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(3031:東証マザーズ) ラクーン 企業HP
小方 功 社長
小方 功 社長

【ブリッジレポート vol.21】2012年4月期業績レポート
取材概要「主力のEC事業では会員小売店、出展企業に対する審査基準の引き上げによる「質への転換」もほぼめどが立ち、その影響も一巡したようだ。今後は「質・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年7月17日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ラクーン
社長
小方 功
所在地
東京都中央区日本橋蛎殻町1-18-11
事業内容
ネットを利用した卸売業
決算期
4月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年4月 9,101 140 133 109
2011年4月 8,057 125 116 160
2010年4月 7,642 102 102 108
2009年4月 7,018 93 93 89
2008年4月 5,662 -158 -158 -160
2007年4月 3,334 -205 -203 -305
2006年4月 2,289 131 95 122
2005年4月 1,247 26 23 45
2004年4月 890 -56 -57 -58
2003年4月 621 -104 -105 -130
2002年4月 494 -192 -193 -200
2001年4月 204 -171 -175 -179
株式情報(6/20現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
60,500円 18,162株 1,099百万円 9.3% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
未定 - 6,607円 9.16倍 67,498円 0.90倍
※株価は6/20終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ラクーンの2012年4月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
中小企業間の取引を便利でスムーズに行うためのサービスを提供する企業として、インターネット上でBtoB(企業間電子商取引)市場である「スーパーデリバリー」というeマーケットプレイス(Webサイト)運営している。
「スーパーデリバリー」は、アパレル、雑貨を中心にメーカー、インポーター等(以下、出展企業)の取扱う商品を、全国の中小規模小売店(以下、会員小売店)に販売している。

さらに2010年11月に売掛債権保証事業を行っている(株)トラスト&グロースを子会社化、これによって中小企業間決済事業を新たな事業ドメインと位置づけし、本格的に取組開始している。
 
<事業内容>
 
1.「EC事業」 :スーパーデリバリーによる今までの中心事業
 
「スーパーデリバリー」は、アパレル、雑貨の商品を全国の中小規模小売店(以下、会員小売店)向けに卸販売する企業間取引(BtoB)サイトである。商品を販売する企業(以下、出展企業)が、「スーパーデリバリー」サイト上に出展、ショッピングモールのように並び、会員小売店と注文から出荷までのやり取りの他、商品についての問い合わせ対応を2社間で直接行い、商品代金の決済に関して同社を介して行う仕組みになっている。「スーパーデリバリー」を利用することにより、出展企業は、地方・中小小売店との取引上ネックだった決済機能、営業コスト、事務処理の手間を解消することが出来る。また、出展企業が許可した会員小売店にのみ卸値等の情報開示を行うため、ブランドイメージのコントロールが可能になっている。

一方、会員小売店は多様な旬の商品の仕入が可能になる。同社は受注・出荷のデータ処理と決済のみを担当するため、運営負担が少ない。債権回収リスクは同社が負うことになるが、信販・クレジット・保証会社を利用することでヘッジしている。小売店は月額2,000円の小売店会費を負担し、出展企業は月額4万円の出展基本料と「スーパーデリバリー」での取引金額の10%をシステム利用料として負担する。したがって会員小売店数、出展企業数が増加することが同社の売上総利益増につながる。また、会員小売店にとって商品の購入は「仕入」となるため、継続した取引となり、購入率、客単価がBtoCよりも高くなる。
 
2.「売掛債権保証事業」 :一昨年度第3四半期からの新事業
 
「売掛債権保証事業」は、11年4月期第3四半期から子会社化した(株)トラスト&グロースにおいて行っている事業である。「売掛債権保証事業」は、企業の取引先に対する売掛債権を保証することで保証料を徴収し、保証した売掛債権が支払い不能になった場合に予め設定した保証額を支払う。なお、同サービスは、EC事業の「スーパーデリバリー」に対してもサービス提供を行っている。企業は、同サービスを利用により、与信リスクの排除が可能になると同時に、与信のアウトソーシングと債権回収業務を削減することが可能になる。
 
 
2012年4月期決算(連結)
 
<損益計算書サマリー>
 
 
2012年4月期の損益計算書(連結)の状況は上表のようになった。

下記に述べるように、主力のEC事業において、購入客数、客単価が上昇したことが増収の主要因。経費においても、新規事業「Paid」のサービス開始にともない、これに関連した人材、システム、広告宣伝費などで先行投資が発生したが、その他の販管費を抑えてことにより増益を達成した。また売掛債権事業においても保証残高、売上高、セグメント利益はほぼ計画どおり順調に推移した。

当期利益が前年比で減少しているのは、11年4月期においては、新規子会社の取得に関連して繰延税金資産116百万円を計上したが、12年4月期は通常の決算となったため。
 
 
 
