ブリッジレポート
(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 会長兼社長
小林 徹 会長兼社長

【ブリッジレポート vol.39】2011年12月期業績レポート
取材概要「ここ数年取り組んできた新製品開発やM&Aの効果が徐々に顕在化しつつあり、リーマンショック後に落ち込んだ既存事業が回復から拡大に転じると・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年3月13日掲載
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
会長兼社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
事業内容
赤外線を応用した防犯・自動ドア・民生・産業用の各種センサ専業、トップ級
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年12月 18,502 1,677 1,830 1,033
2010年12月 17,395 1,705 1,761 981
2009年12月 15,124 620 735 332
2008年12月 20,916 2,661 2,489 1,004
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(2/28現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,000円 16,551,574株 16,552百万円 6.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 3.0% 84.58円 11.8倍 1,035.75円 1.0倍
※株価は2/28終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
オプテックスの2011年12月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサ大手。世界でもトップクラスのシェアを有する屋外用センサ等の防犯用製品、自動ドアセンサ、環境関連製品等の製造・販売を行なっており、子会社オプテックス・エフエー株式会社を通して産業機器用センサの分野にも展開している。
1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発。以来、信頼性の高いセンサシステムを提供してきた。98年にはデジタル監視カメラシステム「Wonder Track」を発売し、画像関連分野に参入。2004年には、客数情報システム、駐車台数管理システム等を手掛ける技研トラステムを子会社化。更に05年には、交通関連事業にも参入した。近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションの強化やハイエンド防犯システムを拡大するべくM&Aにも積極的に対応。08年に画像処理関連のIC・LSI の受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システムとして豊富な採用実績を持つ光ファイバー侵入検知システムのファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ用赤外線補助照明等に強みを持つレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。
 
<事業内容>
事業は、センシング事業(防犯関連、自動ドア関連、その他)、FA事業、生産受託事業、その他に分かれ、連結子会社17社、持分法適用関連会2社等と共に国内外に事業展開している。地域別では、日本36.2%、北米9.8%、欧州35.2%、アジア14.1%、その他4.6%(いずれも11/12期実績)。
 
 
 
2011年12月期決算
 
 
前期比6.4%の増収、同3.9%の経常増益
売上高は円高の影響(4.6億円の減収要因)を吸収して185.0億円と前期比6.4%増加。自動ドア関連が国内外で伸びた他、防犯関連も欧州での屋外用センサの増加やM&A効果による北米市場での「光ファイバー侵入検知システム」の寄与(前期は第4四半期のみ決算に取り込み)で売上が増加。FA事業もアプリケーション機器の販売が堅調に推移し、高水準の売上を維持した。

ただ、先行投資が負担となり営業利益は16.7億円と同1.6%減少。売上の増加と防犯関連や自動ドア関連等のセンシング事業の売上構成比上昇で売上総利益率が改善したものの、コスト競争力と製品ラインアップの拡充に向けた研究開発費の増加(1.6億円増)と光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社の連結及び同社事業の強化に向けた人件費(4.1億円増)及びその他経費(1.9億円増)の増加による販管費の増加(円高が1.2億円の減少要因となったが)が負担となった。
経常利益が増加したのは為替差損の減少(0.9億円弱→0.4億円)等によるもので、投資有価証券評価損の減少(2.4億円→0.3億円)等で特別損失も減少(2.9億円→0.5億円)したため、当期純利益は同5.3%増加した。

設備投資5.7億円(前期実績2.7億円)、減価償却費4.4億円(同4.7億円)、研究開発費15.9億円(同14.5億円)。
 
期初予想との差異
予想との比較では、市況低迷と急激な円高による防犯関連の売上の伸び悩みと景気減速による中国での生産受託事業の苦戦で売上が下振れ。円高で仕入れ部材の原価率改善した他、海外子会社の販管費も円ベースで減少したものの、売上の下振れによる影響を吸収できなかった。
 
 
連結売上高の約6割を生産する中国工場では、ドル建てで部材を購入し、本社では同様にドル建てで完成品を輸入しているため、円高ドル安は製造原価を押下げる効果があり、利益面ではプラス。一方、対英ポンド及び対ユーロでは円高は減収・減益要因となる。 具体的には、1円の円高が通期業績に与える影響は、米ドルが40百万円の減収要因となるものの、27百万円の増益要因。英ポンドが8百万円の減収・4百万円の減益要因、ユーロが17百万円の減収・14百万円の減益要因。
 
(2)セグメント別動向
センシング事業
売上高は前期比8.3%増の119.7億円。このうち防犯関連の売上高は同5.2%増の80.7億円。警備会社を通じた大型重要施設向けの受注が減少したため国内売上が減少したものの、急速な円高や財務問題に端を発した欧州での景気減速の影響を吸収して海外売上が増加した。海外では、欧州で差別化戦略が奏功した屋外用センサの販売台数が増加した他、北米で光ファイバー侵入検知システムが寄与した。一方、自動ドア関連の売上高は同12.9%増の32.2億円。自動ドアの設置台数増加で国内での自動ドア用センサの販売が増加した他、海外もシェア・アップで欧米での販売が伸びた。
 
FA事業
売上高は前期比1.3%増の45.6億円。債務問題等の影響による設備投資の抑制で汎用機器を中心に主要販売先である独ジック社向けの売上が減少したものの、三品業界(食品、医薬品、化粧品)や液晶関連業界向けの特定用途で使用される画像センサ、変位センサ、LED照明等のアプリケーション機器の寄与で国内売上の増加で吸収した。
 
