ブリッジレポート
(2375:東証マザーズ) スリープログループ 企業HP
関戸 明夫 代表取締役
関戸 明夫 代表取締役

【ブリッジレポート vol.23】2012年10月期業績レポート
取材概要「12/10期に利益が急増したため、その比較で13/10期は利益の落ち込みが目に付くが、2億円の営業利益はこれまでの同社グループの業績を考えると高水準・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年1月15日掲載
企業基本情報
企業名
スリープログループ株式会社
代表取締役
関戸 明夫
所在地
東京都新宿区西新宿 7-21-3
事業内容
IT環境やIT関連機器を提供する企業とその利用者に対して、サポートサービスを提供する「市場創造サポーター」を標榜。
決算期
10月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年10月 9,390 272 352 383
2011年10月 11,826 127 108 243
2010年10月 13,592 205 144 -635
2009年10月 10,028 10 35 -493
2008年10月 10,855 192 228 82
2007年10月 8,619 234 218 138
2006年10月 6,272 64 58 19
2005年10月 5,080 30 37 -54
2004年10月 2,830 150 146 -47
2003年10月 2,349 164 141 116
2002年10月 1,340 15 9 7
2001年10月 1,140 1 6 5
2000年10月 597 -92 -102 -103
1999年10月 379 -20 -21 -23
株式情報(12/26現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
204円 5,206,200株 1,062百万円 45.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0.00円 0.0% 21.13円 9.7倍 201.31円 1.0倍
※株価は12/26終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。BPSは株式分割前。
 
スリープログループの2012年10月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
ITに特化したBPO(Business Process Outsourcing)事業を展開。IT機器の「販売」から、その「導入・設置・交換」、更には問い合わせ窓口となるコールセンターと一気通貫のアウトソーシングサービスに加え、子会社スリープロウィズテック(株)を通して、技術者派遣等によるシステム開発支援やエンジニアリング開発(各種メーカーの設計・開発)支援も手掛けている。.丱薀鵐垢里箸譴織機璽咼好檗璽肇侫リオと優良な顧客資産、12万5千人の登録エージェントによる全国的なサービス展開力、B人佑淵法璽困悗療確な対応力・即応力、更にはて本におけるBPOサービスの成長性とSYNNEXグループ(後述)とのワールドワイドのシナジーを強みとする。
 
【事業内容】
事業は、BPO(Business Process Outsourcing)事業の単一セグメントだが、サービス内容別に、マーケティング&コミュニケーション(12/10期売上構成比30.6%)、フィールドサポート(同27.8%)、コンタクトセンター(同32.8%)、及びテクノロジー(同9.3%)の4分野に分ける事ができる。コンタクトセンター及びテクノロジーは収益性は平均的だが、長期契約が多く収益が安定している。一方、フィールドサポートは案件の多寡に季節性があり収益性の変動も大きい(年末年始、年度末、或いは夏商戦等のモノの動きが大きい時期に一定規模の動員力が要求され、こうした案件の収益性は高い)。また、マーケティング&コミュニケーションは販売促進や設備投資等、企業個々の需要への対応力が要求される。ニーズを取り込むための営業力が必要であり、対応いかんで収益性が変動する。
 
マーケティング&コミュニケーション
販売や営業の支援を行っており、マーケティングサービスとして、量販店の店頭等での消費者への商品説明、実演・イベント等の販売応援、売場環境・展示環境の整備、及び消費者の意見・競合他社や売場の情報収集等のサービスを、コミュニケーションサービスとして、法人や店舗を対象にした通信キャリアサービスの新規顧客開拓、地域での市場シェア獲得代行、モバイル基地局の営業支援・コンサルティング等のサービスを提供している。
 
フィールドサポート
ITに特化したフィールドサポートから運用保守にいたるまでをワンストップでサポート。具体的には、オフィスのITインフラ整備や電子マネー端末などIT端末の導入・設置、バージョンアップに伴う機器やソフトの入れ替え作業、更には運用・監視(ヘルプデスク、定期メンテナンス、駆けつけ障害対応)等のサービスを提供している。
 
