ブリッジレポート
(4709:JASDAQ) インフォメーション・ディベロプメント 企業HP
舩越 真樹 社長
舩越 真樹 社長

【ブリッジレポート vol.41】2013年3月期上期業績レポート
取材概要「この下期は捲土重来を期して、上期に発生した課題の解決に取り組む。11月7日に開催された上期の決算説明会において、来期は一段の選択と集中を・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年12月11日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インフォメーション・ディベロプメント
社長
舩越 真樹
所在地
東京都千代田区二番町 7-5
事業内容
独立系情報サービス会社。金融向けITアウトソーシング主力に幅広いITサービスを提供。
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月 16,137 629 659 365
2011年3月 16,450 839 892 447
2010年3月 17,263 850 864 155
2009年3月 18,458 1,057 1,109 563
2008年3月 18,032 1,200 1,191 594
2007年3月 14,692 1,024 1,024 550
2006年3月 13,028 851 845 430
2005年3月 11,378 550 557 119
2004年3月 11,203 625 628 203
2003年3月 11,668 598 591 274
2002年3月 11,081 548 546 272
2001年3月 9,738 756 735 242
2000年3月 8,468 640 586 320
株式情報(12/6現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
532円 7,427,395株 3,951百万円 6.0% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
21.00円 3.9% 22.89円 23.2倍 839.95円 0.6倍
※株価は12/6終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
インフォメーション・ディベロプメントの2013年3月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
金融向けITアウトソーシングに強みを持つ独立系の情報サービス会社。一つの顧客に対し、ソフトウエア開発からシステム運営管理等の複数のサービスを提供するBusiness Operations Outsourcing戦略を推進しており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に業績の変動が小さく、高配当を継続している。
 
【事業内容】
事業は、システム運営管理、ソフトウエア開発・保守、及びセキュリティ&コンサルティングを中心とするその他に分かれる。
 
システム運営管理     (12/3期売上構成比61.8%)
1,300名規模の技術者を擁する専門部隊が、ミドルウェアのカスタマイズからハードウエアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値のアウトソーシングを実現している。
ソフトウエア開発・保守  (12/3期売上構成比32.5%)
「独立系SE集団」として、特定のマシン、OS、ツール、開発言語にとらわれず、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。大型汎用機から携帯端末まで、金融、公共、サービス分野を中心に豊富な実績を誇る。
その他          (12/3期売上構成比5.7%)
セキュリティ&コンサルティングを中心に展開している。海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。
 
【IDグループ】
グループは、同社の他、システム運営管理を手掛ける(株)日本カルチャソフトサービス(出資比率100%。以下、CS)、日本ユニシス(株)との合弁会社(株)ソフトウエア・ディベロプメント(同80%、SD)、情報システム・コンサルティング等の(株)プライド(同54.4%)、中国でソフトウエア開発、システム運営管理等を手掛ける艾迪系統開発(武漢)有限公司(同100%、ID武漢)、シンガポールでソフトウエア開発、システム運営管理等を手掛けるINFORMATION DEVELOPMENT SINGAPORE PTE. LTD.(同100%、IDシンガポール)、及びアメリカで人材採用・育成、現地市場調査、情報収集等を手掛けるINFORMATION DEVELOPMENT AMERICA INC. (同100%、IDアメリカ)の連結子会社6社。
 
 
【市場動向と同社の強み】
(1)市場動向
 
情報サービス産業の売上高は07年度の11兆2,380億円をピークに減少が続いていたが、保留されていた案件や新規の案件が徐々に動き出した。このため、情報サービス産業の売上高は11年度下期以降、前年同月比でプラスに転じており、年度累計では10年度比0.7%の減少にとどまった。足元も前年同月比でプラス成長が続いており、震災後の急激な落ち込みの反動もあり、12年度は4期ぶりのプラス成長に転じる可能性が高い。
 
(2)インフォメーション・ディベロプメントの強み
収益の安定性と優れた財務体質
景気変動の影響を受け難く、収益の安定したシステム運営管理が売上高の60%以上を占めている事が同社の強み。また、この結果としてCFが安定しており、財務体質も優れ、実質無借金経営を維持している(純有利子負債がゼロ)。一方、好況時にはソフトウエア開発・保守が伸び業績の拡大を牽引する。
 
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優良な顧客資産
メガバンク、有力地銀、農林系金融機関、大手・生損保、ガス・電力、空運、更には大手生活用品メーカーやフイルムメーカー等の優良顧客を有する。また、日本IBM、日本ユニシス、NTTデータ、富士通といった大手SIerを戦略パートナーとする事業が売上の20%強を占めている事も収益安定に一役買っている。
 
