ブリッジレポート
(4290) 株式会社プレステージ・インターナショナル

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ブリッジレポート:(4290)プレステージ・インターナショナル vol.7

(4290:JASDAQ) プレステージ・インターナショナル 企業HP
玉上 進一 社長
玉上 進一 社長

【ブリッジレポート vol.7】2013年3月期上期業績レポート
取材概要「注力分野として挙げているインシュアランス事業の延長保証プログラム、ヘルスケア・プログラム、及びプロパティアシスト事業のホームアシスト・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年12月18日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社プレステージ・インターナショナル
社長
玉上 進一
所在地
東京都千代田区麹町1-4
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月 23,385 2,621 2,651 1,543
2011年3月 19,210 2,291 2,360 1,145
2010年3月 16,174 2,390 2,434 1,587
2009年3月 14,729 2,316 2,311 1,410
2008年3月 13,438 1,806 1,817 1,074
2007年3月 12,829 1,631 1,634 877
2006年3月 10,040 1,298 1,206 655
2005年3月 8,306 1,052 1,055 566
2004年3月 7,101 458 387 353
株式情報(11/8現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
855円 14,825,200株 12,676百万円 18.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
15.00円 1.8% 101.28円 8.4倍 611.62円 1.4倍
※株価は11/8終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
プレステージ・インターナショナルの2013年3月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
連結子会社18社、持分法適用関連会社3社と共にグループを形成し、世界14カ国16拠点でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開している(12/3期末現在)。具体的には、損害保険会社、自動車関連会社、クレジットカード会社、不動産管理会社等を主な取引先とし、自動車保険加入者向けのロードアシスタンスサービス、海外旅行損害保険加入者向けの日本語緊急コンタクトセンター・サービス、マンション等の入居者に対するホームアシスト・サービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)等を提供。
 
 
12/3期の売上高は上場時の約4倍、営業利益は同約7倍に拡大したが、この成長を支えてきた大きな要因の一つが、秋田BPOキャンパスだ(緊急要請を24時間年中無休で受け付けるコンタクトセンター)。長期的かつ安定した人材の確保によってはじめて顧客への安定したサービスの提供が可能になるとの考えから03年10月に開設した秋田BPOキャンパス(WEST棟550席)は、その後、07年EAST棟(650席)開設、12年サテライト棟(300席)開設と規模を拡大。高品質のインフラに対するクライアントからの評価は高く、ショールームとしての役割も担っている。
 
 
【事業内容】
事業は、ロードアシスト事業、インシュアランス事業、CRM事業、カード事業、プロパティアシスト事業のBPO事業と、BPO事業の補完的な役割を担うIT事業及び派遣・その他事業に分かれる。 事業は、ロードアシスト事業、インシュアランス事業、CRM事業、カード事業、プロパティアシスト事業のBPO事業と、BPO事業の補完的な役割を担うIT事業及び派遣・その他事業に分かれる。
 
ロードアシスト事業    12/3期売上構成比46%
損害保険会社及び自動車メーカー等との契約に基づき、その顧客であるエンド・ユーザーに対してロードアシスタンスサービスを提供している。同社が秋田BPOキャンパス(コンタクトセンター)において緊急要請を24時間年中無休で受け付け、実際のサービスについては、関係会社である(株)プレミアアシスト東日本・西日本、関連するシステムを開発する(株)プレミアネットワーク及び自動車整備会社やレッカー業者等の協力会社に委託している。
 
インシュアランス事業    同27%
損害保険会社向けの海外日本語アシスタンス及び海外旅行保険クレームエージェント、海外進出企業向けヘルスケア・プログラム(海外駐在員の傷害・病気への対処)、自動車メーカー及び中古車販売会社向け延長保証・メンテナンスプログラム、少額短期保険事務代行サービス、及び(株)イントラスト、(株)オールアシストによる家賃保証サービス等を手掛けている。海外は、米国、英国、香港、中国、シンガポール、タイ、オーストラリア。
 
CRM事業    同12%
通信販売会社、海外ブランド、ポータルサイト運営会社等に対する、海外・国内のコンタクトセンターのアウトソーシングサービスの提供、及び損害保険会社向け24時間事故受付業務全般のアウトソーシングサービスを提供。海外は、米国、英国、香港。
 
カード事業    同6%
日系航空会社との提携により、米国、香港及び上海において日本人駐在員向けに海外通貨建てクレジットカード(グループ独自のクレジットカード「プレミオカード」)の発行・運営を行っている。
 
プロパティアシスト事業    同7%
不動産向けサービス「ホームアシスト」及び駐車場管理会社向けサービス「パークアシスト」を提供しており、前者では分譲マンション等の入居者に対して一次修繕サービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)を、後者では無人駐車場及びカーシェアリング車両のステーションにおけるトラブル(機器保守、補修、緊急・点検出動等)対応を行っている(実際のサービスは関係会社の(株)プレミア・プロパティサービス、(株)プレミアパークアシスト及び協力会社が提供)。

