ブリッジレポート
(7590) 株式会社タカショー

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ブリッジレポート:(7590)タカショー vol.20

(7590:JASDAQ) タカショー 企業HP
高岡 伸夫 社長
高岡 伸夫 社長

【ブリッジレポート vol.20】2012年1月期上期業績レポート
取材概要「垂直ビジネス、グローバル展開、トータル化が、今後のキーワード。垂直ビジネスでは、企画から、製造、販売、サービスまでの一環体制を整える・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年9月20日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社タカショー
社長
高岡 伸夫
所在地
和歌山県海南市南赤坂20-1
決算期
1月
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年1月 13,019 687 657 339
2010年1月 12,756 580 584 296
2009年1月 13,118 440 393 246
2008年1月 13,437 597 474 289
2007年1月 12,420 424 414 183
2006年1月 11,112 528 541 305
2005年1月 10,895 528 498 270
2004年1月 10,153 466 346 213
2003年1月 10,057 360 257 162
2002年1月 9,457 -17 -83 -89
2001年1月 9,045 523 467 177
2000年1月 8,535 580 575 258
株式情報(9/1現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
380円 8,319,510株 3,161百万円 8.0% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
14.00円 3.7% 41.01円 9.3倍 542.30円 0.7倍
※株価は9/1終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
タカショーの2012年1月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、人工・天然の竹木製フェンスやガーデンファニチャー、緑化資材等の庭園資材を製造・販売。LED(発光ダイオード)ライト等の照明機器、池・滝・噴水等のウォーターガーデンや坪庭等も手掛けている。商品の企画から製造、販売まで一貫体制をグループで確立しており、製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、欧州、アジア、オセアニアへも展開。天候要因で業績が振れやすい面はあるものの、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」の牽引役として期待がかかる。
 
<販売ルート>
営業部門は、販売ルート別に設計・施工が必要な工務店向け「プロユース」、ホームセンターへの卸売を中心にした一般消費者向け「ホームユース」、「e-コマース・通信販売」、「輸出」に分かれる。個別ベースの売上構成比は、それぞれ49.7%、43.6%、3.1%、3.6%(11/1期実績)。
「プロユース」では、プロユーザー向けのカタログ「PROEX(プロエクス)」を業界最大の約25万冊印刷し、造園業者、設計士、エクステリア施工店、商業施設等にダイレクトメールで配布している。カタログには商品を使った庭園イメージの写真が掲載されており、この写真を見ながら実際に施工する場所と庭園の簡単な図面を書いてファックスもしくはWebで発注すると、CAD(コンピュータによる設計支援システム)、CG(コンピュータ映像)を駆使した完成予想図と共に見積書を当日中に返送し、正式な注文があれば商品を短納期する仕組み作りが確立している。
 
 
 
2012年1月期上期決算
 
 
前年同期比18.2%の増収、同30.2%の経常増益
売上高は前年同期比18.2%増の83.6億円。天候に恵まれた事や省エネ商品(日除け商品やソーラーライト等)の好調でホームユースの売上が伸びた他、「ポーチガーデン」シリーズの新商品投入やハウスメーカーとの取り組み強化でプロユースの売上も増加した。
利益面では、国内外での積極的な設備投資による減価償却費の増加で売上総利益率が低下する一方で、人件費やシステム関連のコンサル費用を中心に販管費が増加したものの、増収効果で吸収し同21.6%の営業増益。為替差損益が改善したものの、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額0.4億円等を特別損益に計上したため、四半期純利益は3.2億円と同19.3%の増加にとどまった。
尚、東日本大震災において、仙台営業所(仙台市若林区)が被災したが、震災後、12日で復旧。また、仙台港で一部の倉庫やコンテナが津波によって流されたが、被害は限定的だった。
 
会社別動向
個別業績は、売上高73.6億円(前年同期比22.8%増)、営業利益4.4億円(同113.0%増)、経常利益4.9億円(同115.7%増)、四半期純利益2.8億円(同115.9%増)。一方、子会社は、国内子会社各社が、設備投資に伴う減価償却費の増加等で増収ながら総じて減益。海外子会社は、中国子会社2社が増収・増益となったものの、欧州子会社が価格競争の激化等で減収・減益となった。
 