<貸借対照表サマリー>
 
 
各項目の主な内容は、

流動資産:取引の増加に伴い売掛金が増加。一方で短期借入金および長期借入金の返済等により現金および預金が減少した。


固定資産:ソフトウェアおよび同仮勘定が20百万円増加した。

固定負債:主に長期借入金の減少による。

純資産:当期純利益109百万円の計上により利益剰余金が増加した。
 
<キャッシュ・フローサマリー>
 
 
主な収入・支出内容は以下のようであった。
 
営業活動によるキャッシュ・フロー:税金等調整前当期利益131百万円計上
 
投資活動によるキャッシュ・フロー:ソフトウェア開発および購入による無形固定資産取得のための支出74百万円計上
 
財務活動によるキャッシュ・フロー:長期借入金および短期借入金の返済による支出265百万円計上
 
<セグメント別概況>
 
前期からセグメントを「EC事業」と「売掛債権保証事業」に変更したが、セグメントの状況は以下のようである。
 
(EC事業)

売上高:8,908百万円(前年同期比11.33%増)
セグメント利益:94百万円(同17.5%増)

スーパーデリバリーにおいては、前期に引き上げた審査基準の継続適用により、質の高い「会員小売店」および「出展企業」の獲得に取り組んだが、取り組み2年目となり審査基準の切り替えによる一時的な落ち込みが一段落し、「会員小売店」「出展企業」ともに堅調に増加した。

「会員小売店」は、従来からの集客手段に加えて、「出展企業」からの紹介による登録もプラス要因となった。

出展企業においては、小売店のニーズに適合した企業の獲得が堅調に推移した。これにより小売店ニーズに適合した商品掲載割合が増加したことが客単価および購入率の向上に貢献した。これにより商品売上高は、8,318百万円(前年同期比12.3%増)となった。

また平成23年12月にサイトをリニューアルした際に「スーパーデリバリー」のロゴを初めて変更した。これも目に見えない効果につながったようだ。

一方、平成23年10月にサービスを開始した「Paid」(インターネット完結型後払い決済サービス)においては、知名度の向上および加盟企業とPaidメンバーの獲得に注力した。利便性の高い「Paidカート連携サービス」導入の業務提携にも注力した。

EC事業における主な指標、数値等は下図のようになった。
 
 
粗利率は低下傾向であるが、これは商品売上高が増加し、相対的に会費収入等(粗利が高い)の割合が減少しているため。
 
 
購入客数は、会員小売店の審査基準の変更により低下傾向にあったが、昨年度に入ってからは増加傾向に転じた。また優良出展企業の増加などにより、客単価も高止まりしている。
 
 
販売企業数は底打ちの気配。販売額は増加トレンドにある。
 
(売掛債権保証事業)
売上高:292百万円
セグメント利益:30百万円

従来からの施策に加え、関西圏の営業強化のために大阪支社を開設し新規契約獲得に取り組んだ。この効果もあり、新規契約件数は堅調に増加した。さらに再保証を積極的に活用、その効果もあって保証契約は順調に増加した。(下図参照)
 
 
 
2013年4月期予想
 
<グループビジョン>
 
会社側では、「利便性・専門性・先進性を追及した今までにない企業間取引のインフラを創造すること」をグループビジョンとして掲げている。
 
(同社グループが考える企業間取引を行うために必要な機能)
 
 
<EC事業について>
 
会社側では、EC事業の主力であるスーパーデリバリーについて以下のようなポイントをあげている。
 
(スーパーデリバリー 
 
 
(スーパーデリバリー◆
スマートフォンの急速な普及に伴いスマートフォンからのアクセスが増加していることから、スマートフォンに対応した「スーパーデリバリー」の提供に取り組む。
 
 
会員小売店が「スムーズかつ機動的」に商品仕入れが出来る環境の構築へ
 
(スーパーデリバリー)
今後、スーパーデリバリーは多数のメーカー、小売店の集まるプラットフォームとして、外部サービスとの連携に長期的に取り組む計画。
 
 
(Paid)
積極的な広告掲載や業務提携、人員増加などにより営業力を強化、それによって事業規模の拡大を図る、と会社側は述べている。

特に、具体的な施策としては、|量湘戮慮上、加盟企業とPaidメンバーの獲得、「Paidカード連携サービス」の導入の推進、などを行っていく予定。
 
<売掛債権保証事業について>
 
保証残高を拡大することで、保証料収入を増加させ事業拡大に取り組む一方で、審査精度の向上にも取り組んでいく、と会社側は述べている。
 
 
<業績予想>
 
会社側では、上記のような2013年4月期の業績を下表のように予想している。
 
 
 
今後の注目ポイント
主力のEC事業では会員小売店、出展企業に対する審査基準の引き上げによる「質への転換」もほぼめどが立ち、その影響も一巡したようだ。今後は「質への転換」にも引続き力を入れながら「量の拡大」を目指すことになるが、各種の改善策を実行しているようであり、それらが業績に反映されてくることに期待したい。また売掛債権保証事業では、再保証導入による「売掛債権保証事業」の拡大に加え、新規で開始した「Paid」事業がどこまで連結業績に寄与するのかにも注目する必要はありそうだ。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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