ブリッジレポート
(3031:東証マザーズ) ラクーン 企業HP
小方 功 社長
小方 功 社長

【ブリッジレポート vol.19】2012年4月期第2四半期業績レポート
取材概要「当初から上半期業績を予想していたわけではないので、この結果を単純に評価することは難しい。しかし会社側では「概ね計画どおり」と述べて・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年1月10日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ラクーン
社長
小方 功
所在地
東京都中央区日本橋蛎殻町1-18-11
事業内容
ネットを利用した卸売業
決算期
4月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年4月 8,057 125 116 160
2010年4月 7,642 102 102 108
2009年4月 7,018 93 93 89
2008年4月 5,662 -158 -158 -160
2007年4月 3,334 -205 -203 -305
2006年4月 2,289 131 95 122
2005年4月 1,247 26 23 45
2004年4月 890 -56 -57 -58
2003年4月 621 -104 -105 -130
2002年4月 494 -192 -193 -200
2001年4月 204 -171 -175 -179
株式情報(12/14現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
50,500円 18,162株 917百万円 14.1% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
未定 - 4,625円 10.92倍 62,273 円 0.81倍
※株価は12/14終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。 ※ROE、BPSは前期末実績
 
ラクーンの2012年4月期第2四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
中小企業間の取引を便利でスムーズに行うためのサービスを提供する企業として、インターネット上でBtoB(企業間電子商取引)市場である「スーパーデリバリー」というeマーケットプレイス(Webサイト)運営している。
「スーパーデリバリー」は、アパレル、雑貨を中心にメーカー、インポーター等(以下、出展企業)の取扱う商品を、全国の中小規模小売店(以下、会員小売店)に販売している。

さらに2010年11月に売掛債権保証事業を行っている(株)トラスト&グロースを子会社化、これによって中小企業間決済事業を新たな事業ドメインと位置づけし、本格的に取組開始している。
 
<事業内容>

1.「EC事業」 :スーパーデリバリーによる今までの中心事業
「スーパーデリバリー」は、アパレル、雑貨の商品を全国の中小規模小売店(以下、会員小売店)向けに卸販売する企業間取引(BtoB)サイトである。商品を販売する企業(以下、出展企業)が、「スーパーデリバリー」サイト上に出展、ショッピングモールのように並び、会員小売店と注文から出荷までのやり取りの他、商品についての問い合わせ対応を2社間で直接行い、商品代金の決済に関して同社を介して行う仕組みになっている。「スーパーデリバリー」を利用することにより、出展企業は、地方・中小小売店との取引上ネックだった決済機能、営業コスト、事務処理の手間を解消することが出来る。また、出展企業が許可した会員小売店にのみ卸値等の情報開示を行うため、ブランドイメージのコントロールが可能になっている。一方、会員小売店は多様な旬の商品の仕入が可能になる。同社は受注・出荷のデータ処理と決済のみを担当するため、運営負担が少ない。債権回収リスクは同社が負うことになるが、信販・クレジット・保証会社を利用することでヘッジしている。小売店は月額2,000円の小売店会費を負担し、出展企業は月額4万円の出展基本料と「スーパーデリバリー」での取引金額の10%をシステム利用料として負担する。したがって会員小売店数、出展企業数が増加することが同社の売上総利益増につながる。また、会員小売店にとって商品の購入は「仕入」となるため、継続した取引となり、購入率、客単価がBtoCよりも高くなる。
 
2.「売掛債権保証事業」 :昨年度第3四半期からの新事業
「売掛債権保証事業」は、昨年度第3四半期から子会社化した(株)トラスト&グロースにおいて行っている事業である。「売掛債権保証事業」は、企業の取引先に対する売掛債権を保証することで保証料を徴収し、保証した売掛債権が支払い不能になった場合に予め設定した保証額を支払う。なお、同サービスは、EC事業の「スーパーデリバリー」に対してもサービス提供を行っている。企業は、同サービスを利用により、与信リスクの排除が可能になると同時に、与信のアウトソーシングと債権回収業務を削減することが可能になる。
 
 
2012年4月期第2四半期決算(連結)
 
 
2012年4月期第2四半期の損益計算書(連結)の状況は上表のようになった。昨年第3四半期から連結決算を発表しているため、前年同期比は前年の単体ベースとの比較。

売上高の伸び率が前年同期の3.1%増から、今期(第2四半期)は12.7%増と大きく上昇したが、これは主にEC事業の売上高が堅調に推移したことによる。

その一方で利益は前年同期比で減少したが、これは主に新規事業「Paid」を開始したことによる。同事業は10月24日から開始されたが、開始前の費用26百万円(主に人件費、広告宣伝費)を計上したことによる。また同事業関連としては、システム開発としてソフトウェア資産を38百万円計上した。その他の費用は概ね堅調に推移した、と会社側は述べている。
 
 
 
新規事業Paidへの先行投資により人件費の対売上比率が上昇。またトラスト&グロースの子会社化により売掛債権の保証料が内部コストとなり変動費の対売上比率が減少した。
 