(2)ルート別売上高
プロユース部門の売上高は前年同期比8.2%増の31.5億円。新設住宅着工が低調な推移となったが、家と庭をつなぐ空間となる「ポーチガーデン」シリーズの新商品が寄与した他、夜の庭を演出する「光」についての同社独自の認定制度である「エクステリア&ガーデンライティングマイスター制度」の開始もあり、照明機器の販売が堅調に推移。ハウスメーカーとの取り組みを強化した成果も現れてきた。

ホームユース部門の売上高は同39.8%増の37.7億円。天候に恵まれ、3月から7月にかけて全カテゴリーで売上が昨年より増加。特に6月、7月は節電意識の高まりもあり、シェードやよしずといった日除け商品や電気を使わないソーラーライトの売上が伸びた。
 
日除け商品    16.1億円(前年同期比 83.8%増)
ソーラーライト   4.5億円(前年同期比111.6%増)
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
上期末の総資産は前期末比26.8億円増の128.7億円。借方では、上期末にかけての売上及び生産の増加で売上債権やたな卸資産が増加した他、設備投資に伴い固定資産も増加した。貸方では、生産の増加で仕入債務が増加した他、業容の拡大に伴う資金需要に対応するべく長期借入金を積み増した。
CFの面では、運転資金が増加したものの、利益の増加や税金費用の減少で0.6億円の営業CFを確保した。設備投資の増加で投資CFのマイナス幅が拡大したためフリーCFは3.3億円のマイナスとなったものの、長期借入金を積み増した事で現金及び現金同等物の上期末残高は19.5億円と前期末比2.1億円増加した。
 
 
 
2012年1月期業績予想
 
 
前期比11.4%の増収、同0.2%の経常増益予想
上期決算を踏まえて、通期業績予想をわずかに修正した。日除け商品や電気を使わないソーラーライト等、夏場の省エネ商品の好調等で売上を6%強上方修正したものの、欧州での競争激化を踏まえ営業利益の修正幅は1.5%と小幅。経常利益及び当期純利益については、一段と進んだ円高の影響等を織り込み、わずかながら下方修正した。配当は前期と同額の1株当たり14円の期末配当を予定。
尚、同社の業績は上期偏重で、下期は利益計上に至らない期も少なくない。
 
(2)今後の事業展開
①グローバル展開
中国自社工場において品質基準の強化や在庫機能とデリバリー体制の構築を図りつつ、販売面で、ドイツ、イギリス、アメリカ、オーストラリア等へのグローバル展開を加速する。
 
①プロユース
ゆとりや健康・安心等を重視するライフスタイルが定着しつつある中、同社は、ガーデンライフスタイルメーカーとして、テラス、デッキ、ライト、タイル等、アウトドアリビングの総合化を進めると共に、販売戦略として、ハウスメーカーとの連携(新築住宅市場)、メンテナンス・後付け市場への展開(中古住宅市場)、施工販売ネットワーク(「リフォームガーデンクラブ」、「エクステリア&ガーデンライティングマイスター制度」)の拡充、及び商業施設・公共施設への展開を強化する。また、ITネットワークの充実やソーシャルネットワークといった参加型経済への対応等、IT戦略も進めていく考え。
 
②ホームユース
東日本大震災後のマーケット環境の変化を踏まえ、庭での暮らしにおいて自然をうまく取り入れ、「安心・安全・健康・省エネ・快適な暮らし」をテーマとした「スマートリビングガーデン」の取り組みを強化する。具体的には、クールシェード(日除け)やソーラーライト及びローボルトライトといった省エネ商品の拡販を図る他、持続可能なエコガーデニングの一環として、ボタジェガーデン(家庭菜園)への対応にも力を入れる。
 
 
今後の注目点
垂直ビジネス、グローバル展開、トータル化が、今後のキーワード。垂直ビジネスでは、企画から、製造、販売、サービスまでの一環体制を整える。また、グローバル展開では生産体制の整備が進んだ中国工場をフルに活用して、世界のガーデニング市場での販売を強化する。そして、トータル化では、アライアンスも含めて、トータルエクステリア(門扉、門柱、表札)等、商品ラインナップの拡充に取り組んでいく考え。