ブリッジレポート
(8097) 三愛オブリ株式会社

プライム

ブリッジレポート:(8097)三愛石油 vol.9

(8097:東証1部) 三愛石油 企業HP
金田 凖 社長
金田 凖 社長

【ブリッジレポート vol.9】2012年3月期第3四半期業績レポート
「第3四半期は減益決算となったが、有利子負債の削減も進んでおり、今期の取り組み課題である「グループの経営効率化」では一定の成果をあげた・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年3月27日掲載
企業基本情報
企業名
三愛石油株式会社
社長
金田 凖
所在地
東京都品川区東大井5-22-5 オブリ・ユニビル
決算期
3月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 888,583 12,896 13,126 6,462
2010年3月 833,991 6,364 6,675 1,005
2009年3月 981,734 9,353 9,714 4,618
2008年3月 861,914 7,537 7,456 3,298
2007年3月 791,583 7,044 7,354 3,281
2006年3月 726,445 5,713 5,799 4,032
2005年3月 360,046 5,892 6,385 3,814
2004年3月 266,352 3,576 4,088 1,780
2003年3月 261,719 3,051 3,146 692
株式情報(3/2現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
386円 74,805,847株 28,875百万円 11.7% 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
14.00円 3.6% 33.42円 11.5倍 769.35円 0.5倍
※株価は3/2終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
三愛石油の2012年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
石油販売大手。主力の石油関連事業では、グループで約1,400のサービスステーション(以下、SS)に石油製品を供給しており、販売数量を安定的に伸ばしている。また、独自に開発した航空機への給油システム「ハイドラントシステム」により羽田空港の航空燃料供給を支えている他、LPガス(LPG)や天然ガスの販売も手掛ける。傘下に、キグナス石油(株)や國際油化(株)等の有力子会社を有し、子会社31社(うち連結子会社29社)及び関連会社4社(うち持分法適用会社1社)と共にグループを形成している。社名の"三愛"は、リコー三愛グループ(12年2月現在、55社・団体が加盟)各社の創業精神として受け継がれている「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」の「三愛精神」を基とする。
 
<事業内容>
事業は、石油製品の販売や化学品の製造・販売等の石油関連事業、LPGや天然ガスの販売を中心としたガス関連事業、及び航空燃料の給油業務や建設業等の航空関連事業他の3セグメントに分かれ、売上構成比は、それぞれ92.3、6.1%、1.6%(11/3期)。
 
石油関連事業
SS向けの石油販売や法人向けの産業エネルギー販売と共に、溶剤、工業薬品、防腐・防カビ剤、自動車用ケミカル商品等、様々な化学品の開発・製造・販売も手掛けている。
 
ガス関連事業
LPG、天然ガス、及び関連する機器の販売を行っている。LPG販売では直販子会社による家庭への供給と工業用の高圧ガス販売を手掛けており、天然ガス販売では佐賀県佐賀市で天然ガスを供給すると共に、電気と熱を生むコージェネレーションシステム等、省エネに必要な仕組み作りも提案している。
 
航空関連事業他
航空燃料の保管及び航空機への給油を行う航空燃料取扱業と子会社三愛プラント工業(株)が手掛ける金属表面処理や建設工事等のその他に分かれる。また航空燃料取扱業では、羽田空港において、油槽船の接岸を含めた埠頭の管理や空港内の貯蔵タンク等の管理、及び地下パイプライン(全長約40km)を通して航空機に直接燃料を圧送するハイドラント式給油システムの運営・管理を行っている(実際の航空機への給油作業でも同空港の半数のシェアを有する)。また、神戸空港、佐賀空港、茨城空港他でも子会社で同様のサービスを提供しており、中部国際空港へは運営社員を派遣。
 
ハイドラントシステム(地下パイプラインで航空機まで航空燃料を圧送するシステム)
1955年、同社は羽田空港において日本初のハイドラントシステムによる航空機への給油業務を開始した。この給油施設は、国内主要空港(新千歳空港、成田空港、中部国際空港、伊丹空港、関西国際空港、福岡空港等)における給油施設のモデルとなっている。
また、96年10月には最新のコンピューターを駆使した給油システムが稼動し業務効率化が一段と進展。巨大な航空輸送機能をしっかりと支えている。
 
 
2012年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比4.0%の増収ながら、15.4%の経常減益
エネルギー業界は、原油や天然ガス等の市況が上昇する中、電力向けの重油を除き、石油製品の国内需要が減少する等、厳しい事業環境が続いた。同社においても、原油や天然ガス等の市況を背景にした販売価格の上昇等で売上が増加したものの、利幅の縮小で営業利益が同20.3%減少。有利子負債の削減に伴う金融費用の減少や投資有価証券売却益の計上で営業外損益が改善したものの、固定資産売却益が減少(32.8億円→0.9億円)する一方、投資有価証券評価損が拡大(0.4億円→41.7億円)する等で特別損益が悪化。税効果会計の影響による税負担率の増加もあり、四半期純利益は13.2億円と同73.0%減少した。
 
 
 
第3四半期末の総資産は前期末比112.0億円増の2,031.4億円。石油製品の仕入価格の上昇と販売価格への転嫁による仕入債務と売上債権の増加が総資産増加の主な要因。もっとも資金効率が改善し運転資金が減少したため、営業CFが大幅に増加。有形固定資産の売却収入の減少で投資CFがマイナスとなったものの、100億円を超えるフリーCFを確保した。潤沢で安定したCFを活用して財務の健全化を進めた結果、有利子負債が前期末比60億円弱減少したものの、その一方で、現金及び現金同等物残高は366.2億円と同約85億円増加した。
 
※日本格付研究所(JCR)による同社長期優先債務格付けの引き上げ
同社の財務の健全化が進んでいる事は格付け会社も認めるところで、日本格付研究所(JCR)は、「財務体質が着実に改善しつつある」として、2月27日に同社の長期優先債務格付けをトリプルBプラスからシングルAマイナスに引き上げた。
 
 
 
2012年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比6.9%の増収、同23.8%の経常減益予想
「景気の先行きや原油価格の動向などが不透明」として通期の業績予想を据え置いた。ただ、配当予想を上方修正しており、普通配当を1株当たり1円増配し、創立60周年の記念配当1円と合わせて年14円とする考え(前期は普通配当12円と特別配当2円を合わせた年14円)。この結果、期末配当は普通配当6.5円に創立60周年の記念配当1円を加えた7.5円となる予定。
 
 
今後の注目点
第3四半期は減益決算となったが、販管費が減少した他、有利子負債の削減も進んでおり(財務の健全化が進んでいる事は格付け会社も認めるところ)、今期の取り組み課題である「グループの経営効率化」では一定の成果をあげた。省エネ意識の高まりやマクロ景気の動向等、第4四半期(1-3月)も引き続き厳しい事業環境が予想されるものの、一段の体質強化が進めば通期の業績に上振れ余地が出てくるのではないだろうか。