ブリッジレポート
(4323) 日本システム技術株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(4323)日本システム技術 vol.20

(4323:東証2部) 日本システム技術 企業HP
平林 武昭 社長
平林 武昭 社長

【ブリッジレポート vol.20】2012年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「2012年3月期第3四半期の業績は、前年同期比では改善した結果となった。会社側では「概ね計画に沿って推移した」と述べているおり、通期の・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年2月28日掲載
企業基本情報
企業名
日本システム技術株式会社
代表取締役社長
平林 武昭
所在地
〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-7
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 8,990 211 264 216
2010年3月 9,322 456 497 300
2009年3月 10,449 806 852 447
2008年3月 10,705 931 945 426
2007年3月 9,711 389 405 138
2006年3月 7,917 111 125 605
2005年3月 8,189 522 502 319
2004年3月 7,767 540 537 67
2003年3月 7,064 676 635 194
2002年3月 6,939 658 606 181
2001年3月 6,285 834 814 282
株式情報(2/10現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
565円 4,747,590株 2,682百万円 5.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25.0円 4.4% 46.34円 12.19倍 878.8円 0.64倍
※株価は2/10終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
日本システム技術の2012年3月期第3四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
ソフトウェアの受託開発(11/3期売上構成比61.3%)、主に教育機関向け業務パッケージの開発・販売(同22.9%)、及び情報システム関連機器等の販売(同15.8%)を行っている。
 
<沿革>
設立は、1973年3月。JAST(同社)の特徴である教育機関向け業務パッケージには、90年代前半から取り組んでおり、94年10月に学校事務支援統合システムパッケージソフト「GAKUENシリーズ」の販売を、98年8月に大規模大学向けERP「GAKUEN REVOLUTION(学務)」の販売を、2000年2月に学校関係者間の情報ネットワークを実現する統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」の販売を、それぞれ開始。01年11月のジャスダック上場を経て、03年2月に東証二部に株式を上場した。
 
<特徴>
 
1.理念重視の経営
 
「情報化の創造・提供による社会貢献」をモットーとして、いかなる企業系列にも属さない完全独立の立場を堅持することにより、業種、技術分野、プラットフォーム等を問わず、常に最新の技術に挑戦しつつ、自由な立場で幅広い分野の開発業務に取り組むことを経営の基本方針としている。

この基本方針に則り、顧客、株主、社員、社会がそれぞれWin-Win(双方有益)の関係を築くべく、「四方良し」の理念を掲げ、それぞれの価値を最大化し、全体としての企業価値を高めることにより、安定的成長を実現することを目標としている。

また、このような成長の原動力となるのは従業員一人一人の情報システム開発に対する情熱と顧客への誠心誠意のサービス製品であり、そのためには人間力の研鑽が何よりも先行すべきである、との信念に基づいた「人ずくり」経営に徹することにしている。
 
(経営理念の基本的考え方)
「天爵を修めて人爵これに従う」=天爵を修めることで、はじめて人爵を与えられる。人爵を得て、その結果として天爵を与えられることはない。
 
2.広範な情報サービスの提供
 
メーカーや系列等一切の成約を受けず、自由な立場で広範な分野でサービスを提供することが出来る。
 
(サービス内容)
1.ソフトウェア開発
2.システムコンサルテーション
3.システム管理運用
4.システムインテグレーションサービス
5.ソフトウェアパッケージの開発・販売
6.情報機器の販売、ネットワーク構築
 
(事業セグメント)
1.ソフトウェア事業(ソフトウェアの受託開発) ⇒ SIerの側面
①ビジネスアプリケーション分野    (事務処理系システム)
②エンジニアリングアプリケーション分野(制御、技術系システム)
③イベントアプリケーション分野 (スポーツ・文化イベント関連システム)
④アウトソーシングサービス   (情報システムの一括運営管理)
 
2.パッケージ事業(ソフトウェアパッケージの開発、販売)
   ⇒ パッケージメーカーの側面
戦略的大学経営システムの開発・販売、導入支援、保守等
 
3.システム販売事業(ハード、ソフトの販売、ITインフラの構築)
   ⇒ 販社(BtoB)の側面
ハードウェア・ソフトウェアパッケージの販売、保守、ネットワーク構築等
 
3.大手優良企業群との長期取引
 
下表のように、大手企業群と長期取引が多いのも同社の特色。しかもすべてが直接取引である。
長期取引であるため、先方顧客からは同社が「コア・パートナー」となっている場合が多く、そのため不況期でも受注が大きく落ち込むことが少ない、と会社側は述べている。
 
 
 
4.グループ拠点展開
 
 
大阪と東京の2本社制を敷いており、早くから海外に開発拠点を展開している事も特徴。また、2006年8月には、大学向けマーケットを中心とする文教分野での業容拡大を図るべく、首都圏の大規模大学を中心に、システム機器等の販売で実績のあるアルファコンピュータ(株)の全株式を取得した。これにより、パッケージ、情報機器及びネットワーク等を一貫して提供する大学向けSI(システム・インテグレーション)事業の大規模展開が可能となった。
 
