ブリッジレポート
(7552:東証1部) ハピネット 企業HP
苗手 一彦 社長
苗手 一彦 社長

【ブリッジレポート vol.1】2012年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「エンタテインメント総合商社としての基盤を強化するべく取り組んでいる第5次中期経営計画「CAP11(キャップイレブン)」(10/3期〜12/3・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年8月23日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ハピネット
社長
苗手 一彦
所在地
東京都台東区駒形2-4-5 駒形CAビル
事業内容
玩具、映像・音楽ソフト、ビデオゲーム、アミューズメント用品を扱うエンタテインメント総合商社。最適流通システムによる高付加価値物流を提供。オリジナル玩具・映像作品の企画・製作にも注力。
決算期
3月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 190,891 2,855 3,013 1,376
2010年3月 194,246 2,327 2,513 1,179
2009年3月 166,778 2,137 2,322 1,135
2008年3月 168,958 1,451 1,569 -1,490
2007年3月 160,606 2,153 2,554 1,616
2006年3月 155,703 3,470 3,786 2,270
2005年3月 140,461 2,966 3,030 1,580
株式情報(8/11現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,064円 11,201,295株 11,918百万円 7.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
45.00円 4.2% 142.84円 7.4倍 1,767.34円 0.6倍
※株価は8/11終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
東証1部に株式を上場するハピネットについて、2012年3月期第1四半期決算の概要と共にご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
エンタテインメントの総合商社。玩具、映像・音楽ソフト、ビデオゲーム、アミューズメント(カプセル玩具・カードゲーム)等、幅広い領域で事業展開しており、オリジナル玩具や映像コンテンツの企画・製作、或いはeコマース等、中間流通(商社事業)の枠を超えた事業にも力を入れている。11年3月末現在、バンダイナムコホールディングス(7832)が筆頭株主として、発行済株式の24.4% (294万株)を保有する。
 
 
<沿革 −玩具卸の個人商店からエンタテインメント総合商社へ−>
1968年2月、現在、代表取締役会長を務める河合 洋氏が(株)バンダイを退社し玩具の卸売業を個人で創業。69年6月に(有)トウショウとして法人化し、72年9月に(株)ポピー(現(株)バンダイ)と本格的に取引を開始した(この際に株式会社に改組)。91年10月にはバンダイ商品の販売会社だった(株)ダイリン及び(株)セイコーを吸収合併し、商号を(株)ハピネットに変更。以来、少子化や遊びの多様化による市場の変化に対応して、玩具からアミューズメント、ビデオゲーム、映像ソフトへと事業領域を広げていった。資本政策では、97年8月に日本証券業協会に株式を店頭登録(現在のJASDAQ上場に相当)。98年12月の東証2部上場を経て、00年3月に東証1部に指定替えとなった。
 
 
<事業セグメント及びグループ>
事業は、玩具事業、映像音楽事業、ビデオゲーム事業、アミューズメント事業に分かれ、11/3期の売上構成比は、それぞれ、36.2%、30.3%、24.3%、9.2%と、バランスの取れた売上構成となっている。また、チャンネル別では、家電・カメラ量販店を含む専門店34.2%、量販店19.3%、eコマース12.7%、コンビニ11.2%、その他14.5%。
連結子会社7社及び非連結子会社1社と共にグループを形成している。
 
 
<強み>
(1)圧倒的な経営基盤
同社は、玩具、DVD・CD、及びカプセル玩具・カードゲームの卸会社として業界最大手で、カプセル玩具・カードゲームに至っては約6割の市場シェアを持つ。また、家庭用ゲーム機では全てのメーカーの製品(国内販売を対象とする製品)を取扱う唯一の卸会社である。少子化が進む中でメーカーと小売業者はそれぞれの分野で経営効率の向上、商品・サービスの改善に取り組んでいるが、同社は業界最大手としての豊富な情報とその情報を活かしたマーケティング力を強みにメーカー、小売業者の双方と太いパイプを有している。
 
