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(2146:JASDAQ) UTホールディングス 企業HP
若山 陽一 社長
若山 陽一 社長

【ブリッジレポート vol.8】2012年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「新中期経営計画における来13/3期の業績は売上高340億円、営業利益35億円。同社は、「既存の取引とバックオーダーへの対応による既存客向け・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年3月13日掲載
企業基本情報
企業名
UTホールディングス株式会社
社長
若山 陽一
所在地
東京都品川区東五反田1-11-15 電波ビル
事業内容
半導体向けの製造派遣・請負が中核、製造装置販売からライン移設業務に転換。設計開発事業も
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 20,227 1,442 1,309 766
2010年3月 18,056 290 182 -1,401
2009年3月 40,694 1,793 603 -10,861
2008年3月 51,787 4,200 3,473 1,203
株式情報(2/24現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
58,600円 212,545株 12,455百万円 30.6% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,500.00円 4.3% 3,870.64円 15.1倍 12,162.14円 4.8倍
※株価は2/24終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
UTホールディングスの2012年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
国内の半導体関連やリチウムイオン電池等のメーカーに対して、構内作業(工場内作業)の請負サービスを提供する「アウトソーシング事業」とデバイス設計(デザイン)サービスを提供する「設計開発事業」を柱とし、それらサービスを一括して提供するワンストップ型トータルソリューションサービスを展開している。
 
 
事業はアウトソーシング事業と設計開発事業に分かれ、売上構成比は、前者が97%、後者が3%(11/3期)。
 
アウトソーシング事業
日本エイム(株)が半導体・液晶・太陽電池・二次電池など高度な分野に専門特化した製造請負事業を展開。各工程の製造オペレーションから装置メンテナンスや保全業務の一括受託まで行い、各工程の生産能力を把握し、それに基づいた作業改善を提案するなど付加価値の高いサービスが特徴。パナソニック、ソニー、ローム、東芝等の大手半導体メーカーを主要顧客とし、営業を強化している特命顧客(自動車部品、建材)からの引き合いも増えている。
設計開発事業
半導体デバイスの設計・デザイン請負や設計エンジニアの派遣の他、組込みソフトウェアの受託開発を行っている。半導体・液晶生産に関する幅広い経験とノウハウを活かして、製造プロセス及びそのコストを視野に入れた設計が高い評価を得ている。国内半導体メーカーを主要顧客とし、コムリーディング(株)がサービスを提供している。
 
<取引先顧客数の推移>
 
 
2012年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比19.2%の増収、同11.7%の経常減益
売上高は前年同期比19.2%増の178.6億円。2012年問題(後述)を契機とした請負化ニーズの取り込みが進み、取引先顧客数、技術者社員稼働数共に増加した。ただ、利益面では、半導体関連の顧客で大口案件の解約があり想定外の退職関連費用が発生した他、自動車部品や建材の特命顧客向けの先行投資等もあり売上総利益率が悪化。一方、販管費は営業・採用関連費用を中心に予想を上回る伸びとなり、営業利益が同15.7%減少した。

予想との比較では、半導体関連工場での解約の影響で第3四半期末の技術者社員稼働数(5,920人)が想定を下回り売上が下振れ。利益面では、売上総利益がわずかに予想を上回ったものの、営業費用の増加(主に上期)に加え、採用費が予想以上にかさみ営業利益を圧迫した。
 
 
 
有利負債の削減を進めたため、第3四半期末の総資産は82.5億円と前期末比7.6億円減少。この結果、自己資本比率は32.5%と3.8ポイント改善した。尚、シンジケートローンによるリファイナンスを11年9月末に実施したため、有利子負債は減少しただけでなく、その中心が短期から長期へシフトした。
CFの面では、利益の減少と運転資金及び税金費用の増加で営業CFが減少する中、長期前払費用の発生等で投資CFのマイナス幅が拡大したためフリーCFが減少。有利子負債の削減を積極的に進めたため財務CFのマイナスがフリーCFを上回り、現金及び現金同等物の第3四半期末残高は21.1億円と前期末比14.3億円減少した。
 
 
 
2012年3月期業績予想
 
 
前期比18.7%の増収ながら、同0.7%の経常減益予想
第4四半期(1-3月)も半導体関連の顧客の解約が発生する見込みで、第3四半までの下振れと合わせて売上予想を10億円引き下げた。利益面では、第3四半期までの下振れに加え、第4四半期の売上の見直しによる影響と上記の解約に伴う退職関連費用の発生や採用費の増加を織り込み、営業利益の予想を20億円から14億円へ修正。当期純利益に税制改正に伴う繰延税金資産の取り崩し等も織り込んだ(前期比で減少するのは税負担の減少による)。期末の技術者社員稼働数は6,300人を想定している。
尚、配当については、期初予想の通り1株当たり2,500円の期末配当を実施する予定。
 
