ブリッジレポート
(3031:東証マザーズ) ラクーン 企業HP
小方 功 社長
小方 功 社長

【ブリッジレポート vol.23】2013年4月期第2四半期業績レポート
取材概要「今期も2ケタの増収・増益を見込んでいる同社だが、上半期までの業績は好調と言えよう。主力のEC事業では、「スーパーデリバリー」でサイト・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年12月25日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ラクーン
社長
小方 功
所在地
東京都中央区日本橋蛎殻町一丁目 14 番 14 号
事業内容
ネットを利用した卸売業
決算期
4月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年4月 9,101 140 133 109
2011年4月 8,057 125 116 160
2010年4月 7,642 102 102 108
2009年4月 7,018 93 93 89
2008年4月 5,662 -158 -158 -160
2007年4月 3,334 -205 -203 -305
2006年4月 2,289 131 95 122
2005年4月 1,247 26 23 45
2004年4月 890 -56 -57 -58
2003年4月 621 -104 -105 -130
2002年4月 494 -192 -193 -200
2001年4月 204 -171 -175 -179
株式情報(12/14現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
62,500円 18,162株 1,135百万円 8.9% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
未定 - 6,607円 9.46倍 68,147円 0.92倍
※株価は12/14終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ラクーンの2013年4月期第2四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
中小企業間の取引を便利でスムーズに行うためのサービスを提供する企業として、インターネット上でBtoB(企業間電子商取引)市場である「スーパーデリバリー」というeマーケットプレイス(Webサイト)運営している。
「スーパーデリバリー」は、アパレル、雑貨を中心にメーカー、インポーター等(以下、出展企業)の取扱う商品を、全国の中小規模小売店(以下、会員小売店)に販売している。

さらに2010年11月に売掛債権保証事業を行っている(株)トラスト&グロースを子会社化、これによって中小企業間決済事業を新たな事業ドメインと位置づけし、本格的に取組開始し、さらに2011年10月から、企業間取引を安心かつスムーズにする後払い決済サービス「Paid(ペイド)」の提供を開始している。
 
<事業内容>
 
1.「EC事業」 :スーパーデリバリーによる今までの中心事業
 
「スーパーデリバリー」は、アパレル、雑貨の商品を全国の中小規模小売店(以下、会員小売店)向けに卸販売する企業間取引(BtoB)サイトである。商品を販売する企業(以下、出展企業)が、「スーパーデリバリー」サイト上に出展、ショッピングモールのように並び、会員小売店と注文から出荷までのやり取りの他、商品についての問い合わせ対応を2社間で直接行い、商品代金の決済に関して同社を介して行う仕組みになっている。「スーパーデリバリー」を利用することにより、出展企業は、地方・中小小売店との取引上ネックだった決済機能、営業コスト、事務処理の手間を解消することが出来る。また、出展企業が許可した会員小売店にのみ卸値等の情報開示を行うため、ブランドイメージのコントロールが可能になっている。

一方、会員小売店は多様な旬の商品の仕入が可能になる。同社は受注・出荷のデータ処理と決済のみを担当するため、運営負担が少ない。債権回収リスクは同社が負うことになるが、信販・クレジット・保証会社を利用することでヘッジしている。小売店は月額2,000円の小売店会費を負担し、出展企業は月額4万円の出展基本料と「スーパーデリバリー」での取引金額の10%をシステム利用料として負担する。したがって会員小売店数、出展企業数が増加することが同社の売上総利益増につながる。また、会員小売店にとって商品の購入は「仕入」となるため、継続した取引となり、購入率、客単価がBtoCよりも高くなる。
 
2.「売掛債権保証事業」 :一昨年度第3四半期からの新事業
 
「売掛債権保証事業」は、11年4月期第3四半期から子会社化した(株)トラスト&グロースにおいて行っている事業である。「売掛債権保証事業」は、企業の取引先に対する売掛債権を保証することで保証料を徴収し、保証した売掛債権が支払い不能になった場合に予め設定した保証額を支払う。なお、同サービスは、EC事業の「スーパーデリバリー」に対してもサービス提供を行っている。企業は、同サービスを利用により、与信リスクの排除が可能になると同時に、与信のアウトソーシングと債権回収業務を削減することが可能になる。
 
