ブリッジレポート
(7590) 株式会社タカショー

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ブリッジレポート:(7590)タカショー vol.21

(7590:JASDAQ) タカショー 企業HP
高岡 伸夫 社長
高岡 伸夫 社長

【ブリッジレポート vol.21】2012年1月期業績レポート
取材概要「同社は、3月6日~3月9日の4日間、東京ビッグサイトで開催された「第18回建築・建材展2012」に出展した。「スマートリビングガーデン」をテーマ・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年4月10日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社タカショー
社長
高岡 伸夫
所在地
和歌山県海南市南赤坂20-1
決算期
1月
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年1月 14,969 708 690 315
2011年1月 13,019 687 657 339
2010年1月 12,756 580 584 296
2009年1月 13,118 440 393 246
2008年1月 13,437 597 474 289
2007年1月 12,420 424 414 183
2006年1月 11,112 528 541 305
2005年1月 10,895 528 498 270
2004年1月 10,153 466 346 213
2003年1月 10,057 360 257 162
2002年1月 9,457 -17 -83 -89
2001年1月 9,045 523 467 177
2000年1月 8,535 580 575 258
株式情報(3/30現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
410円 8,368,510株 3,431百万円 7.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
15.00円 3.7% 50.00円 8.2倍 544.01円 0.8倍
※株価は3/30終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
タカショーの2012年1月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、人工・天然の竹木製フェンスやガーデンファニチャー、緑化資材等の庭園資材を製造・販売。LED(発光ダイオード)ライト等の照明機器、池・滝・噴水等のウォーターガーデンや坪庭等も手掛けている。
製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、欧州、アジア、オセアニアへも展開。商品の企画から製造、販売までを一貫して手掛けるグループ力を強みとし、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」のリーディングカンパニーとして期待されている。
 
<販売ルート>
営業部門は、販売ルート別に設計・施工が必要な工務店向け「プロユース」、ホームセンターへの卸売を中心にした一般消費者向け「ホームユース」、「e-コマース・通信販売」、「輸出」に分かれる。個別ベースの売上構成比は、それぞれ47.3%、46.1%、2.8%、3.8%(12/1期実績)。
「プロユース」では、プロユーザー向けのカタログ「PROEX(プロエクス)」を業界最大の約25万冊印刷し、造園業者、設計士、エクステリア施工店、商業施設等にダイレクトメールで配布している。カタログには商品を使った庭園イメージの写真が掲載されており、この写真を見ながら実際に施工する場所と庭園の簡単な図面を書いてファックスもしくはWebで発注すると、CAD(コンピュータによる設計支援システム)、CG(コンピュータ映像)を駆使した完成予想図と共に見積書を当日中に返送し、正式な注文があれば商品を短納期する仕組み作りが確立している。
 
 
 
2012年1月期決算
 
 
3期連続の経常最高益更新
売上高は前期比15.0%増の149.6億円。東日本大震災後の省エネ志向の高まりを受けて日除け商品やLEDソーラーライトが伸長。ハウスメーカーとの取り組みが成果をあげた他、エバーアートウッド(人工木材)や屋外ライト等の新商品の販売も伸びた。利益面では、材料資材等の価格高騰や国内外での増産投資に伴う減価償却費の増加で売上総利益率が低下する中、発送費(163百万円増)等の変動費や、人件費(59百万円)、システム関連費用(ERP導入コンサル料)等を中心に販管費も増加したが、増収効果で吸収。為替差損益の改善(△2百万円→+8百万円)もあり、経常利益は6.9億円と同5.0%増加した。四半期純利益が減少したのは、資産除去債務(40百万円)等を特別損失に計上した事や税負担の増加による。
 
 
エバーアートウッド        :14.6億円→16.4億円
日除け商品(シェード、よしず)  :11.9億円→18.6億円
LEDソーラーライト         : 6.2億円→ 9.4億円
100Vライト、ローボルトライト   : 3.6億円→ 7.4億円
 
 
プロユース、ホームユース共に好調だった同社個別の売上・利益が伸びたものの、子会社合計で売上が伸び悩み、利益が減少した。子会社は、海外子会社が総じて円高の影響を受けた他、欧州子会社は債務危機の影響によるマクロ経済の悪化も響いた。また、中国子会社の一部で設備投資が負担となった。国内子会社ではLEDライトを扱う(株)タカショーデジテックの利益が減少した。
 
