ブリッジレポート
(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 会長兼社長
小林 徹 会長兼社長

【ブリッジレポート vol.42】2012年12月期第3四半期業績レポート
取材概要「円ベースでの決算数値は円高の影響を受けているものの、現地通貨ベースでは海外販社の売上は増加しているところも多く、新製品の開発・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年11月20日掲載
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
会長兼社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
事業内容
赤外線を応用した防犯・自動ドア・民生・産業用の各種センサ専業、トップ級
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年12月 18,502 1,677 1,830 1,033
2010年12月 17,395 1,705 1,761 981
2009年12月 15,124 620 735 332
2008年12月 20,916 2,661 2,489 1,004
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(11/7現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
869円 16,551,394株 14,383百万円 6.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 3.5% 61.63円 14.1倍 1,035.75円 0.8倍
※株価は11/7終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
オプテックスの2012年12月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサ大手。世界でもトップクラスのシェアを有する屋外用センサ等の防犯用製品、自動ドアセンサ、環境関連製品等の製造・販売を行なっており、子会社オプテックス・エフエー株式会社を通して産業機器用センサの分野にも展開している。
グループは、同FAセンサのオプテックス・エフエー(株)の他、ファイバーセンサ検知システムのファイバーセンシス社(米国)、カメラ補助照明のレイテック社(英国)等の連結子会社18社、及び持分法適用関連会社2社。
 
【事業内容】
事業は、センシング事業(防犯関連、自動ドア関連、その他)、FA事業、生産受託事業、その他に分かれ、連結子会社17社、持分法適用関連会2社等と共に国内外に事業展開している。地域別では、日本36.2%、北米9.8%、欧州35.2%、アジア14.1%、その他4.6%(いずれも11/12期実績)。
 
 
【沿革】
1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発した。当時の自動ドアはゴムマットの足踏み式が主流であり、遠赤外線利用の自動ドア用センサは極めて画期的な製品だった。メンテナンスや施工対応力でも他社の追従を許さず、創業3年目には自動ドアセンサでトップシェアを有するに至った。業容の拡大を背景に91年に店頭登録(JASDAQ上場に相当)。2001年の東証2部上場を経て、03年には東証1部に指定替えとなった。
04年には、客数情報システム、駐車台数管理システム等を手掛ける技研トラステムを子会社化。近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションやハイエンド防犯システムの強化に取り組んでおり、08年に画像処理関連のIC・LSI の受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システム(光ファイバー侵入検知システム)で豊富な実績を持つファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ用赤外線補助照明を手がけるレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。
 
 
【センシングに関する多様な技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムが強み】
センサが検知する物理的変化は、人の認識では困難な微小な変化を扱う場合が多い。このため、確実で安定したセンシングの実現には複数の要素技術とノウハウに加え、物理的変化を制御する「アルゴリズム」が欠かせない。同社は用途に適した技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムを強みに世界トップクラスのシェアを有している。
 
 
 
事業戦略
 
「持続的成長の追求」をテーマとして掲げ、コア事業の拡大、新興国市場の開拓、新規アプリケーションの開拓、新規事業フィールドへの挑戦、の4つの課題に取り組んでいる。
 
 
(1)コア事業の拡大
コア事業の拡大に向け、低価格汎用ゾーンと高付加価値差別化ゾーンの両面から新製品攻勢をかけており、12/12期は防犯関連において、低価格汎用型屋外用センサのラインナップ拡充を進める一方、大型施設向け屋外用センサやパイプライン漏れ検知用センサ等の事業拡大に取り組んでいる。また、自動ドア関連においては、安全性を高めたスライドドア用ハイブリッドセンサや高機能スライドドア用センサの投入で欧米大手自動ドアメーカー(OEM先)向けのラインナップを拡充した他、低価格汎用ゾーンの製品として廉価なマイクロウェーブセンサを投入した。
また、FA関連では、付加価値を高めた画像、LED照明、変位センサを中心とするアプリケーションセンサで差別化を図っている。
 