(2)最適流通システム
情報力を支えているのが、EDI (Electronic Data Interchange:電子データ交換)、POS、Web等を活用し、メーカーから小売店までを結んだ「最適流通システム」である。その拠点となる国内4ヶ所のロジスティクスセンターの合計面積は77,134m2に及び、東京ドームの1.7倍。リアルタイム・高精度の在庫管理と迅速かつ適切な出荷業務を特徴とし、誤納率は10万分の1以下。サプライチェーンマネジメントによる生産数量の適正化支援や流通在庫のスリム化など流通の合理化に寄与している。尚、ロジスティクスセンターは、連結子会社(株)ハピネット・ロジスティクスサービスが運営している。
 
 
(3)マネジメント力
優れたマネジメント力も同社の強み。M&Aにより商権と商圏を拡大させる一方、グループマネジメントと商品管理により高い収益性を維持してきた。また、M&Aで業容が拡大する中、売上債権及びたな卸資産の管理を徹底する事で安定したキャッシュ・フローを実現しており、現在、有利子負債に依存しない強固な財務体質を構築している。
 
 
 
 
<市場動向>
社団法人 日本玩具協会の調査によれば、2010年度の国内玩具市場は前年度比3.5%増の6,698.9億円。コンピューターゲーム(家庭用ゲーム)のハードとソフト市場を加えると1兆2,000億円を越えると言う。また、過去5年間のコンピューターゲームを除く市場規模は、6,400億円〜6,700億円で推移しており、少子化と言われているが、特に縮小している訳ではない。
一方、コンピューターゲームを除く卸の市場規模は3,000億円程度と見られている。量販店・専門店やカメラ専門店等の販売力の強い小売業大手の躍進を背景に、卸業界でも、全国的な事業展開力を有する上位3社、具体的には、トップの同社、2位の(株)タカラトミー系販社、及び3位で独立系の(株)河田(年商200億円程度)による寡占が進んでいる模様(地方等の小商圏では、地元密着の小規模事業者が強みを有するケースも少なくないが)。

尚、卸売市場のデータの代替として小売市場のデータを用いて、過去5年間の玩具市場の動向と同社の売上高を比較してみると、同社の売上は緩やかな増加傾向をたどり、変動の大きかった玩具の小売市場の動向とは必ずしも連動していない。幅広い事業ポートフォリオを有する同社の強みが現れており、しかも、この間に同社の営業利益は33%増加(07/3期21.5億円→28.5億円)している。
 
 
 
2012年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比8.9%の増収、同86.2%の経常増益
ヒット作に恵まれなかったビデオゲーム事業が苦戦したものの、映像ソフト及び音楽ソフトでビッグタイトルの発売があった映像音楽事業が伸びた他、「仮面ライダー オーズ」等の男児キャラクター商材を中心に玩具事業やアミューズメント事業の売上も増加した。利益面では、全社をあげての経費削減と業務の効率化で売上総利益率が改善する一方、販管費率が低下し営業利益が10.7億円と同87.4%増加。東日本大震災による損失29百万円など特別損失30百万円を計上したものの、四半期純利益は7.1億円と前年同期比倍増した(前年同期は子会社整理損や資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額等50百万円の特別損失を計上)。
 
 
玩具事業は、バンダイの「仮面ライダー オーズ」や「海賊戦隊ゴーカイジャー」等の男児キャラクター商材の好調で売上高が154.9億円と年同期比11.5%増加。セグメント利益も4.9億円と同47.2%増加した。

映像音楽事業は、映像ソフト及び音楽ソフトでビッグタイトルの発売があり、売上高が142.7億円と前年同期比17.1%増加。業務の効率化で販管費の削減も進み、前年同期は21百万円の損失だった損益が2.0億円の利益に転じた。尚、業務の効率化を図るべく、4月1日付で同社の映像音楽販売部門を子会社の(株)ハピネット・ピーエム(旧社名 (株)ウイント)に移管した。

ビデオゲーム事業は、市場全体が低迷する中、市場を牽引するようなヒット作に恵まれず売上高が75.7億円と前年同期比13.0%減少。セグメント利益も1.0億円と同42.5%減少した。

アミューズメント事業は、カプセル玩具(玩具自動販売機商材)や、「仮面ライダー オーズ」、「ワンピース」、「トリコ」等のキッズカードゲーム機商材の好調で、売上高が50.8億円と前年同期比22.2%増加。拠点の再配置やビジネスボリューム・商圏特性に合わせた拠点作りも進み収益性が改善。セグメント利益も5.3億円と同55.2%増加した。
 
