徴とする優良な顧客資産が同社の強みの一つ。主な取引先として、東京ガス、西部ガス、富士ゼロックス、商船三井、メットライフ アリコ、高砂熱学工業、三井住友海上火災、角川GHD、日本水産、エスアールエル、福岡県庁等を挙げる事ができる。
 
<顧客業界と同社が手掛けるシステム>
エネルギー業界   調停システム、資産管理システム等
保険業界      管理システム、クレーム管理システム等
運輸業界      管理システム、倉庫管理システム等
出版業界      著作権管理システム、権利収入管理システム等
全業界       会計システム、人事システム等
 
<IT企業としては異色のパーキングシステム事業で社会貢献>
駐輪場の設計、ラックや精算機の開発、更には運用までを一貫して手掛けている。時間貸し駐車場の自転車版とも言える事業だが、駐輪場の売上は自転車1台を1日駐輪して100円程度。このため、コンピューターを使うには安過ぎて採算が合わないと言われ、IT業界とは縁の無い世界だった。しかし、自治体等からのシステム開発に対する強い要望に加え、放置自転車問題が深刻化する中で社会貢献の意味もあり参入。先行企業としての優位性と業界No.1の実績に基づく提案力を強みとしており、現在、同社を語る上で欠く事のできない事業となっている。
 
 
2011年3月期決算
 
 
前期比7.7%の減収、同90.9%の経常減益
売上高は前期比7.7%減の106.5億円。下期に入りシステム開発事業とパーキングシステム事業が増収に転じたものの、上期の落ち込みが響き通期では3セグメントで売上が減少した。利益面では、受注競争の激化や新規事業関連の先行投資が負担となったパーキングシステム事業を中心に売上総利益が減少。業務効率の改善等による販菅費の削減でカバーできず、83百万円の営業損失となった。雇用調整助成金87百万円(前期は55百万円)の計上等で11百万円の経常利益を確保したものの、減損損失(27百万)や投資有価証券評価損(28百万円)等78百万円を特別損失に計上したため、当期純損益は1.1億円の損失となった。配当は1株当たり5円の期末配当(年10円)を予定している。
 
子会社の動向
関西を営業地盤とする(株)ゼクシスは新規案件の受注で苦戦したものの、長期取引を行っている優良顧客向けの保守業務等が堅調に推移。(株)日本システムリサーチも、IT関連の要員派遣の需要が低迷する中、一般派遣が伸びた他、中国進出企業のシステム開発を受注し中国子会社と共同開発を行う等で成果を上げた。この結果、子会社全体では前期比7.5%売上が減少したものの、8百万円(同77.1%減)の営業利益を確保した。
 
 
システム開発事業
売上高が54.5億円と前期比1.9%減少したものの、不採算プロジェクトの一巡と生産性の改善で売上総利益が7.3億円と同19.0%増加した。売上の減少は前期の受注低迷よる上期の稼働率低下が要因であり、上期の落ち込みをカバーできなかったものの下期は前年同期比増収に転じている。展示会への出展やソリューションセミナー等の営業活動が成果をあげ、開発案件で新規顧客からの引き合いが増加した他、パッケージソリューションにおいても新規の顧客開拓が進展。また、業務領域の拡大や新規案件の受注等で既存顧客向けの売上も底打ちした。
 
サポート&サービス事業
売上高は前期比8.3%減の20.9億円、売上総利益は同17.0%減の2.8億円。営業努力により最小限に抑えたものの、業務量の減少と価格削減要請への対応で売上・利益共に減少。ただ、システム開発事業の顧客に当事業のサービスを提供するクロスセルでは成果をあげた。
 
パーキングシステム事業
売上高は前期比15.1%減の30.0億円、売上総利益は同53.2%減の2.9億円。駐輪場を運営管理するエコステーション21事業は、新規駐輪場の獲得競争が激化しており、駐輪場運営の収益性の面でも影響が出てきた(このため、採算性の悪い駐輪場を整理した)。一方、新規事業として取り組んでいるエコポート事業は、名古屋等での短期実験を経て、現在、広島での長期実験段階にあり、事業化へ向けた最終的データの収集を進めている。こうした新規事業への取り組みが営業力の分散を招き、地方での代理店販売の苦戦と相まってエコステーション21事業での新規駐輪場受注の減少要因になっている面もあると言う。この他、東日本大震災後の計画停電の際に、一時駐輪場を開放する必要性が生じた事も収益の悪化要因となった。

尚、「エコポート事業」とは、サービス地域を定め自転車の有料貸し出しを行うサービス。自転車の貸し出し・返却の拠点をサービス地域内に複数箇所設置し、利用者は各拠点の自転車を自由に利用・返却でき、利用時間に応じて料金を払う(一般的には「コミュニティサイクル」と呼ばれている)。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末比微減の89.6億円。パーキングシステム事業の拠点の増加で、リース債権・リース投資資産及びリース債務が増加する一方、現預金や純資産が減少した。CFの面では、損益の悪化や税負担の増加(91百万円→160百万円)で営業CFが減少したものの、設備投資の減少や定期預金の払い戻し等で投資CFのマイナス幅も縮小。この結果、前期比でほぼ半減したが、185百万円のフリーCFを確保した。ただ、新規借入れの減少で財務CFのマイナス幅が拡大したため、現金及び現金同等物の期末残高は16.1億円と前期末比2.2億円減少した。
 
 
 
 
2012年3月期業績予想
 
 
前期比3.2%の増収、2.0億円の経常利益(前期は11百万円の利益)
IT投資の削減や凍結による上期の厳しい事業環境を予想しているものの、下期以降、東日本の復興と共にIT投資も回復してくると見ている。通期では、前期に新規開拓した顧客の寄与等でシステム開発事業やサポート&サービス事業の売上が増加する他、パーキングシステム事業も低採算案件の整理一巡で堅調な推移が見込まれる。利益面では、限界利益の増加で営業損益の大幅な改善が見込まれ、雇用調整助成金を見込んでいないものの経常利益が前期の11百万円から200百万円に拡大する見込み。また、子会社も、既存顧客の経営統合関連で(株)ゼクシスの受注増が見込まれる他、(株)日本システムリサーチも、一般派遣や中国子会社との連携ビジネスが拡大する見込み。配当は1株当たり年10を予定(上期末配当5円を含む)。
 
 
(2)セグメント別の取り組み
システム開発事業及びサポート&サービス事業では、両事業の連携によるワンストップサービスの提供で既存顧客の深耕を図ると共に、マネージドサービスセンターやパッケージソリューション、更にはサービスをメニュー化したクラウドサービスの提案等で新規顧客の開拓に取り組む。また、パーキングシステム事業では、受注競争の激化に対応するべく、高機能で安価な駐輪機器の開発やサポートセンター運営の合理化を進める。
 
 
取材を終えて
11/3期は厳しい決算となったが、第3四半期累計の営業損益が2.5億円の損失であったのに対して、第4四半期の3ヶ月間で3.4億円弱の利益を計上する等、期末にかけて回復基調が鮮明になった。新規顧客の開拓が進んだ上、既存顧客の案件も動き出したシステム開発事業がそのけん引役であり、新規受注の苦戦と低採算案件の整理で落ち込んだパーキングシステム事業も最悪期を脱したようだ。12/3期は東日本大震災の影響で再び不透明感が強まったが、夏までには内閣総理大臣が交代し、国を挙げての復旧・復興に向けた動きが本格化してくるものと思われる。このため、秋以降、国内経済にも活気が戻ってくるのではないだろうか。下期以降の回復を織り込んだ同社の12/3期業績予想に違和感は無い。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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