コンタクトセンター
同社施設を利用した電話業務全ての受託や顧客の施設内で業務を行うコールセンター受託サービスを中心に、コールセンターの構築等に関するコンサルティング及びテレフォンオペレーターやリーダーの派遣サービスを提供している。
 
テクノロジー:スリープロウィズテック(株)の事業領域
サービスは、自動車部品メーカー向け基幹システム、化粧品メーカー向け生産管理システム、通販Webサイトシステム等の実績を有するシステム開発と、自動車メーカーの機械CAD設計、自動車部品メーカーの電子・制御システム開発・実験・解析・生産管理、更には化学製品・建設機械・事務機器メーカー向けシステム等の実績を有するエンジニアリング開発に分かれる。
 
【成長戦略 BPO事業への経営資源集中で成長を目指す】
第1、第2の創業 「ITビジネスのパートナー」「市場創造サポーター」として事業を拡大
1977年1月に(株)ザポイントスタジオとして創業。休眠会社として活動を停止した時期もあったが、96年4月に開始した導入・設置交換支援サービス(スリープロ事業)が転機となり業容が拡大。99年1月のスリープロ(株)への社名変更を経て、2003年11月に株式を東証マザーズに上場した。その後は、M&Aでサービスラインナップを拡充し、IT業界に特化した販売支援、導入・設置・交換支援、及び運用支援を手掛けるBPO事業を展開。06年5月にはスリープログループ(株)に商号を変更し、持株会社へ移行。第2の事業の柱としてパソコン教室等の学習支援サービスの育成にも取り組み、10年3月にはパソコン教室大手の(株)アビバを子会社化した。
 
第3の創業 (株)グローバルBPOを筆頭株主に迎えBPO事業に経営資源を集中
上場後はM&A効果で売上が拡大したものの、外部環境次第で利益が大きく変動する不安定な状態が続いた。10年11月に中興の祖とも言える高野氏が辞任し、11年4月から6月にかけて(株)グローバルBPOが同社議決権の16.13%を取得。BPO事業に経営資源を集中するべく、同年8月に(株)アビバの株式を全株売却した。

尚、(株)グローバルBPOはデータ入力及びそれに伴う事務処理の受託等のBPOサービスを提供しており、ニューヨーク証券取引所に株式を上場するSYNNEX社(米)グループ傘下の日本法人。11年8月に開催された臨時株主総会において、(株)グローバルBPOの代表取締役を務める関戸明夫氏がスリープログループ(株)の代表取締役に、SYNNEX社の創業者であるRobert Huang氏が取締役会長(社外取締役)に、それぞれ就任した。

また、SYNNEXグループはハードウエア、ソフトウエア、サービスソリューション等のITディストリビューションを展開しており、年商は8,000億円を超える(11/12期:10,410 $M)。SYNNEXグループとの協業はスリープログループ(株)にとっても大きなビジネスチャンスであり、具体的には、SYNNEXグループが提供するプロダクトやサービスの営業販売支援の受託、SYNNEXグループが納品したプロダクトの導入・設置・交換業務の受託、更にはSYNNEXグループが提供する商品やサービスから生じる運用・保守業務の受託等で大きなグループシナジーが期待できる。
 
12/10期は、営業、経常、当期の各利益段階で最高益更新
(株)グローバルBPOとの提携の実質初年度となる12/10期は、海外PCメーカーのPC店頭販売支援のシェアが拡大した他、スマートフォンの急速な普及を背景にWi-Fi設置業務や基地局(簡易アンテナ)の設置業務も増加。スマホキッティングやWindows新OSの導入支援等の案件も増加し、増収効果で営業利益が倍増。営業利益以下の各段階で最高益を更新した。尚、上記のサービスは、その後の、メンテナンスやヘルプデスク等の業務の呼び水にもなる。
 