(2)第4四半期(1-3月)の重点施策
第3四半期決算では、コストダウンニーズや派遣から委託(請負化)へのニーズの取り込みが進んだ事や新規顧客の開拓による半導体関連への依存度引下げで成果をあげた事(半導体関連の顧客比率が上期の58.5%から51.0に低下。新中期経営計画の目標は40%)等のプラス要因があったものの、半導体関連の顧客での予想外の解約の発生、半導体関連への依存度引下げに向けた営業強化に伴う営業費の増加やその一環としての自動車部品・建材といった特命顧客(新規顧客)への先行投資負担、更には採用費の増加といったマイナス要因をカバーする事ができなかった。

ただ、解約については顧客の生産計画等から考えて今期中に一巡する見込みである。一方、新規顧客の開拓が進んだため、同社が得意とする既存顧客内でのシェア・アップの余地が大きくなっており、実際、既存顧客からのバックオーダーを抱え、技術者社員の拡充が急がれる状態だ。このため、採用の強化と採用率の向上に向け組織再編を実施した(下期から新たな体制がスタート)。組織再編のポイントは、現場密着型組織への移行と顧客深耕(既存顧客のシェア・アップ)部門の強化である。前者では、それまで営業・採用・現場管理と機能別に分かれていた組織を、一つのエリアの中で「営業・採用・現場管理」を運営するエリア別の組織に改編した。従前の組織体制では、採用情報が営業や現場管理にスムーズに伝わらず採用内定者の就業に時間を要していたため、内定者が他社に入社してしまうケースが少なくなかったと言う。後者については、新規顧客の開拓が進んだ事から、新たに契約した顧客工場でのシェア・アップを図るべく、「顧客工場数の増加」に取り組んできた人員を「シェア・アップ」の部署にシフトさせた。

上記を踏まえて、第4四半期は、\蘇薀察璽襯垢龍化、▲丱奪オーダーへの対応に向けた採用、コスト効率の改善の3点を重点施策として取り組んでいく考え。
 
\蘇薀察璽襯垢龍化
派遣から委託(請負化)へのニーズの取り込みを図るべく、工場経営者を対象に、東京、名古屋、大阪において、2月14〜16日に2012年問題対策セミナーを開催した(いずれの会場も盛況)。
2012年問題とは、リーマンショック後に急激に生産が回復・拡大した事に伴い、09年から製造業務についても派遣労働者の活用が再開した。12年は、その時にスタートした労働者派遣の派遣受入期間が終了する抵触日を迎えるため、メーカー各社は派遣労働者を「自社雇用」するか「請負」に切り替えるかの選択を迫られる。
09年以降、エレクトロニクス業界だけでも就業者が2万人増加したと言われており、問題は深刻だ。同社は難易度の高い半導体関連での実績と定着率の高さ(月間2%)をアピールしていく事で請負化ニーズを取り込んでいく考え。
 
▲丱奪オーダーへの対応に向けた採用
新たに開拓した環境エネルギー分野や特命顧客(自動車部品・建材)を中心に今期中に配属予定のバックオーダーを抱えている。このオーダーに対応するために技術者の拡充を急ぐ必要があり、20%に下落した採用率(5年前は50%程度)の改善に取り組んでいる。現在、30%水準に改善しており、第4四半期中に40%程度までに引き上げ、バックオーダーに対応するための採用の早期完了を目指している。
また、採用の強化及び採用率の改善に向け、「UTで"はたらく"ということ」及び「明日から正社員Navi」の2つの自社求人Web媒体をスタートさせた。これらのWeb採用媒体を通して幅広い層の求職者に同社が直接訴求し採用力を強化すると共に、採用費の削減にもつなげていきたい考え。
 
コスト効率の改善
特命顧客への先行投資が3月末にかけて段階的に終了し、投資回収フェーズへ移行するため、3月には売上総利益率が19%程度に回復する見込み。また販管費率も、新規営業から既存シェア・アップへ営業人員をシフトさせた効果や、有料求人媒体から自社Web求人媒体へシフトした効果が見込まれ、第4四半期トータルで11〜12%への改善が見込まれる。
 
 
上記の目標を達成するための戦略として、成長4分野(太陽電池、二次電池、LED、ディスプレイ)の強化、大規模請負力の強化、及び従業員のカスタマー化の3点を挙げている。具体的には、成長4分野の強化により取引工場数の拡大(100工場→ 300工場)を、大規模請負力の強化により1工場当たりの稼動人員数の拡大(50人→ 70人)を、そして従業員のカスタマー化により稼動人員の拡大(5,000人→ 20,000人)を、それぞれ図る。
 
 
今後の注目点
新中期経営計画における来13/3期の業績は売上高340億円、営業利益35億円。同社は、「既存の取引とバックオーダーへの対応による既存客向けの売上と新規顧客による上積みで計画の達成は可能」としている。
実際、解約への対応一巡と先行投資の収束で3月には売上総利益率が19%程度に改善する見込みであり、販管費につても、足下の採用率が改善傾向にあり採用費の減少が見込める上、アカウントの拡大が一巡し営業の軸足が既存顧客内でのシェア・アップに移るため営業費も正常化していく見込みだ。取引先個客数が順調に増加しているだけに、期末にかけて想定通りに本来の収益力を取り戻す事ができれば、来期の計画達成確度も高まろう。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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