(2)ルート別動向
プロユース
売上高は前期比11.1%増の62.1億円。家と庭をつなぐ空間となる「ポーチガーデン」シリーズの新商品が寄与した他、ハウスメーカーとの取り組みも成果をあげた。また、夜の庭を演出する「光」について同社認定制度である「エクステリア&ガーデンライティングマイスター制度」を開始した事が照明機器の販売増につながった。
 
ホームユース
売上高は前期比23.3%増の60.5億円。東日本大震災以降の省エネ意識の高まりでシェードやよしずといった日除け商品や電気を使わないソーラーライトの売上が伸びた。また、ホームセンター各社が期末在庫の圧縮を進めていた事が春先の発注増につながった他、3月~7月にかけての天候が総じて良好だった事も大きかった。
 
 
 
期末総資産は前期末比19.9億円増の121.8億円。事業拡大に伴う運転資金の増加と国内外での増産投資に伴う有形固定資産の増加が総資産増加の主な要因。長短借入金の積み増しで資金需要を賄った。
 
 
 
2013年1月期業績予想
 
 
前期比2.5%の増収、同22.0%の経常増益予想
ホームユースで震災後の特需の反動を見込んでいるため売上の伸びは低いが、ホームユース向けの値上げや収益性の高いエバーアートウッドの寄与等で利益率が改善し、営業利益が同25.8%増加する見込み。配当は1株当たり1円増配の年15円を予定。
 
(2)今後の事業展開
庭生活総合メーカーとして、垂直ビジネス、グローバルビジネス、トータルビジネス、及び近代化ビジネスをキーワードに事業を進めていく考え。
 
垂直ビジネス
企画・製造・販売を一貫して手掛けていく考え。これに伴い、新潟に日本海側では最大規模を誇るショールームを開設。今後はネットへの対応も強化し、リアルとバーチャルの連動を図っていく。
 
グローバルビジネス
販売面では、米、英、独、豪、アジアへの展開を強化し、製造面では、中国を拠点として国内品質の商品を中国価格で提供していく。米・英で現地企業と提携した他、アジアでは韓国及び現地企業と提携した中国において、これまでのホームユースに加え、プロユースが始動した他、ベトナムに事務所を開設した。今後、カンボジア、バングラディシュ、ミャンマーへの展開を視野に入れている。
 
トータルビジネス
屋外系商品を景観建材として商業施設向けに販売を強化していく考えで組織体制も整えた。また、復興需要が見込まれる仙台営業所を支店に格上げした他、既に説明した通り新潟にショールームを開設した。
 
近代化ビジネス
LEDライトやソーラーライトに加え、日除け商品等の商材を活かし、「和の知恵」、「和の風情」をコンセプトに「庭からできる省エネ」を提案していく。

尚、新潟ショールームは約800m2(約240坪)の展示スペースを持ち、同社が提唱するリビングガーデン/5thROOMの展示をはじめ、ポーチガーデン、フェンス、デッキ、ライティング、ガーデンファニチャー、更にはデコレーションと、部材から空間提案までを網羅。ガーデン・エクステリア関連のトータル的な商材をそろえる事で、庭づくりのイメージが膨らむ展示となっている。
 
 
 
今後の注目点
同社は、3月6日~3月9日の4日間、東京ビッグサイトで開催された「第18回建築・建材展2012」に出展した。「スマートリビングガーデン」をテーマに、ガーデン・エクステリアとしてはもちろん、店舗や施設でも利用できるエバーアートウッド(あたたかな木肌のニュアンスを再現したアルミ材)を使用した外装ファサードやフェンス、スクリーンに加え、人工木材デッキ、商業・公共向けファニチャーといった商材を景観建材として提案し、来場者から高い評価を得た。建物・施設をより引き立てる外装、エクステリアの領域はイメージの向上を促し、集客力や来店者の満足度を高めるために欠かせない分野になってきている。また、商業施設の他、病院、学校等、マーケットも大きい。同社は景観建材として事業を拡大させていく考え。