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(2708) 株式会社久世

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ブリッジレポート:(2708)久世 vol.2

(2708:JASDAQ) 久世 企業HP
久世 健吉 社長
久世 健吉 社長

【ブリッジレポート vol.2】2012年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「外食・中食市場は消費者の節約志向、低価格志向等で依然として厳しい事業環境が続いているが、首都圏エリアでの営業強化が成果をあげ同社の・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年3月13日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社久世
社長
久世 健吉
所在地
東京都豊島区東池袋2-29-7
決算期
3月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 46,774 230 342 80
2010年3月 42,666 271 394 123
2009年3月 42,181 225 334 171
2008年3月 42,540 283 443 240
2007年3月 42,847 402 507 262
2006年3月 41,491 336 390 246
2005年3月 39,087 255 297 126
株式情報(2/28現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
420円 3,879,022株 1,629百万円 2.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 2.9% 25.78円 16.3倍 1,006.68円 0.4倍
※株価は2/28終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
久世の2012年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
外食産業や中食産業向けの食材卸を中心に、グループでソース、ブイヨン、スープ及び調理食品など食材の製造・販売も手掛けている。取扱品目は約21,000アイテムに上り、冷凍・常温品はもちろん生鮮品から消耗品等のノンフードまで幅広い。グループには、同社の他、ソース・スープ類の製造・販売を手掛けるキスコフーズ(株)、生鮮野菜など農産品の仕入・販売を行う(株)久世フレッシュ・ワン、及びニュージーランドでソース類の製造を手掛けるキスコフーズインターナショナルリミテッド、海外戦略の立案と情報収集の役割を担う久世(香港)有限公司の4社がある。
 
<事業内容>
事業は、食材卸売事業、食材製造事業、及びグループ会社向けが大半を占める不動産賃貸事業に分かれ、12/3期2Q現在の売上構成比は、それぞれ、93.8%、5.9%、0.3%。また、販売チャンネル別売上高は、居酒屋・パブ34.1%、ディナーレストラン・ホテル・会館18.7%、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリング15.9%、ファーストフード・ファミリーレストラン・カフェ31.3%。
 
食材卸売事業
取扱が難しい生鮮品を含めた業務用食材全般に加え、割りばし、ナプキン、洗剤といった消耗品等のノンフードまでを幅広くカバーし、取扱品目は約21,000アイテム。近年、PB商品や生鮮三品の取扱いに力を入れている。また、売上面、利益面で下期偏重である事も当事業の特徴である。
 
食材製造事業
連結子会社キスコフーズ(株)が食品製造工場を有し、ソース、ブイヨン、スープ及び調理食品等の自社ブランド製品及びOEM製品の製造・販売を行っている。
 
<「第一次C&G(Change&Grow for The Good Company)経営計画」 (10/3期~12/3期)>
同社の推計では、外食産業約23兆円のうち同社の事業対象となる全国の業務用食材マーケットは約3兆6千億円で、同社が地盤とする首都圏市場はその約40%に当たる約1兆4,700億円。市場自体に大きな成長を求める事はできないが、現在、同社の首都圏におけるシェアは3%程度にとどまり、シェアアップによる成長の余地は大きい。
この成長戦略を実現するための具体的な施策をまとめたものが、「第一次C&G経営計画」であり、その柱は、①攻めの営業の実践、②物流の効率化と経費削減、③グループ一体の商品開発、④「製法」に基づくグループ品質管理への取り組みの4点。「頼れる食のパートナー」として、「顧客満足度No.1」を目指しグループ力を結集している。

11/3期までの2年間、成果目標の明確化、期限管理の徹底、短期間でのPDCAマネジメントに取り組んできた結果、意識と行動に変化が生まれ、個別の業績向上につながった(連結ベースでは野菜類の卸に特化した子会社や海外製造子会社の設立等の先行投資が利益を圧迫)。
 
 
2012年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比6.5%の増収、同8.7%の経常減益
売上高は前年同期比6.5%増の384.2億円。首都圏エリア中心に営業を強化した成果が表れ、厳しい事業環境の中で食材卸売事業、食材製造事業共に売上が増加した。ただ、利益面では、シェアを優先したため値上げが遅れ売上総利益率が低下する一方、積極的な新卒採用(同3名増の27名が入社)や海外人材の中途採用等で人件費を中心に販管費が増加したため営業利益が同14.0%減少した。
もっとも、催事等振替原価の減少等で営業損益が改善した他、退職給付制度改定益(61百万円)等を特別利益に計上する一方で資産除去債務(38百万円)がなくなり特別損失が減少したため特別損益も改善。四半期純利益は1.5億円と同55.6%増加した。
尚、売上総利益率、販管費率共に改善傾向にある。
 
 
 
食材卸売事業
売上高359.0億円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益5.3億円(同6.1%増)。メニュー提案と商品開発の支援、食材セミナーと食材展示会の開催、更には情報誌「久世通信」によるトレンド情報の提供といった他社に無いきめ細かい対応が成果をあげ売上が増加。利益面では、物流の効率化効果によるトータルコストの削減に加え、業務の見直しで生鮮野菜販売の採算も改善し、デフレ経済下での厳しい価格要請の中、前期並みの利益率を維持した。
 
食材製造事業
売上高25.0億円(前年同期比9.9%増)、セグメント利益2.0億円(同2.4%減)。主要取引先である外食産業各社が苦戦を強いられる厳しい事業環境の中、自社ブランド商品、ユーザーブランド商品共に堅調に推移。ソース類の製造拠点としてニュージーランドにキスコフーズインターナショナルを設立(11年5月)し、11月よりフォンドヴォーやベシャメルソースの生産が本格化。加えて、下期以降、久世(香港)有限公司が中国をはじめとする東アジアでの事業展開に着手する等、先行投資が負担となったが、コストダウンが進みセグメント利益はわずかな減少にとどまった。
 
不動産賃貸事業
売上高8百万円(前年同期は2百万円)、セグメント利益91百万円(同83百万円)。当事業は連結子会社に対する不動産賃貸が中心のため、外部売上高はわずかな額にとどまる。
 
 
第3四半期末の総資産は前期末比50.1億円増の188.7億円。売上や仕入の増加に伴い、売上債権、たな卸資産、及び仕入債務が増加。この他、海外事業強化に向けた海外子会社(孫会社)の増資引き受けで投資その他が増加した。大幅な資産の増加となったが、仕入債務の増加等でCFはむしろ改善した模様で、現預金が前期末比15億円強増加したものの、有利子負債はわずかな増加にとどまった。
 
 
2012年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比0.5%の増収、同5.2%の経常増益予想
通期予想に対する進捗率は、売上高81.8%、営業利益67.5%、経常利益81.7%。人件費を中心に販管費の増加が見込まれるものの、値上げの浸透と代替え品の調達による仕入価格の抑制等で吸収。営業利益が300百万円と前期比30.1%増加する見込み。協賛金収入の予想が保守的である一方、金融費用の増加を織り込んだ結果、経常利益は同5.2%の増加にとどまる見込みだが、特別損益の改善等で当期純利益は同24.0%増加する見込み。配当は1株当たり12円の期末配当を予定している。
 
 
 
今後の注目点
外食・中食市場は消費者の節約志向、低価格志向等で依然として厳しい事業環境が続いているが、首都圏エリアでの営業強化が成果をあげ同社の業績は好調。現在進行中の中期経営計画「第一次C&G経営計画」の成果で意識改革が進んでいる事がその背景にある。通期の業績予想に変更は無かったものの、売上・利益共に上振れの余地が期待できる状況にある。