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産に大きな変化は無く、前期末比4.8億円増の218.8億円。自己資本比率は同0.3%低下の78.3%。一方、CFの面では、税金費用の増加(10/12期:2.1億円の還付→11/12期:7.3億円の支払い)で営業CFが減少したものの、M&A関連の支出や余資運用の減少で投資CFのマイナス幅が縮小したため、フリーCFが増加した。有利子負債の減少や為替の影響による目減り(換算差額△1.2億円)があったものの、現金及び現金同等物の期末残高は65.2億円と前期末比1.8億円増加した。
 
 
 
 
2012年12月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比17.3%の増収、同7.8%の経常増益
売上高は230億円と前期比24.3%増加する見込み。センシング事業では、屋外センサのラインアップ拡充とM&A効果で防犯関連が大きく伸びる他、自動ドア関連もドア方式に即し、安全性を重視したセンサバリエーションの拡充効果が見込める海外を中心に売上が増加。FA事業は三品業界向けを中心アプリケーション特化型センサや三菱電機との協業により国内での成長が見込まれる。また、新規事業で30億円の売上を想定しており、12年1月に子会社化したレイテック社の大型重要施設への防犯システム向け監視カメラに採用される赤外線・LED補助照明の寄与やレーザーセンサ・ファイバーセンサによる空港や発電所などのインフラ関連大型施設への新規需要の掘り起こしを見込んでいる。

利益面では、減価償却費や研究開発費が増加するものの、増収効果と新製品の寄与による売上総利益率の改善、及び継続的な収益性改善努力で吸収。営業利益が同31.2%増加する見込み。為替の前提は、米ドル80円(前期平均80円、前期末78円)、英ポンド120円(同128円、同120円)、ユーロ100円(同111円、同101円)。設備投資は6.1億円(前期実績5.7億円)を計画しており、減価償却費5.4億円(同4.4億円)及び研究開発費18.7億円(同15.9億円)を織り込んだ。
配当は1株当たり年30円を予定している(上期末15円、期末15円)。
 
 
 
 
(2)中期経営計画(11/12期〜13/12期)
現在進行中の中期経営計画では、経営資源を、成長事業、成長製品、成長地域へ集中する事で自らの成長速度を加速させる考え。最終の13/12期に売上高300億円、営業利益50億円の達成を目指している。
 
 
上記数値目標の達成に向けた取り組み事項として、コア事業の持続的成長、新興国市場への注力、及び新規事業フィールド拡大の3点を挙げている。
 
コア事業の持続的成長
新製品の継続的な開発と更なるコスト競争力の強化、及び製品ラインアップの拡充を図る考えで、特に通信技術の進化とシステムの無線化に対応するべく、Wireless(無線)ユニットの内製化やセンシング技術のバリエーションと信頼性強化のためマイクロウエーブ(衛星テレビ、通信、レーダー等で用いられる)ユニットの内製化に取り組む。12/12期から13/12期にかけての具体的な製品戦略として、防犯関連では低価格競争が激化する汎用センサのコストダウン、高付加価値と差別化が図れる屋外用センサの製品ラインアップ強化、並びに石油やガスの輸送に用いられるパイプラインの漏れ検知用ファイバーセンサ等の投入を予定。また、自動ドア関連では、従来からの低価格汎用ゾーンやミドルゾーンでの製品ラインアップ強化と共に、高付加価値差別化ゾーンでは安全性を高めたスライドドア用ハイブリッドセンサや高機能自動ドアセンサの投入が予定されている。この他、グローバルレベルでのサプライチェーン改革にも取り組んでおり、欧州でのハブ倉庫設立により、ITを活用したグループ業務の効率化やリードタイムの短縮、物流コストの低減、在庫の平準化などによる顧客サービスと競争力の強化も図る。
 
新興国市場への注力
ロシア、中国、南米、東南アジアに注力し、市場の開拓を進め、先進国とは異なる市場環境や各地域特有のニーズを把握し、現地での市場調査や営業活動を強化する事で拡大する需要を取り込んでいく。
 
新規事業フィールド拡大
12年1月に、赤外線やLEDによる監視カメラ補助照明(高度なセキュリティシステムに用いられる屋外用監視カメラの精度向上に寄与する)で世界No.1シェアを有する英国レイテック社を子会社化した。対象物に赤外線や白色LED光を照射する事で、センサで感知した対象物を監視カメラではっきりと認識できるようになる。オプテックス(株)は、レイテック社が保有する多彩な照明関連の製品ラインアップと自社の屋外センシング技術やLED照明・調光システムを融合して、世界トップレベルのセキュリティ照明ブランドの構築を目指している。
尚、同社の資料によると、市場規模は世界規模で36百万米ドル。レイテック社は50%のシェアを有し、2位のBoshグループ(シェア42%)と市場を2分している。ただ、現状では、補助照明の付いた屋外用監視カメラは全体の1%に過ぎず、市場の拡大はこれから。オプテックス(株)は、レーザースキャンやファイバーセンサとの組み合わせで新たな用途とビジネスモデルの構築にも取り組んでいく考え。
 
 
 
 
今後の注目点
ここ数年取り組んできた新製品開発やM&Aの効果が徐々に顕在化しつつあり、リーマンショック後に落ち込んだ既存事業が回復から拡大に転じると共に、新規事業も業績に寄与し始めた。既存事業は通信技術の進化とシステムの無線化への対応による事業拡大の余地があり、また、センサとカメラや照明を組み合わせたハイエンドなセキュリティ分野の市場拡大もこれから。12/12期は既存事業や新規事業で、どの程度の道筋をつける事ができるかがポイントとなる。
 
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