ブリッジレポート
(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 会長兼社長
小林 徹 会長兼社長

【ブリッジレポート vol.41】2012年12月期上期業績レポート
取材概要「昨年のタイの洪水被害の影響で投入が遅れていた新製品があったが、下期はこうした製品の販売体制も整いラインナップの拡充が進む。債務問題に・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年8月28日掲載
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
会長兼社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
事業内容
赤外線を応用した防犯・自動ドア・民生・産業用の各種センサ専業、トップ級
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年12月 18,502 1,677 1,830 1,033
2010年12月 17,395 1,705 1,761 981
2009年12月 15,124 620 735 332
2008年12月 20,916 2,661 2,489 1,004
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(8/17現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
926円 16,551,424株 15,326百万円 6.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 3.2% 61.63円 15.0倍 1,035.75円 0.9倍
※株価は8/17終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
オプテックスの2012年12月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサ大手。世界でもトップクラスのシェアを有する屋外用センサ等の防犯用製品、自動ドアセンサ、環境関連製品等の製造・販売を行なっており、子会社オプテックス・エフエー株式会社を通して産業機器用センサの分野にも展開している。
グループは、同FAセンサのオプテックス・エフエー(株)の他、ファイバーセンサ検知システムのファイバーセンシス社(米国)、カメラ補助照明のレイテック社(英国)等の連結子会社18社、及び持分法適用関連会社2社。
 
【事業内容】
事業は、センシング事業(防犯関連、自動ドア関連、その他)、FA事業、生産受託事業、その他に分かれ、連結子会社17社、持分法適用関連会2社等と共に国内外に事業展開している。地域別では、日本36.2%、北米9.8%、欧州35.2%、アジア14.1%、その他4.6%(いずれも11/12期実績)。
 
 
【沿革】
1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発した。当時の自動ドアはゴムマットの足踏み式が主流であり、遠赤外線利用の自動ドア用センサは極めて画期的な製品だった。メンテナンスや施工対応力でも他社の追従を許さず、創業3年目には自動ドアセンサでトップシェアを有するに至った。業容の拡大を背景に91年に店頭登録(JASDAQ上場に相当)。2001年の東証2部上場を経て、03年には東証1部に指定替えとなった。
04年には、客数情報システム、駐車台数管理システム等を手掛ける技研トラステムを子会社化。近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションやハイエンド防犯システムの強化に取り組んでおり、08年に画像処理関連のIC・LSIの受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システム(光ファイバー侵入検知システム)で豊富な実績を持つファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ用赤外線補助照明を手がけるレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。
 
 
※12/12期は上期の苦戦が響き通期で前期比1.4%の営業増益見込みだが、08/12期以降のR&D強化による新製品群の寄与が本格化する下期は前年同期比56.2%の営業増益が見込まれている。
 
【センシングに関する多様な技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムが強み】
センサが検知する物理的変化は、人の認識では困難な微小な変化を扱う場合が多い。このため、確実で安定したセンシングの実現には複数の要素技術とノウハウに加え、物理的変化を制御する「アルゴリズム」が欠かせない。同社は用途に適した技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムを強みに世界トップクラスのシェアを有している。
 
 
 
事業戦略
 
「持続的成長の追求」をテーマとして掲げ、コア事業の拡大、新興国市場の開拓、新規アプリケーションの開拓、新規事業フィールドへの挑戦、の4つの課題に取り組んでいる。
 
 
(1)コア事業の拡大
コア事業の拡大に向け、低価格汎用ゾーンと高付加価値差別化ゾーンの両面から新製品攻勢をかけており、12/12期は防犯関連において、低価格汎用型屋外用センサのラインナップ拡充を進める一方、大型施設向け屋外用センサやパイプライン漏れ検知用センサ等の事業拡大に取り組んでいる。また、自動ドア関連においては、安全性を高めたスライドドア用ハイブリッドセンサや高機能スライドドア用センサの投入で欧米大手自動ドアメーカー(OEM先)向けのラインナップを拡充した他、低価格汎用ゾーンの製品として廉価なマイクロウェーブセンサを投入した。
また、FA関連では、付加価値を高めた画像、LED照明、変位センサを中心とするアプリケーションセンサで差別化を図っている。
 
(2)新興国市場の開拓  −ロシア、中国、インド・東南アジア、及び中南米−
11年10月に現地法人を設立したロシアでは現地生産の準備を進めている(ロシアでの製造・販売には警察管理下のGOST規格の取得が必要)。代理店網を整備してパイプラインなど屋外重要施設向けを中心に事業を進めていく。また、中国では、ローカルセキュリティによる高級住宅市場の開拓を目指しており、兵馬俑や故宮博物館等での外周警戒用センサ、刑務所の外周警戒用センサ、更にはATMのカメラ起動用センサ等、中国での採用実績をアピールしていく。一方、インド・東南アジアでは、インドにおいて、現地企業との合弁会社の設立準備を進めており(警備の機械化はこれから)、東南アジアでは、拠点開設を予定しているシンガポールを中心に事業を展開していく。この他、現在、米国経由で輸出している中南米では、ブラジル現地法人の設立準備を進めている。
 