上記のBPO事業を補完するべく子会社がIT(IT事業同2%)及び人材面(派遣・その他事業同1%)を手掛けている。
 
【第2BPOキャンパス及び山形BPOセンターの建設計画】
現在、同社は秋田県秋田市に1,500席規模の秋田BPOキャンパス(WEST棟:550席、EAST棟:650席、サテライト棟:300席)を展開しており、12年4月にサテライト棟を開設したばかりだが、秋田BPOキャンパス全体の稼働率は既に80%に達している。また、東日本大震災の発生以来、クライアント企業よりBCP(事業継続計画)対策として、秋田BPOキャンパスと一定距離を置いた地点へのオペレーションの分散(2拠点化)を求める要望が増えていた。このため、第2BPOキャンパス(約1,500席)を富山県射水市に開設する事とした。投資額は建物・付属設備で約30億円(土地64,000㎡は地元自治体から貸与を受ける)、15年2月のサービス開始を予定している(建設期間は14年4月~15年1月)。

ただ、第2BPOキャンパスの業務開始まで2年以上を要するため、新キャンパスが稼働する前に秋田BPOキャンパスのキャパシティが飽和する可能性がある。このため、更なる事業拡大に伴う需要増も念頭に入れ、山形県酒田市に山形BPOセンター(約500席)を建設する。第2BPOキャンパスと同様、土地(30,000㎡)は地元自治体から貸与を受けるため、同社は建物・付属設備に対するだけで済む(投資額:約10億円、建設期間:13年4月~同年11月)。13年11月のサービス開始を予定している。

尚、第2BPOキャンパス、山形BPOセンター共に、従業員の約70%に女性を採用する計画。同社は、女性が長く働ける職場をつくり、女性の社会進出に最大限の貢献をしていく考え。また、両施設共に、託児所、カフェテリア、研修施設、自家発電(予定)を備える。
 
2013年3月期上期決算
 
 
前年同期比11.6%の増収、同7.4%の営業増益となり、営業利益は期初予想を19.2%上回る着地
売上高は前年同期比11.6%増の123億76百万円。注力分野であるインシュアランス事業やプロパティアシスト事業が売上を大きく伸ばした他、ロードアシスト事業も堅調に推移。主要事業全ての売上が増加した。
利益面では、円高の影響や売上構成比の変化等で売上総利益率が18.4%と0.2ポイント低下する中、本社管理部門のオフィス移転もあり、販管費の伸びが大きくなったが、営業利益は11億91百万円と同7.4%増加した。ただ、為替差益が減少する(1億14百万円→61百万円)一方、持分法投資損失が拡大する(6百万円→71百万円)等で営業外損益が悪化。税負担率の上昇もあり、四半期純利益は6億96百万円と同2.8%減少した。
 
期初予想との比較では、対ドルレートが1ドル=77.6円と期初予想の83.2円(前年同期は同76.65円)を上回る円高となった事が、売上高を95百万円、営業利益を27百万円、それぞれ押し下げたが、事業全般が予想を上回って推移する中、原価抑制が成果をあげた。
 
 
ロードアシスト事業
売上高54億33百万円(前年同期比6.9%増)、セグメント利益5億64百万円(同3.2%増)。認知度向上等によるサービスの利用増で既存受託業務が拡大した。営業利益率の低下は(10.8%→10.4%)、サテライト棟(4月にサービスを開始)の業務立上に伴う一次的なコスト増による。
 
インシュアランス事業
売上高36億44百万円(前年同期比22.1%増)、セグメント利益2億07百万円(同106.8%増)。自動車メーカー及び中古車販売会社向け延長保証・メンテナンスプログラムが増収をけん引。ヘルスケア・プログラム(海外駐在員の傷害・病気への対処)も今期スタートした新規案件が順調に立ち上がった。また、子会社イントラストが手掛ける家賃保証事業も計画通りに進捗。円高ドル安が売上高を40百万円、利益を14百万円、それぞれ押し下げたが、家賃保証事業を中心に原価の増加が一巡した事で利益率が改善した(3.4%→5.7%)。
 
CRM事業
売上高13億59百万円(前年同期比0.7%増)、セグメント利益1億28百万円(同38.9%減)。国内外で既存受託業務の一部が終了した影響で利益率が低下した(15.6%→9.5%)。尚、円高ドル安が5百万円の減収要因となったが、利益面での影響はなかった。
 
カード事業
売上高7億03百万円(前年同期比6.2%増)、セグメント利益1億98百万円(同4.8%増)。日本人駐在員向けクレジットカードの会員数増加とカード会員向け付加価値サービスの拡大で売上・利益が増加した。会員数は米国が同6.9%増、中国が同6.2%増。尚、円高ドル安が売上高を49百万円、利益を13百万円、それぞれ押し下げた(利益率:28.6%→28.2%)。
 