(2)新興国市場の開拓 −ロシア、中国、インド・東南アジア、及び中南米−
11年10月に現地法人を設立したロシアでは現地生産の準備を進めている(ロシアでの製造・販売には警察管理下のGOST規格の取得が必要)。代理店網を整備してパイプラインなど屋外重要施設向けを中心に事業を進めていく。また、中国では、ローカルセキュリティによる高級住宅市場の開拓を目指しており、兵馬俑や故宮博物館等での外周警戒用センサ、刑務所の外周警戒用センサ、更にはATMのカメラ起動用センサ等、中国での採用実績をアピールしていく。一方、インド・東南アジアでは、インドにおいて、現地企業との合弁会社の設立準備を進めており(警備の機械化はこれから)、東南アジアでは、拠点開設を予定しているシンガポールを中心に事業を展開していく。この他、現在、米国経由で輸出している中南米では、ブラジル現地法人の設立準備を進めている。
 
(3)新規アプリケーションの開拓
現在、特に力を入れているのが、セキュリティ照明事業及び省エネ・調光事業である。セキュリティ照明事業は、12年1月に子会社化したレイテック社の照明とオプテックス(株)が有するセンサ技術の融合による高い監視効率を強みとし、また、省エネ・調光事業では、既にコインパーキング・商業施設向け節電照明システムを発売している。
 
英国レイテック社の買収とセキュリティ照明事業の展開
レイテック社は、世界トップシェア(約50%)を有するカメラ補助照明メーカー。屋外中長距離用途の暗視用赤外線照明と可視光LED照明に強みを有し、製品ラインアップも多彩だ。オプテックス(株)が有するセンサ技術との親和性は高く、また、両社の技術を融合する事で監視効率の向上が期待できる。光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社とのシナジーも追求しつつ、セキュリティ照明事業として展開していく。また、レイテック社の売上の大半は英国及びEUが占めており、北米や中近東等に強みを持つファイバーセンシス社とは販売面で補完関係にある。オプテックス(株)によるアジア展開も含め、北米、アジア、中近東での新規需要の掘起しを進めていく考え。
 
昨今、大型重要施設において屋外長距離監視カメラの普及が進んでいるが、撮像精度の向上を目的に、CCTVカメラだけでなく、捕捉・追尾用センサとカメラ補助照明がセットになっている(センサで対象物を的確に捕捉・追尾し、これに照明を当てる事で監視効率を高める事ができる)。

(同社資料より)
 
採用実績
インド:広域発電施設の外周警戒用補助照明に採用
中近東:UAE、クウェート石油関連施設の外周警戒用
    補助照明に採用
韓国 :広域軍事施設の外周警戒用補助照明に採用

(同社資料を基に作成)
 
省エネ・調光事業
屋外でも、“必要な時に、必要なだけの照明利用”が可能な「コインパーキング・商業施設向け節電照明システム」を国内で販売している。車や人の接近によるゲートバーの開閉をセンサで検知、LED照明を増光するコインパーキング専用の節電照明システムは、国内大手コインパーキングの830ヶ所で利用されており、また、大型事業所、大型駐車場、商業施設向けのセンサ連動照明調光システムは(センシング技術と組み合わせ、大幅な節電が可能)、大手フランチャイズレストラン、スーパーマーケット等、国内50社を越える企業で試験導入から正式採用に順次移行している。
今後、組織体制の再編・強化を図り、事業展開を加速する考え。
 
 
(4)新規事業フィールド
中期的な収益貢献を念頭に様々な分野でセンサシステムの応用に取り組んでいるが、重要施設・大型施設向けの人体・物体検知用システム(装置)が事業化に向けて動き出した。
一つは、ファイバーセンシス社の技術を応用したオイル・ガス漏れ検知システム(漏れによって発生するパイプの振動等を検知する)。現在、北米ニュージャージー州(1kmのガス管)と南米コロンビア(27キロメートルのオイルパイプライン)でフィールドテストが進められており、このテスト結果を基に中国やロシアのエネルギー業界への提案活動を開始する考え。