 
2013年4月期第2四半期決算(連結)
 
<損益計算書サマリー>
 
 
2013年4月期第2四半期の損益計算書(連結)の状況は上表のようになった。

「利便性・専門性・先進性を追求した今までにない企業間取引のインフラを創造する」ことをグループビジョンとして掲げ、EC事業と売掛債権保証事業の事業規模の拡大に努めた。その結果、当第2四半期の連結売上高は4,724百万円(前年同期比9.2%増)となった。

利益面においては、新規事業である「Paid」と売掛債権保証事業において人員を増やした影響により人件費が増加したが、それ以外の販売費及び一般管理費を抑制したことで経費は全般的に低水準で推移した。これにより、四半期レベルでは過去最高水準の経常利益となった。しかし2012年10月に本社移転したことで、これに伴う費用31 百万円を特別損失に計上したため、四半期純利益は前年同期比では減益となった。

セグメント別の売上高はEC事業が4,604百万円(前年同期4,239百万円)、売掛債権保証事業が172百万円(同133百万円)となった。また各事業セグメントの概要や主な取り組みは以下のようであった。
 
(EC事業)
EC事業では、主力事業である「スーパーデリバリー」において、引き続き質の高い会員小売店及び出展企業を獲得した上で、客単価や稼働率の向上を図り、両者の継続した取引を拡大することで商品売上高を増加させていくことに取り組んでいる。具体的な施策として、当第2四半期では会員小売店が「スーパーデリバリー」で仕入(商品検索からカートへ投入まで)をよりスムーズに行える環境の実現のために、サイトのデザインや機能の修正及び新機能の追加を含む比較的大規模な改修を行った。

また、新たな施策として会員小売店向けに「スーパーデリバリー」のサイト上で、「店舗運営お役立ち動画セミナー」を企画し、日本ファッションスタイリング協会の協力のもとに動画配信サービスを始めた。これは会員小売店が店舗で接客等、販売活動をする上で役立つ情報の提供を行うもの。「スーパーデリバリー」では、会員の事業運営に必要な様々なサービスを提供する企業との連携に積極的に取り組んでいる。外部の充実したサービスを上手く「スーパーデリバリー」に取り込むことで、出展企業、会員小売店、外部サービス提供企業といった各参加ユーザーが、それぞれの強みを生かしあい単独では作り出せない新たな価値を生み出す流通ネットワークへと進化を図っていく、と会社側は述べている。

しかしこうした取り組みを行ってきたが、記録的な残暑の影響から秋物商品の立ち上がりが遅れた。10月に入ってから盛り返しがあったものの、四半期ベースでは影響を受ける結果となり、商品売上高は4,303百万円(前年同期比8.9%増)に留まった。なお、第2四半期末における「スーパーデリバリー」の経営指標は会員小売店数34,339店舗(前期末比1,434店舗増)、出展企業数1,042社(前期末比45社増)、商材掲載数374,714点(前期末比54,384点増)となった。 また第2四半期中の購入者数は8.199(前年同期7,651)、平均客単価は262,252円(同260,754円)となった。

一方、「Paid」においては、当第2四半期にサービス開始1周年を迎え、加盟企業は447社となった。引き続き知名度の向上及び加盟企業とPaidメンバーの獲得に注力するとともに、獲得した加盟企業とPaidメンバーのフォローも行った。この結果、EC事業の売上高は4,604百万円円(前年同期比8.6%増)。
 
 
 
 
 
 
 
(売掛債権事業)
売掛債権保証事業においては、フォロー体制の強化、販売提携チャネルの強化などに取り組んだ。その結果、第2四半期末における保証残高は2,778百万円(前期末比12.9%増)となり、売掛債権保証事業の売上高は172百万円(前年同期比29.3%増)になった。しかし営業力強化のため人員を増加したことで人件費が増加し、セグメント利益は8百万円(前年同期比12.8%減)となった。
 