 
各項目の主な内容は、
 
流動資産:売上高の増加に伴い売掛金が増加。一方で短期借入金の返済等により
      現金および預金が減少した。
 
固定資産:ソフトウェアおよび同仮勘定が17百万円増加した。
 
固定負債:長期借入金の減少による。
 
純資産:四半期純利益の計上により利益剰余金が増加した。
 
<セグメント別概況>
 
前期からセグメントを「EC事業」と「売掛債権保証事業」に変更したが、セグメントの状況は以下のようである
 
(EC事業)
売上高:4,239百万円
セグメント利益:36百万円
 
スーパーデリバリーにおいては、前期に引き上げた審査基準の継続適用により、質の高い「会員小売店」および「出展企業」の獲得に取り組んだ。
  出展企業: 総数は減少したが、新規は堅調に増加(獲得)した。その結果、魅了的な商品の掲載が確実に増加した。
  会員小売店: 広告の見直しやSEO対策により登録数は穏やかながらも上昇基調を維持。それが会員小売店の増加につながった。さらに獲得した小売店に対し、ターゲット別に細かく再分類し、ニーズにあったサービス提供を実施。この結果、月間の客単価が上昇した。
 
 
 
諸施策の効果により、客単価は継続的に上昇している。一方で購入客数は、加盟小売店の審査を厳しくしたことから減少傾向にあったが、最近では底うちの気配が見られる。
 
 
総数は減少するも、魅力的な商品の掲載により販売額は上昇している。
 
(売掛債権保証事業)
 
売上高:133百万円
セグメント利益:10百万円
 
主な施策として以下のようなことを実行している。
 ● 営業力の強化
    人員増加の他にリスティング広告やSEO対策を実施  ⇒  ホームページからの増加を図っている。
 
 ● あいおいニッセイ同和損害保険会社と再保証の保険契約を締結
    再保証の活用により、リスクを抑えつつ引き受ける保証金額の大幅な引き上げを可能にする。
 ● 保証残高増加の売上高への本格的な貢献は第3四半期以降になる見込み。
 ● 保証残高の大幅増加により、保証履行引当金繰入額が大幅増加となり、収益を圧迫する
    保証履行引当金繰入額は保証残高の増減に連動する。さらに売上計上に先行して計上されることから、第2四半期については利益圧迫要因になっている。
 
営業力の強化及び再保証の活用による効果により、保証残高が大幅に上昇した。
 
 
2012年4月期下半期以降について
 
<EC事業について>
 
会社側では、EC事業の主な施策として以下のような点に注力していく、と述べている。
 ● ターゲット別(小売店)のサービス提供に注力
    約30種類の分類ごとの会員小売店ニーズにあったサービスを提供(小売店によって異なるサイトの見せ方、ニーズに合った企業の獲得) ⇒ 客単価・購入率の向上
    ※引き続き客単価増加を実現すると共に、会員小売店数の増加との相乗効果により、商品売上高の増加を目指します。
 ● スマートフォン対応
    スマートフォンの利用者が急増しており、「Super Delivery」をスマートフォン対応にする。
<売掛債権保証事業について>
 ● 大阪支社の開設:関西圏の営業基盤を拡大することで、新規取引先を増加させる。
 ● 代理店網の拡大:業務提携を積極的に行い、代理店網を増加し、営業基盤を拡大する。
 ● 再保証の活用:再保証の拡大により、リスクを抑えながら保証金額の大幅引き上げが可能になる。これにより、営業基盤の拡大との相乗効果で保証残高を大幅増加させる。
<新規事業「Paid」について>
 
(今までの企業間取引の決済)
インターネット等の活用により、情報・物流昨日が発達し企業間取引もスピーディーで利便性の高いサービスに進化していく一方で、「決済」については旧態依然とした機能のままだった。

決済機能が足かせになる要因:後払決済(=掛売決済)が求められる一方で、後払決済は、各社で、独自に与信審査・限度額設定する必要があるため、全体として非効率となっていた。
 
 
(Paidの仕組み)
Paidは、インターネット完結型のBtoB後払い決済サービスです。
 
 
(Paidにより解消される企業間取引の決済機能)
 
Paidは企業間取引の決済を「1to1」→「NtoN」にすることで、スピーディーで便利な取引開始を可能にしたサービスです。 加えて、Paidを通すことで、回収漏れのない安心な取引が実現可能になる。
 
(同社が行う強み)
 
「SUPERDELIVERY」の会員小売店がPaidメンバーであることで、ある程度の数を確保しながらのサービス開始するため、スタート時から、比較的活発な取引が可能となる。
 
(利便性と収益性)
 
加盟企業、メンバーが増加するほど、マーケット内の決済取引が活発になり、さらに取引量に応じて同社が手数料を徴収する仕組みなので、加盟企業、メンバーが増加すればするほど同社の収益性も向上する。
 
<業績予想>
 
会社側では、上記のような2012年4月期第2四半期の結果は概ね計画どおりで推移しており、したがって現時点では通期の予想は下表のように期初予想と変更しないと述べている。
 
 
 
今後の注目ポイント
第2四半期前期の業績は上記のようになったが、当初から上半期業績を予想していたわけではないので、この結果を単純に評価することは難しい。しかし会社側では「概ね計画どおり」と述べているので、現時点では予定線の結果と評価すべきだろう。

ただし各種の改善策を実行しているようであり、それらの「質への転換」がいつ頃から本格的に業績に反映されてくるのか、さらには再保証導入による「売掛債権保証事業」の拡大、新らたに開始した「Paid」事業がどこまで連結業績に寄与するのか注目する必要はありまそうだ。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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