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(6050:東証マザーズ) イー・ガーディアン 企業HP
高谷 康久 社長
高谷 康久 社長

【ブリッジレポート vol.5】2012年9月期上期業績レポート
取材概要「上期は大幅な減益決算となったが、ここにきてターゲットを明確にした営業展開が軌道に乗りつつあり、業績トレンドが明らかに変わり始めた。ターゲ・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年7月3日掲載
企業基本情報
企業名
イー・ガーディアン株式会社
社長
高谷 康久
所在地
東京都港区麻布十番1-2-3
事業内容
投稿監視をはじめ広告審査や風評調査、ソーシャルメディアの運営設計からサポートまで、安心・安全かつ活性化に繋がるサービスと運営システムを提供。
決算期
9月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年9月 1,907 176 161 88
2010年9月 1,340 204 212 119
2009年9月 858 123 123 116
2008年9月 461 0 0 -5
2007年9月 362 15 15 -6
2006年9月 606 -9 -17 0
2005年9月 684 6 3 -133
2005年3月 1,425 79 77 43
株式情報(6/21現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
937円 1,681,580株 1,576百万円 12.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0.00円 0.0% 22.45円 41.7倍 550.63円 1.7倍
※株価は6/21終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
イー・ガーディアンの2012年9月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
ブログ、SNS(交流サイト)、インターネット掲示板、ECサイト、オンラインゲーム等のインターネットメディア(以下、サイト)を運営する顧客に対し、これらのサイトに投稿されるコメント等への監視サービスを提供する掲示板投稿監視事業を展開している。ノウハウに基づき厳格に設定された基準の下で厳選されたオペレーターによる高品質な目視監視を行っており、社会通念上不適切と考えられるコメントや犯罪を誘引するようなコメントの掲載を防止する事でインターネットメディアの健全化の促進を担っている。また、24時間365日の稼働を強みとする監視センターの機能を活かし、ヘルプデスクやゲームマスター、サイトの運営支援サービス、ソーシャルメディア関連サービスも手掛けている。監視センターは、東京、大阪、宮崎の3都市5拠点に加え、2012年6月にイーオペ(株)を子会社化することにより宮城に2拠点を追加展開している。
 
【事業内容】
事業は掲示板投稿監視事業の単一セグメントで、「投稿監視業務」(11/9期売上構成比76.4%)、「CS(カスタマーサポート)業務」(同11.8%)、「派遣業務」(同3.2%)、「オンラインゲームサポート業務」(同8.6%)の4業務に分かれる。「投稿監視業務」は、本来、NG(削除対象のコメント等)の検出を目的としたものではなく、サイトの活性化を目的としたものであり、「CS業務」や「オンラインゲームサポート業務」もサイトの活性化という目的は同じ。このため、各業務間のシナジーは高く、サービスの基盤となるナレッジやノウハウの共有が可能だ。また、「CS業務」は、いわゆるコールセンター業務だが、大手コールセンター事業者が電話対応のサービスを中心としているのに対して、同社は(サイトの参加者がより利用しやすい)メール対応中心。メール対応となると、大手コールセンター事業者は既存の経営資源を十分に活かせないしコスト面でも無理がある。一方、中小の事業者は、コンプライアンスに対する意識の高い大手のサイト運営者から見た場合、信用力や組織体制等で課題が多く現状では同社を脅かす存在とはなっていない。
 
 
 
成長戦略 成長分野にフォーカス
 
現状は一部の大口顧客向けの売上高が伸びず、前11/9期に実施した監視センター投資が負担となっている。しかし、ここにきてターゲットを明確にした営業展開が軌道に乗りつつあり、業績トレンドが明らかに変わり始めた。ターゲットとは成長著しいソーシャルゲームやソーシャルメディアであり、結果として一部の大口顧客に依存した収益体質からの脱却も進みつつある。更なる成長が期待される両市場だが、市場の拡大と共に注目度も高まり、社会的な批判を受けるケースが散見されるようになってきた。健全な市場の育成に不可欠な監視業務やカスタマーサービスを提供する同社のビジネスチャンスが拡大していると考える。
 