(3)新規アプリケーションの開拓
現在、特に力を入れているのが、セキュリティ照明事業及び省エネ・調光事業である。セキュリティ照明事業は、12年1月に子会社化したレイテック社の照明とオプテックス(株)が有するセンサ技術の融合による高い監視効率を強みとし、また、省エネ・調光事業では、既にコインパーキング・商業施設向け節電照明システムを発売している。
 
英国レイテック社の買収とセキュリティ照明事業の展開
レイテック社は、世界トップシェア(約50%)を有するカメラ補助照明メーカー。屋外中長距離用途の暗視用赤外線照明と可視光LED照明に強みを有し、製品ラインアップも多彩だ。オプテックス(株)が有するセンサ技術との親和性は高く、また、両社の技術を融合する事で監視効率の向上が期待できる。光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社とのシナジーも追求しつつ、セキュリティ照明事業として展開していく。また、レイテック社の売上の大半は英国及びEUが占めており、北米や中近東等に強みを持つファイバーセンシス社とは販売面で補完関係にある。オプテックス(株)によるアジア展開も含め、北米、アジア、中近東での新規需要の掘起しを進めていく考え。
 
昨今、大型重要施設において屋外長距離監視カメラの普及が進んでいるが、撮像精度の向上を目的に、CCTVカメラだけでなく、捕捉・追尾用センサとカメラ補助照明がセットになっている(センサで対象物を的確に捕捉・追尾し、これに照明を当てる事で監視効率を高める事ができる)。
 
採用実績
インド:広域発電施設の外周警戒用補助照明に採用
中近東:UAE、クウェート石油関連施設の外周警戒用補助照明に採用
韓国 :広域軍事施設の外周警戒用補助照明に採用

(同社資料を基に作成)
 
省エネ・調光事業
屋外でも、“必要な時に、必要なだけの照明利用”が可能な「コインパーキング・商業施設向け節電照明システム」を国内で販売している。車や人の接近によるゲートバーの開閉をセンサで検知、LED照明を増光するコインパーキング専用の節電照明システムは、国内大手コインパーキングの200ヶ所で利用されており、また、大型事業所、大型駐車場、商業施設向けのセンサ連動照明調光システムは(センシング技術と組み合わせ、大幅な節電が可能)、大手フランチャイズレストラン、スーパーマーケット等、国内50社を越える企業で試験導入されている。
今後、組織体制の再編・強化を図り、事業展開を加速して考え。
 
 
(4)新規事業フィールド
中期的な収益貢献を念頭に様々な分野でセンサシステムの応用に取り組んでいるが、重要施設・大型施設向けの人体・物体検知用システム(装置)が事業化に向けて動き出した。
一つは、ファイバーセンシス社の技術を応用したオイル・ガス漏れ検知システム(漏れによって発生するパイプの振動等を検知する)。現在、北米ニュージャージー州(1kmのガス管)と南米コロンビア(27キロメートルのオイルパイプライン)でフィールドテストが進められており、このテスト結果を基に中国やロシアのエネルギー業界への提案活動を開始する考え。

また、国内では、レーザーセンサやファイバーセンサを使った重要施設向け侵入者検知システムの展開を開始した。客数情報システムとして(入場者のカウント装置。子会社 技研トラステムの製品)、5月にオープンしたスカイツリーの入場者計測にも使われている。新興国のショッピングモール等でも需要が増加しており、今後、海外展開も進めていく考え。
 
 
2012年12月期上期決算
 
 
収益性の高い欧州防犯関連の苦戦や円高が響き、同38.9%の経常減益
売上高は前年同期比9.2%増の101.8億円。円高が2.3億円の減収要因となった事に加え、1月の欧州ハブ倉庫稼動に伴い現地主要代理店が在庫調整を実施したため、一時的に受注が落ち込んだ時期もあったが(1億円程度の減収要因)、当期より連結対象となったレイテック社の寄与(8.1億円)等でカバーした。

利益面では、売上構成の変化(販売地域や製品の構成比率が変化)や円高の影響に加え、前年同期に比べ人材面、開発面において積極的な投資を行ったことやレイテック社買収による固定費が加算されたことで販管費が増加、営業利益は5.3億円と同42.5%減少した。販管費の増加は、人件費(166百万円増)、諸経費(106百万円増)、研究開発費(73百万円増)等の増加に加え、レイテック社の子会社化(260百万円の増加要因)等による。また、四半期純利益の減少率が大きいのは、画像処理関連の受託開発・販売を行うジーニック社に係るのれんの減損損失の計上及び、これに伴う税額影響が要因。