 
【中期経営計画Breakthrough 200 !】
「Business Operations Outsourcing」、「iD-CLOUDの推進」、「グローバル展開」、及び「M&A・業務提携」に取り組む事でグループ経営の高度化を図る考え。具体的な取り組みと進捗状況は次の通り。
 
(1)Business Operations Outsourcing
一つの顧客に対し、ソフトウエア開発からシステム運営管理、BPOまで、複数のサービスを提供するBusiness Operations Outsourcingを推進する事で既存顧客の深耕と新規顧客の開拓を図る。尚、同社では、上記のトータルなITアウトソーシングサービスを「i-Bos24®」としてブランディングしていく考え。
 
 
(2)D-CLOUDの推進
クラウドコンピューティングの普及に伴い、今後、需要の増加が見込まれるプラットフォーム系開発業務において要員の育成を行い、顧客ニーズに広範かつ迅速に対応できる体制を構築する。また、クラウド関連サービスを提供する他社との提携にも柔軟に対応していく考え。尚、プラットフォーム系開発業務とは、ハードウエア、OS、ミドルウェアの機能を最適な手段で活用し、低コスト高信頼性のシステム稼働環境を設計・構築するサービス。
 
 
(3)グローバル展開とM&A・業務提携
100%子会社 艾迪系統開発(武漢)有限公司(ID武漢)は、武漢、上海、無錫、蘇州、及び東京を活動拠点とし、日本と中国において、ソフトウエア開発からシステム運営管理、BPOまでのトータルITサービスを展開している。また、米国(ニューヨーク)、英国(ロンドン)、シンガポールの各業務提携先との連携、子会社や支店の開設により、グローバルなITサポート体制の構築に積極的に取り組んでいる。
さらに、M&A・業務提携に積極的に対応する事で、グローバル展開を進める日本企業に対し、ITに関する導入支援から運用・保守までのワンストップサービスをグローバルに提供していく考え。
 
11年5月に業務提携した米国SYSCOM社(代表取締役社長 佐藤誠詞)は、米国における日系金融機関や商社を対象に、データセンターサービス(システム運営管理からネットワーク環境の設計・構築)、ERP導入、及び内部統制構築支援等のサービスを提供しており、サーバの仮想化等システムの基盤系分野においても豊富な実績を有する。同社(ID)は、SYSCOM社との提携を通して、米国へ展開する日本企業の情報システムをサポートしていく考え。
 
11年9月に業務提携した英国ニュートンIT社(代表取締役社長 森本健至良)は、英国において日系金融機関や製造業等を対象に、IT基盤構築・運用・保守から業務システムのコンサルティング・構築支援、情報セキュリティコンサルティング、更には事業継続計画(BCP)構築支援等、幅広いサービスをワンストップで提供している。ニュートンIT社との提携により、英国を中心とした欧州エリアのカバーが可能となり、米国シスコムUSA社との連携と併せて日欧米中のグローバルITサポート体制が確立された。
 
更に12年2月には、シンガポールにおいて日系商社や製造業等を対象に、PCサポートや社内LAN構築・運用・保守サポート、情報機器の販売及び導入まで幅広く提供しているKAWATEC社(代表取締役社長 川辺高峰)と業務提携を行った。この提携で東南アジアのカバーが可能となり、米欧での業務提携と合わせて、ITに関する導入支援から運用・保守までのワンストップサービスをグローバルに提供していく体制が整ってきた。
 
また、12年5月中にシンガポールにINFORMATION DEVELOPMENT SINGAPORE PTE. LTD.(以下、IDシンガポール)を設立した。IDシンガポールは、KAWATEC社と連携しつつ、IDグループが得意とするシステム運営管理、IT基盤の設計・構築、ソフトウエア開発等のサービスを日本品質で提供していく。3年後に東南アジア全域で売上高10億円を目指している。
 
加えて、12年8月に米国にINFORMATION DEVELOPMENT America INC.(以下、IDアメリカ)を設立した(事業拠点:ボストン)のに続き、12年内にはロンドンにINFORMATION DEVELOPMENT CO.,LTD. LONDON BRANCH(以下、IDロンドン)を開設の予定だ。
IDアメリカは、グローバル化対応のための優秀な人材の確保・育成と、海外における顧客のニーズの把握や情報収集を進めると同時にSYSCOM社との連携を深めてサービス向上に努める。
IDロンドンは、現地日系企業の動向や周辺諸国における市場の調査、ならびにNewtonIT社との協業推進を目的としている。
 