 
 
ソーシャルゲームは市場規模、ユーザ数共に増加傾向にあり、運営会社においてはRMT対策を強化している。このため、同社は24時間対応や多言語対応等、ソーシャルゲーム市場に合わせたサービス設計を行い、未提供サービスの提案(サービスのクロスセル)やニーズに合わせたカスタマイズ対応等で既存クライアントの深耕に取り組んでいる。足元では、ゲームのバグや悪質行為に対する監視業務のニーズが増えていると言う。尚、RMTとはReal Money Trading(リアル・マネー・トレーディング)の略で、オンラインゲーム上のキャラクターやアイテム、或いはゲーム内仮想通貨等を現実の通貨で売買する事。利用が広がっているが、大半のオンラインゲームは利用規約でRMTを禁じている。
 
 
拡大が続くソーシャルメディアの中でも特にFacebookはサイト訪問者が急増しており、地元米国での利用者の人口比率は50%を超え、日本でも徐々に普及が進むものの本格的な市場拡大はこれから。同社は新たにソーシャルシフト部門を設置しソーシャルメディア領域のサービス体制を強化しており、Facebookの国内広告を独占している(株)電通の100%子会社である(株)サイバー・コミュニケーションズと業務提携を行い、ソーシャルメディア領域に特化した共同専門チームも発足させた。
また、人材採用、営業、オペレーションチームとの社内融合を図り、全社が一定となって対応するべく組織体制の強化も行った。ソーシャルメディア市場におけるイニシアチブ取得へ向け、企業のソーシャルメディアマーケティングを総合的に支援できる体制の整備を進めていく考え。
 
(3)サービス基盤の強化
ソーシャルゲームやソーシャルメディアでの攻勢に加え、M&Aや業務提携によりサービス基盤の強化にも取り組んでいく考えで、イーオペ(株)を子会社化すると共に、(株)インタースペース(2122)と広告主への広告表記支援サービスで業務提携を行った。
 
イーオペ(株)の子会社化
6月1日に(株)ウイングルにおいて有人監視サービスやカスタマーサポートサービスを提供しているアウトソーシング(BPO)事業を承継した新設会社イーオペ(株)(宮城県仙台市)の全株式を取得し子会社化した。イーオペ(株)はローコストオペレーションを強みとし低単価案件の収益化能力に優れるが、高度なオペレーションの実績が乏しく、業容拡大を図る上での課題となっていた。高付加価値監視システムに加え、サイト運用等の提案能力にも優れるイーガーディアン(株)の傘下に入る事でWeek Pointの補強を行う事ができ、一方、イーガーディアン(株)は低単価案件の収益化が可能になりカバー領域を拡大できる。
 
 
(株)インタースペース(2122)との業務提携
(株)インタースペースと広告主への広告表記支援サービスで業務提携を行い、6月1日よりアフィリエイトサービス「アクセストレード」の提供を開始した。

昨今、多くの企業がインターネットを通じて、商品やサービスを取り扱うようになり、各企業の顧客獲得競争が過熱している。このため、訴求力が強く、消費者の目を引く広告表記がインターネット上に溢れており、企業が提供する商品・サービスを本来以上の内容と誤認させてしまうトラブルが増加している。両社は相互が協力して、「景品表示法」、「特定商取引法」、「薬事法」等の各関連法規及び、両社が共同で策定した独自基準(以下「広告審査基準」)に基づき、「アクセストレード」に新規登録されたバナー原稿の表記チェックを実施し、広告審査基準に抵触する可能性がある広告原稿に対しは注意を促し、必要に応じて原稿の作成代行サービスも提供する。
広告主及び「アクセストレード」のネットワーク内のサイト運営者は、「アクセストレード」を利用する事で安心してサービスを提供する事ができ、また、サイトを利用する消費者を守る事もできる。
 