プロパティアシスト事業
売上高9億36百万円(前年同期比27.4%増)、セグメント利益51百万円(同58.7%増)。不動産向けサービス(ホームアシスト)はフィールドワーク子会社との連携が成果をあげ既存受託業務を中心に売上が増加。リスク管理ノウハウの蓄積が進み、収益性も改善した。一方、コインパーキングのメンテナンス等の駐車場管理会社向けサービス(パークアシスト)は既存案件が堅調に推移する中、今期獲得した新規案件も順調に立ち上がった。セグメント全体の利益率が前年同期の4.4%から5.5%に改善した。
 
 
期末を越えて立替金及び前受金(流動負債)が減少したため、上期末の総資産は139億87百万円と前期末比7億28百万円減少。ただ、財政状態がスリム化され、自己資本比率は67.9%と同6.3ポイント改善した。一方、CFの面では、前受金の減少等で営業CFの黒字が減少する中、秋田キャンパス サテライト棟関連等で投資CFのマイナス幅が拡大した。
 
 
 
2013年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比2.6%の増収、同12.3%の営業減益
上期業績が期初予想を上回ったものの、山形BPOセンター開設のための準備オフィスの設置や人材採用の前倒し等を踏まえ、通期予想を据え置いた。進捗率は、売上高51.6%、営業利益51.8%、経常利益51.5%、当期純利益46.4%。為替レートの想定は1ドル=83.2円。配当は1株当たり期末7.5円を予定している(上期末配当7.5円と合わせて年15円)。
 
 
ロードアシスト事業
10月よりNKSJグループからの受託業務が、同グループとの合弁会社(株)プライムアシスタンスに移管される。業務拡大及び繁忙期に備え、人員採用やスタッフ教育を前倒しする等で、早急に人員確保を行い、安定稼働を目指す。また、主力業務の安定化に向け、NKSJグループ向け案件に代わる新規案件の獲得につなげるべく更なるサービス品質の向上に取り組む。
 
ロードアシスタンスサービスは自動車保険のオプションとして扱われていたが、需要が大きいため損保各社は自動車保険の標準付帯サービスとして取り扱いを拡大させていく考え。この一環として、国内3大損保グループのうち、同社の提携先であるNKSJグループを除く2社はロードアシスタンスサービスの専門子会社を設立したが、NKSJグループは同社との合弁会社(株)プライムアシスタンスを通じてサービスを提供していく。このため、NKSJグループの(株)損害保険ジャパン及び日本興亜損害保険(株)からの受託業務は、12年10月以降、合弁会社が提供し、同社はファシリティ利用料やシステム利用料、及び業務支援料を合弁会社から受け取る事になる。
 
インシュアランス事業
認知度の向上で需要が顕在化している延長保証プログラムは下期も成長トレンドが続く見込み。一方、潜在需要が大きいヘルスケア・プログラムは営業活動に経営資源を集中し、新規案件の獲得(潜在需要の掘り起こし)に注力する。また、オペレーション体制やスタッフ教育の見直しを行い、増加する業務ボリュームへの対応も進める。
 
CRM事業
上期は国内外での一部案件の終了が響いたが、下期は国内で新規案件が複数スタートする。引き続き新規案件の獲得に注力すると共に、カスタマーコンタクト業務のノウハウと経験を活かし、事業の横展開と深堀を進める。
 
カード事業
下期は米国においてクリスマス商戦によるカード利用の拡大が期待できる。航空会社や銀行との連携を強化し、カード会員向け付加価値サービスの充実を図る。
 
プロパティアシスト事業
ホームアシスト・サービスではフィールドワーク専門子会社との連携を更に強化しサービス導入率の向上に努め、パークアシスト・サービスでは既存受託業務の規模拡大と新規案件獲得に向け営業活動を強化する。
 
 
 
http://www.prestigein.com/IR/library/image/2013/2013_03_2Q_setsumei.pdf
 
 
今後の注目点
注力分野として挙げているインシュアランス事業の延長保証プログラム、ヘルスケア・プログラム、及びプロパティアシスト事業のホームアシスト・サービスがいずれも順調だ。延長保証プログラムでは、海外メーカーに比べて10倍以上の規模を誇る国内メーカーの攻略がこれから。一方、ヘルスケア・プログラムでは、日本人駐在員の増加を背景に東南アジアや新興国でビジネスチャンスが拡大している。また、ホームアシスト・サービスは高齢化や独居の増加等で社会的にもニーズが高まっている。実際、BPOキャンパスの追加投資に追われるほど同社サービスに対する需要は旺盛だ。このため、合弁会社への業務移管に伴い一次的に業績が足踏みするものの、業務移管の影響が一巡する来期下期以降は成長軌道への回帰が見込まれる。