 
 
2013年3月期上期決算
 
 
前年同期比1.7%の増収ながら、同60.3%の経常減益
売上高は前年同期比1.7%増の78億61百万円。国内受託データ入力業務から撤退した影響で売上全体の伸びが低くなったものの、提案活動の成果やオフショアを活用したサービスの寄与でソフトウエア開発事業が伸びた他、大手ITベンダーとのパートナーシップの強化や積極的な提案活動で主力のシステム運営管理事業も堅調に推移した。
 
ただ、利益面では、クラウド事業の営業要員増強や不採算案件への対応もあり、労務費や外注費が想定以上に増加。新規案件獲得に向けた低採算案件の戦略的受注もあり、売上総利益率が16.6%と2.2ポイント悪化。一方、経費削減に取り組んだものの、研修センターにかかる減価償却費の増加等で販管費はわずかに増加し、営業利益は1億29百万円と同60.6%減少した。
 
修正予想との比較では、新規案件獲得に向けた低採算案件の戦略的受注や不採算案件の発生等による売上総利益率の悪化が響き、営業利益及び経常利益が予想を下回った。一方、四半期純利益が予想を上回ったのは、税金の還付による。尚、9月に期初予想を修正しており、期初予想は売上高80億円、営業利益2億40百万円、経常利益2億30百万円、四半期純利益1億10百万円。
 
 
戦略パートナー向けを中心に情報・通信・サービス向けが伸びた他、銀行・保険向けも、システム統合を控えたメガバンク向けの減少を農林系金融機関向けや大手生保向け等の増加で吸収。一方、輸送、建設・不動産向け等が増加したものの、国内受託データ入力業務から撤退した影響(受託業務の終了や関連子会社の売却等)をカバーできず、その他の売上が減少した
 
 
データセンターの大型化を背景に戦略パートナー(大手ITベンダー)向けが伸びたが、価格面では厳しいものとなった。
 
 
連結業績の悪化は個別業績の悪化によるもの。売上高は64億13百万円と同3.1%増加したものの、戦略的な低採算案件の受注や不採算案件の発生等、連結業績と同様の理由による利益率の悪化で売上総利益が同9.5%減少。一方、研修センターにかかる減価償却費の増加等で販管費が同11.0%増加したため、営業利益は同99.0%減の1百万円にとどまった。子会社からの配当金の受け取りで経常利益は3 億15百万円と同20.5%増加した。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
 
上期末の総資産は前期末比6億98百万円減の91億47百万円。有形固定資産の売却もあり、前年同期は2億81百万円だったフリーCFが5億35百万円に増加。余剰資金を有利子負債の削減に充て財務の健全化を図った。自己資本比率は67.1%と同3.7ポイント改善した。
 
 
 
【トピックス −舩越社長が武漢市人民政府より黄鶴友誼賞を受賞−】
同社代表取締役社長である舩越真樹氏が、中華人民共和国湖北省武漢市において、日中の人文交流及び情報サービス産業の発展における功績により、2012年度【黄鶴友誼賞(こうかくゆうぎしょう)】を受賞した。同賞は1993年に設けられたもので、武漢市人民政府が外国人に贈る最高の賞。受賞理由は、2004年4月に同社が武漢市に連結子会社である艾迪系統開発(武漢)有限公司を設立して以来、実施している下記の活動が評価された事にある。
々駑大学である華中科技大学における奨学金制度の設立
⊂蔑大学である湖北経済学院における日本語講座基金の設立
市立大学である江漢大学における日本語講座奨学金制度の設立
げ效羃糞斬膤悗よび湖北経済学院において客員教授を務め、
定期的な講義を実施

(同社プレスリリースより)
 
2013年3月期業績予想
 
 
前期比0.8%の増収、同42.4%の経常減益
上期の業績下振れに加え、下期の見通しも引き下げた。下期は業績回復に向け足場固めを図る考えで、一段の選択と集中に向けた取り組みも進める。配当は前期と同額の1株当たり21円の期末配当を予定している。
 
 
 
今後の注目点
この下期は捲土重来を期して、上期に発生した課題の解決に取り組む。11月7日に開催された上期の決算説明会において、来期は一段の選択と集中を進める考えである事が示唆された。事業環境の底入れに伴い保留や延期になっていたシステム開発等の案件が動き始めたということで、短期的には下期どれだけリカバリーが図れるのか?、中長期的には積極的なグローバル展開がいつ頃収益に貢献してくるのか?に注目したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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