売上・利益共に予想を下回った要因としては、収益性の高い欧州向け防犯関連製品の苦戦と円高等を挙げる事ができる。
 
 
1円の円高が進んだ場合、米ドル建て取引は、22百万円の減収要因となるが、ドル建て仕入に係る原価低減で営業利益は15百万円増加する。一方、英ポンド建て取引は、売上高が11百万円、営業利益が4百万円、それぞれ減少。ユーロ建て取引も、売上高が9百万円、営業利益が7百万円、それぞれ減少する(英ポンド建て及びユーロ建てでの仕入はない)。
この上期は、前年同期に比べて、対ドル、対ポンド、対ユーロで円高が進んだものの、期初の想定レートに対しては、ドルがほぼ想定通りの推移となる一方、ポンド及びユーロに対して円安で推移した。
 
 
センシング事業
売上高は前年同期比15.3%増の68.7億円。このうち防犯関連の売上高は同18.8%増の48.8億円。警備会社向けをけん引役に国内売上が伸びた他、円高や欧州の景気低迷で苦戦した海外も、レイテック社の寄与に加え、光ファイバー侵入検知システムのファイバーセンシス社の売上が北米及び中東を含むアジアで増加した。自動ドア関連の売上高は同12.5%増の17.3億円。自動ドア設置台数の増加を追い風に国内売上が増加した他、市場全体では伸び悩んだ欧米も、OEM供給の拡大等、大手自動ドアメーカーでのセンサシェアの上昇で売上が増加した。
一方、セグメント利益(連結調整前)は同期比28.1%減の3.6億円。収益性の高い欧州向けオプテックス製品の苦戦が響き、増収ながらセグメント利益が減少した。
 
FA事業
売上高は前年同期比11.7%減の21.1億円。半導体、電子部品、液晶関連の設備投資抑制を受けて国内売上が減少。海外も、債務問題に揺れる欧州の需要低迷と中国での液晶関連の設備投資抑制等で売上が減少した。売上の減少につれて、セグメント利益(連結調整前)も1.2億円と同58.1%減少した。

上記の他、車載関連部品の数量増で生産受託事業の売上も増加した。
 
 
 
 
投資CFのマイナス幅が拡大したのは、レイテック社の買収に伴うもの。買収用に確保していた資金を有価証券で運用していたが、これを売却して買収資金に充てたため、現金及び現金同等物の上期末残高が61.8億円となり、前期末比3.4億円減少した。
 
 
2012年12月期業績予想
 
(1)下期見通し
上期決算を踏まえて下期の業績予想を下方修正したが、レイテック社の寄与に加え、製品ラインアップの拡充効果と生産性改善効果が顕在化し売上・利益共に高い伸びが見込まれる。
売上高は前年同期比26.6%増の116.1億円(レイテック社分を除いても売上高は108.4億円と同18.2%増加する見込み)。欧州経済の先行きや一段の円高に対する懸念があるものの、屋外センサのラインアップ拡充効果で防犯関連が伸びる他、安全性を重視したセンサバリエーションの拡充で海外を中心に自動ドア関連の売上も増加する見込み。また、上期は減収となったFA関連も、足元、主要取引先である独SICK AG社からの受注が堅調に推移している。
引き続き、新製品開発による既存事業の強化、新興国市場開拓への布石、大型施設を中心とする新たなアプリケーション開拓等、先行投資が続くものの、増収効果と収益性の高い新製品の寄与で経常利益は12.0億円と同56.3%増加する見込み。
 
 
(2)通期見通し
通期では、売上高218億円(前期比17.8%増)、経常利益18.5億円(同1.1%増)が見込まれる。為替レートの想定は、1ドル=79.9円、1ポンド=122.9円、1ユーロ=101.7円。通年ベースでの1円の円高が業績に与える影響は、対ドルが売上高△50百万円、営業利益+30百万円、対ポンドが売上高△23百万円、営業利益△9百万円、対ユーロが売上高△19百万円、営業利益△15百万円。
配当は1株当たり15円の期末配当を予定しており、上期末配当と合わせて年30円。
 
 
 
今後の注目点
昨年のタイの洪水被害の影響で投入が遅れていた新製品があったが、下期はこうした製品の販売体制も整いラインナップの拡充が進む。債務問題に端を発した景気低迷やユーロ安を受けて、引き続き主力の欧州で厳しい事業環境が続くものの、米国同様、OEM先との取引は堅調であり、ラインナップの拡充効果が期待できよう。このため、大幅な増収・増益を見込む下期業績に違和感はない。
今後の市場拡大が見込まれるセキュリティ分野や省エネ分野をターゲットとするセキュリティ照明事業や省エネ・調光事業で成果が現れてくれば、中期的な見通しは更に明るさを増してくる。下期の展開に期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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