 
5.国内トップシェア誇る教育機関向け業務パッケージ
 
 
大学向け経営改革ソリューションとして提供している統合業務パッケージは、94年10月の発売以来、325校(11年10月21日現在)への導入実績を有し、文教マーケットにおいて高い評価を受けている。

特徴は、大規模な総合大学から小規模の短期大学に至るまで、主要業務を全方位でカバーしているため、パラメーターの設定だけで大学個々のニーズに柔軟に対応できる事。つまり、カスタマイズの必要がないため、ユーザーは導入時及びその後の運用・メンテナンスに関わるトータルコストを削減する事ができる。なお、1案件あたりの導入金額は数10万円~数億円と、導入規模により広範囲にわたる。

少子化問題への取り組み戦略のひとつとして、大学各校は優秀な学生を確保するべく、学生向けサービスや経営品質の向上に取り組んでいる。しかし、全国に約1,200校あると言われる大学・短大の大半がメインフレーマー等による手作りのシステムやカスタマイズを前提としたパッケージを使っていという。品質・価格両面での優位性から競合は少ないようで、販売拡大の余地は大きいと思われる。現在20%のシェアを、早期に30%に引き上げたい考え。
 
 
 
6.その他の特長
(人材重視) ⇒ 品質安定、低コスト体質
終身雇用が前提の長期的な人材育成
人材流動の激しい業界内で高い社員定着率を維持
 
(品質、信頼へのこだわり) ⇒ 継続顧客が多い
「一括丸投げ」は行わず、社員中心のプロジェクト編成
請け負ったら顧客が満足するまでやり抜く、途中退場はしない
 
(特徴的な営業戦術) ⇒ 異なる3業種が共存
ソフトウェア事業:SE自らが受注活動
システム販売事業:大手を凌駕する提案力
パッケージ事業:全国規模のマーケティング
 
(徹底したコスト管理) ⇒ 不採算案件が極めて少ない低コスト体質
個人別30分毎の売上・原価管理
非常にコンパクトな本社間接部門
 
2012年3月期第3四半期業績
 
<連結業績>
 
2012年3月期第3四半期の業績結果は上表のようになった。会社側では「この結果は、前年同期比では全ての指標で改善が見られる」と述べている。
<事業セグメント別業績動向>
事業セグメント別の概況は下表のようになった。
 
 
(ソフトウェア事業)
通信業向け案件が伸び悩んだものの、金融・保険・証券業、サービス・流通業および製造業向け案件が堅調に推移したことにより、売上高4,094百万円、営業損失12百万円となった。
 
(パッケージ事業)
仕入れ販売および導入支援、保守等のサービス品目は好調であったが、大学向けPP(プログラムプロダクト)販売、EUC(End User Computing=パッケージの周辺システムの受託開発)および導入支援が減少したことから部門としては減収増益となった。
 
(システム販売事業)
教育機関向け案件が減少した一方公共向け案件が増加したことにより、上記のような売上高、営業利益を達成した。
 
<財政状況>
第3四半期末の財政状況(貸借対照表)は下表のようであった。
 
 
流動資産:売掛金および現預金の減少、仕掛品の増加などから5,390百万円となった。
固定資産:主に「のれん」の償却により減少した。
流動負債:仕入にかかる買掛金の支払い、短期借入金の返済によって減少した。
純資産:主に配当金の支払いによって減少した。
 
<キャッシュフロー>
キャッシュフローの状況は下表のようであった。
 
 
営業活動によるCF:たな卸資産の増加(219百万円)、法人税等の支払い額の増加(186百万円)、売掛債権の減少(519百万円)、前受金の増加(200百万円)などによる。
投資活動によるCF:主に定期預金への預入(195百万円)による。
財務活動によるCF:主に短期借入金の返済(582百万円)による。
 
<受注状況>
第3四半期の受注高および受注残高は以下のようであった。
 
 
 
2012年3月期業績予想
 
<連結業績>
会社側では2012年3月期の業績を下表のように予想しているが、これは期初に発表した予想と変わっていない。
 
 
 
取材を終えて
2012年3月期第3四半期の業績は上記のようになり、前年同期比では改善した結果となった。会社側では「概ね計画に沿って推移した」と述べているおり、通期の予想も変えていない。この時期に予想を変更しないと言うことは、この予想数字達成の可能性は高いと言えよう。

同社の業績は過去3年連続して減益が続き、多くの投資家を失望させたが、上記の予想を達成すれば再び株式市場で注目される可能性は高い。会社側が述べている「資本市場でのプレゼンス」も高まるはずである。まずは今期予想を達成することが重要であり、会社側の健闘に期待したい。