 
 
 
 
 
 
前連結会計年度末と比較した各科目の増減は上記のようになった。
 
流動資産:81百万円増加して2,352百万円なった。増加の主な要因は売掛金が42百万円増加したことによる。
 
固定資産:17百万円増加して375百万円になったが、増加の主な要因は本社移転により敷金及び保証金が17百万円減少した一方で、ソフトウエア仮勘定が32百万円増加したことによるもの。
 
流動負債:142百万円増加して1,298百万円になったが、増加の主な要因は買掛金が157百万円増加したことによるもの。
 
固定負債:53百万円減少して191百万円になったが、減少の主な要因は長期借入金が返済により52百万円減少したことによる。
 
純資産: 10百万円増加して1,237百万円になった。増加の主な要因は配当金の支払いにより利益剰余金が18百万円減少したものの、四半期純利益28百万円の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
 
 
<キャッシュ・フロー>
 
当第2四半期キャッシュ・フローの状況は下表のようになった。
 
 
このキャッシュ・フローが継続するわけではないが、資金ポジションは以前に比べて改善していると会社側は述べている。
 
 
2013年4月期予想
 
<業績予想>
 
会社側では、上記のような2013年4月期の業績を下表のように予想しており、期初予想と変えていない。
 
 
*予想は会社予想の上限。
 
<下半期以降の取り組み>
 
会社側では、下半期以降、以下のような施策に取り組むと述べている。
 
(外部連携の取り組み)
スーパーデリバリーが抱える会員小売店、出展企業、各種データなどを連携することで、それぞれがより効率的に事業を進められる連携を構築していく。下図はそのイメージで各企業が抱える情報をやシステムを共有し、データを連携する仕組みづくりを考えている。
 
 
一つの例が下図にあるような在庫連携である。外部の在庫管理サービスにスーパーデリバリーを自動連携させることで、在庫管理サービスを利用する出展企業の在庫管理業務の効率化を促す取組みである。
 
 
また地方の小さな小売店はスタイリングに関する専門的な情報や知識を持った店員が少ないので、これらの店員が学べるような(店舗運営お役立ち)動画コーナーをスーパーデリバリーの中に立ち上げた。これによって地方の小売店はより店舗に来店したお客に似合うスタイリングを提案できるようになることで、顧客を囲い込み、売上向上することを期待している。
 
 
またスーパーデリバリーのPOS端末を連携させることで各種のデータを集計・分析し、これを共有することも可能になる。これによって各々は小さい小売店でも多くのデータに基づいたデータ分析を利用することが可能になる。
 
 
(出展企業のフォロー)
今後は出展企業のフォローアップも積極的に行っていく。出展してもらって終わりではなく、下図にみられるように出展後6ヶ月間はスタートアップのサポートを行い、その後はサービス全般の提案・案内などを発信する。これによって多くの優良出展企業の囲い込みを図る。
 
 
 
今後の注目ポイント
今期も2ケタの増収・増益を見込んでいる同社だが、上半期までの業績は好調と言えよう。
主力のEC事業では、「スーパーデリバリー」でサイトのデザインや機能の改修や「店舗運営お役立ち動画セミナー」の動画配信サービスを開始した。しかし生憎と記録的な残暑の影響から秋物商品の立ち上がりが遅れ、当第2四半期の売上高は上記のように微増に留まったが、今後これらの施策の効果は序々に現れるものと思われる。また会員の事業運営に必要な様々なサービスを提供する企業との連携にも積極的に取り組んでいる。

前期より開始した「Paid」事業は、知名度向上のための積極的な広告宣伝活動やスタッフの増強など、先行投資的段階にあるため、本格的な収益への貢献はもう少し先になりそうだが、本格稼働となれば同社の成長スピードは一段と加速することも予想されるため、その進捗スピードに注目する必要はありそうだ。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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