 
2012年9月期上期決算
 
 
前年同期比12.6%の増収ながら、同69.0%の経常減益
売上高は前年同期比12.6%増の1,034百万円。一部の大口顧客向けの売上が減少したものの、ソーシャルゲームプロバイダとの取引が増加。外資系企業からの大型案件の受注もあり売上が伸びた。 ただ、利益面では、前期の監視センター投資に伴う売上原価の増加を吸収するには至らず、営業利益が22百万円と同85.1%減少した。宮崎県での監視センター開設に伴う補助金収入(18百万円)を計上する一方、株式公開費用(16百万円)が無くなった事で営業外損益が改善したものの、固定資産除却損や事務所閉鎖費用など特別損失8百万円を計上した事で四半期純利益は同80.6%減少した。
 
監視体制の再編に伴うコストが利益を圧迫
前11/9期に事業拡大に伴う増床の必要もあり、コスト面でのメリットを考えて11年6月に宮崎県に新監視センター(宮崎センター)を開設した。現在、六本木センターを縮小し、宮崎センターへの業務移管を進めているが、移管が完了するまではコストが二重に発生する。この上期は生産性の向上や経費節減で販管費が減少したものの、六本木と宮崎で二重に発生する原価が利益を圧迫した。今期中でこの状態は一巡し、来期は収益性の改善も進む見込み。
 
売上・利益共に期初予想を上回る着地
尚、期初予想に対しては、ソーシャルゲームプロバイダからの案件獲得や大型案件の受注で売上が上振れした事による。一方、一部の大口顧客向けの売上減少は想定の範囲内。
 
 
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
流動性に富んだ健全な財政状態であり、営業CFも黒字。投資CFのマイナス幅拡大でフリーCFがマイナスとなったが、投資はソーシャルWebサービス向けの次世代型運用システム「E-Trident」の開発に伴うもの。E-Tridentを導入する取引先が順調に増加しており、関連売上高も増加傾向にある。
 
 
 
※ソーシャルWebサービス向けの投稿監視システム「E-Trident」
ソーシャルWebサービス向けの投稿監視システム「E-Trident」は投稿監視を効率的に行うツール。マンパワーに頼らない効率的な監視が可能で、ベイジアンフィルタ技術を採用しているため、対象となるデータを自動的に解析・学習・分類し監視精度を自ら向上させる事ができる。また、分析やレポーティング機能を有する他、Facebook対応や多言語対応も特徴であり、柔軟なワークフロー・エンジンを搭載しているため顧客毎のカスタマイズも可能。これまで顧客毎に個別のシステムを構築していたが、今後は汎用性の高い「E-Trident」に集約していく考え。
 
 
 
2012年9月期業績予想
 
 
前期比10.4%の増収、同48.4%の経常減益予想
ソーシャルゲームやソーシャルメディアなど成長分野のサポート強化で下期も売上の順調な伸びが見込まれ、通期の売上高は2,105百万円と前期比10.4%増加する見込み。監視体制の再編に伴う売上原価の増加が負担となり営業利益が減少する見込みだが、案件獲得が順調な事から期初予想を上回る着地が予想される。
 
 
 
 
 
今後の注目点
上期は大幅な減益決算となったが、ここにきてターゲットを明確にした営業展開が軌道に乗りつつあり、業績トレンドが明らかに変わり始めた。ターゲットとは成長著しいソーシャルゲームやソーシャルメディアであり、結果として一部の大口顧客に依存した収益体質からの脱却も進みつつある。更なる成長が期待される両市場だが、市場の拡大と共に注目度も高まり、社会的な批判を受けるケースが散見されるようになってきた。このため、健全な市場の育成に不可欠な監視業務やカスタマーサービスを提供する同社のビジネスチャンスが拡大している。利益を圧迫している監視体制の再編に伴うコスト増も今期で一巡し、来期は収益性の改善も進む見込み。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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