13/10期は主要取引先である国内大手家電メーカーの苦戦等を踏まえ慎重な予想
海外PCメーカーの店頭販売支援やスマホキッティング・Windows新OSの導入支援等が引き続き堅調に推移する他、新規コールセンター案件等の寄与も見込まれるが、主要取引先である国内の大手家電メーカー等の苦戦や前期の業績に寄与したWi-Fiアンテナ設置支援業務の一巡を踏まえて業績予想は慎重なものとなった。
 
 
【スリープログループの強み】
スリープログループの強みとして、バランスのとれたサービスポートフォリオと優良な顧客資産、12万5千人の登録エージェントによる全国的なサービス展開力、多様なニーズへの的確な対応力・即応力、更には日本におけるBPOサービスの成長性とSYNNEXグループとのワールドワイドのシナジーの4点を挙げる事ができる。
 
(1)バランスのとれたサービスポートフォリオと優良な顧客資産
12/10期の売上構成比(マーケティング&コミュニケーション30.6%、フィールドサポート27.8%、コンタクトセンター32.8%、テクノロジー9.3%)が示す通り、バランスのとれたサービスポートフォリオを有しており、IT機器メーカー、家電メーカー、精密機器メーカー、自動車メーカー、食品メーカー等、国内外の有力メーカーを顧客としている。
 
(2)12万5千人の登録エージェントによる全国的なサービス展開力
全国的な拠点展開と12万5千人の登録エージェントにより、全国規模の大型案件への対応はもちろん、地域毎のニーズにも対応可能である。
 
 
(3)多様なニーズへの的確な対応力・即応力
多様なニーズへの的確な対応力・即応力も強みであり、12/10期は、海外PCメーカーの日本における販売店舗の拡大戦略に対応したPCの店頭販売支援、急速に普及が進むスマートフォン向けのWi-Fi中継器の設置、更にはスマホキッティング(スマートフォンを業務に導入する際の必要なアプリのプリインストール等)やWindows新OSの導入支援等が好調に推移した。
 
(4)日本におけるBPOサービスの成長性とSYNNEXグループとのワールドワイドのシナジー
企業内の間接業務が標準化されている欧米では、経営効率を高めてグローバル競争に勝ち抜くべく、IT業務のアウトソース化など広範囲の業務にBPOが活用されており、11年の世界のBPO市場は約25兆円と試算されている。これに対して、日本のBPOの市場規模は約1兆円に過ぎない(いずれも11年の予想値で同社資料より引用)。日本では、現状、認知不足と品質への不安に加え、業務の非標準化等がBPO普及の妨げとなっているが、それだけにアウトソースに対する潜在的ニーズは大きく、実際、足下ではBPO活用のメリットが浸透しはじめている。こうした中、スリープログループは(株)グローバルBPOを通じてSYNNEXグループと連携し、ITを中心としたBPOサービスを相互補完的に推進する事でシナジーを発揮し、新たなステージに進んでいく考え。
 
 
2012年10月期決算
 
 
営業利益以下の各利益段階で最高益を更新
売上高は前期比20.6%減の93億90百万円。子会社を売却し教育支援事業から撤退した事が30億円強の減収要因となったが、主力のBPO事業に限れば、同7.4%の増収。海外PCメーカーの日本における販売店舗拡大戦略の取り込みでPC店頭販売支援のシェアが拡大した他、スマートフォンの急速な普及を背景にWi-Fi設置業務や基地局(簡易アンテナ)の設置業務も増加。スマホキッティング(スマートフォンを業務に導入する際の必要なアプリのプリインストール等)やWindows新OSの導入支援等の案件も増加した。