また、国内では、レーザーセンサやファイバーセンサを使った重要施設向け侵入者検知システムの展開を開始した。客数情報システムとして(入場者のカウント装置。子会社 技研トラステムの製品)、5月にオープンしたスカイツリーの入場者計測にも使われている。新興国のショッピングモール等でも需要が増加しており、今後、海外展開も進めていく考え。
 
 
2012年12月期第3四半期決算概要
 
 
前年同期比増収も、収益性の高い欧州防犯関連の苦戦や円高が響き、同36.5%の営業減益
当期より連結対象となった英レイテック社の売上が寄与したほか、国内警備会社向け販売や大型重要施設向け屋外防犯センサの受注が好調だった。また、安全性と信頼性が自動ドアメーカーに評価され国内外ともに販売好調だった。
FA事業は国内外ともに低調だった。

増収効果が前年同期比+869百万円あったものの、プロダクトミックスの変化による原価率の上昇(487百万円。収益性の高い欧州防犯事業の輸出が景気低迷と円高・ユーロ安で減少した一方、国内防犯事業、自動ドア事業が伸びた。)、レイテック子会社化(392百万円)、人件費増加(225百万円)、経費やR&D費の増加(171百万円)などにより営業利益は同36.5%の減益となった。
 
 
通年ベースでの1円の円高が業績に与える影響は、対ドルが売上高△50百万円、営業利益+30百万円、対ポンドが売上高△23百万円、営業利益△9百万円、対ユーロが売上高△19百万円、営業利益△15百万円となっている。
 
 
センシング事業
防犯関連売上は前年同期比+19.6%と二ケタの増収。欧州市場の景気低迷、円高・ユーロ安というマイナスはあったが、レイテック社が寄与したほか、米国ファイバーセンシス社も好調だった。
国内市場では、大手警備会社向け販売や大型重要施設向け屋外センサが好調に推移した。
 
自動ドア関連は同9.1%の増収。国内では建設需要の回復に伴い自動ドア設置台数が堅調に推移し、自動ドア用センサ販売が伸長。海外では、大手自動ドアメーカーからの新規採用が順調に増加した。安全性と信頼性を高く評価されているとのことだ。
 
FA事業
前年同期比 -7.0%の減収。国内市場では電子部品、半導体、液晶関連の設備投資低迷の影響を受けた。海外では欧州景気の低迷、中国における液晶関連などの設備投資抑制の影響で低調に推移した。

中国における生産受託事業は円高の影響はあったものの受託製品数量が増加し大幅な増収となった。
 
 
 
2012年12月期通期業績予想
 
 
2012年7月に修正を行った通期業績予想に変更はない。
新製品開発と投入による「コア事業の持続的成長」、「新興国市場の開拓」、大型施設を中心とする「新アプリケーションの開拓」を強化し、増収・増益を達成する計画だ。
配当は1株当たり15円の期末配当を予定しており、上期末配当と合わせて年30円。
 
 
今後の注目点
円ベースでの決算数値は円高の影響を受けているものの、現地通貨ベースでは海外販社の売上は増加しているところも多く、新製品の開発などを通じて世界的な防犯ニーズの高まりに的確に対応していると評価できる。特に、同社が得意とする屋外センサの分野においては国内外において重要な大型施設での採用が順調に進んでいる等、同社製品の優秀性が評価されている。
ただ3Q業績の通期予想に対する進捗率は売上高で7割、利益で5割強という水準にとどまっており、研究開発に注力しているという点はあるものの、欧州経済の低迷継続、円高傾向の持続を前提とするとやや厳しい状況にあると判断せざるを得ないようだ。
中期的視点から「事業戦略」の動向を注目すると共に、60億円にのぼるキャッシュの活用使途も期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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