 
第1四半期末の総資産は前期末比6.7億円減の491.8億円。3月期末を越えて売上債権や未収入金の回収が進む一方、未払金や法人税等の支払いも進んだ。自己資本比率は41.2%となり、前期末比0.4ポイント改善した。
 
 
2012年3月期業績予想
 
(1)第1四半期決算を受けて、上期予想を上方修正
上方修正された上期予想は前年同期比1.1%の増収、同36.9%の経常増益予想。ただ、進捗率は、売上高が49.3%(前年同期の実績ベースの進捗率は45.8%)、経常利益が63.7%(同46.8%)と、売上・利益共に順調で、特に利益面での進捗が顕著である。国内外で不透明要因が多く、消費マインドへの影響が読み難い事も確かだが、第1四半期決算を見る限り、少なくとも同社の事業領域においては、期初の想定ほどには消費マインドが落ち込んでいない事がわかる。上方修正された上期業績予想ではあるが、夏休み期間に当たる第2四半期(7-9月)は第1四半期よりも売上・利益共にボリュームが膨らむ傾向にある事も含めて、更なる上振れ余地を残していると考える。

通期では、前期比0.6%の増収、同6.2%の経常増益予想。上期予想を上方修正する一方、通期予想を据え置いたため、結果として、下期は0.2%の増収、同17.6%の経常減益見込み。最繁忙期となる年末年始商戦の動向がポイントとなるだけに、「エンタテインメント業界は市場環境が先行き不透明である」として、業績予想を据え置いた会社側の考えは理解できるが、通期業績についても上振れの余地は大きいと考える。

尚、同社は配当予想についても上方修正しており、期初に発表した1株当たり年30円(上期末配当15円を含む)を45円(上期末配当22.5円を含む)に引き上げた。業績予想は慎重だが、配当予想に今後の経営に対する自信が表れているのではないだろうか。
 
 
(2)トピックス
デジタルカードゲーム「ガンダム トライエイジ」の同社グループ販売枚数が2週間で170万枚突破!
(株)バンダイの新型カード筐体「ガンダムトライエイジ」の第0弾が7月28日に稼働を開始した。稼動開始が夏休み中と言うタイミングの良さもあり、わずか2週間で同社グループでの販売枚数が170万枚を突破する等、立ち上がりは順調。8月6日からは、「ガンダムトライエイジ」の設置店舗で、“小学生以下”の限定ながら、ICカードを無料でプレゼントするキャンペーンも始まっており、今後、販売ペースが加速するものと思われる。

「ガンダムトライエイジ」は、カードを筐体に配置して遊ぶデジタルカードゲームで、好きなモビルスーツとパイロットのカードを筐体に配置する事でゲーム画面が連動し、筐体上でカードを移動させてバトルを楽しむ事ができる。また、今回の第0弾に次ぐ、10月上旬稼働予定の第1弾では、10月より放映開始予定のテレビアニメ「機動戦士ガンダムAGE」を中心としたカードラインナップを予定しており、テレビ放送との連動により更なる販売枚数の増加と下期の収益貢献が期待される。

全国の玩具店、量販店の玩具売場、及びアミューズメント施設に随時、設置していく予定であり、事業主体である連結子会社(株)ハピネット・ベンディングサービスのアミューズメント機器設置の全国ネットワークと業界トップシェアのノウハウを最大限に発揮し、今後も販売枚数の拡大に努めていく考え。
 
 
今後の注目点
エンタテインメント総合商社としての基盤を強化するべく取り組んでいる第5次中期経営計画「CAP11(キャップイレブン)」(10/3期〜12/3期)では、「利益構造改革の推進」、「流通基盤の更なる強化」、及び「オリジナル商品事業の構築」の3項目を成長戦略として掲げている。「利益構造改革の推進」については、全社で経常利益率1.5%以上を目標に収益構造の再構築を目指しているが、第1四半期の連結経常利益率はこの目標を大きく上回る2.7%。通期でも1.7%を達成できる見込みだ。また、「流通基盤の更なる強化」(各事業における売上シェアNo.1)についても成果をあげている。残る「オリジナル商品事業の構築」(映像オリジナル商品、ビデオゲーム・玩具独占販売商品において売上高100億円を目指せる体制の構築)については、より長期的な取り組みが必要な戦略であり、今後の進捗が注目される。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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