利益面では、子会社売却等も含めて事業の選択と集中を進め分散していた経営リソースを集約すると共にコスト削減にも取り組んだ結果、収益性が改善し営業利益率が前期の1.1%から2.9%へ改善。営業利益は2億72百万円と同2.1倍に拡大し最高益を更新した。前期に処理した貸倒引当金(58百万円)や偶発損失引当金(38百万円)の戻入による営業外損益の改善で経常利益は3億52百万円と同3.2倍に拡大。和解清算益94百万円など特別利益1億08百万円を計上した事や税負担の減少等で当期純利益は経常利益を上回る3億83百万円で着地した(当期純利益が同57.5%の増加にとどまったのは、前期は子会社株式売却益3億39百万円を特別利益に計上したため)。
 
 
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
事業の選択と集中を進めた結果が財政状態及びCFにも表れた。現預金が増加する一方、売上債権や未払金、有利子負債等を中心に全体的にスリム化が進み、期末総資産は28億円と前期末比49百万円減少。CFの面では、利益の増加に加え、事業の選択と集中を進めた事による資金効率の改善で営業CFが前期比2.4倍に拡大。各種投資の減少やM&A関連の支出の減少で投資CFも黒字となり、前期は1億05百万円のマイナスだったフリーCFが4億53百万円の黒字に転じた。有利子負債の削減を進めた結果、財務CFがマイナスとなったものの、現金及び現金同等物の期末残高は10億20百万円と前期末比45.8%増加した。
 
 
※ 足元、財務内容が急速に改善
長期のトレンドを見ると、(株)グローバルBPOの傘下に入った11年半ば以降、財務内容の改善が急速に進んでいる事がわかる。
 
 
 
2013年10月期業績予想
 
 
前期比4.2%の減収、同46.7%の経常減益
海外PCメーカーの店頭販売支援やスマホキッティング・Windows新OSの導入支援等が引き続き堅調に推移する他、コンタクトセンター業務において、BCP(business continuity plan:事業継続計画)対策の一環としてのコールセンターの冗長化ニーズを取り込んだ新規案件等の寄与も見込まれるが、主要取引先の一角を占める国内大手家電メーカー等の苦戦や前期の業績に寄与したWi-Fiアンテナ設置支援業務の一巡を踏まえて業績予想は慎重なものとなった。経常利益及び当期純利益の減少が大きいのは、貸倒引当金及び偶発損失引当金の戻入や特別利益計上等の一時的な要因が無くなるため。
尚、13年1月1日付け(権利付き最終売買日:12年12月26日)で1株を300株に分割し、100株を1単元とする単元株制度に移行する。
 
(2)13/10期の取り組み
BCP対策の一環としてのコールセンターの冗長化等でコールセンター需要が堅調な事から、福岡市にコールセンター(230坪)を新設する予定。福岡は教育レベルが高く、Uターン志向も強いため、相対的に人材を確保しやすい。また、取引先がCCNA(Cisco Certified Network Associate)等の資格保有者を希望するケースが増えているため、12万5千人のエージェントに対する研修を従来以上に強化する他(エージェント向けの資格取得講座を毎週日曜日に開講)、登録時のスキルテストも導入し「質」の充実も図っていく。この他、(株)グローバルBPO傘下のIT流通大手シネックスインフォテックとの共同提案を強化していく他、SYNNEXグループとの連携にも取り組んでいく。
 
 
今後の注目点
12/10期に利益が急増したため、その比較で13/10期は利益の落ち込みが目に付くが、2億円の営業利益はこれまでの同社グループの業績を考えると高水準。(株)グローバルBPOの傘下に入った11年半ば以降、事業の選択と集中を進めると共にグループをあげてのコスト削減に取組んできた成果であり、収益性・財政状態が共に改善し収益体質の強化が進んでいる事が背景にある。12/10期には、その後のメンテナンスやヘルプデスク等の業務の呼び水にもなる案件の取り込みが進んでおり、今後、更なる業績の安定性向上も期待できる。しかし、(株)グローバルBPOとのグループシナジーについては緒に就いたばかりで、(株)グローバルBPO の親会社であるSYNNEXグループとのシナジーはこれから。前期の反動もあり、今期は踊り場となりそうだが、依然として中長期的な伸び代は大きい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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